平成20年2月13日    大阪市長会見要旨

【環境局の裏金報道について】

本日の新聞朝刊で、環境局のリサイクル施設費に関する報道が出ておりまして、今日はまず、その件から少しお話をさせていただこうと思います。
この件につきましては、先週の金曜日に第一報という形で(報告を)受けておりました。しかし先週の金曜日の段階では、資金をプールした経緯が不明であるなど、詳細については(これから)調査を始めるということでございましたので、その段階ではまだ発表するには至らないと考えておりました。
今朝の新聞を見まして、私も知らないことが載っておりまして、そこまで取材が進んでいるというか、1300万円という事とその性格は現時点でも私は全く分かっておりません。
それが判明すれば、もちろん隠すつもりはございませんし、その段階で公表するつもりにしておりました。そして、昨日から調査に入ったという話を聞いておりますけれども、この件に関してはこの庁内でも極めて限られた人間しか知っていない情報が、ああいう形で私も知らないところまで含めて出てしまうということで、市役所の情報管理という部分で言うと、私は情報公開を自分のモットーとしておりまして、すべての情報を皆さんにお出しすると常々言っておりますが、まだ整理も何もできていない段階で情報を出すことが果たしていいのかどうかという部分では、今後また皆さんといろんな形でお話をしながら、どの段階で情報を出せばいいのか、あるいは、市役所としては日頃やっている業務もございますので、その業務に支障が出ないように、そして隠すことは一切しないというスタンスを守りながら、きちんと整理ができる、あるいは方向性の説明ができる、あるいは中間発表としてまとめる、そういうような段階で今後お話をしていきたいと思っております。また、皆さんのご意見等もおありだと思いますので、それは後ほどまた聞かせていただければと思います。
それから先日、コンプライアンス委員会(公正職務審査委員会)からの勧告を受けまして、2月5日に全庁調査の指示を出しましたが、そのうち、金庫・キャビネットの総点検と公金外現金の監査状況の調査につきましては、今日が報告の締め切りとなっております。この二つの調査結果を含めて、明日、現段階での状況を中間報告として公表する予定にしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
まず、本日の新聞報道についてでございました。

【『ひがしなり区民参画協働センター(仮称)』のオープンについて】

次に本日の項目でございますけれども、東成区における市民協働の拠点としまして『ひがしなり区民参画協働センター(仮称)』を来月3月23日にオープンいたしますので、その説明をさせていただきたいと思います。
このセンターは、東成区において市民協働のまちづくり活動に取り組む地域の団体、NPO、そしてボランティアグループ、個人、企業など多くの市民の皆さんが、ミーティングやイベント、情報交換、交流などに使える、そしていろいろなコーディネートやアドバイスなども受けられる、いわば「地域における市民協働の拠点」として、身近なところで、気軽に使っていただこうということで開設するものです。
もともと、市民協働のまちづくり活動と言いましても、市民の皆さんが気軽に使えるスペースすら、簡単には確保できないという状況がございました。
そこで、「区役所が市民協働の拠点である」という区政改革基本方針のもと、市民の皆さんに身近な区役所において、「お手軽に市民協働の拠点を提供する」という観点から、東成区役所が平成19年度に整備を手がけてきたものです。
センターの内容でございますけれども、場所は東成区役所の1階です。昨年10月に税務事務集約化に伴う庁舎リニューアルの中でおよそ200uというスペースが生まれましたので、そのスペースを活用しました。ここに(『ひがしなり区民参画協働センター(仮称)』の)模型がございます。実は、この模型も市民の方が作ってくださったということです。もちろんこういうものを作る専門のお仕事をされている方がこの運動に加わってくださったということです。ここにありますのが市民協働のスペースでございます。ミーティングスペースや可動式のステージ、さらにスピーカーなども備えているということです。このセンターは、「小さく作って大きく育てる」というのを基本理念にしています。
まずは「必要最小限」のものでスタートしまして、今後の展開の中で何が必要か少しずつ分かってくるだろうから、それに応じて、実際に使う市民のグループの皆さんと議論を進め、意見もいただきながら、必要な備品や設備、機能を徐々に整えていこうということです。現在はまだ未完成と言えるわけですが、将来は充実したものにしていきたいと思っております。 こういった、いわば「成長型施設」みたいな発想が、「市民協働」といった発展途上にある仕組みに対応するためには必要なのではないかと思っています。
今回のセンターづくりは市民協働を盛り上げる絶好の機会と私はとらえております。そして、公募によって市民の力で「市民協働によるセンターづくり」を進めてまいりました。
この公募はどういうふうにしたかと言いますと、センターの内容検討でありますとか、オープニングイベントの実施・企画そしてソフト面を担当するグループを集めること。もう一つは、得意とする技術や製品の提供、工事の施工など、センターのハード面を担当するグループ。この2つのグループへの公募を募りました。そしてソフト面を担当するグループは、大学の先生でありますとか、事業経営者、会社勤務の方、主婦の方など、多士済々の東成区民およそ15の方が応募してくださいました。グループ名が「参画協働センターをいっしょにつくろう会」として、昨年8月から今までに熱い議論を重ねてくださったということです。
議論に際しまして、区役所が事務局案などで議論をリードするということをしませんでした。すべて皆さんにお任せしますと。そしてその中で、「いや、それは区役所にはできません」というような事、様々な意見を交換、というよりはむしろ戦わせるような激しい議論も時にはあったと聞いております。その議論をホームページに掲載したり、あるいはオブザーバーフリーにするなど、ガラス張りにした結果、非常に実りのある企画づくりが行われたと聞いております。
お手元に東成区からの報道発表資料をお配りしております。「東成のまちづくりに全員集合!」とございますが、センターの説明と、愛称を募集しておりますということです。3月23日にオープンします。そして、センターの運営やイベントの参加・協力をいただけるボランティアスタッフを募集しております。それから23日のオープニングセレモニーは3月23日に生まれた東成区民の方に参加してもらおうということで、こういったアイデアを3つ並べておりますが、この公募アイデアも先ほどの「参画協働センターをいっしょにつくろう会」というこの会の皆さんの発案でございます。3月23日のオープン当日にセレモニーが開催されますが、私もその日は是非会場に行かせていただきたいと思っております。日曜日で休みの日ですけれども、記者の皆さんもぜひ取材をお願いしたいと思います。
東成区で市民協働の場となれるよう、オープンしてからも成熟していく施設でございますので、ご注目いただきたいと思います。設備等も、東成区に拠点があります企業のご協力を得たりした設備が中にいっぱい入ってございます。ご協力をいただいた企業名もこの中に書かせていただくという予定にしております。「あっ、東成が元気やな」ということで、ますますこれからも元気になるということを皆さんに見ていただける、実感していただける施設になるのではないかと思います。
東成区以外にも、市税事務所にかかる税務課のスペースを活用した区役所の動きというのがあちこちで今、盛んになってきておりますので、今後もこういった形で本当に区政改革基本方針に則った形、あるいは市民の皆さんの自発的な協力姿勢というものがどんどん市役所を後押しする、あるいは市役所も一緒になって前向きに進んでいくという動きになればと思っておりますので、ご紹介申し上げました。

【“ぴあ”とタイアップした おでかけ&子育てガイドブックの発行について】

そして、もう一つ、これもちょっとコマーシャルになってしまって申し訳ないのですが、『こどもとおでかけ「ぴあ」の発行』についてご説明いたします。
お手元に『本当に使えるおでかけ&子育てガイドブックを発行』という報道発表資料をお配りしております。
大阪市では、ともすればお堅いなぁというイメージでとられがちな市政情報を分かりやすく、かつ親しみやすく紹介し、大阪のまちのイメージアップにつなげるため、昨年度から民間情報誌とタイアップした情報発信を行っております。
昨年度は、大阪市が設置しております多彩な美術館や博物館の魅力を取りあげましたが、今年度は、大阪市とその周辺地域の子育て層をターゲットにしまして、親子で楽しむことのできる市内の主要な公園や公共施設の魅力、あるいは大阪市のさまざまな子育て支援の取組みを取り上げております。
別冊になって中に入っております「子育てポータルガイドブック」ですが、大阪市(内)の、あるいは大阪市が(実施、提供している)様々な子育てに最適な施設であるとかサービスであるとか、そういうのを特集した別冊になっておりまして、子育てサポートマップが後ろについているという形になっています。
去年は2ページだけ大阪市の情報が入っていたということでしたが、今年はタイアップさせていただいたおかげで、最初のページを開いていきますと、大阪市の観光ポイントがいきなりこのように14ページから27ページまで14ページ分、カラーで紹介されております。こうした形でぴあ株式会社とタイアップした情報誌「おでかけガイドブック『こどもとおでかけ365日関西版』2008年度版」が2月16日の土曜日から近畿圏の主な書店や大手スーパーなどで発売されることになりました。多くの皆さん、とりわけ現在、子育てに頑張っておられるお父さん・お母さんに、この冊子をご利用いただいて、大阪市の都市魅力を、まちの魅力を少しでも感じていただければ、と期待しております。
また、皆さんにもぜひ、紙面や放送で取り上げていただきたいと思います。
発売は2月16日の土曜日で、1冊880円ということで、大阪市の魅力が満載でございます。よろしくお願いします。
私のほうからは以上です。

質疑応答
記者
先ほどの環境保全部のプール金に関して質問をしたいのですが、2つあります。先週の金曜日に一報を聞いた時の感想と、今後、その環境保全部に関してどういう調査をしていくのかの2点について教えてください。
市長
感想ですが、本当に一報でございましたので、どういう形で何のお金かというのが、その時点では分かりません。早急にその調査をするようにという指示をするのが精一杯の段階です。見つかった経緯等も私が聞いた段階では、不適正資金が本当に有るのか無いのかという調査を全庁に出したその経緯で、「あれっ、預かった通帳があったような気がする」ということで探してみたら出てきたというようなことです。それが1300万円ということを聞いて、新聞でも読んで、びっくりした次第でございます。第一報でも1000万円を超えているという情報があったようには記憶しております。
今後、もちろん徹底した調査をすると同時に、一体どういった性格のお金であったのか、本来どこに流れるべきお金であったのか、あるいは、不正なプールであったのかということを徹底的に調査したいと思っています。
記者
1300万円というのは、結構な大金だと思いますが。
市長
すごい大金です。
記者
この管理のあまりにもずさんな在り方について、どう思いますか。
市長
どう思うも何も、これが何のお金か、今は全く性格がつかめていないので、本当にきっちりと調査をした上でご報告をさせていただきたいと思います。どうしてそんなお金がそこにあるのかという部分では本当にびっくりしました。それから3連休に入りましたので、昨日から現地調査に入ったと聞いております。
記者
今の段階で、どういった目的でプールされて、どういった目的で支出されていたのか、どこから収入があったのかということについては、どこまで調査が進んでいるのでしょうか。
市長
それは環境局長から答えてもらいます。
環境局長
先ほど市長が申しましたように、昨日からヒアリングを開始しておりまして、今の段階で私どもは、このお金は資源再生業に関する共同作業場の管理運営費の一部ではないかと推測をしております。この共同作業場につきましては、本市が管理業務を委託しております。従いまして、その委託の経費がこの通帳の中にあったのではないかと思っております。
市長
その通帳の動きですけれども、何年何月から(お金が)動いていないとかという情報は入っていますか。
環境局長
通帳は4冊ございます。解約されたものが3冊、現在使用できるものが1冊でございまして、期間が平成9年5月15日から平成15年3月16日でございます。最終の引き出しは平成15年1月27日でございます。
記者
支出先は。
環境局長
支出先については、その委託経費の目的に従って、共同作業場に関わっての人件費であるとか、物件費に関わってのものに支出されていると理解をしておりまして、その点で、この通帳の項目につきまして現在、項目ごとに精査をしている最中であります。
記者
通常、そうした市の管理運営費というのは、職員の個人口座に預金するものなのでしょうか。
環境局長
それは私どもも、同じように疑問を抱いております。この流れにつきましては、現段階で明確に申し上げることはできませんが、この点につきましては当時の担当者も含めまして、どうしてこんなお金の流れになったのかといったことも含めて確認をしていきたいし、また、確認を今、しているところでございます。
市長
一言付け加えますと、私自身もこういう話を聞く時間がなかなか無かったということで、そういう情報を特に現場で今集めつつある状況です。まとまった形でお出しできないというのは、申し訳ないと思いつつ、現在調査中であるということはご了解いただいきたいと思います。それと、これに関しても、これから先についても、それから先週から言っておりますようなお金の流れについても、本当に、一切隠す気はございませんので、すべてきちっとご報告できる時点でお出ししますし、途中経過という形ででも、皆さんの納得のいく形でお出ししたいと思っています。ただ、やはり市役所としましても、日常業務等がございますので、その取材が殺到することによって、日常業務に影響が出るという部分をやや恐れている部分はありますが、その一方で、本当に隠すつもりはございませんので、どういう形で皆さんの前に情報をお出したらいいのかというのも、いろんな形で意見交換等をさせていただきたいなあというのが私の本音でございます。
記者
現時点で他はどうなのでしょうか。
市長
それは明日、ご報告することになると思います。
記者
これですべてではないということでしょうか。
市長
これが、前に調査を指示しました裏金にあたるのかどうかという性格自体が分かっておりませんので。数件、報告は来ています。でも、それをまとめるのは今日がデッドラインです。ですから、今日の何時を締め切りにするのか分かりませんが、現場で今、一生懸命集めて、なおかつ、それを精査する作業を、中間報告できる材料を今、整理しているところですので、明日の会見までお待ちいただきたいと思います。
記者
ちょっとしつこくて申し訳ないのですが、数件というのは、今回の2件を除いて数件あるということですか。
市長
そうです、はい。
記者
ばくっとした金額は。
市長
それは聞いておりません。まだその報告はあがってきておりません。一報という形で入ってきておりますので。それを私は法務監察室に任せておりますので。法務監察室が14日に発表するということで、13日締め切りという形で今、精査する段階に入っておりますし、そこから先の調査もまた進めていかなければなりません。ですから明日、総務局長のほうから中間報告をさせていただくということです。
記者
段取りとしては、今日発表していただくと非常にありがたいのですが。
市長
法務監察室にもそれを言ったのですが、やはり、全部集める日程を今日という日付にしていますので、各区役所からどういう情報があがってくるのかも含めて何時まで待つんだということもありますが、一応明日のつもりでおります。(総務局に対して)今日出せるとしたら何時に出せる?区役所の集約状況をまとめないといけないから分からないでしょ。
総務局長
今日出すとしても深夜になります。
市長
深夜になりますか。それでもいいですか。
記者
一番段取りがいいのは、今日、市長が数件とおっしゃっているので、その把握されている分、市長が聞いていらっしゃる分についてだけでも(教えていただいて)、後からまた補足で、夜遅くに、「こういう件がありました」というのが一番いい。おっしゃった以上はそうしておくのが一番スムーズだと思いますけれど、それは市の判断ですから。
市長
(総務局に対して)出せるとしたら何時ぐらいに出せますか。
総務局長
今日締め切りますので、すべて(を今日発表すること)は無理だと思います。今、市長に報告している分についても、中身がまだ分かりません。そういうものでよろしければ。今晩、何時頃になるのかは、実務もありますから聞いてみないと分かりませんけれども。
市長
本当に隠すつもりはないのですが、こちらとしてはやはり、あがってきた情報が本当に今回調査を指示した裏金と呼べる性格のものなのかどうか、そしてなおかつその金の流れ、動きをどこまで遡れるか等の状況もある程度つかんだ上で、ご報告したいと思っているのですが。(総務局に対して)22時ぐらいに可能ですか。
総務局長
ただ、全貌は無理ですが。
市長
それなら例えば、明日の記者会見を今日に早めるというつもりで、可能ですか。 いかがですか。夜(遅く)になってもいいですか。
総務局長
市長、ちょっと無理ではないかと思うのですが。
市長
無理?やっぱり?きちんとした形でお出しできる自信がないということなので。数件というふうに私が言ってしまったのが間違いだったのですか?そうは思わないんですよ。本当にきちんとした形でお出ししたいという部分はあるんです。
記者
要は、言い方として、職員の個人口座、個人名義の口座で保管されている金額がこれぐらいあるとか。
市長
いや、だから、それが口座なのか現金なのかも分からない。
記者
現金かどうか分からないけれども、そんなに難しい話ではなくて、その裏金かどうかを精査していく作業はこれからすると。要は数件とおっしゃったのが何件ぐらいでどれぐらいの規模なのかを発表していただいたほうが確かな正確な報道になるのではないかということです。
市長
私は金額等細かいことをまだ聞いておりませんので、その報告をまとめるのが今晩だという気持ちでおりますから、明日、まとめてきちんとした形でご報告させていただく。中間発表です。まだ最終発表ではございません。出てきたこと自体、私は「まだあったのか」というのが正直なところです。これはやはり、徹底してやるという号令を出したことによって出てきたことでもあると思いますので、今後、一切緩めることなく、調査は続けていきたいし、調査をしたうえで、本当に不正なお金の流れである、責任を追及できるということであれば、厳しく責任も追及していきたい。このように思っております。これで今晩、どうしてもという部分については、総務局長が自信がないということですので、申し訳ありませんが、明日の予定どおりやらせていただけませんか。
記者
一度、記者クラブで調整をしてみて、要望するのであれば、改めてしたいと思います。
市長
私が「数件と聞いている」ということを言ったがために混乱を生じさせたのなら申し訳ないです。
記者
いや、別に混乱ではないですが、「今の段階ではここまでしか分かりませんけど出します」という部分では、正確になるのであれば、できるだけ出していただきたい。
市長
環境保全部の1300万円の話についてもそうなのですが、結局、私も知らない情報が、ああいう形で先に出てしまうという部分と同じで、ある程度情報がまとまったところでお出ししたいというのが正直なところなのですが、ばらばらと、いろんな形で出ても逆に現場が混乱するだけという部分もあります。これは市役所の言い分じゃないかというご指摘を受けるかもしれませんが、これは徹底してやりますので、そこを信じていただきたいということと、本当に事務能力的にも今、職員はぎりぎりいっぱいのところでいろんな調査を、ヒアリングも含めてやっております。そうしたヒアリングの成果みたいなものも集約していくわけですから、今日がデッドラインであると決めた以上、明日、中間発表をするということになりますので、それから先の細かい調査という部分も並行してさらに深い調査に入っていくわけですから、それは猶予をいただきたいというか、時間的にこちらのスケジュールも考えていただきたいというのが正直なところです。その上でクラブ側のほうからまたご要望があれば、お聞きするということでよろしいでしょうか。
 

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