平成20年3月21日    大阪市長会見要旨

【不適正資金等の調査の進捗状況について】

こんにちは。よろしくお願いします。
本日の定例会見の項目ではございませんが、いわゆる不適正資金、裏金につきまして現在の状況をまず、ご説明申し上げます。
現時点の調査の進捗状況でございますが、裏金、預けにかかる関係書類を各所属から集め、ほぼ出揃ったと聞いており、支出決議、支出命令書、納品書など、書類上の整合性の確認などの調査に入ったところでございます。早急に調査を進め、聞き取り調査との整合性につきましても確認することとしております。内容については、作業の進捗度合いをはかりながらご報告申し上げます。
3月14日付で公正職務審査委員会から頂きました意見書につきましては、真摯に受け止め、早急に対応したいと思っております。中でも、外郭団体に対する委託費の会計処理につきましては、有効な調査を関係局と検討し、早急に着手するように、法務監察室に指示をいたしました。
再発防止策でございますが、職員の意識改革が何よりも必要であると考えておりますが、事務の手続きについても公会計システムを検証し、どこをどうすべきかということを追求してまいります。今回の問題で、職員が会計システムをよく理解していなかった、知らなかったということも判明してきております。一部の経理担当者だけしか知らなかったということや、周囲の注意が至らなかったことも考えられます。このため、平成20年度早々から、会計の事務手続きにつきまして、その基本的な部分を、コンプライアンス研修の一環として、全職員を対象に実施することとしております。
意見書では、返還金や職員の責任問題についても言及されておりますが、これから明らかになった事をもとに出来るだけ早く方針を打ち出したいと思っております。
裏金問題については、終着点がまだ見えてきておりませんが、判明した事実や方向性について、これからも定例会見におきまして、出来るだけ皆さんにご説明申し上げたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【「日本ジュニア数学オリンピック」成績優秀者市長表彰】

では、本日の定例会見の項目にまいりたいと思います。大阪市にとって、大変、明るいニュースでございます。第6回「日本ジュニア数学オリンピック」大会で大阪市立瓜破北小学校6年生の中村 聡志君が2位(銀賞)という優秀な成績を修められました。
大阪市では、大阪市の教育の振興に大きく寄与し、後輩はもとより大阪市民に広く希望を与え、大阪市民の誇りとなる中村君の今回の功績を称えて大阪市長表彰を行います。
「日本ジュニア数学オリンピック」は、中学生以下の若い世代の数学的な才能の発掘・問題解決力の育成をめざす大会であり、更には国際数学オリンピックへの日本代表選手となりうる人材の早期育成を行う大会だということです。成績優秀者は「日本数学オリンピック」本選の受験資格も与えられるということです。
試験の内容は世界の先進的な中学校程度ということでありますが、今回の第6回大会は、受験総数859名、うち中学生が849名、小学生10名、その中から金賞・銀賞・銅賞を受賞したトップランク入賞者が12名で、中村君は唯一小学生として2位(銀賞)の成績を修められました。上位12人の中で小学生が入っているのが、中村君一人ということでございます。そして、これまで6回の「日本ジュニア数学オリンピック」大会の歴史上も、上位を中学生が占めるなか、小学生が上位に入賞したのは今回の中村君が初めてということでございます。たいへん名誉なことだと思います。
中村君はどういうお子さんですかと聞きましたら、数学だけでなく、国語も得意で、大変明るく元気なお子さんだということです。
大阪府の小中学校で学力問題が話題になっておりますが、中村君の今回の成績は教育委員会においても、良い刺激と受け止め、児童・生徒一人一人に応じた確かな学力の育成に努めていただきたいと思っております。今回の明るいニュースを励みとし、今後も大阪市の教育の更なる充実に向けて、教育委員会とともに取り組んでまいります。
表彰ですが、3月24日に行う予定とさせていただいております。皆様にも取材していただき、この明るいニュースを市民の方に伝えていただきたいと思います。
どんな問題かというのを見せてもらったのですが、例えば、「次の計算をせよ。 877×879−121×123」。これを2、3秒で解かれるそうです。何か方程式があるそうなのですが、2、3秒で解いたということです。東大を出た大阪市役所の職員にやってもらったら5分かかってできたということなのですが、答えがあっているかどうか、本人は自信がないと言っていたということです。他にも大変な問題があって、試験時間は2時間半だったそうです。
3月24日に中村君に会えるのを楽しみにしています。

【4月から市長がテレビとラジオにレギュラー出演】

大阪市が提供させていただくテレビやラジオの番組のご案内をさせていただきます。
市長としていかに大阪市を売り込むか、「シティセールスマンになりたいんだ」ということを選挙中も言っておりまして、市会でも質疑の中で、「セールスマンと言ったんだから、もうちょっと外に出ていかないと」みたいなことを言われておりましたが、効果的な情報発信を行っていきたいと思いまして、これまでアナウンサーとしても、受け取った情報を視聴者にいかに分かりやすく、的確にお伝えするかということを心がけて仕事をしてまいりました。その経験を活かし、テレビ・ラジオに私自身が出演して、文化や観光資源、まちづくりなどの情報を分かりやすい言葉で多くの市民の方、また全国の皆様にもお伝えしたいと思っています。
その一つとして、“水都おおさか”の魅力を発信する番組『キングコングの水都おおさか!情熱なにわ塾!』が、明日3月22日の朝10時30分から読売テレビで放送されます。春の行楽シーズンに「大阪に行ってみたい」と感じていただける番組となっているように思います。私も出演いたしまして、中之島の魅力や水都大阪の魅力をセールスしています。より多くの皆さんにご覧いただきたいと思っております。今回は関西圏以外の中部地方から九州まで、広いエリアで放送を予定しています。より多くの方に、観光都市大阪の魅力を知っていただく絶好の機会だと思っております。
この他の広報番組にも4月から可能な限り出演し、市民の皆さんとのふれあいを通じて市政を身近なものにしていきたいと考えています。
ケーブルテレビ番組では、『OSAKAほっとタイム』というのを、大阪市は広報番組として持っておりますが、その中に、私が自ら街へ飛び出して、その魅力や市民の方と直接対話を行い、その模様を放送する『平松邦夫のほっとスポット』のコーナーを新たに設ける予定にしております。4月は19日から1週間、1日に2回、5月は3日から1週間、市内24区で放映されます。テーマは月単位で編成し、5月以降も月の半分、1日2回の放映予定で、ケーブルテレビ番組で放送いたします。
ラジオ番組は、毎日放送のラジオですが、『馬場章夫の新・大阪大発見』の番組内に『平松邦夫の元気通信』のコーナーを設け、私自らイベントや施設情報などの市政情報をお知らせしたり、リスナーからの質問、疑問にお答えするなど双方向的な情報発信の場としていきたいと思います。4月6日から毎週日曜日、午前8時から8時30分までの30分番組の中のどこかで、私が出るということになっております。
大阪市をより身近に感じていただけるような広報番組と関わっていきたいと思っております。

【ブロードウエイ・ミュージカル『TRIP OF LOVE』トライアウト公演の案内】

もう一つ、最後ですが、ブロードウエイ・ミュージカル『TRIP OF LOVE』トライアウト公演のご案内でございます。
この会見が終わりましたら、今日の午後4時30分から、今年4月に大阪で開催されるブロードウェイ・ミュージカルレビュー『TRIP OF LOVE』トライアウト公演の総合プロデューサーの出口さんと出演される主演ダンサーの方々が、私のところへ表敬訪問に来られます。
トライアウト公演は、ブロードウェイでの本公演の前に行われる最終仕上げを行う地方興行で、大阪で行われるのはアジア初のことです。
総合プロデューサーの出口最一(まこと)さんは、ブロードウェイで活躍されている数少ない日本人プロデューサーの一人でございまして、私がニューヨークに行っている間に2回ほどお会いしたことがありますが、皆さんもご存知だと思いますけれども、「BLUE MAN(ブルーマン)」というショーで、オフブロードウェイで大ヒットして、ずっと続いておりまして、今は確かラスベガスでも別チームが常設の公演を行っていると思うのですが、その「BLUE MAN(ブルーマン)」のプロデューサーの一人として有名な方です。今回の『TRIP OF LOVE』は1960年代のヒットソングをメドレーにして歌とダンスでつづるというレビューだと聞いております。私も大変楽しみにしています。
今日の4時50分頃から、市役所1階の玄関ホールで、出演ダンサーによる、歌とダンスのパフォーマンスも披露してもらいます。ぜひ取材していただければと思います。
私ももちろん、見に行きます。かなり迫力のある、そして懐かしい歌のメドレーのミュージカルであるというのを出口さんから聞いた記憶があります。若い方は知らない曲が多いのかもしれませんが、私より少し若いぐらいの年齢まで、よくご存知の曲がいっぱい流れると思います。4時50分から、市役所1階の玄関ホールで『TRIP OF LOVE』のパフォーマンスをさせていただきますので、よろしくお願いします。
以上でございます。

質疑応答
記者
WTCの賃料引き下げに関して、それを拒絶するという取締役会の決断ということで、これに関して、今後どういう方針で協議に臨まれるのかということと、別会社とはいえ、99%を市が保有する会社が、その市の方針に対して拒絶するというのは、市民から見て、ちょっと腑に落ちない部分があると思いますが、これはどういうことなのかというのを説明していただけますか。
市長
WTCの賃料は、今回の20年度予算に関しては、継続賃料の鑑定を取った賃料に下げるということで、WTCに対してそういう要望を出し、それに対する返事が返ってきたということで、まだ具体的に交渉の内容でありますとか、今後の方向性というものを、担当部局と相談しておりませんので、経営企画監、ちょっと答えていただけますか。
経営企画監
経緯については、大阪市としては、適正家賃についての鑑定も取った上で予算計上しています。一方、会社側からしますと、賃料引き下げについては、その手続き面ということがきちっとあるということと、会社の経営そのもの、根幹に関わる部分ですから、大阪市が主な株主とはいえ、会社に対して、基本的には取締役として職務を忠実に執行するという義務を負っていますから、その範囲で、今回は拒絶という判断をされたと理解しています。市としては当然、市民の理解を得るためにも、こういう予算計上をしたわけですから、こういう趣旨だということを十分理解していただきたいということで、これから話し合いを始めて、理解を得る努力を続けるということでございます。
市長
ですからまだ、具体的にそういう要望を出し、向こうから正式の回答が返ってきた段階です。今後、ひざ詰めでという形になるのか、担当者同士の話し合いということにまずなって、その先にどういった方向性があるのかということです。市としては、もう予算をそういう形で組んでいますので、できるだけその方向へ結論をもっていってほしいという気持ちは変わりません。
次の質問が来る前にもうちょっと言っていいですか。
また、宣伝みたいになります。すみません。先日皆さんにお伝えしておりました東成区の市民協働スペースの23日の日曜日のオープニングに私も寄せてもらいますので、ぜひ皆さんの取材もお願いしたいと思います。それと23日の午後に港区民センターで朗読劇「お守りの言葉」があります。これは港区女性の集いというものですが、ここにも寄せていただこうと思っています。実はこれは、「市岡パラダイス」という、多分、大正、昭和初期の大大阪時代にあった小さな遊園地で、日本で初のアイススケート場もあったらしいのですが、その場所を記念した「お守りの言葉」という朗読劇があり、ここにも私は寄せてもらうことにしています。いろいろな市民の動き、市民協働の動きにこれから積極的に関わっていきたいと思いますので、こういったあたりもぜひ取材していただければと思います。以上です。すみません、どうぞ。
記者
裏金の調査についてですが、外郭団体への調査というのは、いつ頃からどれぐらいの期間をかけてどのように実施されるのかということと、全体の調査について、この前の会見の時は、確か、今月末を一定の目処にされて、その後、返還額などをとおっしゃっていましたけども、それがどういう目処で進んでいるのかについてお願いします。
市長
まず、現在のものについては、今日(3月21日)の段階でようやく、皆さんの前に「ほぼ出揃ったと聞いており」というような状況しかお伝えできないというほど、やはり細かい詰めをしていく作業にかなり時間がかかっているということです。かなり時間がかかっていることは事実ですが、本当にスピード感を持って作業にあたらないと、「これをいつまでやっているんだ」ということにもなりますので、今月中に何らかの目処は出したいとは思っています。それと同時に、4月以降の新組織がどうなるのかという部分や、人事異動等もありますので、そういった中で、お示しできればと思っています。外郭団体の日程的なものは、まだ総務局と話をしておりませんので、ここではっきりとは申し上げられませんが、これも、スピード感覚という意味では同じ感覚で取り組まなければならないと思っております。法務監察室には、委託費の会計処理について早急にやってくれとは言っておりますが、今は法務監察室も、今抱えているのが手一杯という状況に加えての作業ですから、今のものが一応、「出揃いました」と言えてからの作業になるのは、ある程度、お許しいただかないといけないかなと思っています。本当に、いつになるんだろうというのが、自分自身も見えてきません。ただ、これ以上新しいものが出ないという形で、きちっと処理をしていかないといけないということ、システムを今後どうするのかということがありますので。各方面にわたって研究しないといけない事が山ほどあります。そこへ、今度は組織替えということにもなりますし、担当替え、人事異動も控えています。職員にお願いしたいのは、やはりスピード感を持ってこの作業にあたってほしいということです。今やっていることは、決して前向きの作業とはいえないわけです。それで職員が動いていること自体も、税金がかかっているわけですが、かといっておろそかにはできない。それをどれだけ早く決着をつけるのかでないと、次へ進んでいけないんだという事を、絶えず私が言い続けないといけないかなと思っています。市民の皆さんには本当に申し訳ないと思いますが、なるべく早く、今回の問題について、「ここで一応の終着点としたいと思う」という形でお示しできる日を一日も早く作りたいとは思っています。
記者
市長はこの前の議会で、大阪府と大阪市の水道事業について、「市が中心になって進めていきたい」ということをおっしゃっていたと思いますが、先日は府議会の方で、「となると、府全体の水道料金については、市議会で最後、決められるのか」というような発言があったそうです。現時点で、大阪市としてはどのような形で、水道事業の連携統合なりをしていきたいと考えていらっしゃるのでしょうか。
市長
私が市会でああいう形でお話したのはなぜかと申しますと、新聞紙上で、府としては、受け皿というような組織を作って、そこへ市の水道と府の水道をまとめてというような話が出たので、いや、ちょっと待ってくださいと。まず形ありきではないでしょと。それと、これは大阪市の水道局の見方ですが、本当に統合するのであれば、何が一番、具体的かというと、経営状態とか、その持っている技術力でありますとか、水源から蛇口までという一貫したものの技術を持っているという事からして、当然、市の水道事業をやってきた部局が中心になって、府の水道の面倒を見るという方が、理にかなっているであろうというふうに申し上げました。ただこれも、私は実際に府営水道部が言っていることを直接は聞いておりません。市の水道局の言っていることだけを聞いているわけです。ですから、公開の場で、お互いのそれぞれの手の内を明かす中で、「こんなことを考えています」という話をしたり、あるいは、現実問題として、市の水道局も府の水道部も一緒に“ここまでならいける”という具体案がある程度煮詰まっていた段階で、いったんゼロベースという話になったわけですから、その見直しって何だったのかというのもちょっと知りたいと思っています。あれは、府市連携でかなり具体的なところまで詰まっていた話が、私が最初に新聞社で橋下知事と対談をした日の午前中に、府の水道部から「知事がゼロベースで見直すと言っていますので、あの話、無かったことにしてください」という話もあったように聞いていますので。だから、それがどういう連携だったのかというのが、市民にまだはっきりとは伝わっていない部分だと思います。何回も言いますが、一番の基本は、市民にとっても府民にとっても納得のいく結果でないといけないということです。でないと、提携も統合もありえないと思います。現場で話し合っている中では、連携すれば、府民にとっても市民にとっても納得がいく方向があるというところまで話が進んでいたと聞いていますので、やはり、それについてどういう判断をされるのかをまず聞いてみたいというのが、今、思っているところです。
記者
この府市統合、連携についてですが、橋下知事が言い出されたものが3つあって、まず水道というのが一番現実的という話だったと思うのですが、それは別にして、市長から御覧になって、これもできるじゃないかとかいう話は現時点でありますでしょうか。まずやっぱり水道でしょうか。
市長
確か、関さんと太田さんの時代に、6項目の合意があったと思います。その6項目の合意というのは、その当時からしても、ある程度、府市が歩み寄れるという部分での合意だったと思うので、やはり、お互いに、平松・橋下、橋下・平松体制のもとでそれをまず見直す方向性はあると思います。具体的な動きにつながるかどうかは、きちんと見直していく中から出てくるものだと思います。今、橋下知事がいろいろと、「これは要る、要らない」という判断をされているのを見ていますと、多くが大阪市内にある施設のことをおっしゃっているので、それはやはり、「大阪市内である必要があったのかなあ」とかいう部分なのかなとも思いますが、大阪市は幸いにして、2年、3年前の改革を進めていく段階から、外郭団体へ出ている職員の数や、経費などについて、そういったものを完全に精査しきったと胸を張って言えるかどうかは別ですが、段階的に方向性をきっちり見極めたうえで作業をしている分、大阪府の現状よりはましな状態になっているのかなという印象は持ちます。3つ言われた中で、先日もお答えしましたが、住宅供給公社については、知事の方からも、私の方からも、「統合というのは無理でしょう」というふうに申し上げております。信用保証協会については、「検討を続けましょう」という項目の一つに入っております。
記者
4月以降、空席になりそうな副市長の人事についてですが、空席になることの感想と、4月以降、どのように取り組んで、どういうことをしていきたいのかという方向性を教えてください。
市長
現在は3人の副市長ですが、お一人は3月いっぱいで任期満了になられますので、このままいきますと、4月以降は、副市長二人体制。しかも、お二人とも財政畑ということですが、やはり今、大阪市が一番真っ先にやらなければならないことは、財政再建だと思いますので、私自身は、いいスタッフのもとで、新しい段階に入れるというふうに思っております。もうお一人の席があるわけでございますが、次に4月以降ということになると、どの時点で新しい副市長人事を市会にご提示できるかというと、5月にそのチャンスがあると聞いておりますので、それまでにどなたかいい方を市会にお示しできるのかどうかについては、1ヶ月ほど考えて、まだ無理だと思えば、あるいは、いい方がその時点でいなければ、またその先のタイミングまで考えたいと思っております。
 

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