平成20年5月23日 大阪市長会見要旨 |
【不適正資金等の調査の進捗状況について】
こんにちは。それではまず、不適正資金について、現時点の状況をご報告いたします。
一昨日の5月21日に、第5回の不適正資金問題調査検討委員会が開催されました。第4回に引き続きまして、返還金額の範囲、返還対象者、職員の処分の考え方等について、議論がなされたところでございます。 まだ確定的な結論が出ていないため、6月2日の午後にもう一度調査検討委員会を招集し、議論を経た後に、報告書として取りまとめられるということであります。 不適正資金につきましては、2月に調査を開始し、また4月からは外部委員にも参画いただいた調査検討委員会を設置して以降、これまでいろいろと紆余曲折はありましたが、ようやくここまでたどり着くことができたというのが現時点での率直な印象でございます。 私としましては、調査検討委員会から示される結果報告を受けまして、その内容に基づいて厳正かつスピード感をもって対処してまいりたいと考えております。 不適正資金につきましては以上です。 【『こどもとクラシック楽育事業』について】
それでは次の項目にまいりますが、お手元に本日報道発表をしております『赤ちゃんOK!お子さんといっしょに本物のクラシック音楽に親しみましょう』をお配りしておりますけれども、今申し上げました見出しの通り、大阪市では乳幼児の頃から音楽に触れていただき、音楽を通してこどもの健全育成を図りたいとの思いから、こどもを対象といたしましたクラッシックコンサートを開催する運びとなりました。
開催に際しましては、民間の方々で構成されている『こどもとクラシック楽育実行委員会』との共催により、資料にもありますように、『こどもとクラシック楽育事業』として、展開してまいります。 今回の事業を実施するにあたりまして、今日、ここにお越しいただいておりますが、『こどもとクラシック楽育実行委員会』のメンバーでございます、木田さんでございます。いろいろとお世話になっております。ありがとうございます。 第1回目ですが、明日5月24日に、第2回目を7月5日に実施いたします。乳幼児から参加ができて、親子で音楽を通してふれあいが図れる『こどもとクラシック』をこども文化センターで実施いたします。 報道発表に先立ちまして、『大阪市政だより』の5月号で5月24日分の募集案内をさせていただきましたところ、今回は先着400名ということでございましたが、大きな反響をいただいておりまして、既に定員分のお申込みをいただいております。このイベントを最初に聞きました時に「これはええなー」と私は思ったんですが、やはり潜在的な需要の大きさというものを感じております。 今回、2回目の案内もさせていただいております。7月5日でございますが、年間を通じてシリーズで実施する予定にしております。私も是非参加したいと思っています。 乳幼児がいらっしゃる方が、そのお子さんを連れて、なかなか生のクラシックを聞く機会というのはないと思いますが、「泣いても結構ですよ」という形でのクラシックコンサートでございます。 とりわけクラシックといいますと、こどもの感性に直接働きかけて、その感性を豊かにし、優しい心や安定した気持ちを育むなど、こどもの成長にとってすぐれた効果があるとも言われています。特に、誕生から小学校に入るまでの乳幼児期は、生涯を通じた人格形成の基礎を培う時期であり、この時期に何を体験し、何を学び、何を身につけるかによって、その後の人間としての成長に極めて重要な意味を持つとも言われております。そうしたことから、『楽育』という、ちょっと聞きなれない言葉を使っておりますが、大阪市では、身近なところでこどもたちが音楽に親しんでもらえるように、このプログラムを市内各所で展開してまいりたいと考えており、こどもたちに気軽にクラッシック音楽に触れていただく機会を設けております。この『楽育』を、大阪からどんどん発信してまいりたいと思っております。 会場となりますこども文化センターは、こども専用に作られた本格ホールを有しておりまして、こどもを対象とした演劇や人形劇、ミュージカル、音楽などの鑑賞会を企画し、こどもたちが本物の芸術に触れる機会を今までも提供してまいりました。この『こどもとクラシック楽育事業』で、音楽を通して豊かな感受性、創造性を育めるように、是非この活動が軌道に乗りますようにと思っております。 こちらの木田さんをはじめ、多くの企業にご協力を頂いておりますけれども、私自身も先日、こちらにいらっしゃる木田さんと一緒に、東京にございます日本郵政株式会社に伺いまして、西川社長に直接ご協力をお願いしました。そのお願いをしたところ、快く協力をいただきました。その心意気に応えられるように、充実したものにしてまいりたいと思っております。 こどもクラッシックについては以上でございます。 【市長の大阪市IR(投資家説明会)について】
来る6月9日の月曜日に、大阪市債に関する投資家説明会を、東京の全国都市会館で開催することにいたしました。
投資家説明会は、一昨年(2006年)の9月以降、市場公募地方債の条件決定方式が、それぞれの団体で個別に発行条件を決定する方式へ移行したことに伴いまして、投資家の皆さんに安心して大阪市債を購入していただけるように、現在取り組んでいるIR(アイ・アール)の一環として開催するものでございます。 大阪市が投資家説明会を開催するのは、平成18年10月以来、2回目で、私から直接、投資家の皆様に対しまして、大阪市が現在取り組んでおります市政改革の成果やこれからの方向性等について、ご説明させていただくことにしております。その上で、大阪市は市政改革を確実に進め、当然のことでありますけども、市債は責任を持って、最優先でお返しするということを投資家の皆様に確約してまいりたいと思っております。 なお、大阪市の市場公募債の発行条件なのですが、個別条件決定方式へ移行した当初では、10年債で、国債に対する上乗せ幅が、プラス0.31%でございましたが、直近の20年3月を見ますと、プラス0.23%程度と、改善傾向にはございます。しかしながら、市場環境によっては条件が悪化する局面もありまして、また、市場で評価が良いとされる東京都等とは、依然として発行条件に格差があることから、本市としては、市場に対しても徹底した情報公開を行って、今後とも積極的にIRを進めながら、市債の評価向上に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。 投資家に対する広報、IRについてお知らせいたしました。 【韓国釜山広域市訪問の報告について】
すでに報道発表しておりますけれども、5月21日に韓国釜山広域市に行ってまいりましたので、ご報告申し上げます。
釜山広域市では、市役所で、許南植(ホ・ナムシク)市長と、友好協力都市提携の調印を行いまして、その後に開かれております『第5回国際水都会議』に出席させていただきました。 釜山広域市を訪問するのは、今回が初めてだったのですが、大阪市の約3.5倍という広大な面積の中に、大阪市よりおよそ100万人多い方々が生活されており、車の窓から市街地を眺めましても、その活気がすごいなというふうに感じるとともに、海雲台(ヘウンデ)の海辺の景色を見ることができました。大阪と釜山が水の都として、海を通じ、共につながっているということを肌で感じてまいりました。 釜山広域市とは、互いのこれまでの交流の積み重ねを経て、今回の都市提携に至ったわけですが、許(ホ)市長とは、短い時間ではあったものの、今後の『経済』でありますとか、あるいは『環境』、そして『観光』分野の促進について、意見交換を行いまして、互いに協力し合えるなという思いを強くしております。 大阪の都心部は、川に囲まれた世界的にも稀な地形、これを私どもは『水の回廊』と位置づけてまいりました。このことを、私は日帰りでしたので、その翌日の昨日、行われております国際水都会議の中で、私の代わりに、建設局から、「水の回廊はこういうものです」というのを世界の国々の参加者に発表しております。許(ホ)市長も、この点に非常に注目をしてくださっておりまして、今後、水辺における環境づくりという分野で、交流が進むことと思います。 提携式ですが、大阪国際見本市委員会の理事長と、大阪観光コンベンション協会理事長にも同席してもらいました。早速、相互の見本市事業推進ということにつきまして、ワーキンググループを組織し、積極的に企業出展や来場者誘致という面での協力を行うこと、あるいは観光分野におけるプロモーションの推進についても、相互に協力を図っていくことが確認されております。 既に大阪港と釜山港は、1985年8月に姉妹港提携をしておりますけれども、今回の提携を機に、釜山広域市との交流を一層深め、両都市の信頼関係を強化するとともに、経済交流の活性化、あるいは集客力のアップ、さらには今後の大阪のまちづくりに活かしていきたいと思っております。 【『なにわ元気アップ会議』について】
『なにわ元気アップ会議』について、お知らせいたします。
『なにわ元気アップ会議』は、これまでに6回開催してまいりまして、区役所が企画して、まちづくりや子育て支援など、特色のある活動を行っている地域の皆さんのもとへ私が訪問して、市政に関するご意見などをお聴きするものとなっておりましたけれども、複数の区にまたがって同じ活動をされているという活動もございますし団体もございます。区の枠を越えた課題に取り組んでおられる団体やグループの皆さんにつきましては、市役所の施設にお招きして意見交換を行いたいということで、自分から一つの場所に出かけて行って、一つのことだけを話し合う会議と、いろんなところからお集まりいただくという、その2種類を考えております。お配りしております『第1回 ウェルカム!! なにわ元気アップ会議を開催します』という本日発表の資料ですが、第1回目といたしまして、5月30日の金曜日、午後7時から、総合型地域スポーツクラブの皆さんを城東区役所の3階大会議室にお招きして、『地域スポーツの振興と市民協働』というテーマに沿った意見交換を行います。 ちなみに、総合型地域スポーツクラブは、誰もが身近な地域で気軽にスポーツを楽しめるよう、地域の人たちが自主的・主体的に運営するスポーツクラブでございまして、スポーツ活動を基本に、文化的事業や様々なイベント等も取り入れながら、地域住民の交流の場としての役割を担って活動されております。 現在、大阪市では、15の総合型地域スポーツクラブが活動されておりますが、今回、5月30日には、8つのクラブから、それぞれの地域でボランティアとして実際に総合型地域スポーツクラブの運営に携わっておられる方々に集まっていただきますので、スポーツを通じたこれからのまちづくりのヒントや「ここをこういう風にすれば、もっと大阪が元気になりますよ」といった具体的な提案なんかが出てくるのではないかと、楽しみにしております。 それから元気アップ会議以外の、市民協働チームとの日程でございますが、5月25日の日曜日、午前10時20分ごろから11時位まで、長居公園内にございます、『長居身体障害者スポーツセンター』にお邪魔をし、施設を利用されている方々とお話をする予定です。 そして、同じく25日の日曜日、午後1時から1時30分頃までですが、大阪のど真ん中、中之島公園で現在開かれており、世界のビーチバレーの強豪が大熱戦を繰り広げております『2008ビーチバレーワールドツアー』の会場にうかがいまして、ビーチバレーコートで『サンドアート(砂の芸術)』に挑戦している皆さんと交流したいと思っております。砂遊びが高度化すると、まさにアートと言えるというそうなのですが、是非、それを見てみたいと思っております。是非、取材の方もよろしくお願いします。 【『大阪わくわくウォーキングin長居公園』について】
次にお知らせですが、5月25日に長居公園内の『長居身体障害者スポーツセンター』に市民協働チームとお邪魔をするのですが、その前に、長居公園で行われます『大阪わくわくウォーキングin長居公園』、このウォーキング大会のテープカットなど、お手伝いをさせていただきますので、ご案内します。申し込みは大会当日の5月25日の午前8時30分から、長居陸上競技場の正面入り口を入ったところのエントランスホールで受付を行いますので、その日に「よっしゃ、行ってみよう」という方でも参加できることになっております。
質疑応答参加費用は大人が200円でございますが、これは長居植物園の入園料や傷害保険料が含まれております。中学生以下は無料でございます。 「見所があり、歩いて楽しいコースづくりをした」と担当者は胸を張っておりましたが、さらに、競技場のトラックを1周していただいて、競技場のマラソンゲートから長居公園の周回道路に出て行くという、大阪女子マラソンや、世界陸上のマラソンと同じルートをたどっていただきますので、マラソン選手の気分も味わえるのではないかということです。当日、お気軽に参加いただけますので、多くの市民の皆さんにどしどしご参加いただきたいと思っております。 『大阪わくわくウォーキングin長居公園』のご紹介でございました。 私からは、ちょっと沢山になりましたが、以上でございます。よろしくお願いします。 記者
市長直属のアドバイザーを任命するということですが、これはどういう位置づけのポストなのかということと、現在の人選の状況、それと今後どういうスケジュールで活動していただくかということについてお願いします。
市長
今朝、一部の新聞の報道で、神野先生の名前が報道されましたが、私の市政改革を今後一層、より進めていくために、先日も市会答弁がありましたけれども、やはり外部の識者の方から、いろいろなアドバイスをいただきたいという思いは前から持っておりました。その人選についても、何人かの方のお名前が挙がったりしておりまして、そのうちのお一人が神野先生ということだったのですが、神野先生と言いますと、政府の税調(税制調査会)の正会員でもありますし、それから、地方の財政ということでもやはり、日本でも第一人者の方なので、ご協力いただけるかどうかということで、内々にお話しをさせていただいておりました。これは、私ではなく、市の担当者の方から、「いかがでしょうか」というのをお願いしておりました。当面は、市長直轄のアドバイザーという形でお願いしようとは思っておりますけれども、今朝、新聞に出ましたので、お電話をさせていただいて、先生には、「思っていたより早く発表をすることになりました」と。つまりどういうことかといいますと、先生とはまだ直接お会いしていないのです。電話ではもう何回かお話しはさせていただいているのですが。直接、お会いしていない中で、発表させていただいていいのかどうかという部分もございましたし、それから、タイミング的には、6月の上旬に東京に行く予定がございますので、その時にお会いして、正式にお話をしようかなと思っていたという部分がございます。市政改革、特に市民目線で、財政改革をどうやっていけば、地方が生き残れるのか、こういった大阪という都市が、どういう形で生き残れるのかということについて、政府税調の正会員としての見方、一方では財政学の権威としての見方というものを、いろんな形で私に知識を植え付けてくださる方だというふうに、いろんなデータを見せていただいて思いましたので、是非にお願いしたいと思っておりました。大阪市立大学の助教授でいらしたこともありまして、そういったことから、「大阪のお役に立てるのでしたら」というのは、内々、お返事をいただいておりましたが、今朝、もう新聞に出てしまいましたので、「先生、本当によろしくお願いしますね」という確認をさせていただきまして、快諾を得た次第でございます。他の候補の先生方についても、例えば分野によって、区政改革でありますとか、あるいは、市民協働を今、一生懸命やろうとしていますから、そういった形で、いろいろとアドバイスをいただけるような方が具体的に浮かんでまいりましたら、お願いしたいと思っております。その人選は、まだ決めているわけではございませんので、神野先生ともお話をしながら、決めていきたいと思っています。それから、秋以降に本格的に立ち上げようと思っております新しい市政改革の推進のための会議には、もちろん関西の経済界からも、関経連、大商、同友会のご協力もいただきながら、意見交換をさせていただきたいと、そういうスケジュール感でおります。ですから、秋に本格的にビジョンを示す前に、神野先生に、私の市長直轄のアドバイザー的なところに入っていただいて、いろんな機会を通じていろいろとお話を聞かせていただくという、現時点ではそういう形です。ただし、将来的には、その新しい会議の中心的なメンバーになっていただこうということも含めてお願いはしております。
記者
神野先生は、地方行財政改革、いわばコストカットという流れとはやや一線を画すというか、そういうお立場の方かと思われますし、民主党とのつながりも深い。財政学の権威というのはいろいろといらっしゃると思うのですが、その中で、神野さんをご指名になったというのはなぜでしょうか。
市長
私はずっと、「確かに改革のスピードを緩めるわけにはいかない」、そして「改革を推し進めていく一方で、切ってはならないサービスを切りすぎてはいないか」というのも選挙でずっと言っておりました。そういった面で、政府税調の正会員もやっておられ、なおかつ、今、記者の方からもご指摘がありましたように、民間の目線と申しますか、そういった部分で、具体的ないろんなお話を聞くことができる、ぴったりの方ではないかなというところから、お願いしたいと強く思った次第です。
記者
今日、大阪市の方で、オスカードリームに関して提訴をされて、銀行の方も一昨日ぐらいに提訴されています。調停不成立の時に話は出ているのですが、改めて市長のお考えをお聞かせください。
市長
「調停自体が不調になるであろう」というふうに言われていたとおり、不調になってしまいまして、非常に残念ですが、それぞれにそれぞれの言い分がありますし、その土地信託事業というものが、本当は、根本的にどういうものだったのかというものを、もう一度きっちりと問い直さないといけないと思います。提訴につきましては、昨日の5月22日の市会本会議で承認をいただいて、本日午前中に提訴をしたものです。内容的には、本市が主張しております事業配当金およそ36億円と、それから、遅延損害金の支払いを求めていくということです。一方、現在もオスカードリームにはテナントに入っていただいておりますので、信託契約そのものは継続しております。賃貸関係というものに影響を与えるものではないので、交通局としては、「これまでどおり、受託銀行に対し、テナントへの配慮も含め、経営努力を求めていく」というふうに、私は報告を受けております。
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