平成20年7月24日    大阪市長会見要旨

はい、皆さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。

【メルボルン訪問の報告について】

まず、先週17日(木)から一昨日22日(火)まで、オーストラリアのメルボルンへ出張してまいりましたので、そのご報告をさせていただきます。メルボルンでは、大阪・メルボルン姉妹都市提携30周年記念式典に参加するとともに、大阪のプロモーションのためのセミナーを開催いたしました。また、大阪のまちづくりの参考になるメルボルンの開発地域も視察してまいりました。滞在中、メルボルン市の心暖まるおもてなしを受けまして、改めて、この30年間の姉妹都市としてのつながりの深さ、これを肌で感じることができたと思っております。滞在中でございますけれども、メルボルン在住の200人以上の方とお話する機会が持てました。大阪市の広告塔としての役割を一定果たせたかなと思っております。
開発地域の視察でございますけれども、ドックランズと呼ばれる港湾地区の再開発、あるいはヤラリバー河畔の再開発を見させていただきましたが、ここでは民間活力を活用して、環境に配慮した取組みが行われておりますし、また、これまでは川や港に背を向けて行われておりましたまちづくりが、今では川や水辺に向かってまちづくりを行われており、思わずここで暮らしたいなぁと思うほどで、大変勉強になったと思っております。 メルボルン市をはじめ、都市圏と呼ばれる広域圏なんですが、世界の150の地域・国、その150以上の地域と国の人が住んで、人口が今増加していっているそうです。市街地の近郊へも宅地等の開発を広げていくという動きがあったり、今まで平面で暮らしていたものが、コンドミニアムみたいに上に伸びていくのが市内の中心部で増えたりという話をされておりました。そして、多くの民族の方が争いもなく平和に暮らしておられ、観光客に対しましても、ボランティアによる観光案内、これはメルボルン・グリーターズ・サービスというサービスがございます。全てボランティアの方が、ひと目でボランティアと分かる赤いジャンパーを着られまして、案内をされている姿が印象に残りました。また、トラムと呼ばれます路面電車でございますけれども、市内循環の無料運行など、訪問される方の利便性を考えた対応に感激いたしました。
メルボルン市と30周年記念式典の際に、記念宣言をサインしましたけれども、今後とも経済や環境、文化、教育、そして市民間の交流を充実してまいりたいと思っております。今回、私にとりまして、初めての姉妹都市記念事業での海外出張となりましたが、海外の都市との提携が、いかに重要であるかというのを肌で感じることができました。私自身が大阪をセールスすることによりまして、海外との人や企業などの交流、あるいは大阪とメルボルンの人々の来訪がますます充実することを期待しております。

【「大阪城サマーフェスティバル2008」について】

次にまいります。お手元に報道発表資料をお配りしておりますけれども、この夏、「大阪城サマーフェスティバル2008」と題しまして、7月26日から9月6日まで、大阪城周辺で27の多彩なイベントが実施されます。「大阪城サマーフェスティバル2008」は、協賛企業、団体等が行う、各イベント間の連携を図りながら、共同PRを実施することによって、大阪城のブランド力を高め、大阪の芸術文化の情報発信力の強化と、大阪の賑わい創出と観光集客をめざしております。大阪市も主催、共催しまして、多彩なイベントを多くの企業、団体と連携を図り、展開する予定でございます。
7月26日から8月3日までは、「オーサカキング2008」が開催されます。今年で5回目となりまして、「水と緑」をテーマに、会場の一つを西の丸庭園に移し、様々な催しが行われます。同じく7月26日から8月3日まで、「オランダCOWアート」を開催いたします。「日本オランダ年2008−2009」を記念して行われるもので、オランダ王国総領事館との共催で、カラフルな実物大の牛のオブジェ28頭が、大阪城公園に並ぶ予定でございます。同じく7月26日から8月3日までの期間限定で、天守閣前の本丸広場で徳川幕府の金蔵の中で唯一現存する大阪城の「金蔵」の内部を特別公開いたします。天守閣では、豊臣秀吉の生涯に迫り、その伝説の虚実を解き明かす展示を7月26日から9月10日まで開催します。
8月1日(金)と2日(土)には、『大阪城 城灯りの景(しろあかりのえ)』を大阪城公園の山里丸一帯で開催いたします。大阪城公園内をおよそ1万個の行灯の灯りで彩り、幻想的な空間をつくるイベントでございまして、行灯は一個100円で7月26日(土)から7月31日(木)までは、大阪城天守閣の北広場においてご購入いただけます。開催当日は、会場内2ヶ所で行灯を購入いただけることになっていますが、その場でメッセージをお書きいただき、ご自分で行灯を置いていただくことになっております。私も行灯にメッセージを込めて参加したいなと思っております。そして、8月2日(土)の夜19時半から20時には、山里丸の会場で、大阪芸術大学の学生さんによる管楽器の演奏もあわせて楽しんでいただけることになっております。大阪城公園で、光と音の空間をお楽しみいただきたいと思います。それから、8月23日(土)から8月31日(日)までは、「わくわく宝島2008」が開催されます。今年で4回目で、OBPでは2回目の開催となります。8月30日、31日の2日間は、「24時間テレビ」と同時開催されます。
「大阪城サマーフェスティバル」は、2006年にスタートし、今年で3年目です。サマーフェスティバル全体の来場者数は、2006年が98万人、そして2007年は「わくわく宝島」がOBPに移ってきたことにより、170万人と大幅に増えました。今年はさらに多くの市民の皆さんにも来ていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。「大阪城サマーフェスティバル2008」については以上です。

【第1回「大阪市提案競争型民間活用監理委員会」の開催について】

もう一つ、お手元の資料でございますが、『第1回「大阪市提案競争型民間活用監理委員会」の開催について』の資料をお配りしております。大阪市が危機的な財政状況にあるなど悲観的な状況の中で、削るだけではなく、知恵を出して、有効な財政支出をやっていきたいと思っております。
市民の皆さんに提供する公共サービスについても、より良いものにするために、変えられるものは変えていくという取組みを進めていかなければならないと考えております。そのための取組みの一つとして、現在本市が直接実施しております事務事業につきまして、民間企業や市民活動団体の皆さんなどから広く提案を受け、競争原理を働かせることにより、公共サービスの質の向上を図り、あわせて経費の削減、職員の意識改革を進める「提案競争型民間活用」を進めていきたいと考えております。
この取組みは、現在大阪市が行っている事務事業につきまして、経費・従事職員数、それから業務プロセスの現状などの情報を公開し、民間企業や市民活動団体の皆さんから、「自分なら、これ以上の工夫を凝らして、これまでよりもっと良いサービスを、より安い経費で提供できる、実施できる」といった提案をしていただいて、提案いただいた内容について、サービスの質と価格などから評価を行い、実現に向けて検討を行う必要があると考えているわけでございます。そのため、報道発表資料にありますように、「大阪市提案競争型民間活用監理委員会」を設置するものです。委員会には、学識経験者や各分野の専門家の方々に入っていただいて、市役所外部の視点を取り入れて、透明性・中立性・公正性を確保するとともに、専門的な観点から様々なご意見をいただき、「提案競争型民間活用」の取組みを進めてまいりたいと思っております。
ご参加いただく委員については、資料の「委員名簿」をご参照願います。第1回の委員会でございますが、8月7日(木)の午後6時から開催しまして、私も会議の冒頭に出席させていただこうと思っております。委員会では、基本方針の策定や対象事業の選定、事業実施後の評価などに関して、幅広く、それぞれのご専門の立場から、意見をいただきたいと考えております。当面の予定としましては、本年度内に「提案競争型民間活用」に関する基本的な方針をとりまとめるとともに、第1次事業の絞込みを進めてまいります。この取組みによりまして、個々の公共サービスについて、最適な担い手、これは民間企業であるか、市民活動団体であるか、あるいは市役所等によるのか、といったどれがサービスの提供者になることが市民の皆さんの満足度を高めるとともに、公共サービスの実施にかかる市民協働を推進し、また、職員が市民の目線から自分の仕事を見つめ直すきっかけとして、職員の意識改革にもつなげていきたい、かように考えている次第でございます。私からは以上でございます。
質疑応答
記者
  今朝は府知事との共同記者会見がございましたが、水道事業の統合について、今後の見通しとですね、もう少しスケジュール感をお話いただけたらと思います。
市長
スケジュールにつきましては、今日の発表で述べさせていただいたように、やはり年内を目途にということで、きっちりと検証委員会に数を重ねていただくということでございます。知事とお会いして、いろいろとお話はさせていただきましたが、どうしても、せっかくその私が市長になり、橋下知事が誕生したことによって、今まで進まなかった府市の協働、協調、あるいは統合といったものが、具体的に前に踏み出すきっかけを作れたということだけでも、私は知事に感謝したいですし、それから大阪市の水道局の職員、具体的な案を作ってくれました職員に感謝したいと思っております。本当に具体的なスケジュールっていうのは、これから委員会、あるいはその実証のための会議を重ねるにつれて出てくると思います。今、年内を目途にということだけで、お許しいただけますでしょうか。
記者
先ほどおっしゃった、「民間活用監理委員会」の件なんですけれども、「第1次事業の絞込みは年度内」とおっしゃったと思うんですけれども、今の段階で、候補としてはこんなこと考えられるんではないかというようなことが具体的にあれば、幾つか例を挙げていただきたいのと。それと、今年度内に絞り込んでですね、具体的に、いつぐらいから、どれくらいの規模で導入していきたいと思われるのか。あるいは他の自治体もこういうことやっているところあったと、大阪府だとか思うんですが、広島も、詳しくないですが。いくらやってみてもなかなか進んでないというか、結局、絵に描いた餅に終わってるところが多いようなんですけれども、その辺の意気込みとかをお願いします。
市長
実は私、この委員会の名前を覚えるだけでも大変やなぁとまず思ったんです。「大阪市提案競争型民間活用監理委員会」、つまり市民サービス、いま大阪市はいろいろ広範囲にわたってやっておりますが、その広範囲にわたっている市民サービスというものの質を下げることなく、官がやるよりも民がやった方が、より効率的に、高い質のサービスを提供できるという提案がなされ、なおかつ、その提案が実現できるものかどうかというものをきっちりと検証するという委員会だという理解を、私、持っております。ですから、その中で本当に、今以上に市民が喜ぶサービスを、民間が安価で提供できる、あるいは、同等の価格ということであれば、それはやっぱり、市役所でやるよりも民間でやった方がええやろ、という理屈になるわけですから、それを公の場で、どんどんいろんな事業、例えば、市民に対する啓発業務でありますとか、窓口のサービス業務、収納、給付業務、他には公共施設の維持管理業務、訓練、相談、技術指導業務、イベント、研修会、講習会の企画運営業務、その他地域に密着した課題解決に向けた取組みなど、市民が主体的に取り組むことにより、より一層、私がずっとめざしております市民協働型の社会が実現できるという方向がはっきりすればですね、しかもそれがより安価な、あるいは同等の価格で、より以上のサービスが提供できるというものを検証していこう、きっちりと分析して、結論を出していただく委員会だと理解しております。ですから、先ほど、記者からお話がありました大阪府でもやっているというのがございましたが、確かに私が知っているところでは、一つは大阪府が、何だったか忘れましたが、大阪府が民間に渡し、一つは逆に、公開でやったけれども逆に官がやった方が効率的やということで、また大阪府に、大阪府が主体でやろうという形になったものがあったように記憶しておりますんで。これはもう本当に広範囲にわたるものを、前から言っておりますように全ての事務事業、大阪市は既に棚卸しをやっておりますんで。その棚卸しの中で、この事業を、どうなるかというのを具体的に提案して、民間からの更に手を挙げてもらうのを待ちたいということで、1回目の会議が、これは8月の7日ですか。8月の7日に1回目の会議を行いますんで、そこから具体的に、まずこれをやりましょうとか、あるいは、この分野でこういうことが募集できるんではないですかとかいうのが出てくると思いますから。そこから具体的な話になってくると思います。
記者
裏金の調査で、今、区役所の問題が出てからのですね、今後の調査のスケジュール感というのか、ちょっと取材の方が先行して、当事者にあたっている方が多くなっているという異常な状況にあるかと思うんですけれども、コンプラの方からの勧告も含めて、今後の調査の進め方をどういうふうにして考えられているのか、あるいは、分からない部分については刑事告訴するというふうな、その報道にもありましたけれども、これについて市長の方はどのように考えられているのかといったあたりを伺いたいんですけれども。
市長
はい。東住吉区で、3月に見つかった現金というものがございましたが、区役所からは、『私』の金、私金であるという報告を受けておりました。それが勧告で指摘された所在不明の金との関係は、不明でございますので、その点も含め、今後調査することになるだろうと思います。それとは別に、浪速区で、着服が明らかになっておりますが、これはもう、言語道断の事件でございまして、市民の皆さんに心からお詫び申し上げないといけないと思います。それと同時に、必要な手続きを進めまして、厳罰で臨む所存でございますし、当然、懲戒免職でありますとか、あるいは、刑事告発に値する事案であると思っております。やはり、それと同時に、なぜこういったことが見つからなかったのか、あるいは、チェックできなかったのかという、内部体制についても、やはりきちんと市民の皆様に、今後、二度とこういうことが起きないようにというのを、前向きに出していかなければならないと思っております。それと、公正職務審査委員会、コンプラ委員会からの勧告を受けました、その税務担当の調査手法ということになりますけれども、調査検討委員会、これは柏木副市長のもとで、6月5日に一定のその報告書を出してもらいました。これは、前も申し上げましたけれども、一定の調査は尽くしたと考えておりまして、新たな委員会を設置するかどうかについては、私はむしろ、別に新たな委員会を設けるつもりはないと、その当時にお答えした気持ちのままでございます。ただ、今回、公正職務の、そのコンプラ委員会から、かなり具体的な、この事案に対する調査の手法等も示されておりますので、それを、どういう形で具体的に実現していくのか、これは、私個人的には、もうすでにお願いしているのかもしれませんが、佐藤弁護士にもう一度お出まし願って、きっちりとしたその調査がどうあるべきか、この公正職務審査委員会から指摘されている調査手法をとるにあたって、気をつけなければならない点であるとか、具体的なご指示をいただこうと思っております。今後でございますけれども、これも、私、方針変わっておりません。やはり、公益通報制度が機能し始めており、そして内部統制の仕組み、まだまだ行き届かない点があると指摘されれば、申し訳ないんですが、発覚すれば、個々に厳正に対処していくという姿勢は変えておりませんので、事は裏金に限らず、不適正事案があれば、こうした制度を活用して、どんどん、申告を受ける中から、調査をしてまいりたいと思っております。私が聞いているところでは、東住吉と浪速の勧告を受けた問題でございますが、関係者から陳述書を受けております。この陳述書をもとに、本人から最終聴取を行って、現金の所在や、あるいは、圧力があったかどうか、といったことを確認したいと思います。それから、旧税務担当の再調査につきましては、これも陳述書を徴集しました。支出関係書類の調査、あるいは金融機関の調査、申告窓口設置など、勧告で指摘いただいた方法で、調査を進めてまいりたいと思っております。東住吉と浪速の、この2つの勧告された事案につきましては、東住吉と浪速は監察部、そして区役所旧税務担当は財政局が中心になりまして、実施する予定にしておりますが、取り組みが当然複数の局に、現在、どこにいるかということも含めて、複数の局にまたがることにもなりますので、局横断的な仕組みを作ることなども検討して、私がリーダーシップをとって厳正に対処してまいりたいと、全体の進捗管理をきちっと行って、そのつど、皆様に情報をお伝えしてまいりたいと、かように思っております。
記者
フェスティバルゲートに関してなんですが、今後の再入札というのを、どういうスケジュールで進めるのかということと、あと、違約金を請求している会社に対するですね、訴訟など、向こうが訴訟するというふうに言ってきて、まだしてないという状況だろうと思うんですが、その前に、大阪市としても訴訟とかですね、その辺のお考えはありますでしょうか。
市長
はい。本日、フェスティバルゲートにつきまして、細かい情報、今、私持っておりませんが、この今日出席している中で、交通局はいないので、分からないのですが、今までの既定方針どおりの動きから、変わっていないということで、市としても違約金の請求等も含めて、きちんと法的に対処できる部分は対処していくということだと思います。
記者
先ほどの裏金の質問の続きで恐縮なんですけれども、先日一部報道でですね、東住吉について、裏金を管理していた2人について刑事告訴する方針という報道がされましたが、そのことの事実関係云々は別にしまして、一般論として、大阪市長としての考え方を聞かせていただきたいんですが、ある問題があってですね、それについて白か黒か分からない段階でですね、職員を刑事告訴する、そういうような場合が有りうるのかどうか、その真相解明が、できないという理由で、白か黒か分からない職員を、刑事告訴するというような考えが、あるのかどうか、それだけ教えてください。
市長
あの、職員について、現時点で、その2人にという報道がされたんですが、それができるとは思っていません。ただ、問題として考えられるのは、71万円ですか、金額はともかく、 不適正な資金が存在したという事実があり、なおかつそのお金の行方がようとして知れず、という場合には、その捜査当局に対して、その捜査をお願いするということはあるかと思います。現時点で、刑事告発ということでは、個人を対象にした刑事告発ということではないと思います。
 

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