平成20年7月31日    大阪市長会見要旨

【不適正資金にかかる職員の処分及び返還金並びに再発防止策について】

こんにちは。
本日は不適正資金問題に係る処分について、ご報告いたします。
本日、7月31日付けで、不適正資金にかかわりまして、関係職員351人の処分を行いました。
これほど多くの処分者を出すことに至りましたことにつきまして、また、市民の皆様に対しまして、市政への信頼を、大きく損ねることになったことにつきまして、市長として、市民の皆様に深くお詫びを申し上げるしだいでございます。申し訳ございませんでした。
今後、一日も早く市民の皆様からの信頼を取り戻すべく取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
座らせていただきます。
処分についてでございますけれども、さる6月5日に不適正資金問題調査検討委員会よりお受けしました不適正資金問題調査報告書に基づく関係職員の処分を行ったしだいです。
今回の不適正資金にかかわりましては、不適正資金問題調査報告書におきまして、「手続きは不適正であったとしても私的費消さえなければ問題がないとか、不適正な会計手続きにより捻出された資金であっても公的な目的に使用されていれば問題がない、といった考え方は市民目線から遠く離れた役人の論理であり、不適正な手続によって公金又は公金外現金から資金を捻出した行為自体が厳しく処断されなければならない」との意見を踏まえまして、減給を基準として、加えて、公的用途とは認められない業務関連用途への支出や調査開始以降の支出、関係書類の破棄等の不適正な事案については、停職を基準とするなど、厳しく処分しております。
また、管理監督者についても、管理監督の立場にある者は厳しくその責任を自覚し、積極的にこうした組織風土を解消すべきであったことから、事実関係の認識の有無にかかわらず、課長以上の管理者については責任を問いました。特に、経済局と教育委員会につきましては、他の事案よりも厳しく管理監督責任を問うております。
なお、経済局の事案にかかわっては、2月の調査の段階で、能動的に各局との連携を行わなかったため、十分な調査を尽くし切れなかったなど、部下職員に対する指導監督が不十分であったため、当時の経済局長でありました森下副市長に対し、私から本日厳しく注意をしました。
委託料にかかわる事案や税務担当事案については、現在も調査中でありますので、引き続き適正な調査を進め、事案の内容が確定いたしましたら、処分も含め厳正に対処してまいりたいと考えております。
職員に対する懲戒処分につきましては、これまでも厳正に対処してきたところでありますが、今般、懲戒処分の指針を厳しく改正いたしましたので、これまで以上に服務規律の確保に努め、違反事案については厳正に対処してまいりたいと考えております。
また、会計制度そのものに原因があると思われる場合には、可能な限り、制度を改めるようあらゆる工夫をするとともに、職員の意識や職場風土の改革に努め、コンプライアンスの徹底を図り、再発防止に努めてまいります。
不適正資金にかかる返還金につきましては、不適正資金問題調査検討委員会が返還を求めるべきといたしました3億円につきまして、私自ら職員に返還を要請いたしまして、今般、返還金の回収が完了し、昨日、大阪市に3億円を返還いたしました。

今回の不適正資金の返還にあたりましては、不適正事案に直接関わった者は当然のこと、組織風土に根ざした要素もあったことから、課長代理級以上の管理職にも返還を求めたものであります。
結果として、多くの職員からの返還が得られたことは、二度とこのような問題を引き起こさないという職員の強い意識の表れでもあると、私は考えております。
再発防止策でございますけれども、今回の不適正資金問題を調査する中で、「職員の希薄なコンプライアンス意識」、「前例踏襲主義」、「会計知識の不足」といったことが問題の背景として明らかになったことから、今後は、一刻も早く不適正資金問題を生み出した原因を取り除き、職員の意識改革を図るとともに、このような問題を生じない強固で健全な組織を構築するという観点に立って、再発防止策を着実に実行していかなければならないと考えております。
効果的・実践的な研修の実施などにより職員の意識や職場風土の改革に努め、コンプライアンス意識の徹底を図るとともに、不適正資金や預けが二度と発生することがないよう、公会計制度の改革についてもスピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。また、今後とも、不適正な事案に対しましては、厳しく対処してまいります。
残された課題は、まだまだたくさんございます。本日の処分は、一つの節目とは考えておりますけれども、いったん失われた信頼を取り戻すことがいかに容易ではないかということも十分に承知しております。しかし、一日も早く市民の皆様からの信頼を取り戻すために、職員の意識改革を引き続き進めてまいりまして、現在直面しておりますさまざまな市政の課題に対して、私が先頭に立って、職員一丸となって前向きに、そして元気な大阪をめざして取り組んでまいりたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
質疑応答
記者
今回下された処分について伺いたいのですが、市長として今回の処分が妥当であるとお考えかどうか、まずそれが1点目の質問です。2点目が、その処分で、まだまだ調査中ですが、けじめはつけることができたと考えているのかどうなのか。3点目が、森下副市長の責任と、森下副市長を任命された市長の責任について、お願いいたします。
市長
お答えいたします。処分が妥当かどうかということでございますが、調査検討委員会の報告書に基づき厳正に処分したと、さように思っております。なにしろ、証拠書類も何も無いような聞き取りの中から、かなり多くの聴取を経て、これだけの351人という大量の処分に至ったわけでございます。その処分につきましては、委員会の報告に則ると同時に、懲戒審査委員会の方でも一応審査していただきまして、量刑等も含めて、妥当なものだと思っております。
それから、これでけじめがついたかどうかというのは、何度も申しておりますように、先日の、6月の段階で出た報告書に関する事案に対しての処分ということでございまして、まだまだこれから取り組まなければならないことがございますが、6月5日の報告書に対しては、一応のけじめをつけさせていただいたと思っております。
森下副市長に関してでございますが、これも当時、経済局と環境局、この2つの局にまたがって、なかなか調査が行き届かなかった部分がございます。そういった組織の問題等も含めて、本来ならば先回りしてきちんとやっていただきたかったところが出来なかったということで、厳重注意をいたしましたので、厳重に注意をしたことで、私は、森下副市長に対する私自身の責任というものも果たしたと思っております。
記者
関連で、他に、局長・区長クラスの方々が3月末で6人、定年退職を迎えられて、結局処分の対象にはならなかったのですが、それは、当初2月中に終わるはずの調査が長引いたために、いたずらに処分を受けないという形になったようにも見えるのですが、その点はいかがでしょうか。
市長
はい。いたずらにという言葉が、適当かどうか分かりませんが、今回、2月4日に勧告を受けて、5日から実際の調査に入りました。当初から、3月末で退職される方で該当する方があればどうするのかという懸念はございましたので、そういった方には、書類を提出していただいておりまして、処分といいますか、処分に匹敵する返還をお願いするという形で、今後、動いていくと思います。返還金についてはもう、OBの方でも既に振り込んでいただいているはずですから。
記者
そうしますと、例えば、その6人の局長、区長経験者の方には、これから別途、これまで集めた返還金、あるいはカンパとは別途、処分に相当する何がしかの金銭を請求されるということでよろしいでしょうか。
市長
返還に関しては、もう既に入っております。後は、だから、例えば同等の方が処分をお受けになっている(場合に金銭を請求するかどうか)。6人に関しては、ベースが戒告だということですので、処分に該当する金額を求めることは、もう事実上できないということです。
総務局
私から補足させてもらってもよろしいでしょうか。誓約書につきましては、例えば減給、停職の処分に至りますと、明確に減給1月いくら、停職ですと1月分の給与というものが出ますけれど、戒告以下につきましては、直ちに給与上の返還額が生じるものではございません。将来的には、ボーナス、あるいは昇給という形でありますけれど、退職以降にその分を徴収するというのは難しいです。今回、所属長につきましては、戒告以下になっております。直ちに給与上の返還を求める形にはなってございません。ただ、所属長以下で、停職等減給に値するものがございますが、その2人については、それぞれの給与に見合う相当額を返還していただく方向で考えてございます。
市長
すいません、そこのところ、私、2人の方の話のスイッチが、違うところに入っておりまして、失礼いたしました。
記者
先ほど、一つの節目であるというふうなことをおっしゃいましたが、ここで新たな裏金というのも、まだ調査中であると。改めまして、今日の処分の、市長が感じておられる位置づけというか、意味合いというか、それをもう少しご説明いただければと思います。
市長
はい。最初に私、市役所に入りまして、こういった事案が起きた時に、どういった具体的な処分をするのかというのを聞いた時に、例えば停職処分1日というものが、重いか軽いかという感覚で言いますと、「えっ、1日停職で、それで終わるんか」みたいな感覚がありました。民間の会社ですと、これはもう、いろんな処分事由があり、処分の後の、復権といいますか、そういう部分があるのですが、公務員の場合というのが、要するに、その後の生涯賃金に、全ての処分がかかわってくるという話を聞きました。例えばボーナスの際、あるいは退職金の際、それから昇給の際、といった部分で全て、あらゆる処分がこれから先の、生涯の公務員生活にかかわってくるということを聞いて、1日ということ自体が、決して軽いものではないということを聞いて、「あっ、そのあたりは自分自身が知らなかった部分だな」というふうに感じたことを覚えております。例えば、これはもう皆さんにもお渡ししている資料だと思いますけれども、課長級の事務職で53歳の場合、停職1日で、これから先、60歳の定年までに、112万3000円という影響が出ると予測されております。そうしたことから、1日が全て軽いのか。これは戒告にしても同じことで、戒告は50数万でしたか。これが若い人になればなるほど、そういった影響は大きいので。公務員自身も、それは一番自覚していることだと思いますから、これだけの処分を受けた人たちが、今どういう思いでいるのか。私がこれから折に触れて、いろいろなメッセージを職員に対して発していきます。コンプライアンス、それから、今回から処分の基準というものを厳しくしておりますので、そういったものをきちんと言った上で、市民のために、やっぱり前向きに働いてほしいと思っていますから。何とかここを乗り切らないと、大阪市を立て直すことはできないと、そういう気がして、重く受け止めております。
記者
今回、再発防止策ということで、たくさんいろいろ出ています。新しい指針というものが、明日から施行されることになりますけれども、市長ご自身、こういう問題が二度と起こらないようにするには、何が一番大事だと思われますか。
市長
そうですね。やはり職員の意識改革。それと同時に、今回は二つの切り口と言いますか、組織のありようを、もう少し、風通しのいい組織にしなければならないということでありますとか、あるいは、公会計のあり方として、本当にいるお金をきちんと使えるというものを、今までもそういうふうにしていたんですが、なかなかそれを周知徹底できていない部分がある。お金を使う職場にいながら、そのお金を使う際に、こうした、きちんとした手続きさえ踏めば出てきますよということを知らずに作業をしていたという面も、かなり見受けられましたので。それを、意外であると自分自身は思ったと同時に、そういった教育というものが、やはり現場できちんとされていかなければならない。役所の中に入りまして思ったのが、意外と引き継ぎ業務がない。4月で人事異動、あるいは他の月でも人事異動になりますと、その人事異動で行った先に、引継ぎマニュアルが存在するかどうかというのは、意外とないような気がします。だからそういった、本来ならこれだけ大きな組織にあるべきものを、きちんと整理・整備していかないといけないなという思いがします。再発防止策、具体的にそういった面で一つずつ、実行に移していきたい。人材開発センター等で、私も職員に対して講和をやっておりますが、その際にも、やはり絶えず、コンプライアンス意識の徹底というものと、自分は何のために公務員になったかと、原点を見つめ直してほしいというのを、訴えかけていっております。あらゆる機会を通して、それを職員に訴えかけていきたいと思います。
記者
処分の話にちょっと戻りたいのですが、先ほど市長自身おっしゃいましたように、懲戒処分を受けますと、そのあとのボーナス、昇給、退職金等に影響いたします。先ほど申し上げた方々、誓約書を出された方々だと思いますが、そういう影響を受けないままに定年退職を迎えられている、あるいは特別職に上られたということなのですが、制度上求めることが出来ないにしても、市長自身おっしゃられたように、市に対するダメージ、市民への迷惑という点では、非常に大きなものがあったと思うのですが、損害賠償のような形で、何がしかの、例えば退職金の一部返還ですとか、そういった形で求めるというお考えはないでしょうか。
市長
そうですね。損害賠償のような形で、退職金の一部返還を求めるほどの対象者がいなかったという、恐らく、そういうことだと思います。記者の方は、今、多分、森下副市長のことも念頭に置いて言われているのかもしれませんが、厳重注意という形で、私から口頭注意。これも異例で、全ての処分発令をした後に、口頭で注意をさせていただきまして、それを重く受け止めていただいておると思いますし、なおかつ、森下さんに副市長になっていただいてからの、彼の私を補佐する動きというものにつきましては、何物にも代えがたい動きをしてもらっておりますので。私は、そういった森下副市長の前向きの動きをもって、償ってもらっているという認識でおります。それが市民には見えないじゃないかというご批判があるかもしれませんけれども、それもあらゆる場面で、きっとこれから先、市民に見える形で大阪市を変えていくことが出来ることにつながるという風に思っております。是非、そのあたりはご理解いただきたいと思っております。
記者
森下副市長への口頭注意ですけれども、今日、どういう場面で、市長は具体的にどのようなことをおっしゃって、それに対してどのように答えられたのかということが一つと、どうしても、言葉が悪いですけれども、先ほども質問でありましたように、退職した方、OBの方に関しては、逃げ得という、そういうふうな印象を与えてしまうのではないかと思います。その返還金の問題にしても、3億の中で、OBの方が払われた金額がいくらであるかとかは、各所属に任せて、所属の中の話ということで、集計も難しいようなお話を聞いていますので、その点、いかがかということと、全体論として、先ほど市長が、停職1日が、最初の感覚では「えっ」という、ま、軽いのではないかというようなことであったとおっしゃっていましたけれども、市が認定されているだけでも4億、紙面では7億というふうに書いていますが、これと比して、今回の処分の重さ、市民の納得を果たして得られるかどうかについて市長はどのようにお考えかという、この3点についてお伺いします。
市長
はい、まず、私は、これだけの大量処分、しかも所属長の処分を発令するというのは初めての経験でございまして、各人を呼び込んで、一人ずつに処分事案、戒告も含めてやりました。すべてが終わった後で、ただ一人、残ってもらいました森下副市長に対しまして、経済局長をやっていただいていた時期でございますが、経済局長としての責任と、自らの統治という部分で、もっと深い、あるいは細かい注意をしていただきたかったと。それが故に、今回の調査に関しても大きな混乱を及ぼした責任は大きいので、厳重に注意するということでございました。森下副市長からは、「その注意を厳正に受け止めて、今後、こういったことのないように、努力してまいります。申し訳ございませんでした」というお話がございました。
逃げ得論でございますけれども、確かに今年の3月という期間を区切ってしまえば、今年の3月で退職された管理職あるいは所属長の方にとっては、そういう部分があるではないかということをおっしゃるかもしれませんが、これは、ずっと遡ること10年間の話でございます。10年遡っております。その間にどうしてもたどり着けなかった方もあるのは事実でございますから、2億2千数百万という返還に上乗せをする形で3億という形をとりました。5年前に退職された方はどうだったんだ、あるいは6年前に退職された方はどうだったんだ、むしろその方たちの方が、こういったお金に全くタッチしていなかったのかどうかというのは、現実問題として、やはりあったと思います。その方たちまで遡れない部分、証拠がないとか、いろんな部分、ありますので、これはもう、一定、ある時期で、そういった形にならざるを得ないと、私は市民に説明をしたいと思います。でないと、いつまでたっても、これがずっと続いていくという気がします。
それから処分の重さですが、これについても私は、今、なにわ元気アップ会議で、元気アップ会議と言いながら元気が出ないような話をしなきゃいけない矛盾は感じながら、市民の皆様の中でお詫びをしながら、ことあるごとにいろんな場所でこの話をさせていただいていこうと思っています。その場には必ず区役所の職員とかおりますので、そういった中で、「市長は、こう思てんねんな」という部分が、市民の方にも、それから職員にも伝わるようにと思いつつ、24区をまわっていきたいと思っています。
そうですね、全体論ね。やはり、自分が市長になる前の長い年月に渡る慣行が、ここまで根深かったのかなあと思います。それと同時に、いったん閉めた後に、先日出てきた案件に関しては、非常に残念な思いがするのと、前にも申しましたが、やはり裏切られた思いがするのと、そういった今後出てくるものに関して、きちんと厳正に処分してこそ、この全庁調査、あるいは全庁聞き取り、一斉メールでの調査といったものに、我々が一定の評価をしているということを分かっていただけるのではないかと思います。
逃げ得は許さないと言っておきながら、ご指摘のように、OBはどうするんだという部分は、さっき申しましたトーンで、これからずっと説明をさせていただきたいと思っております。
前にも同じような感じで、ここで記者会見をさせていただきました。いったん線を引かせていただきいたいというふうに言いましたら、その線を引いたすぐ間もなく、また新しいものが出てしまったということで、非常に皆さんに対して申し訳ないと思いながらも、これをすべて出していくことが、大阪市を良くしていくという信念は、私、変えません。今後出てくるものは厳正に処分しますし、新たにそれを作ったものに関しては、本当に、懲戒免職を含んだ厳しい処分で対処していくという形の処分規定に変えますので。処分ばかりの話ではなく、やはり職員一丸となって、もういっぺん、大阪を元気にしていかないといけませんので、その方面でのいろんな打ち出し、具体的に前向きな話を、この秋にしていきたいと思います。それについてきてくれる職員を、是非、私も選びたいし、今、所属長のポジションにいるみんなにも、そういった方針、ポリシーに則って動いてくれる職員をどんどん上に上げてきてくれということを、お願いしようと思っております。
本当に、皆さん、申し訳ありませんでした。
記者
すみません。再度お尋ねします。別に私は、森下副市長に何の恨みもないですし、その働きが、そのポジションにそぐわないと思っているわけでは全くないのですが、再度お尋ねしますと、まずその誓約書、これを書かせたのは市長です。提出先も市長です。これを書かせた意味というのは、今になってみると、何の意味があったのかなと。全く何の意味もなかったじゃないかというのが1点と、それとですね、その誓約書を書かせた方、その後に出てくれば処分を課すということで、現実に今回は3人の方がそれを適用されて戒告処分になっているかと思うのですが、既にその所属で疑惑が持ち上がっていたにもかかわらず、その方を副市長の座に就けたのは市長ご本人です。誓約書を書かせたのも市長、副市長に引き上げたのも市長です。この辺りを、どうお考えなのか、もう一度お聞かせください。
市長
つまり、あの辺りの時間的な経緯がございまして。誓約書をお書きいただくというのはそれだけ、部下にきちんと統制が利くかどうかと。上からの、聞き取り調査を浸透できるかどうかという部分の証明でもあったわけですし。その部分、確か誓約書の話が出た時には、「これから後、その誓約書に反することが出てきた時には、一段階処分は重くなるでしょう」というように申し上げたと思います。誓約書に反したことが出てきたら、それで一気に懲戒か、みたいなことは私は言ってなかったと思います。誓約書の問題についても、あの当時、森下副市長が当時は経済局長で、誓約書に添書きを一枚付けておられました。というのは、締切日の前日になって、その存在が明らかになって、その調査をするまでには至らなかったという部分。法務監察に対して「なんとか待って欲しい」というのをおっしゃったそうです。法務監察としては、一定のタイムリミットを区切っていたので、それに対して、「ノー」という返事を出したが故に、ああいう形になったと聞いております。その報告が上がってきた時に自分ならどうしたかというのは、考えてみたら、新しい事案が締切の一日前、二日前に分かったのであれば、「徹底調査してから書いてくれてもいい」というふうに言ったかもしれない。これも「かもしれない」話なので。それで、私に責任があるということであれば、市民の皆さんにちょっと聞いてみたいです。そういう疑惑の人物を副市長にしたということですか。(質問は)そうではないですよね。
記者
そこまで申し上げていない。
市長
そうではないですよね。ですから、重要なポジションに就いていただきたいという気持ちと、確かにあの時に、もっときちんとやっておいていただければ、あれだけの混乱は起きなかったのにという意味を込めて、注意をさせていただいたということなのです。これが不十分だという市民の皆さんのご判断があるのであれば、それは、もう、厳粛に受け止めたいと思います。私は、やはり、ご本人も申し訳なかったとおっしゃっていますので、今日注意をさせていただいた内容のでいいと思っています。
記者
市長の今のお話ですと、市長に対して差し出された書類の、捺印の誓約書よりも、それに付けられた添書きの方が重いという話になりますけれども。
市長
いや、私は一概にはそうは言えないと思います。ですから、あの時点で、私、申しましたのは、誓約書自体は有効であると。確か言いましたよね。誓約書自体は有効だと思うと。あの段階で、「誓約書、これはもう効力無効ですよね」と皆さんのお話がありましたが、私自身は、誓約書自体が有効であると思うと。有効だという感覚でおりますし、なるがゆえに、森下副市長に対して、今日、異例の厳重注意をしたということでは足りないということなのでしょうか。
記者
いえ、私がお聞きしているのは、森下副市長の処分が重いかどうかではなくて、市長ご自身の責任はどうかというふうに申し上げているのですが。
市長
そうですね、誓約書を出すことによって、何が担保されるのかという部分で言うと、確かにその当時、誓約書に反することが後で明らかになったら、一段階重く処分するという気持ちでおりましたので、私はそのとおりやったと思っています。全ての所属長に対して処分をした後に、森下副市長に対して厳重注意をさせていただいたことが、一段階重い処分だと、私は思っております。
 

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