平成20年12月16日    大阪市長会見要旨

【市長就任後の1年を振り返って】

皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。まず、この間、予定しておりました定例記者会見を私の都合でキャンセルをすることがございました。大変ご迷惑をおかけして申し訳なく思っております。前回の定例会見が11月14日だったそうでございますので、もちろん、その間、市会の日程等もございましたけれども、1ヶ月以上の間隔が空いてしまったということになり、本当に申し訳なく思っております。
今日が12月16日でございますので、私が初登庁いたしましたのは、(昨年12月)19日でございますから、後3日でちょうど丸1年ということになります。そういうこともございますので、本日、この場をお借りしまして、私なりにこの1年間を簡単に振り返らせていただこうと思っています。もちろん、新聞各紙の皆様、それからテレビ各局の皆様には、既に1周年ということでインタビューあるいは記事にしていただいたところもあります。ありがとうございました。
(市長に)当選したのが(昨年)11月18日でございました。それから1ヶ月間、本当に缶詰に近い状態で、いろいろと市役所のなかをレクチャーを受けていたことが、今になってみれば懐かしい思い出もございますし。つい先日、橋下知事といっしょに「OSAKA光のルネサンス」のメインイベントを、点灯式をずっとやってまいりました。去年のちょうどこの時期というのは、私、市役所の中でずっとレクチャーの受けっぱなしで、ウォールタペストリーというんですか、メインイベント、あれを音だけ聞いてましたんで、今年初めて見ることができたなぁと思っております。市役所に入ってから、なにぶんあまりにも、何も知らないまま入ってまいりましたので、まず言葉の壁を、言葉の壁というのは日本語でおかしいのですが、市役所の用語を、「なんや、それ、どういう意味や」というようなこととか、あるいは、「なんでそないなってんねん」というような連続がしばらく続きましたが、1年の間で、それなりに職員とコミュニケーションを取れるようになりましたし、そういった新しいものに慣れつつ、なおかつ、自分では「ここは馴染(なじ)んだらいかん」という部分も肝に銘じながら、市民目線をいかにキープするかということを考えてきた1年でございます。しかし、月並みな言い方になりますけれども、自分の60年の人生のなかで、こんなに凝縮した時間を過ごした1年というのは、やはり経験がございませんでした。浮き沈みなんていう、そういう生易(なまやさ)しいもんではないぐらいの高揚感に包まれた時、あるいは、閉塞感にさいなまれた部分もございました。そういった連続のなかで、まだまだ大きな決断を迫られる事態が、この先控えております。2年目に向けて間違いのない決断をできるように、是非今後も頑張りたいし、皆さんからもご支持等をいただきたいと思っております。
やはり一番大きな、自分のなかでの思いというのは、不適正資金問題、いわゆる裏金問題でございました。こんなに出てくるのかというぐらい次から次へと出てきましたことを、私は一切隠すことなく、「きちんと整理ができた段階で表へ出していこうよ」ということを言い続けてまいりました。それでも、やはりメディアの皆さんのなかには、他紙よりも一歩でも早くということで、報道をしていただいたことによって、途中で発表せざるを得ないというようなことも、やや不本意ではありましたがございました。でも、結果的にはそういうことを度重ねることによって、逆に日ごろ、他人事と思っている縦割りの組織のなかで、今、大阪市役所がどれだけ厳しい市民の監視の目にさらされているのか、あるいは、自分たちが普通に思っていたこと、普通にこなしていたことが、世間の目から見たら非常識であったということを、もういっぺん再確認するという機会に恵まれたことにもなったのではないかと思います。やっぱり、情報公開ということがいかに、自分たちをも守るのかということを分かってもらいたいという気持ちをずっと続けてまいりましたが、そうであったし、それから、それは間違いのない路線であるという気持ちでございます。
もう一つ、自分のなかで思っておりますのは、今までこういった不祥事が出た時に、対策というものが後手後手にまわるという部分では、非常に早い時点で、預けが出た時に、使い切りという風土はもうなかったはずなのに、それをシステムとしてきちんとしていなかったという部分で制度改正ができた。あるいは、小口現金の使い方についても、これは本当に市民のために使うお金やということをきっちりと分かる状況であれば、もっともっと使い方がきちんとしていればという前提のもとで、使いやすいお金でなくてはいけないという思いを言うことができました。本当に私にとって初めての経験であり、つらい部分もございましたが、これは私の、自分自身の気持ちの持ちようといいますか、全ての試練をプラスに変えることによって、何とか乗り切りたいという自分の思いがございますんで、絶えずそういった意味で、前向きに前向きに取り組んできたつもりでございます。そういった報道の、一連の報道のなかで、皆さんの大きな紙面を割いていただいたり、あるいは、時間を割いていただいて、報道していただいたことによって、より一層、前向きな大阪市になるんだという、私の気持ち、思いというものは、市民に伝わり、そして職員にも少しずつ浸透していっていると思います。今後ますます、しっかりとその面を職員といっしょに市民にアピールしていきたいと思っております。
もう一つ大きなものが、やっぱり市民協働でございます。これも多くの皆さんに取材していただきました。そして、先日100回目の「なにわ元気アップ会議」、これは「ウェルカム!!なにわ元気アップ会議」を市役所で知事に来ていただいてやることができました。100回のフォーラム、元気アップ会議、サプライズ訪問等で、いったい何人の市民の方に直接お会いできたんやろうと思いましたら、やっぱり、かなり多くの方にお会いすることができ、そして、日ごろ、大阪市のためにと思って、いろいろと動いてくださってる方の数の多さに私自身、感激もいたしました。そうしたことから自分の施策でございます「政策推進ビジョン」のなかの大きな柱、市民協働で街頭犯罪のワースト1を返上しましょうよという言葉でありますとか、あるいは、今日からキックオフイベントさせていただきましたが、違法駐輪に、これもワースト1、不名誉な記録がございます。ワースト1返上しましょうよという動きになったり、あるいは、ごみ減量というものを大きく、市民いっしょになって考えましょうという言葉となって表すことができたと思っております。それから、最近いろいろと職員が懸命に頑張ってくれていることを目にする機会が多くございます。一番最近でいいますと、緊急金融対策における経済局の職員、あるいは、経済局に元いた職員まで含めて、いろいろと頑張ってくれています。100年に一度ともいわれますが、誰がそんな、100年にいっぺんやと決めたんや、いうぐらいにいわゆる未曾有(みぞう)の経済状況ということがいえると思います。大阪市独自の取組みを折り組んだ緊急金融対策、10月末から実施しておりまして、産業創造館では朝早くから、終電車に乗り遅れないようにという形で職員が懸命に頑張ってくれておりますし、そうした職員並びに信用保証協会の皆さん、産業創造館における緊急融資の額、件数は共に過去にない規模になっております。今後も大阪の中小零細企業に対してできることは、最優先課題として全力で取り組んでまいりますし、企業の経営と市民生活の安定に全力を尽くしてまいりたいとそういう思いを強くしております。
いよいよ2年目に入ります。政策推進ビジョンが先日、あまり具体的な数値目標がないとか、お叱(しか)りの言葉もたくさんいただきましたが、いやこれから肉付けしてまいりますということをその場で言わせていただきました。着実に一歩ずつ、着実に前進していくんだという思いを相変わらず私はずっと思っておりますし、そういった面であの政策推進ビジョンを具現化できる方向性を少しでも早く探りたいと思います。それから、WTCの決着というものもやはり、これはもう2年目に入ったら、当然スケジュールに上がってくると思います。未曾有の経済危機に対応するには、何がいいのか、何が必要なのかということも考えていかなければなりませんし。その一方で、101回、今日のサプライズ、朝の駐輪対策をサプライズとしますと、102回になったと思います。市民協働チームと更なる展開をしていくなかで、もっともっと大きなうねり、市民協働のうねりというものをムーブメントに高めていきたいと思っております。
中之島公園が変わりつつあります。これも今から本当に楽しみにしております。水都大阪2009というものが、来年の8月22日から10月12日までの52日間、イベントとして繰り広げる訳ですが、それまでにも様々な形を通して、水の都大阪というものをアピールし、水に親しむ、親水空間というその親水性に富んだ中之島公園というものを、是非皆さんに見ていただきたいと思っております。また、3月になりますと、(阪神)なんば線が開通して、三宮から難波を通じて奈良まで行ける。そういった交通ネットワークができるということで、それも大きな楽しみにしております。2年目に向けての課題、水道協議もございますし、そういったものがどういった形になるのか。また、皆さんの前でいろいろな情報をお出ししながら、逆に、メディアの皆様からもいろいろなご指導をいただきたいとそう思っております。予定より少し長くなりましたが、この1年を締めくくる私のコメントとさせていただきます。

【12月29日(月)及び30日(火)の「緊急対策資金融資」にかかる認定・融資相談等の受付について】

それでは、今日、お配りしております資料に基づきまして、ちょっと項目多くございますけれども、ご説明申し上げます。まず、「12月29日(月)及び30日(火)の『緊急対策資金融資』にかかる認定・融資相談等の受付について」という資料でございます。この資料で、この間、決算特別委員会でもご心配いただいておりました年内の融資につきましては、信用保証協会にも休日返上で取り組んでいただいておりまして、今後も11月末までに融資を申し込まれた方々の年内実行が可能なように、最大限努力するようお願いをしております。
今年は、暦の関係でいわゆる御用納めといわれる12月28日が日曜日に当たっておりまして、年末になってようやく融資の相談とか、申込みができると思っていらっしゃる中小企業者の方にとっては、不安を増す材料にしかならないと思います。そういったところから、29日(月)と30日(日)の窓口を開けようということになりました。もちろん年末に窓口を開けたからといって、年内の融資の実行はできないんですけれども、しかし、認定はできますので、その認定をして金融機関にまで持ち込んでいただけるということを思えば、どうなるんやろうなぁと年を越される中小企業の方々のことを考えると、金融機関が営業している29日(月)、30日(火)に、緊急相談窓口はもとより、認定申請、融資相談の窓口を開けることが、本当に新年を迎える不安のなかにいらっしゃる中小零細企業の皆さんにとって、本当、大阪市ができる対策だということでやってまいります。今後とも、市内の中小企業の皆さんの不安解消のために、金融機関にも社会的責任を果たしつつ、積極的なご協力をいただきながら、また、本市としましても経済動向や国の動きを十分注視し、必要な対策を柔軟かつ速やかに実施してまいりたいと思っております。また別に、「生活防衛のための緊急対策」とされております政府の第二次補正予算案が、予定どおり12月20日に閣議決定されることになりましたら、25日に「大阪市緊急経済対策本部」、仮称でございますが、これを立ち上げて、全庁あげて準備に取りかかり、補正予算が決まり次第、施策が実施できるようにという体制をとってまいります。

【区役所の年末の開庁日時について】

次に、区役所の年末の開庁日時もお知らせさせていただきます。すでに12月3日の報道発表資料でお知らせしておりますけれども、再度のご案内です。区役所では、毎月第4日曜日に、日曜開庁を実施しておりますけれども、12月28日も日曜開庁を実施いたします。開庁時間は午前9時から午後5時30分まででございます。
また、毎週金曜日には午後7時まで、窓口開設時間を延長しておりますけれども、(12月)26日の金曜日も時間延長を実施し、午後7時まで窓口を開いております。
なお、12月27日(土)及び29日(月)から1月4日(日)までは業務を行っておりませんので、ご注意いただきたいと思います。

【阪神高速道路(渡り線)の都市計画決定について】

続きまして、「阪神高速道路(渡り線)の都市計画決定について」という資料をご覧ください。この1年間、市民が安心して暮らせる、元気な大阪をめざしまして、大阪経済の活性化、そういう面に対しましても全力をあげて取り組んできたつもりでございますけれども、この大阪の元気を高めるうえで、大きな効果が期待できる2つの取組みをこれからご紹介します。
1点目は、阪神高速道路の渡り線についてでございます。臨海部の開発を促進するためには、交通アクセスの更なる改善が必要であると考えてまいりました。阪神高速道路の大阪港線の東行きから環状線北行きへの渡り線の整備、これでございます。今は大阪港線から市内へ帰ってくるときに、北へ帰りたいなぁと思っても、ぐるっと南へ回って行くか、あるいは、一旦(高速道路を)降りて乗り継ぎ券をもらって(再び高速道路へ)入るという二つの方法しかございません。なんで、北へ行きたいのに、ふっと気がつくと、ここを走っている時に左に通天閣が見えるんですが、なんでやろうなと思って走った経験のおありの方、きっと多いと思います。ここの渡り線を作らせていただきます。都市計画の手続きを進めてまいりましたけれども、いよいよ今月の19日に、大阪府都市計画審議会で審議される運びになりました。この計画が実現いたしますと、臨海部から、阪神高速道路の大阪池田線や守口線へ向かう最短の経路が形成され、環状線の南側を半周迂(う)回する交通の解消やCO2の削減など環境負荷の軽減が図られます。大阪都市圏の活性化、あるいは都市環境の改善にもつながると考えております。
阪神高速道路株式会社の試算でございますけれども、市内での、この渡り線ができることによるCO2削減効果は、年間およそ1,780トン。これは、京セラドームに換算しますと16個分の広さの常緑広葉樹林が1年間に吸収するCO2の量に相当するそうです。といわれてもなかなか量が目に浮かばないんですが、それぐらいの効果があるということでございます。具体的な台数でいいますと、北へ行きたいのにぐるっと回ってらっしゃる方が14,000台、これは量的にいうと一日量。一日の量で南へ迂回している車が14,000台あるそうです。そして、乗り継ぎ券をもらってらっしゃる方が2,000台ということで、それを考えますと、16,000台、日量16,000台が南へ迂回する、あるいは途中で普通の道に下りなくてもいいという道の整備でございます。臨海部から門真市や守口市方面へ、より使いやすい高速道路ネットワークが形成されまして、WTCを含めました臨海部と名神高速などの主要高速道路がさらに効果的に結ばれますので、臨海部の活性化に大きなインパクトとなるものと考えております。どうぞよろしくお願いします。

【パナソニック株式会社エナジー社リチウムイオン電池工場への助成決定について】

次に、大きな効果が期待できる2つ目の取組みでございますが、パナソニックの新工場についてでございます。私自身も市長になりまして、この誘致の話を積極的に進めさせていただいて、成功したということで、非常にうれしい出来事でございました。この新工場は、投資総額が1,000億円で、およそ1,500人の従業員が勤務する、リチウム二次電池工場としては、世界最大級の先端工場といえます。21年1月に着工して、第1期工事が完成し、生産が稼動するのが来年の10月の予定となっております。

産業集積促進地域 パナソニック リチウムイオン電池工場の完成予想図(PDF:145KB)
本市として、新工場に30億円の助成を予定しておりまして、今日午後6時に開催されます助成制度審査会で審議していただいたうえで、決定することになっております。30億円の助成というのは、本市にとっても非常に大きな財政負担ではありますが、これを上回る大きな誘致効果があるという判断のもとに、お願いしているわけでございます。
いろんな前提をおいての試算ではございますが、新工場立地後の10年間で、建物や設備関係だけでも70億円を超える市税収入が見込まれ、加えて、新工場での生産活動で、市内取引の拡大をはじめ、雇用面でも、新工場での1,500人を含め、市全体としておよそ7,000人の雇用に相当する経済波及効果があると試算されております。先ほども触れましたけれども、深刻な経済不安、景気後退、雇用不安などがいわれております、経済環境の悪化が懸念されている時でございますが、新工場への助成は、市民の安定した雇用を、将来にわたって確保していくための投資であり、臨海部はもとより、大阪全体の活性化に大きな弾みとなる投資であろうと考えております。

【無料風俗求人誌についての調査結果について】

次にまいります。無料風俗求人誌についての調査結果について、お手元に報道発表資料をお配りしております。これは、無料風俗求人誌問題につきましては、今回、大阪府警察本部をはじめとする公共機関だけではなくて、地域団体や市民の皆さんとの協働、そして、ここにおられる報道各社のご協力によりまして、大きな成果を上げることができました。市民協働の取組みの一つの成果だと思っておりまして、これまでの取組みの経過を含めて、今日ここでご説明させていただきたいと思います。
今年の4月から5月にかけて実施しました前回の調査では、それまでにおよそ、大阪市内だけで1,000カ所といわれてたらしいです。府下全域で1,400カ所ぐらいありましたものを大阪市の青少年福祉委員を中心としまして、設備店舗等への働きかけ等をすることによって、その1,000が518カ所に減らすことができたんです。その後、夏季休暇を重点期間とし、学校・PTAによる児童・生徒への注意喚起でありますとか、青少年団体等による監視、そして大阪市商店会総連盟をはじめとする業界団体による啓発や協力、さらには、PTAの皆さんの、保護者の働きかけ等がありまして、そういった啓発・協力、さらには設置店舗等もご協力いただいたということで、今回、10月から11月中旬にかけまして、その取組みの成果を調べましたところ、(無料風俗求人誌の)ラック設置については、本市域内518カ所というのを前回発表しております。それが43カ所に減っております。91.7%減少することができました。これだけ大きな成果が上がった市民協働の動きというのは、本当にすばらしいことですし、こういった青少年の非行の玄関になりそうなものを、まず市内から撤去していく。自発的に協力をお願いして撤去していくという動きがこれだけ大きな実りをみせたというのも、この問題に関しまして報道していただいた皆さんのご協力、さらには、大阪市に3,400人の青少年福祉委員の皆さんがいらっしゃるんですけれども、その3,400人が皆さん走っていただいたということで非常にうれしく思っております。また、大阪府警察本部が、9月に発行業者の摘発をしてくださいました。こういったことも追い風になったのではないかと思います。再調査結果につきましては、大阪府警をはじめとする関係機関に提供するとともに、大阪市青少年福祉委員をはじめとする市民団体と協働して、引き続き、監視・啓発を進めてまいりたいと思います。また、今年9月に設置させていただきました大阪市地域安全対策本部のもと、今回の市民協働の成果を踏まえて、地域総がかりで、今後もこどもの安全を守る取組みを進めてまいりたいと思っております。

【大阪港の立入禁止区域の指定について】

盛りだくさんですが、もう一つでございます。大阪港の立入禁止区域の指定についてです。いわゆるパブリックコメントで大阪市の案を発表しましたが、最終的には1,384件のご意見をいただくなど、非常に大きな反響がございました。私も直接、野鳥園周辺の現場も視察させていただきましたし、それから、社会実験を行っておりました舞洲にも寄せていただいて、釣り関係の団体の方や、あるいは釣りを楽しんでおられる市民の方の意見も聞かせていただきました。
この件につきましては、当初の案のように全て禁止することがいいのかどうか、一方で管理者といたしまして本当に禁止にしなければならないところもあるといまだに私、考えておりますし、予想を上回る反響があったことから、専門家や関係者による検討委員会を設置させていただきます。禁止指定の場所でありますとか、その他必要な事項につきまして、具体的に検討を進めていくということにしました。委員については、これから選ばせていただくことになりますが、学識経験者や弁護士、さらには釣り団体の方などにお願いしたいと考えております。
11月には釣り関係の団体から要望があがり、12月2日に港湾局と団体が協議を行いました。その中では、「何とか魚釣りを続けたい」という強い要望があった一方で、ごみの問題や、あるいは周囲の環境への配慮といった、釣り人のマナーの向上や危険に対する自己責任といったことについての提案もされたと報告は受けております。また、パブリックコメントでも、多数の方から同じような意見をちょうだいしておりまして、最終的に市民の皆さんが納得できる形での解決をめざしたいと私は思っております。検討会では、こうした意見や内容を踏まえつつ、港湾局が具体的な案を検討するにあたり、港湾管理者としてきちんと管理しないといけない部分について、施設の管理者としての責務、法的な問題、いろいろ難しい問題がありますが、様々な視点や観点から、また、専門的な意見も含めて、ご議論をしていただこうと思っております。久しぶりで、1ヶ月ぶりで、ずいぶん長くなってしまいまして申し訳ありません。私からは以上です。
質疑応答
記者
市長就任一年ということで、市会での議論を聞いていますと、スピード感に欠けるであるとか、そういった指摘も数多く聞かれたんですが、市長ご自身の認識としては。
市長
何をもってスピード感というのかという部分で、確かに、私の印象でも申し上げましたように、不適正資金問題というのは、かなりの労力と時間をそこで割かれてしまったという思い、ございますが、それを教訓にしながら、私は自分の知らなかった、市役所が縦割りであり、なおかつその縦の竹の中に節がいっぱいあったというようなことまで、認識することができました。それは自分の中に染み込んでおりますので。スピード感、1年目でどれだけのことができたんやという具体的なものをお示しするとなると、例えば20年度予算で、自分なりの方向性を出せた部分もはっきりございましたし、何をもってスピード感とおっしゃるのかという部分でいうと、私のスピード感は、これぐらいその、地道に積み上げていきたいという部分をいろんなところで申しておりましたんで、自分なりには、納得のいくスピード感。理解できないことを拙速に進めるよりは、自分自身が理解できた形で進めてまいりたいと、そういう気持ちは2年目でも多分、同じだと思います。ただ、理解の範囲が広がっておりますから、おのずとスピード感が出てくると思います。それでも「足らん」言いはるかもしれませんが。
記者
スピード感が足りないということで、具体的に申し上げると、WTCの特定調停の調査委員会、これは年末までに中間報告をしたいと、かつ年末までに最終的なものを出したいというふうなことをおっしゃっていたかと思うんですけれども、その辺については、いかがでしょうか。
市長
はい、それ、担当してくれております、山本政策企画室長、おりますので、ちょっと。
政策企画室長
では、私のほうから。今、前にもお伝えしましたように、一応、ヒアリングとしてはですね、特別職を除いては、当時の担当の局部課長まではですね、ヒアリング、終わっております。あと、当時の特別職、市長、助役についてのヒアリングをやる予定で日程を組んでおったんですけれども、ちょっと市長が体調を崩されて、日程がとんだりということで、そのヒアリングがまだできていない状況でございます。いずれにしましてもですね、早急にヒアリングを済ませてですね、報告をできるようにしてまいりたいと考えております。
市長
私から、付け加えさせていただきますれば、本当に、突発性難聴という病気になりまして、それの治療による、恐らく副作用だと思うんですけれども、高熱が出たりしたときにそういう予定が入っていたりとか、という形で、キャンセルをせざるを得なかったことが、残念でなりません。確かに、思っていたよりも、非常に日程調整とか、難しい面がありましたんで、当初、言っていた、その年内にっていう部分は、少し、後ろへずれてしまったことは申し訳ないなと思っておりますが、確実に調査のほうは、進んでいると思いますので。私の言葉で、きっちりとご説明できる段階がくれば、ご説明したいと思います。
記者
今朝、自転車の対策をとるときに市長も参加されましたけれども、その自転車とごみと防犯っていう3つの柱で、今日新たに節目に動き出したかなというような気もするんですけれども、改めて今後の抱負といいますか、決意といいますか、その市民協働でやっていくうえでの、そういうものをもう一回教えていただきたいんですが。
市長
はい。市長になってすぐに、放置自転車問題というものを大阪市はきちんと考えなあかんの違うかということを、私、建設局に対しまして、リクエストを出しておりました。ここはお役所のスピード感ということになるのかもしれませんが、今日まで1年かかりました。しかし、この1年何をしていたのかと考えましたときに、私、今朝集まっていただいた高津連合、それから精華連合さらには河原連合といった地元の人たちを建設局は建設局できっちりまとめてくれるなかで、そして市民協働の動きという部分をケアしていただいたうえに、あの駐輪場を整備したという、これがこの1年やってくれたんやという思いが非常に強く感じました。今までは、駐輪場が先か、撤去が先かみたいな、にわとりと卵やないんですが、結局どっちも難しいから、今のままでいこかみたいな形にさよならをしたいという思いは、今日で非常にさらに一層強くしました。まず、ミナミ・キタという2つのエリアからやらせていただきますが、この根底にあるのは、やっぱりせっかくエコなエコロジーって部分で言うと、非常に優れた乗り物の自転車を悪者にしないでねっていう部分と、そこへ行政もできるだけのことをやります。あるいは一方で地域の皆さんにもご協力をいただきます。そして警察にも協力をいただきます。というようないろんな形で大阪市をきれいにしていきたい。大阪市民のマナー向上も堂々と言っていきたいという思いの実現への第一歩と今日は思いましたね。非常にうれしく思っております。
記者
この1年振り返ってということで、最初おっしゃっていただいたんですが、最初市長ですね、素人の感覚でというかですね、というふうなことで、おっしゃっていたかと思うんですが、だいぶ慣れてきて、これからはスピード感上がっていくんじゃないかというお話もありましたけれども、2年目も3年目も素人と言うてたら、やっぱりまずいと思うんですけれども、その点、この1年経験されてですね、今後、どういうふうに、素人じゃなければ、何で取り組んでいかれるのかっていうこととですね。それと、難聴の件でですね、一言だけ、今の状態というか、それもちょっと教えていただけますでしょうか。
市長
素人には素人の良さがあるというのは、私が素人やからの開き直りかもしれません。ただ、本当に直接行政をやりつつ、なおかつ265万人のまちの市長であり、昼間流入人口のその比率から言うと、相変わらず日本一大きいまちであると。そういった非常に複雑な行政の長として、何も経験がない自分が1年やってこれたっていうこの裏には、やっぱり私を支えてくれた多くの職員の専門的な知識であるとか、あるいはこれから大阪市を変えていくんだという、そういう思いがあり、そして一番大きいのは、私に3つのビジョンの具体的な方向性を見せてくれた、市民の皆さんの私は動きやと信じて疑っておりませんし、自分自身そういう信念でいます。ですから、今後も自分がどこまで素人なのか、今から財政の専門家になれるとは思っていませんし、行政、誰よりもうまい行政マンになれるとも思っていませんが、そういう意見を集約、あるいはすばらしい意見を持っている人たちの、力を存分に使わせていただくという方向性で、進んでまいりたい。そういった意味では、明日、新しく神野先生にお願いしたアドバイザーの、これも、スピード感がないと言われてしまうかもしれません。ようやく、お忙しいスケジュールをぬって会議が持てます。そうした、外部の方々のご意見をちょうだいしながら、本当にこれから先の大都市論というものを、日本中に示していかなければならないところにいる大阪市としての、あるいは大阪市長としての動きを是非させていただきたいし、その心づもりで、残りの任期3年走って行きたいという気持ちがございます。
もう一方、耳のほうでございますが、突発性難聴を11月の8日に、突如として自分の右耳が聞こえないことに気が付きました。診断を受けましたら、突発性難聴ということで、いろんな治療をやってまいりました。ただ、本来ですと、人によるんですけれども、治療によって効果が上がるという時期が一月ぐらいと言われておりまして、その一月はもうすでに過ぎております。残念ながら、改善の兆しは今のところございません。しかし、これも難病の一つといわれて、突発性難聴という名前が付いておりますが、個人によって、その治る度合い、あるいは治るまでにかかる期間というものがずいぶん違うという、いろんなところからのお話もいただいておりますので、今は、右、ほとんど聞こえておりませんが、それはそれとして、じっくり時間をかけながら、この病気と付き合っていこうかと思っております。先日、点灯式で、船で4時間ほど橋下知事とごいっしょさせていただきまして、そのときに、これからは私、話半分でしか聞きませんって言って、ちょっと知事は笑っておられました。何言うても、話半分で聞くでというのをギャグに使わせていただきます。ご心配をおかけしました。そして多くの方々からお見舞いのお言葉もちょうだいしました。まだ改善はしておりませんが、気楽に気長に付き合ってまいりたいと思っております。よろしくお願いします。市民の皆さんから、こっち側(右側)から声をかけられると分からないときがあるんです。今までは、まち歩いていて、「市長」とかいうて言われたら、ぱっと振り向いて、ごあいさつもできたんですが、ちょっとわかれへんなという部分が今でも時たまありますんで、そこだけは許していただきたいなと思っております。
記者
この1年、振り返ってということなんですが、議会の運営ではいろいろとご苦労された点あるかと思うんですけれども、一番ネックになっている点ていうのはどの点だというふうに市長はお考えでしょうか。
市長
議会運営でネックになっているところっていうのは、やはり表だって選挙っていう非常に激しいものを党派っていう形で戦いました。現職に勝って市長になったというところから、なかなか、自民党さん、公明党さん、あるいは共産党さんにしろ、歩み寄りにくいという雰囲気があったのは、当初事実でございます。しかし、20年度予算の編成でありますとか、その後のさまざまな施策につきましては、それこそ是々非々で、ご協力いただいていると思っています。私、やっぱり地方自治体といいますか、直接行政をやっている長というものは、こういう形で直接選挙で出てくるわけでございますけれども、単に中央の政界の構図、それを引きずっていたのでは何も仕事はできないというふうに思っておりますので、これからもあらゆる面で、いろんなご協力をいただきながらでないと、市政運営っていうのはできないということを前面に出しながら、ご協力を仰いでいきたいと思っております。
記者
水道統合事業のことなんですけれども、来年の当初には検証委員会から、提言か何か見解が出て、そこで市長と知事のご決断があると思うんですけども、いつまでにということを知事とですね、話し合って決めているのか、決めてなかったらいつまでにというスケジュールというかですね、お考えになっているのか、ちょっと聞かせてほしいんですけど。
市長
はい。検証委員会の、やはりご報告をいただくということが、ご提案なりご報告をいただくということが、まず大前提であろうと。何のために、あれだけの方に分析をしていただいたのか分かりませんので。ですから、どういったご提言をいただくのか、ご提案をいただくのかというのをじっくり見させていただいたうえで、知事とお話をさせていただこうと思っております。ですから、4回目でかなり激しいバトルがあったという報道を聞いておりますけれども、これはこれで全部オープンの中でやらせていただいたことでございますんで、論点が何であったのか、今まで府市仲が悪いといわれていたその根本はどこにあったのかというものは、メディアの皆様にはもうお分かりいただいている部分がかなりあると、私は信じております。ですから、そういった部分で、橋下知事が就任され、私が市長になったことによって、府市協調という部分での具体的な実行という部分は、この水道協議ではもう既にあがっているというふうに確信しております。最終的決着点はどこやねんという部分での、方向性というものは、やはり検証委員会の内容を見せていただいて、基本、要するに市民、大阪市民にとってプラスですか、府民にとってもプラスですか、両方がウィンウィンの形にならないと、これは成功しないという部分は最初っから変わっておりませんし、これは府も知事もいっしょのお気持ちを持っていらっしゃるというふうに思っております。ですから、検証委員会のご提案を心待ちにしている状況でございます。
 

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