平成21年1月16日    大阪市長会見要旨

皆さん、こんにちは。今年初めての記者会見ということになりまして、2009年初めてでございますんで、皆さんとは何度もお会いしておりますが、一応と言うたら怒られますが、あけましておめでとうございます。そして、去年本当にいろんなことがありましたが、あらゆる面でご協力をいただいたことを感謝申し上げます。
今年はですね、明治22年(1889年)の4月1日に大阪市が開市され、市が開いたという字でございますが、市制120周年を迎える年でございます。私、去年11月に還暦になりまして、60歳でございますけれども、いわゆる干支(えと)、十干十二支(じっかんじゅうにし)の組合せの一回りが還暦ですから、120年といいますと二回りしたんやなというすごい、そういう年月を感じます。日本人にはなじみの深い記念すべき年ではないかなと思っております。市制120周年記念で「こんなことやりますねん」て、いろんなこと言いたいんですが、やはり財政が大変に逼迫(ひっぱく)しております。非常にお金がない中、限られたことしかできませんけれども、前向きに明るい元気な大阪づくりをめざしてまいりたいという思いは変わっておりませんので、ご協力いただきますようお願い申し上げます。

【水道局のISO22000食品安全マメジメントシステムの認証の取得について】


やはり明るいニュースから始めたいなぁと思っておりましたら、早々に飛び込んできたニュースがございまして、今年最初のお知らせです。大阪府との統合協議で何かと話題になっております水道局のニュースでございますが、食の安全が脅かされております昨今におきまして、食品の安全性をどう保障するのかという、非常に大変な問題がございます。そして、その食の安全ということに関しまして、厳格な規準がございます。ISO 22000という国際規格でございますけれども、大阪市水道局が公営による水道企業体の組織全体として、世界で初めて、このISO22000を取得いたしました。
これまでも大阪市水道局は、自らのシステムと品質に自信を持っておりましたけれども、そのことが食品安全管理の国際的な規格のもとで認められたということでございます。水源から蛇口までという一貫したシステムと、それと「ほんまや」という、今日ここにも置いてございますが、こういったパッケージにして売るという作業まで含めた全ての工程がきちんと認められたということで、日ごろの水道局の安全に対する努力が認められました。是非皆様にお知らせしたいと思います。詳細はお手元の本日発表資料をご覧いただきたいと思いますし、この会見が終わった後、水道局から細かいご説明もさせていただこうと思っております。

【水都大阪2009の開催について】

そして、水道局の次は「水都大阪2009」。なんと言いましても今年、「水都大阪2009」の年でございます。本当に待ち遠しいんですが、8月の22日から10月の12日まで、52日間、この中之島を中心としまして、「川と生きる都市・大阪」をテーマに開催いたします。市制120周年と申しましたけれども、もう一つ、淀川の改良工事竣工100周年、100年というのもございます。今年は1年を通じまして水都大阪発展のシンボルイヤーと位置付けてやってまいりたいと思います。
「水都大阪2009」は、美しい「水の都」の復興を広く市民に伝えたいというもので、一過性ではなく、水に親しむまちづくりの起点となるイベントにしたいと考えております。水の回廊がどれだけすごいものか、住んでおられる方が、やはり、川に向かって、例えば建物を建てていくとか、お店をやっていらっしゃる方は、川に向かって何か仕掛けをつくろうかとか、そういう流れができれば非常にうれしいと思っております。それから、「水都大阪2009」で、水の都の輝き、これにさらに磨きをかけていくんだという決意を新たにして、『水の都に輝きを』、そういったイベントであってほしいと願っております。お手元に新しいパンフレットをお配りしておりますけれども、「水都大阪2009」では、今年、リニューアルする親水性の高い中之島公園などを会場に、これがお配りしておりますパンフレットでございますが、この中之島公園などを会場に「水辺を楽しむ、水辺で楽しむ」ことができるようなプログラムを盛りだくさんで用意したいと思っております。例えば、朝市でありますとか、去年社会実験やりました川床でありますとか、リバーマーケット、あるいはアーティストや市民の企画によるワークショップ、夜になりますと、ウォーターカーテン上に映像や音響、光を駆使したショーなどを実施したいということで、是非この期間、8月22日から10月12日まで、大阪を訪れていただきたいと思っております。

【中之島水上公園について】

そして、「水都大阪2009」のメイン会場となる中之島公園なんですが、これをご覧いただこうと思います。

中之島公園(中央公会堂周辺)整備イメージ図(PDF:110KB)
これは、中央公会堂の周辺でございますけれども、この辺りが水上劇場ということになるわけです。ここから東側になりますと、バラ園があるわけですが、現在、そのバラ園や水辺の遊歩道、イベント等に活用できる芝生広場やサクラの並木道の整備を進めております。

剣先公園大噴水イメージ図(PDF:77KB)
次に、これが中之島の新しいシンボルとなる、剣先公園の先にできます大噴水のCG、合成の写真でございますけれども、高さ25 m、この60mの距離でございますが、予定ではですね、30分に1回、川の水をくみ上げまして5分間噴射する。予定では5分間噴射するということでございまして、公園に来ていただいた方はもちろん、周辺ビルや八軒家、あるいは天満橋からも楽しんでいただきたいと思いますし、夜にはライトアップもする予定でございます。
この新たに水上公園として生まれ変わる中之島公園を、「水都大阪2009」の開催初日となります8月22日に合わせまして、中之島公園全体、中之島公園のリニューアルオープンの記念日と8月22日をさせていただきたいと思います。ですから、噴水もその日から正式に使うと。それまでにも当然、試運転と言うんでしょうか、試噴射と言うんでしょうか、分かりませんが、させていただこうと思っております。
また、バラが咲きます5月ごろには、このお披露目に先駆けまして、新しいバラ園を部分的にオープンいたします。バラだけでなく、より水辺が身近に感じられる新しい中之島公園の魅力を実感していただけると思いますので、市民の皆さんにご覧いただきたいと思っております。お楽しみになさってください。去年1年、「バラ園に来たのに何もないやん」と怒ってらっしゃる方も結構おられましたんで、それはきれいな形で再生いたします。また、バラ園には、おしゃれでおいしいレストラン、さらに東洋陶磁美術館の前にカフェや売店などの機能を持った施設を、より魅力あるものとするため、公募で整備から運営を一体的に行う事業者を選ぶことにしております。スケジュールなんですが、今年の春には事業予定者を決めたいと思っています。そして22年、つまり整備を始めますのが「水都大阪」のイベントが終わってからになると思いますので、22年の春ごろに営業を開始させていただきたいと思います。子どもからお年寄りまで、様々な利用者が楽しめる水上公園として、多くの方々が訪れ、にぎわう観光の名所として愛してもらい、水都大阪のシンボルとしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【上海市訪問の報告について】

次にまいります。今週12日月曜日・祝日でございました、午前中に市役所の屋上で新成人といっしょに鐘をつかせていただいて、午後から一昨日14日の夜まで、中華人民共和国の上海へ出張してまいりましたので、そのご報告をさせていただきます。上海におきましては、各社の上海支局の方々から取材をいただきまして、また報道していただいたことをこの場を借りましてお礼申し上げます。
今回、上海を訪問するまで、実は私、一度も中国に足を踏み入れたことがございませんでした。初めての訪問が大阪市と(友好都市)提携35周年の記念の年を迎えた上海であったことを非常にうれしく思っております。橋下知事は既に2回上海に、知事になられてから2回行ってらっしゃいまして、何しろそのすごさを個人メールで私に送っていただいたりしたこともございましたし、知事から「早く行け」というふうに言われてまして、向こうに行かせていただきました。自分自身で見ましてもスケールの大きさ、勢いを肌で感じると同時に、来年5月1日から始まる万博へ向けての突貫工事が今続いています。市内いたるところで、地下鉄の工事、あるいは、高速道路の工事等がありまして、今市内を車で走るのは、かなり渋滞を予想した上で走らないといけない状況になってますが、上海市の皆さんが「来年、万博のときにはきれいになってます。渋滞もこんなにひどいことありません」とおっしゃってたのを期待して待ちたいと思います。
滞在中、上海万博大阪出展実行委員会を代表させていただきまして、上海万博事務協調局長の洪浩(コウ コウ)局長と「中国2010年上海万博ベストシティ実践区の出展契約」の調印式をさせていただきました。調印を行わせていただきました。また、私自らが大阪の広告塔となりまして、トップセールスをすると言っておりますが、その一環として大阪のプロモーションも行ってまいりました。上海万博は、来年5月1日から10月31日まで開催されます。そして、そのなかで大阪は「環境先進都市・水都大阪の挑戦」をテーマとして、いろいろな知恵を出し合いながら、わかりやすく記憶に残るような展示を大阪としてPRし、来ていただいた方々に大阪の良いイメージを持って帰っていただこうと思っておりまして、今、府・市、そして、財界の皆さんで実行委員会として検討に検討を重ねているところでございます。
プロモーションでは、上海にいらっしゃる日系企業の方々125人の方に参加していただきました。時間があまりなくて、名刺交換すらできないようなタイトなスケジュールでございましたが、「大阪市における元気アップの取組み」というテーマでセミナーを行いました。PRをし、そして、上海万博の大阪出展に対しての企業からのご協力もお願いしてまいりました。そして、上海市の韓正(カン セイ)市長と初めてお会いすることができました。大阪と上海の絆(きずな)が本当に長くて強いものだという感じをまざまざとさせていただく、本当にすばらしい歓迎をしていただきまして、今年、(友好都市提携)35周年を迎えた、この長い歴史のなかで「人と人とのつながり」というものをいかに大事にしてきたか、この間、国際的ないろいろなことがありましたけれども、こういった市民からの、本当に大阪市民の方で上海でお仕事しておられる方も非常に多くございます。そういったなかで、大阪市役所としての役割を十分に果たせているのではないかという気がいたしました。 上海市内の多くの施設を視察させていただきましたが、特に、蘇州河、これは黄浦江に流れ込んでいる、元々は蘇州河のほうが大きかったらしいんですが、いまや黄浦江のほうが、万博(会場)の横にある川ですが、大きくなっています。その黄浦江が工業都市上海が発展していくなかで、いかに環境汚染のひどい状況があったかということをきちんと展示してございまして、これからきれいにしていくという決意を表しておられる展示施設でございまして、「夢清園(ムセイエン)」と読みましたが、これは日本語読みでございます。環境改善のスピードと取組みの姿勢、このスピードの速さといいますか、さすが中国、これだけ工業化が進んでくるなかで、さまざまな環境に対する矛盾というものをたぶん自覚されて、それを乗り越えなければならないということで、「ベターシティ・ベターライフ」というのが上海万博の一つのコンセプトでもありますけれども、そういった生きるという質の豊かさを追求されていく、その先端都市として上海を位置付けられたんだとそういうふうに思いました。上海万博への出展についても、大阪から発信する明るい話題としまして、官民で実施している事業をうまく連携させていきながら、オール大阪で水都大阪の魅力をアピールしてまいりたいと思っております。

【予算ヒアリングについて】

さて、予算のヒアリングでございますが、いよいよ21年度の予算編成作業、大詰めに入っております。1月7日から11日の5日間にかけてヒアリングを受けました。予算のヒアリングに関しましては2回目になるんですが、原案から携わるという意味では、この21年度予算が初めてということになります。去年10月に発表いたしました私の政策推進ビジョンにつきまして、予算編成作業と平行して、現在、この間の市会でのご議論や、あるいは市民の皆様からいただいたパブリックコメントでのご意見等を踏まえまして作業を進めておりますし、2月にはお示ししたいと考えております。
来年度予算では、この政策推進ビジョンを実現していくことになるわけですが、今回のヒアリングを受ける中で、ビジョンで掲げました地域防犯でありますとか、あるいは放置自転車対策、さらにはごみの減量、そして経済やこども、環境施策など、さまざまな取組みが具体化されつつあり、いよいよ動き出すのだということを実感しているところでございます。一方で、放置自転車対策でも市民の方のご協力をいただいて、なるべくなら駐輪場にとめてください、あるいは乗らないで済むところは乗らないでいただけますか、ということも言っていきたいとは思っておりますが、多くの予算が放置自転車に使われておりまして、放置自転車対策だけで10億を超える、14億ぐらいやったんかな、それが放置自転車対策で使われているということを、市民の皆さんも是非知っていただきたいです。そのお金があれば、放置自転車対策に使わなくてもいいのであれば、他に使えるんだと思いますが、やはり、国際的に大阪というものをアピールしていくなかで、市民の皆さんと協働しながら放置自転車対策に重点を置いて、きれいなまちをつくりましょうと。そうすると、放置自転車というものがだんだん無くなっていくやろうということでございます。駐輪場ももちろん設置してまいります。片付ける予算を駐輪場設置に回せればもっと早い対応ができるんだけどなぁと思いながら、それは言っても仕方がないんで、一つずついっしょにやっていきたいと思っています。このほか、保育所待機児童対策など、行政が緊急に対応しなければならない問題も含め、厳しい財政状況ではありますが、重点予算を確保して、それを活用しながら、何とかメリハリのついた予算化を図っていきたいと思います。
予算ヒアリングというのは非常に限られた時間内で朝から、夜遅くまで本当に集中してやらせていただきました。一連のヒアリングを通じて感じたことなんですけれども、大阪市の事業というのは、本当に国や、あるいは大阪府などの関係先との調整事項が非常に大きく、その影響もまた大きいということを改めて認識させられました。中でも、大阪府は府内市町村の代表としまして、しっかりと広域行政の役割を大阪府に果たしてほしいという思いが一層強くなっております。
本日、震災訓練を行いまして、私は、西成区役所にまいりましたが、例えば、災害時の帰宅困難者対策なんですね。災害が起きた場合、市民の安全、命を守るといのは、行政の当然の責任でございます。大阪市には、昼間に130万人といわれる方たちが仕事をしに、あるいは買い物をしに入ってこられます。万一、その130万人が入ってこられている最中に、大震災が起きたと想定した場合に、90万人が帰宅困難者になるという数字が出ております。そういった方々の安全確保のための災害時の代替輸送計画策定というのは、当然、これ行政の役割でございます。この件につきまして、帰宅困難となる府民の安全を守るための計画策定の協力要請が当初、大阪府からあったんですが、現在は府の財政事情により、21年度の予算要求もされていないと聞いております。まさしく広域行政がやるべきことで、府のリードでやりながら、その中で大阪市が何をやらなければならないのかということで、進めていくべきものだと思っております。府が本来の広域行政の義務を果たされるべきで、知事には帰宅困難者対策を総合的に広範囲な見方で取り組んでいただきたいと思っております。今日、震災訓練が行われました。そういう日でございますので、あえて強く言わせていただきたいと思います。大阪府が本来の広域行政の役割を果たしていただけないというのであれば、大阪市が他の市町村に呼びかけさせていただいて、水平連携といいますか、市町村同士でできることを探らざるを得ないと思っています。広域的な災害対策は、大阪府の責任と負担なしでは考えられません。府は、広域自治体としての役割をしっかりと認識した事業のあり方を考えていただいて、予算を是非編成していただきたい、とお願いしたいと思います。
そういったこととまた同じ性質といえるかどうか、少し違うのかも知れませんが、やはり、何度も申しますように、これは大阪市が差等補助を受けているということですね。政令指定都市であるからという理由だけで、本来大阪市民が受けるべき府の施策、予算というものを差別されている現実がございます。決算市会の時にも申しましたけれでも、橋下大阪府知事が逆の立場にいらっしゃったとしたら「大阪府は一体何すんねん」ときっと声を大にして怒ってらっしゃるだろうと私は間違いなく信じております。福祉・子育て分野の交付金でありますとか、あるいは教育力向上の交付金で、政令市が対象からはずされようとしておりますが、このことについては、しっかりと影響額を把握して公表してまいりたいと思っております。来る2月3日に地方分権シンポジウム、そこで知事と意見交換する機会もございますので、大阪市民を代表して、直接、知事に訴えていきたいと考えております。大阪市民265万人は、大阪市民であるが故に大阪府から差別されております。以上です。よろしくお願いします。
質疑応答
記者
今週の火曜日に教育委員会で、中学校給食の導入について、「まとめ」が出されましたが、「選択制の家庭弁当と中学校給食の選択制による」が望ましいとされる「まとめ」ですね、それのご感想と、今日ですね、先ほど教育委員の皆さんとそれについて意見交換をされていると思うんですが、どのようなやり取りが今日あったのか教えてもらえますか。
市長
まず、「まとめ」を火曜日に出していただきました。その内容を読ませていただきましたけれども、私が公約で掲げました、食育の観点から、義務教育、育ち盛りの子どもたちにきちんとした給食を届けたいという思い、それも、ただ大阪市の場合は本当に長年にわたる家庭弁当をという、この歴史がございますので、その中間になる選択制の給食が望ましいという方向性にまとめていただいたこと、非常にありがたく思っておりますし、私としても、施政方針の際にも申しました、選択制の給食を全中学校で実施したいという思いは、今もいささかも変わっておりませんので、それの具体化に向けて、一歩進んだかなという気がしております。ただ、当初考えておりましたよりも財政状況っていうのは非常に逼迫している状況がございますんで、具体的にどういったことができるのかっていうのを選択していかなければならないという、時期的な問題も含めて、思っております。今朝のお話ですが、まさしく「まとめ」をいただいた方向性というものをご説明いただいたということでございまして、それを今度、19日ですか、教育委員会が開かれますんで、その席できちんとした方向性をお出しいただけるんだというご説明でございました。一方、まず第一に教育委員会として、去年学力テストの公表という形でさせていただきましたが、その公表したのは何故かという部分も含めて、今後の大阪市の教育行政のあり方、学校教育のあり方というものについて、いろいろと意見を交わさせていただきました。政策推進ビジョンでも、こどもの生きる力アップ部会でも、いろいろ言われておりますことをどう具体化していくかという形になるかと思っております。
記者
その件でちょっと追加があるんですが、現在ですね、給食ではないんですが、一部の中学校で、昼食の提供サービスが行われていて、9月から始まった学校で2%という、非常に低い利用率となっていますが、その中で巨額の初期投資ですね、投じなければ進められない訳ですが、その判断ですね、どのようにお考えになっているか教えてください。
市長
確かに中学校給食っていうのは、私、公約に掲げ、今も変わっておりませんと申しました。ただ、その利用実態、あるいは要求度合いが2%で、こういう財政状況の中で、巨額の公金を投入していいのかどうかに関しては、私も疑問に思います。わずか2%で、当初21億でしたかね、選択制の場合は。20億。それぐらいかかるということですから、教育委員会に対しまして、私は2%では、まだ実行できませんと申しましたんで。早く喫喰率というんですか、昼食を利用していただく率を上げる努力をしてくださいと。現実にその率がここまで上がりましたよ、ということになれば、どれぐらいを目安にすればいいのか分かりませんけれど、10%まで最低いかないと、この財政難の中で、「いくよっ」ていうことは言いにくいのかなっていうふうに思っています。
記者
先日から大阪府の橋下知事のほうにですね、メールの情報公開請求、報道機関とか府民の方からあったと思いますけれども、その中で、市長と知事との間のメールのやり取りも公開対象になりました。それで、確か市長は知事にですね、ご自身のパソコンからメールを送られていると思うんですけれど、もし、公開請求が出た場合ですね、公開対象に含めるのかどうなのか。非常に難しいと。大阪府で既に公開になっているものもありますので、そのあたり、今、どういうふうに考えていらっしゃるのか、ちょっと教えていただけますか。
市長
まず、知事のメールの分量のすごさに、私、正直、驚いております。やっぱり、打つ速度の違いなのか、私自身もブラインドタッチできますんで、そんなに遅いほうじゃないと思うんですが、よくあれだけのメールをお打ちになるなというのが正直な印象です。私は、メールというものを、情報公開対象になるものだというふうに感じておりましたので、要するに、メールを使う際に、パーソナルなもの、本当に個人と個人の情報のやり取りというものが基本やろうという気でおりました。ですから、市役所の中で、私、一斉メールっていう形を使ったのは、不適正資金の問題で、職員に呼びかけをさせていただいたり、そういった際に使っただけでございます。例えば知事との個人的なメールのやり取りというものは、お互いに、大変に忙しいスケジュールですから、なかなか電話で連絡が取れない。ですから、「今日、夜、何時ごろやったら連絡が取れますか」みたいな、そういうメールのやり取りとか、個人的な感想のやり取りはやっております。これは、公開対象になるかっていうと、私は、これはあくまでも私信でございますんで、公開対象にはならないというふうに思います。ただ、私がたとえ個人、一人に対して、職員に対して打ったとしたら、例えばその職員は市長からの直接メールが来たということで、その中に何らかの指示でありますとか、業務の要請でありますとか、職務ですね、そういうものが含まれていたとしたら、これは公文書になるやろなぁという気がしてまして、もう、恐らく、公文書のメールにかかる規定っていいますか、大阪市役所での取扱内規、取扱規定というものが、もうまとまっているのかな。
情報公開室長
以前からございます。
市長
もう以前から。メール自身。
情報公開室長
はい。
市長
ですから、それを、きちんと管理、運用管理していくということだと思います。知事が公開になられた、私に打ったメールというものも、当初は受け取った段階では、私は、私に直接来ている私信だと思っておりましたので、誰にも見せておりませんし、それが知事は、いっしょにその北京からお打ちになったメールやと思うんですけれども、知事が職員に「こういうことを、今、考えているんだ、感じているんだ」っていうのを、職員に同時にお出しになっていたがゆえに、公開対象になったのかと。大阪市役所の中で、私、メール、しょっちゅう、個人的には打ちますけど、業務をメールでしようとは思いません。メールにはいろいろな側面があると思います。個人と個人のコミュニケーションであれば、打ったそれに対する反応というのは、しょっちゅう、キャッチボールができるんですけれども、広範囲に打ちますと、どっかで、全員に分かるようにという配慮をしないといけないということを考えたり、受けた側がどう反応していいか分からないというようなことを考えると、逆に、情報が混乱するのではないかと思いますから、私は所属長に対しては、必ずフェイス トゥ フェイス。所属長に来ていただいて、あるいは、僕から所属長のところに行って、指示を出すようにしています。それが、もし、文書で指示を出すようなものはすべて公文書でしょうし、そういう理解でおります。
記者
それでいくとですね、組織で共有すべき文書は公開対象だと思うんですけど、市長のパソコンの中に入って、まだ共有はされてないけども、いずれその情報を共有する内容のものであれば、公開対象になるかもしれない。ケースバイケースだと思うんですけど。そこらへんとか、もしくは、府のほうでは出てるけど、市のほうでは、規定が多分、微妙に違ったりとかして、出たり出なかったりということは、そうすると、ありうるという話ですか。
市長
いや、共有文書であれば、業務に関する共有文書、単なる連絡事項ではなくて、業務に関する共有文書であれば、これは公開対象でしょ。
情報公開室長
これは公開対象です。
市長
ですから、これは府といっしょだと、私、思いますけれども。今、市役所の中にそういう、いったん、退避するフォルダーがあるとしたら、そこへ、こう、たまっていくわけですから、これは公開対象になって、ただし、公開する際に、中に非常に個人的な情報でありますとか、個人情報が含まれているケースも十分にございますんで、表に出せない情報かどうかとの判断はきちんとさせていただいたうえで、出していくと。隠す必要もない。それは、市役所の備品でございますPC(パソコン)を使い、それで情報のやり取りをしてるわけですから、当然、公開請求があれば、なおかつ、公開請求をされた対象になるメールが存在するのであれば、当然公開されるべきだと、私も思っています。
記者
今日、府のほうでも、(大阪府)市長会と府との間で会議があってですね、自治体の雇用創出の問題が出ていたんですが、大阪市では今後どのようにされるご予定でしょうか、方向性でもいいんですけど、教えてください。
市長
去年の暮れからお正月にかけて、大阪市でもいろいろな対策を、緊急の対策もやらせていただきましたし、それから住宅施策もさせていただきました。派遣切りでありますとか、非正規雇用の方たちで職をなくされた方が、今大阪市民の中にどれぐらいいらっしゃるのかという実態把握をしたいという思いでおります。そんな中で、どちらにしても雇用というものは、前からずっと大阪市も雇用創出ということを言い続けておりますし、これはしていかなければならないことだと思っています。数値目標をどう出すのかという問題なんですけれども、じゃあ、短期でね、今、まあこれだけ雇用が急にその垂直落下した経済の中で、急に雇用をなくしてしまった、働き口がなくなった人たちをどう救うのかという中で、その人たちにやっぱり新しいスキルをどっかで身に着けていただくような機会を設けることのほうが、方向性としては正しいのではないかという気がしております。おかげさまで大阪市は、他の市に先駆けてそういったスキルアップの事業を市民局を中心にしてやってきておりますので、その面を拡充する、そういった方向で考えていきたいなと思っています。もちろん、大阪市を支えてくださっている中小企業の皆さんと、雇用の方向性、今どういった方向性がありますかっていうお話もさせていただきたいと思っておりますので、あらゆることを考えながら、先日も対策本部で最初に私申しましたように、今できることは何なのか、積極的にそれぞれの局で意見を出してきてほしいと。その意見が上がってくるのを待って、実施に移していきたいというふうに思っております。
記者
来年度予算なんですけども、現段階で244億円の財源不足が指摘されている中で、市長からの具体的な指示として、いくつか指示されたことがあれば、教えてください。
市長
重点予算枠っていうのが市長にはございまして、僕の重点予算というのは、自分の重点施策に使いたいんですが、やっぱりここまで何ていうんですか、244億という、「足らず」の数字が出てきますとですね、やっぱり、より一層今まで以上に選択と集中を図らなければならないなと思っておりますが、そんな中でも、経費削減の取組みに関してはやっぱりきっちりとやっていかないといけないし、それからその中で、一番大きな反響を呼んでおります敬老パスの問題等につきましても、見直し案を出していかないといけない、という指示を出しております。一方で、やっぱり明るい方向性が見えるような、お金の使い方がどれやというのをはっきり教えてくれと。ほんで、何でそこにそれだけかかんねんとか、いろいろやっぱり去年以上に、去年はまあ来たばっかりでですね、あまりにも巨額な額だけに翻弄(ほんろう)された部分が、何百億という数字が目の前をびゅんびゅんびゅんびゅん飛んでいくわけで、それに翻弄されてた自分がありましたが、今年は一年経って、事業の全体像は見えないまでも、個々の事業について、すでに自分の目で見ている部分については、それを精査するという姿勢がかなり進んだと思っていますんで。ただ、足らずの額が大きすぎますよね。今の段階で244億。去年より300億ぐらい下げたにもかかわらず、それ足らんっていうわけですから。財政局長に知恵を出してくれと言いながら、各局長にも知恵を出してくれと言いながら、市民の皆さんにはやれる限りのことはやりますという、わかりやすい予算の出し方をしたいと思っておりますんで。また、ご意見等、是非予算が出た時にいただきたいと思っております。
記者
あともう1点なんですけども、定額給付金なんですが、ちょっと改めまして、市長として、その評価を聞きたいんですけれども。
市長
同じ2兆円を使われるのであれば、2兆数百億円ですか、使われるのであれば、ここまで揉(も)めない方向性をきちんと考えていただきたかった。これが偽らざる心境でございます。具体的にもう金額、個人に渡る金額等がすでに出ておりますので、市としては完全に決まって、その作業手順等まで指示があったらすぐに動けるようにという体制をとるのは当然でございますから、その体制はとっております。
記者
どちらかといえば、「評価する・しない」というのはどちらか選ばれますか。
市長
2兆円という額、すごい額ですよね。やっぱり2兆円に気の毒やなと、ここまで揉めたことが。ほんといろいろな使い方ありますが、それは、でも国が決めることですから。それを市町村に最初っから任していただけるんであれば、何とでも言いようはあったんですけれども、それを裁量の範囲内ではございませんので、何とも言いようがないというのが正直なところです。ただ、景気は刺激してほしいと思いますよ。やっぱり消費を目的に出されるんであれば、それで刺激になればいいと。
記者
先ほど、おっしゃっていただいたんで簡単で結構なんですが、給食についてですね、これは市長が当初からおっしゃってた、思い描かれてたとおりの答申が出てきてですね、意を強くしたというようなお話だったと思うんですけれども、一方で244億の足らずがあるということと、それと9月に導入したところも利用率が低いということで、これをなんとか10%くらいに上げないとというような、大きく、二つのハードルについて、おっしゃったかと思うのですが、今の時点で、なかなか断言はできないと思うのですが、来年度の予算でですね、実際に10%というハードルについてはですね、来年度の予算でいきなりクリアーするというのは、ちょっと時間的にもしんどいのかなと思うんですけれども、例えば、必要性は重々認めつつもですね、例えば1年先送りというような可能性も含めてですね、検討されるという理解でよろしいのでしょうか。
市長
やはり自分として意外でした。9月以降の昼食実施事業で2%しかないというのは。この昼食実施事業をするだけでも、大阪市の教育委員会がどれだけの議論を重ねて、実施に至るまでの道のりの長さを、私、直接携わっておりませんけれども、仄聞(そくぶん)するにそういうことだったと聞いております。それが2%しかないのかというのは、何に問題があるねん、という部分を分析しないことには、自分がずっと言い続けて、公約やったからやる、という踏み切りができる数字ではないということです。2%では。
記者
「経費削減の取組」にかかわることで、来年度予算ではないんですけれども、この間ちょっと、存続して欲しいと声が届けられている阿倍野青年センターの関係でちょっと聞きたいんですけれども。田辺寄席がずっと育まれてきたところです。来年度予算でないので今の段階でどうかというのは、ご意見がどこまでおありかというのはあるんですが、今のところのご意見をお伺いしたいと思います。
市長
阿倍野青年センターというか、要望をいただいたのは田辺寄席を実施されている皆さんから、確か法被(はっぴ)を着て要望書を持って来られたと思います。あの翌日に現場を見に行きましてね、僕見たことなかったんで。青年センターがシャープ創業の早川さんから寄贈いただいた、その基金をもとに、設立されたという経緯でありますとか、あるいは、センターの周辺の自然環境のすばらしさでありますとか、見せていただいて、現在は、こんなこと言っては怒られるかもしれませんが、青年センターというよりも、老人会の皆さんが卓球を1階でやっていらっしゃったり、非常に活発に使っていただいていることは事実でございます。ただ、青年センターの条例廃止ということだったですよね。ごめんなさい、条例廃止じゃなくて、東淀川の施設にその機能を移管すると。機能を移管するということでございますから、別の方法で残すことが可能かどうかを検討したいと思います。青年センター自体の機能としては、東淀川に移転します。でも、建物をつぶすという結論を出したわけではないんですよね。翌日に行きましたんで、利用されてる方から、「市長、残してや」という声を散々かけていただいたんですけど、どういう形で残すのか、あるいは、経費、それに関する経費がどうなるのか。これは、市の管理する物件から、一般財産に変わった場合の管理の方法とか、いろんな検討しなければならないことありますから、1年かけて、1年はちょっと長すぎますね。なるべく早い時期に方向性は探りたいと思います。
記者
老人会、卓球とかいろいろあるというなかで、田辺寄席だけではないものの、地域で育んできた田辺寄席そのものをご覧になるというお考えはありますか。
市長
12月20日やったかな、(田辺寄席が)あったんですよね、確か。あれ行きたかったんですけれども、ちょっと他のスケジュールが入って行けなかったので、またお話は聞きたいと思っています。お話というのは、噺家(はなしか)さんの話も聞きたいし、それから、運営してらっしゃる方の話も聞きたいしということで。
記者
先ほどから出ている給食の問題なんですけれども、給食とお弁当、どちらがいいかと聞くとですね、子どもさんと保護者で意見が分かれたりするわけですけれども、それに関して、市長ご自身がですね、中学校の時、当時ですね、給食だったか、お弁当だったかということと、当時どちらがいいと思われてたか、その2点お聞かせください。
市長
私、中学校は大阪市内でございませんでしたが、お弁当でした。公立中学校で、お弁当持って行ってました。それは、周りにそういうものがなかったから、給食というシステムが私が行っていた周りにはなかったということで、それが、中学校なったら丸刈りにすんねんな、そういう感覚と同じで、小学校の間は給食でしたから、中学校なったら弁当持って行くねんな、というつもりでおりました。ただ、私が育った時代と今の時代とでは、栄養の取り方とか、バランスの問題とか考えたときに、今は、何と言っていいのかな、栄養の偏りということで言えば、今のほうが偏っているケースが多いんではないかなという気がします。選択肢は増えているはずなのに。ですから、逆にそういったところで、よりバランスのいい食事を、食育という観点から取っていただくというためには、給食が一番いいだろう。一方で、やはり家庭弁当の重要性というものも、認識しておりますんで、選択性の給食という形が一番いいのではないかというまとめをしていただいたので、私の思いと同じになったという気持ちでおります。
 

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