平成21年2月12日    大阪市長会見要旨

【『元気な大阪』をめざす政策推進ビジョン(案)について】


皆さんこんにちは、よろしくお願いいたします。「『元気な大阪』をめざす政策推進ビジョン」について、報道発表させていただきました。本日は、この項目から進めさせていただきます。去年の10月でした。住民に一番近い、基礎自治体の長として、私が特に力を入れていきたい施策やまちづくりの方向性をまとめさせていただきました「『元気な大阪』をめざす政策推進ビジョン」につきまして、策定途上の段階と申しますか、「これからの大阪市、こういうふうにしていきますよ」、「こんな方向性どうでしょうか」、あるいは、「こんな大阪、どない思いはりますか」ということで、出させていただいたもんでございます。いよいよ来週には21年度予算について、ご説明申し上げるわけですが、今年は予算編成過程等の公開につきましても、ただ単に資料を公開するだけでなく、その時点、その時点での状況を財務課長より皆さんに説明させていただいたと思っております。それによりまして、予算の大枠では一定のご理解をすでにいただいていると思っております。そういった意味で、私の政策ビジョンについても、意思形成過程の段階で公表させていただいたわけでございますが、その説明をさせていただいた折にも、「具体性がない」とか、あるいは「目標数値はどこいっとんねん」とか、いろいろ厳しいご指摘もいただいたこと覚えております。もともと、そういった方針の段階、あるいは策定途上の段階で公表させていただいて、今日こういう形で数字が肉付けという形でついてくればいいなと思って出させていただいたものであったことを、今ご説明させていただいております。
今回、その「『元気な大阪』をめざす政策推進ビジョン」につきまして、市会の皆さんからいただいたご指摘やご意見、さらにパブリックコメントを含め、広くいただいたご意見等を踏まえまして、最終的な案としてお示ししております。お手元にございますように、このように分厚い冊子になっております。一方で、それをさらに簡略化しました概要版というものも作成しております。前回との大きな違いでございますけれども、まず施策の方向性のもとに、3年間で取り組むべきおよそ60件の具体的な事業を記載させていただいております。そして、政策分野ごとにめざす目標、それから個々の事業についての実施計画及び到達目標を詳細に明らかにしたと思っております。内容でございますが、(昨年)10月に公表した段階で、市民協働の象徴的な取組みとして掲げました「地域防犯対策」「放置自転車対策」「ごみ減量の推進」の取組みとあわせて、「経済」、それから「文化・観光」「こどもの生きる力」などの分野で取り組む施策や事業、また環境や文化を機軸に進めていくまちづくりなど、「市民協働」をキーワードにして進めてまいります。
「元気アップ推進事業計画」についてですが、去年6月、4つの専門部会を立ち上げさせていただきまして、市民の皆さんといっしょに市政を進めていくという思いで、各方面で活躍されている多くの方々の知恵をお借りして具体的な施策・事業を検討するという形をとらせていただきました。特に今回、外部委員の方々に行政の枠にとらわれることなく、自由にアイデアを出していただいて、それに対して大阪市の職員もいっしょに議論に参加させていただき、そういった手法で進めてまいりました。今回の計画に掲載されております具体的な施策、あるいは事業は、こういったやり取りの中から生まれてきたものであるということを、今一度注目していただきたいと思います。過去、大阪市でこういった多方面にわたる施策を一挙に市民の皆さんにお入りいただいた中で、作り上げてきたというのは、おそらく初めてのことではないかと思っております。例えば、職員のみの発想では生まれてこなかった施策・事業として、10月にもお話させていただきましたけれども、「売りづくり」という視点がございます。製品開発、あるいは海外販路開拓支援にかかわる事業のことでございます。この冊子には載っておりませんが、部会において委員の方から出た意見の中には、短いサイクルで変わっていく市場動向や、あるいはニーズといったものに対応するという部分で、やはり役所の体質というのは、一番向いていない部分があるだろうと言われております。ですから、この事業にご協力いただくコーディネーターは、やはりそういった情報とか、全ての対応に敏感に動いていただけるということを考えますと、「OBになられて3年くらいまでの方が限度ではないか」とかですね。そこまで具体的な話です。また「ターゲットとする国や製品を明確にしてきめ細かな対応が必要である」、詳細なご助言もいただいておりますので、是非、それらを活かしながら、実効性のある事業として育てていきたいと考えております。
「海の御堂筋」というネーミングをつけさせていただいた構想もその一つでございます。従来は、臨海部や中之島など、エリアごとに考えておりました施策・事業やまちづくりにつきまして、象徴的なものとするため、「海の御堂筋」という明確なイメージを打ち出し、市民や企業の皆さんをはじめ、多くの人々とともに取り組んでいこうという方向性を示すことができたという意義は大きいと思っております。ビジョンの中には、このエリアでの事業を数多く掲載させていただいておりますけれども、今後、大阪城や中之島、そして臨海部のまちづくりや事業、文化振興をも先導するキーワード、それを引っ張っていくキーワードとして「海の御堂筋」構想、「海の御堂筋」という言葉をしっかりと定着させていきたいと思っております。 それから、「平松ビジョンで、イモか」と言われたこともありましたが、ヒートアイランド対策として取り組んでまいりますサツマイモやゴーヤを使った屋上・壁面緑化でございます。まずは、市役所や区役所をはじめとする公共施設から始めますが、平成22年度には全小中学校で壁面緑化を行うなど、こどもたちをはじめ、市民の皆さんといっしょに楽しみながら取組みを進めて、ぜひ全市的なムーブメントに広げていきたいと考えております。この結果として、大阪市の夏の温度が「これくらい下がった」ということになったら本当にうれしいんですが、そういった実験的なものに全市で参加していただきたいと思っている次第でございます。

「地域防犯対策」の推進(PDF:86.3KB)
次でございます。これをご覧いただきたいと思います。ビジョンで掲げた目標で、私は、街頭犯罪発生件数ワースト1の返上ということを言ってまいりました。資料にも記載しておりますけれども、街頭犯罪は、今後3年間で4万4,000件を2万7,000件にしますという決意でございます。現在の状況を考えると非常に高いハードルでございますけれども、具体的にはビジョンのほうにもお示しさせていただいております。街頭犯罪で言いますと、去年の9月に設置いたしました大阪市地域安全対策本部、ここで3区のモデル区を選定し集中した取組みを行います。これは当然、区役所だけではできません。所轄警察による取締りや、あるいはパトロールの強化など、大阪府警とも連携を密にした取組みが必要と思っておりますけれども、何よりも市民の皆さんとの協働、これが大事だと私は思っております。なぜ、この街頭犯罪のワースト1返上というものに、自分の政策ビジョンの柱の一つにしようと思ったかは、やはり、市民の皆さんが積極的に大阪市のことを愛してくださっている、そういう動きに触れたから、こういう人たちの動きを警察、そして、われわれ地方自治体いっしょになって、取り組んでみたいと思ったからでございます。区役所の職員が市民の皆様と協働の動きをする中で、皆様からいただいたお知恵やアイデアを検討して実行していく、そういった動きの中で、このハードル、2万7,000にするという、このハードルを市民や企業の皆さん、また関係機関といっしょになって跳び越えていきたい、かように思っている次第でございます。街頭犯罪でございますけれども、大阪府警の平成20年の暫定値によりますと「自動販売機ねらい」と「自動車盗」の二つの項目でワースト1を脱却したほか、街頭犯罪全体でも10.3%、1割強、1割以上ですね、減少したという、うれしい情報が入っております。これは、大阪府警の強力な取組みによるものと理解しておりますけれども、同時に地域の方々の取組みによるものも大きいと考えております。と言いますのも、青色防犯パトロールの登録状況ですが、去年7月時点では、39団体・62台でした。ところが、12月現在で、47団体、団体は12増え、77台、青色パトロールのパトカーの数自体が15台増えてます。短期間で非常に大きく増えたのも、去年の9月5日でございました、大阪府警本部にお邪魔して本部長にお会いし、さらには府庁にお邪魔し知事にお会いして、「連携して街頭犯罪減らしましょう」ということですでに走りだしております。その後は、出かける先々で、ずっと、皆さんのお力を借りて、「街頭犯罪ワースト1を返上しましょうね」ということを、私、合言葉のようにしゃべらせていただいておりましたので、こういった経過、あるいはすでに二つの項目で街頭犯罪ワースト1の位置を変え、譲った。お譲りした。うれしい譲り方なんですが。ということが「あかし」としてとらえられるんではないかと思っております。

「放置自転車対策」の推進(PDF:86.7 KB)
次に放置自転車です。これは、5万台を2万5,000台に減少させる。平成23年度に、2万5,000台に減少させたいと思っておりますし、それを目標として掲げました。これも高いハードルです。この放置自転車対策というのは、私、市長になった当初から「駐輪問題を何とかしてほしい」、関係各局にいろんなことを指示しておりました。ようやく、去年10月23日の会見で市民の皆さんに対しまして、「いっしょにやりましょうよ」と声を上げさせていただいて、どうなったか、その後の状況も含めて、この後お話したいんですが、去年12月16日に、駐輪対策のキックオフイベントといたしまして、ミナミの千日前通で、670台分の駐輪場を整備し、放置禁止区域を拡大指定させていただきました。その当日の模様を報道していただきまして、ありがとうございました。あわせて、キタとミナミの撤去回数を増やすことにより、撤去台数も大幅に増加しております。去年11月以降ですが、ボランティアのサイクルサポーターの登録数も増えてきております。これは、ですから、防犯と同じことで、言い続けることによって自発的に「じゃ、うちもやろうか」という動きが具体的に出てきているということでございます。市民の皆さんの意識の高まりも感じております。

千日前放置自転車の状況 ビフォー&アフター(PDF:614 KB)
(千日前放置自転車の状況)ビフォー(以前)&アフター(以後)をご覧いただこうと思います。これは、千日前でございまして、平成20年の9月、日本橋1丁目交差点の南西角、こういう状況でございました。これがアフターでございます。写真撮るために整理したん違うかという声があるかも分かりませんが、そうではありません。平成21年の1月、こういう状況になっております。指定前に比べ指定後には放置台数が75%も減少しております。こういう感じです。同じ場所です。ただ、残念なことに有料駐輪場、30分無料なんですけれども、駐輪場が空いているにもかかわらず、隣の駐輪禁止の場所に置かれてる方もまだまだ見受けられます。もう一度、被害者も加害者も市民である、乗ってるときはどこに置いてもええやないかと思いながら、歩いてるときには置いてある自転車を邪魔に思う、そういったことからまちの美観、大阪の玄関口、まずキタとミナミからやらせていただいている、これもワースト1返上に向けて頑張りたいと思っております。
それから、ごみ減量ですが、148万トンを130万トンまで減らします。130万トン、審議会のほうでは130万トン台前半という答申をいただいていると記憶しておりますが、もうそれを丸い数字、きちっと分かりやすい数字目標を立てたいということから、130万トンとしております。事業系ごみの適正区分、適正排出に向けた全市的な啓発など、市民・業者の皆さんにごみ減量を具体的に働きかけてまいりたいと思っております。ビジョンの施策・事業につきましては、今どんな状態、どこまで進んでんのか、どれだけ効果があったのか、ということをきちんと把握しながら、市民の皆さんにわかりやすく説明させていただきたいと思っております。それによって、目標達成に向けさらなる対策が打っていけると考えている次第でございます。先ほどご覧いただいた写真もその一つの「あかし」ではないかと思っております。
ビジョンにつきましては、21年度から3箇年、3年間の取組みとしております。市民協働を柱として、市民との距離感を市役所全体で縮めていきたい。市民の方に、「自分のまちや」という気持ち、「市民協働の主役は市民や」という気持ちを持って自ら動いていただいて、そこに行政がいっしょになって走るという形をなんとか作り上げていきたいと思っておりますし、そういう動きを市役所がやるんだという意識を職員の隅々まで持ってもらいながら、一歩ずつ進んでいきたいという思いがいっぱいでございます。大阪のまちが持っている潜在的なパワー、これは市民の力です。これを原動力として、いっしょになって、元気なまちをつくっていきたいと思っております。その積み重ねが向かうところが、「大都市、そしていちばん住みたいまちへ」という形になって、現れてくれることを願いながらいっしょに動いていきたいと思っております。

【帆船『あこがれ』による『海の御堂筋』体験航海の実施について】

次にまいります。こちらの帆船「あこがれ」でございますが、ビジョンの中でも「海の御堂筋」構想を説明させていただきました。今回、本市の所有する帆船「あこがれ」で「海の御堂筋」の海からの玄関にあたります安治川河口部の体験航海を実施いたします。2月22日に地元、港区のこどもたちに「あこがれ」に乗船してもらい、「海の御堂筋」の西側を見学しながら、セイルトレーニングの入門体験をしてもらおうというもので、私も参加させていただきます。今回の体験航海を契機に、これからも、市民協働の動きの中で水都大阪の機運を盛り上げ、大阪城から中之島を経て大阪港に抜ける「海の御堂筋」、川と海をつなぐエリアのにぎわいのまちづくりに向けた取組みを展開していきたいと思います。この帆船「あこがれ」というのは、自治体で初めて建造しました、大阪市の貴重な財産でございます。一般の人が体験実習のために、乗船して航海できるというのは、日本で唯一つ、この帆船「あこがれ」だけだということでございます。セイルトレーニング以外にも有効活用していきたいと思いますので、是非、市民の皆さんのご理解とともに応援をお願いしたいと思っております。

【個室ビデオ店等の防火安全対策の強化に関する国への要望について】


「要望書」(PDF:154 KB)
それから、先日、記者会見で申し上げておりました、個室ビデオ店等の防火安全対策の強化に関しまして、お手元にお配りしております要望書でございますが、明日、直接私が国土交通省及び消防庁へお届けいたします。要望内容の実現に向けて、お願いをしたいと思っております。

【外郭団体等への派遣職員に対する対応について】

もう一つ。外郭団体などへの派遣職員に対する対応についてでございます。先月、大阪高裁で神戸市が外郭団体に対し、派遣職員の人件費相当分を補助金として支出していた事例を、違法とする判決がございました。大阪市では、この高裁判決を重く受けとめ、この判決に抵触する、補助金での派遣人件費の支出を見直すことといたしました。まず、派遣法の趣旨に基づきまして、本市からの直接支給が可能な事例につきましては、直接支給に切り替えます。そして、派遣先との協定、補助金等交付要綱、また、別途委託契約についても確認し、必要に応じて見直したいと思っております。現行の派遣条例についても、さらに事例等を精査し、条例改正を検討したいと思っております。
お手元に資料をお配りしておりますが、大阪市では、現在、補助金等や委託料で人件費を含む支出のある公益法人等は、99団体、派遣職員では535人おり、要精査対象団体への派遣職員人件費は、平成20年度予算でおよそ48億円となっております。これまでも、市政改革マニフェスト、あるいは外郭団体改革基本方針に基づき、外郭団体等の自主的・自立的運営をめざして取り組んできておりますけれども、派遣職員の引き上げも積極的に推進しております。今後も改革の基本方針を堅持し、派遣職員については、大阪市が実施する市民サービスなど各種事業の実施にあたり、公益性や市としてのガバナンスの観点から、必要で最小限の派遣職員数となっているか、個々の事例について、さらに検討してまいりたいと思っております。私からは以上でございます。
質疑応答
記者
WTCの特定調停の調査のほうですが、ずっと市長が、「なかなか關さんにもお会いできない」ということをおっしゃっていて、最初、年度内を目処にというお話だったと思うんですが。
市長
年度内にはまとめて発表させていただきたいと思っております。すでに大平前助役にはお話を聞くことができました。お時間を頂戴(ちょうだい)しまして、大平前助役にはお話を聞けております。それから、前市長の關さんとは、まだスケジュール調整が完全にできておりませんで、關前市長にお話をお伺いすれば、もう、報告書を最終まとめる段階に入るんであろうと思っております。(政策企画室長に対して)まだ日程出てこないね。
政策企画室長
まだです。
記者
大平さんとは、直接、市長は、お話をされたんですか。
市長
私、伺いました。
記者
もし、何か、おっしゃっていること、言える範囲で、どんなことをおっしゃってたんですか。
市長
そうですね、当時、まだ大平さんは、12月に助役になられて、そのあくる年、すぐ1月にこの話が、もう12月の段階から、もちろん、話はあったんですが、いきなり目の前に非常に重たいものを判断しなければならない状況で、大変だったということはおっしゃっていますが、その細かい内容については、まとめを出させていただきますんで、それをお待ちいただきたいと思います。
記者
今回の政策ビジョンなんですけれども、午前中に会見があってですね、21年度で48億円ですか、3年間で大体176億の事業というか、今のところ企画しているというふうなことなんですけれども、一方で経費削減という取組みをされる中でですね、また一方で支出を増やすというようなあり方が、その方向性としてはどういうふうにとらえたらいいのかなって思うんですけど。
市長
出費、減らすのがね、すべてなのか。というのは、経費削減というのは、無駄な部分をそぎ落としていこうという大きな流れの中で、一方で私は、市長にならせていただいてますから、このまちをどういう形にしたいんだという部分で、集中的に予算を使わせていただくという権限もあるわけでございますから、選択と集中をきちんと図らせていただきつつあるという思いで出させていただいています。細かい、その数字の積み重ねということで言いますと、例えば、放置自転車対策にしても、今までかなりの額を大阪市は、この対策に使ってきております。その一方で、私はそれを市民協働という形で大きく位置づけて、積極的にまちをきれいにするためにという観点からの、もういっぺん一からの見直しをしたつもりです。ですから、単に、撤去台数を増やすために経費がかかっているとか、そういうふうには、見ていただきたくない。その間に、きちんと、サイクルサポーターの数が増え、なおかつ、民間の活力を導入する形で、駐輪場施策ですね、駐輪場設置を積極的にできるところから進めていくという、あらゆる角度からこの問題に取り組もうということですから、中味がずいぶん変わってきつつあるお金の使い方であると、私は自覚しております。ですから、後は市民の皆さんに、納税者の方々に、そういったことをきちんとご説明申し上げながら、協力をしていただくという方向性を、いかに絶えず、出し続けるかということが、これからの大阪市の一番大事なとこやろうと思ってます。途中での軌道修正であるとか、見直しであるとか、それも、情報を出し続ければ、これは目標と違うという部分が見えてくるわけですから、その時点で修正もきくでしょうし、いい方向へどんどん、どんどん、持って行くための修正っていうのは、いつでもできるという状況で進めてまいりたい、かように思っています。
記者
ビジョンに関連して、簡単で結構なんですが、いわゆる平松カラーというのがですね、市長ご自身でこのビジョンの中でですね、出ているというのをお考えかどうかということと、それとすでにおっしゃったことと重複するかもしれませんけれども、平松カラーが出ているとすればですね、それは具体的に言うとどの部分というかですね、あらためてちょっとお願いできますか。
市長
あのね、何色やという話が非常に難しいんですわ。自分で何色やという、自分の色をよう表現せん部分あります。市民カラーと言って、皆さんがその色を何色にご覧なるかという部分かな。僕、私自身はやっぱり、この1年2ヶ月、本当に市民の皆さんに自分の施策の方向をきっちり市民協働という形でバックアップしていただいた。「大丈夫やで。任しとき」というふうな、まあ形を、支えていただいたという気持ちはしますね。ですから、堂々と「やります」ということを言っていく、単に数値目標を置かせていただいたのではなく、「この目標にみんなで頑張っていきましょうね」「よっしゃ。わかった。しゃーないなぁ」と、「そこまで言うねんやったら、いっしょにやろか」というふうな雰囲気になっていただけるような、そんな雰囲気を作りつつあると自分で思っておりますので。それが何色や言われたら市民カラーと、今は言わせていただきます。
記者
細かいことで恐縮なんですが、この平松カラーの中で、こどもの生きる力のところで、今回、初めて出てきたかと思うんですけども、学力テストの無回答率を全国平均よりも少なくしましょうというか、設問によっては、13%ぐらい、いわば、質問の答えが白紙で出てきてたという状況があったというふうに思うんですけれども、これが、たくさんある施策の中で、なんでここにあがってきたのかということと、それは、どういうふうに受け取ればいいんでしょうか。こどもたちがもうあきらめちゃっているというふうに受け取るのか。それとも、初めのうちは、頑張って解いていっているんだけども、途中から集中力がなくなってきて、もうええわ、となっちゃって、白紙の部分になっちゃったのか。市長はこの問題、どのように受け取っていらっしゃいますか。
市長
学力テストにつきましては、府の橋下知事が、かなり大きい声でおっしゃっている、一定の方向性っていうものがあります。知事も別に単に点数を上げろということはおっしゃってないんですね。私は、それ以上に、大阪市で、わりと早い段階で、これは公表すべきやろというふうに言ったように記憶しております。なぜ、公表しようという部分かというのは、まさしくそこで、教育委員会に今後努力してほしいのは、A問題、B問題あって、B問題の白紙回答が大阪市は非常に多いと。これは、Bっていうのはつまり、連想力であるとか、応用問題ですね。応用力、言語力、そういったコミュニケーションの基本になる部分、そこが全く抜けていると、これから、その応用もできなければ、その公式を、その公式だけでしか覚えない、その公式は他のところにも応用ができるんだよというような、その部分が伸びないと本当の教育の姿っていうものは、出ないと私は思っています。それは、私の信念だし、教育委員会と、そういう話を絶えずやりまして、教育委員会のその学力テストにかける思いに、今後の大阪市教委として、現場の教職員にこれをやってほしいというのは、今、ホームページにも出ておりますけれども、今まで以上に、かなり具体的に、これをやりきるんだという決意が出ている方針だと思うんです。ですから、大阪市の教育委員会とそれから教職員の皆さんにきっちりとあれをやっていただきたい。そうすることによって、大阪市のこどもたちの応用力、言語力、本来、大阪のこどもって言語力は達者なはずなんです。その部分の応用力がないのは寂しいんで。是非、そこをまず上げてよと。これは、自分の中で、それさえ上がれば、ほかは何とでもなるという気がどっかにある。それで、やっぱり寂しい思いがしました。だから、ちょっと、唐突感はあるかもしれませんけど、自分の中では、これは、譲れない一線ですし、自分自身の教育のいろはの「い」って、ここと違うんかという部分がありますんで。私自身が、こどものころ、人前であんまり物を言えない子だったんで、それを小学校の時の先生の指導によって、こんな大人になってしまいましたんで。小さいころに出会う教師の力っていうのは、ほんと、すごいものがありますから。それを、大阪市で是非もういっぺん一から築き上げてほしい、そういう思いです。そこまで言うと、言い過ぎかも知れませんが。
記者
敬老パスなんですけど、議会のほうでは、実施年度を22年度とおっしゃっていたのを、もっと議論をかけて遅らすべきだとかいう意見もあるようなのですが、実施時期については、これはもうずらさないということでいいのかということと、それから、敬老パスを導入するにあたっては、システム改修費ということが必要だという説明でしたが、これについては、まだ最終的にその上限8万円がどうなるか分からないですけども、21年度予算に確実に計上するということでよろしいのかどうかという、この2点お願いします。
市長
もうすでに報道もされておりますし、私もインタビューに答えさせていただきましたが、敬老優待乗車証制度につきましての市としての見直し案が、各会派に提示させていただきましたし、この形で今後の市会の議論に臨んでまいりたいと思っております。実施時期云々(うんぬん)もその議論の中で、当然、話にあがってくることであって、今、どうこうすることではないと思いますが、我々としては、あくまでも当初出させていただいた22年度から実施という形で、21年度はそのシステム改修費を出させていただくと。じゃ、その改修費の見積もりにつきましてですね、これ、また変わったら変わるやないかというご指摘なんだと思いますが、変わったときは、変わったときで対応できますんで、させていただきたいと思っております。
 

大阪市 Osaka City