平成21年7月23日 大阪市長会見全文

【ガソリンを携行缶等で購入する際の本人確認の取組みについて】

中2週間空いてしまいまして、申し訳ありませんでした。久しぶりの定例会見、どうぞよろしくお願いします。
本日は消防の項目から始めさせていただきます。
平成21年7月の5日に此花区で発生しましたパチンコ店火災、4人の方々がお亡くなりになり、19人の方々が負傷するという非常に痛ましいものでございました。現在もまだ6人の方が入院中と伺っております。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、負傷された方の一日も早いご快復をお祈り申し上げております。
私も火災当日、現地に駆けつけまして、惨状を目の当たりにしましたが、ガソリンを悪用したときの火災の怖さ、ガソリンは凶器にもなりうるということを痛切に感じております。こうした犯罪を防ぐために何ができるかということで、此花の火災では、携行缶に販売されたガソリンが使用されたということで、誰もが簡単に持ち運びができる携行缶への販売に一定のルールが必要ではないかと考えました。
早速、ガソリンスタンドの事業者の方で組織されております大阪府石油商業組合、この組合に対しまして協力を要請いたしましたところ、犯罪の抑止の一助になればということで、取組みに対しご快諾をいただいたということでございます。
報道発表資料をお配りしておりますが、大阪府内のガソリンスタンドにおいて、ガソリンを小分け販売する際には、運転免許証などにより本人確認を行うとともに、販売日時、購入者の氏名、住所、購入目的、販売量を記録するというもので、全国では初めてのこういった取扱いになると聞いております。8月1日から順次、実施する予定です。
大阪府石油商業組合に加入していないガソリンスタンド、これは、大阪府下で3割ぐらいが加入していないということなんですが、大阪市内につきましては各消防署が同様の協力要請を行うこととしておりますし、大阪市外のガソリンスタンドにつきましては、大阪府下全域の消防本部が大阪市と同様の協力要請を行っていくということを聞いております。
ガソリンを悪用しました放火犯罪を少しでも抑止できればと思っておりますので、こういった問題も、市民の皆さんの協力を得ながら進めてまいりたいと思います。『大阪市は市民の目が光っていますよ』ということを是非アピールしていきたいと思っておりますし、アピールできるまちであると感じております。これも市民協働、『いっしょにやりまひょ』ということで進めていきたいと思っておりますんで、どうかよろしくご協力のほどお願い申し上げます。

【救急医療相談『大阪市救急安心センター』の電話番号が決定】

次も消防の案件です。4月27日の会見で皆様にご紹介させていただきました、『大阪市救急安心センター』につきまして専用の電話番号が決まりましたので、そのお知らせです。
これです。救急医療相談に応える電話番号でございますが、『#7119』に決定いたしました。この番号は短縮ダイヤル、いわゆる一般回線となっており、有料回線です。有料になります。IP電話などを最近お使いになってる方が多いようですが、その場合は、局番をつけていただいて、『6582-7119』となります。
この『大阪市救急安心センター』は、10月1日の午前10時からスタートいたしますが、24時間・365日、市民の皆様の救急医療相談に医師・看護師・相談員が応じ、応急処置の方法でありますとか、適切な医療機関の案内、また緊急性の高い症状にはその時点で救急車の出動も行なう、電話によるワンストップ相談窓口と言えると思います。
もし、ご本人やご家族が病気やけがでどうしていいのか分からない、そういった時には、是非『#7119』にご相談いただきたいと思います。ご相談内容に応じて迅速・的確に対応させていただくことで、市民の皆様の不安を取り除くことができると確信しておりますし、10月1日のスタートに向けて、『(大阪市)救急安心センター』を積極的にPRしていきたいと思っています。このPRにあたりましては、先ほどフリップでご覧いただきましたが、あのフリップにしても、これから作製するPRポスターやリーフレットを大阪デザイナー専門学校の学生が無償で作ってくれるということでございます。これも市民協働の1つやと思っております。よろしくお願いします。
この事業は、大阪市内にお勤めになっていらっしゃる方、あるいは通学されている方々にも広く利用していただく、あるいは分かっていただくことで、より効果的になるものと考えております。今回は、大阪市単独の事業としてスタートするわけですが、その有益性をさらに高めるために、今後、大阪府ならびに大阪府下の消防本部にもこの事業との連携につきまして積極的に働きかけてまいりたいと思っておりますので、こちらもよろしくお願いしたいと思います。

【水都大阪2009について(ポスター第2弾が完成、中之島公園噴水の試験放水の実施、水の回廊に架かる橋への橋名板の設置、ドライ型ミスト散布の実施など)】

次の項目にまいります。『水都大阪2009』、いよいよ来月、8月22日の開催までちょうど、今日、市役所の前に『30日』と表示されております。本日は水都関連の話題をいくつかまとめて紹介させていただきますが、まず、後ろに貼らせていただいております、このポスターでございます。いかがでしょう。これが第2弾ということになりました。今回は、知事と私の顔は、やや隅っこのほうに遠慮させていただきまして、で、中心になっておりますのは、中之島公園でございます。中之島公園、さらには、今日、川の駅開きも行いましたけれども、八軒家浜の近くで川の駅開きを行いました。八軒家浜などで、様々なプログラムを展開いたします。色んなところで、「なんかおもろいことやってそうやなー」というイメージをもっていただけたらという観点で、このようにいろんなものが風船の中に入っているデザインとなりました。市営地下鉄はもとより私鉄の方にもご協力をいただいて貼らせていただいて、多くの場所でPRをしていきたいと考えております。
また、8月1日からは、市営地下鉄や集客施設などで、私と知事の声で、「この夏は、『水都大阪2009』へお越しください」といったアナウンスを流してまいります。私鉄各社にも、現在、「流していただけますか」というお願いをしておりますんで、もし流していただけるとなれば、交通機関の中で、私か知事の声で水都大阪のPRをさせていただくことになると思います。通勤や通学で駅を利用される方に、毎日、「水都、水都」と呼びかけてまいりたいと思っております。是非『水都大阪2009』を楽しみにお待ちいただいて、そして開催中、お越しいただきたいと思っております。
水都関連2点目は、このポスターのこの場所になりますが、8月22日にリニューアルオープンしますのが、この中之島公園全体なんですけれども、そこに建設いたします噴水、この噴水を7月31日から8月6日の7日間、本番同様の自動運転による試験放水を行います。この噴水は、堂島川の水をろ過、そして殺菌処理をして噴き上げるものでございまして、風による影響を考慮して、風速により噴水規模を調整することになっておりますが、風がない最高の条件になりますと、長さおよそ60メートル、高さおよそ20メートル。「長さ」いうと変ですから、到達距離60メートルぐらいの言い方のほうがいいのかもしれません。そして間隔でございますが、試運転は、10時から20時まで、毎時0分と30分にそれぞれ5分間の放水を行うことにしております。運転時間は調整中ですけれども、本番でも毎時0分と30分という、その形は同じでございますので、時報、正時、30分という形でご利用いただけるんではないかと思います。日没後になりますと、白もしくはオレンジ色のライトアップを施しまして、光のアーチが華やかに大川に浮かびあがることになると思っております。中之島公園とともに新たな観光スポットになるものと期待しております。
3点目でございます。建設局の発表資料でございますが、水都大阪の象徴でもございます『水の回廊』に架かる橋の橋名板(きょうめいばん)の設置についてでございます。大阪は昔から『なにわ八百八橋』と言われているほど、たくさんの橋が架かっておりまして、水都大阪の象徴でもあります『水の回廊』にも70ほどの橋が架かっております。観光船から大阪の橋を見ていただける機会も増えてくる中で、船から橋を見ましても、「この橋、何やったかなあ」と橋の名前がなかなか見えないということもございますので、そこで、『水都大阪2009』を契機に、これらの橋に橋名板を設置しまして、『水の回廊』に架かるすべての橋の名前が、船から見ても分かるようにいたします。橋名板の揮毫(きごう)ですが、これは「文字を書く」ということですが、その揮毫につきましては、それぞれの橋ごとに地域の方々との関わりもございますんで、26の内8つの橋につきましては、橋の校区の小中学校の児童・生徒であるとか、橋の清掃を定期的に行なっていただいている団体の方々にお願いすることにしております。また、私も難波橋(なにわばし)の揮毫をさせていただくことになりました。実はすでに書いておりまして、これでございます。
橋名板の設置でございますが、今年の11月頃になる予定です。難波橋は、『水都大阪2009』でライトアップが予定されておりますんで、何とか水都の開会に間に合わせたいなと。で、ご存知のように、難波橋っていうのは2つの川に架かっております。堂島川と土佐堀川。ですから、1つは漢字にして、1つはひらがなで「なにわ」という字を書こうということで、先日、一所懸命練習して書かせてもらいました。船からも橋の名前を知っていただくことにより、水辺から見た大阪の橋の景色、橋への理解を深めいていただけるんではないかと思っております。また、市民の方々に橋名板の揮毫をしていただくことで、地域の方々の橋に対する愛着がさらに深まって、橋と市民の関係が一層深まればと願っております。
今朝、橋下知事にお会いして、「知事にも書いてほしい」ということを申しました。「難波橋を私と知事と両方で書けたらなあ」と言いましたら、知事は「字には自信がない」と大きな声でおっしゃってましたが、何とか説き伏せまして、「チャレンジします」ということを聞いておりますんで。ただ、知事は一言、「もし、書いたものを見て、こらあかんわということやったら、使わんとってください」というふうにおっしゃってましたが、まあ、是非、参加するという意味で、難波橋に私と知事が揮毫するということで、進めてまいりたいと思います。
次です。水道局の発表でございます。『水都大阪2009』の会場におきまして、水道水のドライ型ミスト散布を行います。会場内の各種モニュメント群や照明などと組み合わせまして、ミスト装置を延べ約400m、散布ノズル数にしまして800基、設置いたします。どういうふうになるかということなんですが、こんな感じになります。非常に多様なスタイルでミストが設置されて、初めてミストとイルミネーションのコラボレーションを行うなど、幻想的なクールスポットを会場の中、各所に創り出そうということです。中之島公園の中です。来場者の皆さんに、水道水を有効活用した新たな都市環境貢献策でありますドライ型ミスト散布、『ちょっと未来のミストなくらし』というキャッチフレーズを是非体感していただきたいと、かように思っておりますんで、よろしくお願いしたいと思います。なかなか綺麗だと思いますよ、これ。はい。
さて、次は発表資料はございませんけれども、教育委員会が『水都大阪2009』PRのために、8月3日から水都2009が終了する10月12日まで、市役所の庁内放送で、昼休みの12時15分からおよそ10分間、秋山和慶(あきやま かずよし)さん指揮、大阪市音楽団の演奏によります『シンフォニエッタ〜水都のスケッチ』という曲を流すことになりました。大阪市音楽団の創立80周年を記念して、ベルギーの有名な作曲家、ヤン・ヴァンデルローストさんに2003年に作曲いただいた曲で、4つの楽章から構成されておりますが、吹奏楽の中に日本的な響きも散りばめて、水都大阪が叙情的に、そして色彩豊かに演奏されております。お昼に市役所にお越しいただいた方に、ぜひお聞きいただきたいと思います。
それからもう一つ。独立行政法人造幣局さんが水都を記念して『水都大阪2009貨幣セット』を売り出されるということになりました。限定5,000セットで1,800円で販売されるということで、未使用の1円から500円通常硬貨と純銀製の年銘板、これ1枚をセットにしたもので、7月24日から販売されます。この会見のあとに発売にあたり造幣局から贈呈をいただけると、贈呈式をしていただけるということで、是非、その贈呈式も取材していただきたいと思います。本当に多くの方が、いよいよ30日になりました『水都大阪2009』のお祭りに向けまして、「盛り立ててやろやないか」っていう雰囲気が高まってまいりました。
お祭りって言いますと、祇園祭、神戸まつり、私、両方に行かせていただきました。都市同士が力を合わせて関西を元気にするということをアピールしてきたつもりでございますが、こういった意味で言いますと、この24日、25日には、天神祭が行われます。天神祭におきましても、今回、天神祭共賛会のご協力を得まして、船渡御船(ふなとぎょぶね)に、『水都大阪2009』や『ようこそ水都大阪へ!』という横断幕をつけまして、『水都大阪2009』のアピールを行なっていただけることとなりました。天満宮が仕立てる船5隻と、天神橋3丁目商店街振興会が仕立てる船1隻に横断幕をつけていただけることになりました。また、水都大阪のロゴをペイントし、こぎ手が『水都大阪2009』の法被を着ているという、ドンドコ船も登場することになっております。このように、天神祭も『水都大阪2009』を盛り立てていただけるわけですが、天神祭も『水都大阪2009』も、共に、関西全体を盛り立てていく、そういう大きな役割を担っていると私は考えておりますし、是非そうなってほしいと思っております。
この夏始まります『水都大阪2009』、是非皆さん、おそろいでお越しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【市長の声による放置自転車対策推進の啓発アナウンスの実施について】

項目が多くてすいません、あと1つでございます。
放置自転車全国ワースト1を返上するために、積極的な駐輪場整備を進めるとともに、撤去回数を強化する施策を進めております。放置自転車対策の一環として、この8月3日から直接、私の声で市民に訴える啓発アナウンスを導入します。

『市民のみなさん、大阪市長の平松です。皆さんご存知のように、大阪市では放置自転車対策に、重点的に取り組んでいます。道路や歩道にあふれかえった自転車やミニバイク、これをご覧になって皆さんどう思われますか。歩行者にとって危険なだけでなくて緊急車両の通行を妨げたり、救急活動の支障となったりしています。自転車やミニバイクをポーンと置いてる人、ぜひマナーを守りましょう。近距離はもうできるだけ歩きませんか。美しく、人に優しいまち、大阪。そして、元気で一番住みたいまち、大阪をめざして市民の皆さん、いっしょにやりまひょ!』

このように自転車問題について、地域の課題として多くの市民の方々や企業の方にも、現在、ご協力をいただいているわけですが、市民と協働して活動している現場でこのアナウンスを流すことによって、市民に対して、自転車放置の抑止効果、対策に対する認知度の向上、市民協働による取組みの推進を、是非、アピールしてまいりたいと考えております。
アナウンスを開始する8月は『道路ふれあい月間』となっているそうですが、建設局の工営所が中心となりまして、放置自転車をはじめ、放棄自動車、違反公告物などの撤去や、道路の不正使用物件の是正指導など、道路の正しい使用を推進してまいりたいと考えております。
今年は、このアナウンスを利用しまして、放置自転車対策に重点をおいた取組みを行ってまいりたいと考えております。どうぞ皆さん、自転車を放置しないで近い距離は是非皆さんの足で歩いていただきたい。そういった市民の皆さんへの積極的なこの運動に対する、放置自転車ワーストワン返上しましょうという行動にご協力を賜りますように、声を大にしてお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。本日は以上でございます。
質疑応答
記者
WTCの関連ですけれども、先ほど管財人がお見えになられまして、市の購入ということを要請といいますか、打診をされていかれましたけれども、それを受けてですね、市長としてこれをどう受け止めておられるかということとですね、あとまあ今回、公益的な見地からというようなお話もありましたけれども、購入について前向きに検討していかれるのかどうかという部分も含めてお願いします。
市長
はい。まず、市の購入ということでございますが、これは中井管財人にもお答えしたとおりでございまして、私ずっと言い続けておりますが、最後に手を挙げるところが無くて市が買うという選択肢は、やはり最後の手段であろうという思いは変わっておりません。なんとか市民負担の最小化ということをめざしながら、損失補償等がある案件でございますので、そういった面を含めて、市民に分かりやすい情報を開示しながら、取り組んでまいりたいと。その一方で、今日、もうたぶん記者会見、府庁で終わっていると思いますけれども、中井管財人が橋下知事に、直接、要請に行っていただきました。府庁移転というものは、3月ではならなかったわけですけれども、それ以降も知事は、事あるごとに「まだあきらめていない」という発言をされているので、是非、そういった動きを関西の大きな起爆剤として、府の考えというものをもう一度お考えいただきたいという動きをとっていただいてるということに関しましては、大変ありがたく受け止めております。あのエリア、咲洲エリアを活性化、まちづくりをきちんとやるんだという思いは、たぶん今までも色んな大阪市の職員が持っていてくれたとは思うんですが、なかなか表に出る形では、目に見える形ではなかったと思っています。私、市長になりましてから、たまたまそういった機運と、今まで地道に重ねてきた苦労、例えばフェリーのR岸壁への停泊であるとか、それから夢咲トンネルです、この8月1日にオープンしますが、咲洲と夢洲がトンネルでつながるといったようなこととか、色々な面で目に見える形で咲洲が変わりつつあるという部分を是非、多くの方達に知っていただく中で、しっかりしたまちづくり、その方針を打ち出していきたいと、かように思っております。
記者
管財人が会見で府市、「民間売却交渉を凍結して府と市への交渉を最優先にする」というふうにおっしゃったようなんですけれども。
市長
それは(管財人が)府で記者会見された時に?
記者
はい。「民間売却交渉を凍結して、府と市の交渉を最優先にする」というふうに中井管財人がおっしゃったということなんですけれども、橋下知事も色々言っていますが、現実的には府議会で一度否決されている訳ですよね。それでもなお、府の購入というものに何かその現実的な道を見出しておられるのかどうなのか、そのあたりのちょっと率直なところをお聞きしたいんですけれども。
市長
はい。今、その中井管財人の反応という、記者会見の内容というのは初めて聞きまして、私自身は、やや意外な思いで聞いております。意外なっていうのは、民間、すでに名乗りを上げそうなという、複数あるというふうに聞いておりますので、そういったその民間の動きというものが、具体的にまだ私どもには伝わってきておりませんでしたので。要するに、府の思いというものが、知事と会われてお話をされたあとに、より一層民間が、今、管財人が持ってらっしゃる情報と照らし合わせた時に、民間を凍結してでもという会見になったのか、ちょっとその辺がこちら材料不足でございます。で、具体的にそこまで一気に話が、府の知事とのお話し合いの中で進んだということであれば、逆にその情報をすべてまとめたうえで、府市協調でのまちづくり、活性化といったものがどういう形になるのかというのをきちんとお示しすべきであろうと思いますし、具体的に先ほども言いましたようにもう動き始めております部分が結構ございますんで、そちらに。民間の、だから動きっていうものの情報を得ていない段階で、ちょっとしんどいですね、今答えるっていう部分が。凍結してでも?ごめんなさいね。
記者
(府市)の交渉を最優先にする。
市長
府市の?府の?府庁移転を?府市の交渉は関係ないですよね。
記者
「府と市との」ということだと思いますけれども。
市長
府と市の協力、つまり、要するに。
記者
すみません途中で。府または市とのですね、交渉を最優先にするので、一時、民間売却については交渉を凍結するということを、先ほど会見で。
市長
あっ、そういうことですか。府庁から帰ってきはった?
記者
はい、そうです。
市長
すいません、ちょっと、もういっぺん、具体的に。
記者
民間とのですね、交渉は引き続き継続するけれども、一時、事実上凍結のようなことをおっしゃっていて、府または市との交渉をまず最優先にするということをおっしゃってます。
市長
その場合ですね、市の出動っていうことになりますと、これはおそらく私自身の思いとしては、この間、再建検討委員会等で「最後の手段として市が買い取る」ということを言い続けております。それがやっぱり損失補償等の金額を考えても、一番、市が買い取るということが今考えられてる選択肢の中では、金額的には嵩(かさ)が高くなるかなあという部分でございますが、ただ、エリアをきちんと活性化する、あるいはまちづくりをするという意味では、そういう責任は持っているという認識は当然ございます。その前にまず府に買っていただきたいという交渉をされるということなのではないかというふうに思います。そうですね、市でお伺いした時の感覚よりも一歩踏み込まれた感じだなあというのが正直なところです。ですから、知事とお会いになるのも当然オープンでお会いになったんだと思いますけれども、その中で知事が「府庁をあそこにもういっぺん持っていきたいんだ」という思いを強烈におっしゃったんですか?おっしゃいました?
記者
そうですね、はい。
市長
あっ、やっぱり。そういうことを受けてのことだとしか私は言いようがないですし、その強い思いに対して大阪市がどう応えるかということで言いますと、どっちにいたしましても、今は大阪市は会社更生法を申請した立場でございまして、更生管財人の中井弁護士のいろんなご意見とか、ご指示とか、あるいはご指導とか、そういったものをきちんと受けてから動かせていただくのが私どもは筋やと思ってますんで、今日お伺いして、そのあと府へ行かれて、今そういう記者会見をされたということですから、このあとちょっと関係部局と連携をとりまして、中井管財人の真意と知事との感触といったものを早急に情報を集めたいと思います。
記者
今、おっしゃられたことの確認なんですけれどもね、市長が「最後の手段」ということは、少なくとも管財人は今の段階で、民間の数社プラス大阪府、大阪市と交渉すると言ってるので、大阪府との交渉、次に民間との交渉、これがうまくいかなかった場合に初めて、大阪市として具体的に交渉すると、そういう理解でいいんでしょうか。
市長
買い取りということに関しては、私はそういうことだと思います。ただ、買い取りじゃなくて、エリア開発、エリア活性化ということで、「府が、府庁としてあそこのビルを、WTCビルをですね、府庁としてお考えになっているから、市は具体的に府といっしょに協力して絵を描いてください」ということになると、もうその段階から、府市の協調が始まるというふうには理解しておりますし、それに向かっていくだけの心積もりも準備もやっております。はい。
記者
管財人とのお話の中で、「議会とも検討」というようなことを、市長おっしゃられたと思うんですけれども、じゃあそれは、あくまで買い取りということではなくて、大阪府、あるいは民間との交渉が進むうえでの、そういう状況を議会の方に説明してということですか。
市長
どの段階であっても、議会と相談しながらっていうのは、これは必要なことだと思っておりますので、どの段階、どういう条件であっても、やはり情報を議会あるいは市民と共有しながら事を進めていきたい、こういう気持ちでございます。
記者
今日、その管財人が会見の中で、これまで大阪市とですね、賃料交渉をする中で、もしくは今回のこの管財人の動きを受けてですね、「検討をやめた」というか、「検討をいったん考えるのを中止せざるを得ない」というふうに言ったところが、今、手を挙げてるところのおよそ半分の社あったというふうな説明があったんです。で、大阪市というか、WTC社というかですね、やっぱり高値で民間に買ってもらうことを前提に中井さんにお願いしたというのがあるわけですよね。で、これが今回、また府にお願いするという動きで、それがまあ、一歩引くというかですね、民間側のほうの話は一歩引くというようなこともあってですね、これをその、前向きな動きととっていいのかどうかというのが、ちょっとこちらとしても非常に分かりづらくて、ここをどう市長が考えているのか、まずそれを。
市長
はい。これは市会の委員会でしたか、協議会でしたか、で、府市鑑定、共同鑑定が平米3,000円で出ていると。ですからその平米3,000円に向かう努力をしないといけないという指摘が市会の中からございました。で、今日も、市役所に管財人にお越しいただいた時に、その確認をさせていただきました。つまり、今、6,100円という賃料を払っており、それが、収益還元法になるのか何になるのか分かりませんが、「買いたいとおっしゃってる民間の方にとって、これを3,000円にするということはどういう意味を持つんですか」ということを伺いましたら、それはもう単に、例えば6,000円対3,000円というと、これは単純比較すると半額なんですが、管財人のおっしゃりよう、細かい言葉までは覚えておりませんけれども、意味的には、「半額以下に、ビルの価値自体が、そのリスクっていうものをまず投資家は考えるので、6,000円が3,000円になるみたいな形で交渉をしていくと、当初思っている値段の半額以下にまでビルの価値は下がってしまう」というふうにおっしゃっていたのが印象的でしたね。多分、そのことではないかなと。で、それに対して、じゃあ、今日も中井弁護士とお話したのは、「そのあたりを是非、市ときちんとお話し合いをしながら、詰めていきたい」とおっしゃっていましたんで、それがどういった形になるか。我々としては、「5年間はあそこにいましょう」ということを言うておりますし、できれば、その5年間の間に下げられる範囲で下げていただきたいという要望はしておりますけれども、それが、本当に、ビルの買い取り価格にここまでの値段の差ができるんですよというような情報が出てくれば、市会でも、あるいは市民の皆さんにも納得できる説明になるんではないかと、そういうふうに思ってます。ですから、うち(大阪市)が、「絶対に下げてくれないと市の部局は居りませんよ」と言ってるわけではないんでね。はい、そういうつもりでずっとやっております。
記者
すみません、それと、あと2つ聞いてもいいですか。その次で、結局、府がですね、議会がどうなるか分からないので、最終的に市が買い取るということについて、もっと詰めたですね、検討をこれからするおつもりがあるのかというのが1つとですね、それとすみません、これ、別件なんですけど、財政の中期見通し、この前出て、東京でIRで色々ご説明されましたけれども、非常に厳しい内容になってるという印象です。昨年、あれだけ厳しいですね、経費削減策を打ち出されてもなおこれだけということですので、どういうふうに巻き返すのかというのを、今、思い描いているものがあれば、ちょっとそれを教えてください。
市長
はい。府庁の移転ということに関しましては、関西の経済界からも強い要望がございます。今回の経済界の要望の今までと違う大きな点は、「もしそれが実現するのであれば、経済界もいっしょになってあの地域を活性化させましょう」というふうなお約束も記者会見でおっしゃっていたかのように、私は受け止めておりますんで、やはり、経済界挙げて、あのエリアというものを今のままにしておくわけにはいかないし、府庁の移転というものが、それだけ大きなインパクトを持った関西経済界への大きな1つのカンフル剤になるだろうということだと思います。私もそう思っております。ですから、民間への売却を凍結してでも、府への、あるいは市への働きかけというものを優先したいと管財人がおっしゃるのであれば、それに向けて、どういった具体的な行動がとれるのかというのを、管財人の方と相談をしながら、少し指示を受けたいと、管財人、中井弁護士から指示を受けたいと、そのように思っております。
で、もう1点、財政でございますが、2パーセント税収が伸びたとしても、平成30年度には2,600億円の累積赤字になってしまい、財政再生団体に陥るおそれがあるという見通しが出ました。我々はこの5年間かけて市政改革を続けてまいりました。5年で2,250億を削減するんだ、あるいは職員の数も減らしていくんだという、その目標を完全に達成できるであろうと。もちろん、細かい点を見ますと、経常経費等で及ばない部分があるものの、総額では想定を上回る額の効果を上げるというところまで懸命に削減をし、さらには市政改革もやってきたつもりです。その瞬間に、こういった経済の垂直落下によって受ける額がそこまで膨大になるというのは、想定外というか、コントロール不可能かなと最初は思いました。で、じゃあどうするんだっていうときに、考えられるのは、やっぱり私、新たなる税収増をどこに求めるかということだと思います。で、そういった意味でも、ベイエリアの持っているこれから先の産業、環境問題、グリーンエネルギー、いろいろな部分で、あのエリアが果たすべき役割と、それから大阪湾岸沿いに広がっている企業の集積、太陽光発電を始めとして、そういったものを、何らかの形で、あらゆる手を尽くして、「このエリアが一番、日本はもとより、世界でも最先端の地域になるんだ」という宣言をしながら、具体的な動きを進めていくしかないのではないかなと。もちろん、今まで続けてきた改革の手を緩める気はございません。事務事業の見直しを今、徹底的にやっておりますんで、その中で無駄が見つかったものは徹底的に省いていくと。で、無駄をどんどんどんどん削ぎながら、一方で、やっぱりそういった増収につながる、日本全体の増収につながる大きな動きをこの関西、大阪の地からやることで、大きな流れを変えざるを得ないというか、それしかないんちゃうかなというのが、現時点で思ってます。じゃあそのために何ができるんやということなんですが、もうこれは開き直って、あらゆることをやっていきます。あらゆることをやっていって、関西の持っている、本当に歴史的、地政学的な強さ、これは、先日来、(大阪市と)京都、神戸、堺、この4政令市との連携も、私、そこに一番のポイントがあると思ってるんですけれども、色んな企業は、今まで例えば、京都府の何々、兵庫県の何々、大阪府の何々、みたいな形であったものを、知らん間に、京都市と大阪市が手をつないだ何々、あるいは、神戸市までつながった何々という形の水平連携を実際上、進めていける何かがあるんではないか。まず観光みたいな面が、一番入りやすい入り口だと思いますが、将来的には、企業立地のありようみたいなものも、どっかでシェアでけへんやろうかというような、大胆な改革を府県境を越えてしまう、それを越えられる力を持ってるのは、政令市がこれだけ固まっている関西以外にはありえへんやろうというふうに思ってますんで、せっかくつながったこの4政令市の動きをですね、よりダイナミックに進めていくいいチャンスが来たと思ってますんで、是非、何らかの形で実を取りにいきたいですね、この関西全体で。
記者
先ほどの記者の方の後半の財政収支の関連なんですけれども、敬老パスについてはどのようにされるおつもりなんでしょうか。今回の分には入ってませんけれども。もう諦めるんでしょうか。
市長
前回出したものの、だめでしたが、そのときにも、別に、諦めたわけではございませんし、今、敬老パス、それから上下水道の福祉減免等につきましても、もういっぺん検討するように指示はしております。具体的にどういった形でご提示できるかっていうものは、まだもう少し時間をいただきたいと思いますが、まったく引っ込めたわけではございません。はい。
記者
ちょっとまた戻ってしまうんですけれども、WTCの関係で、先ほどの賃料、絶対に値下げをしないと出て行くというか、居続けないというわけではないっていうことですけれども、先ほど3,000円のことで管財人もお伝えされてましたけれども、3つのお願いで言われた、結局その平米あたり3,000円ぐらいに下げると。これ、もう一度考え直すと、いったん撤回するという受け止めでいいんでしょうか。
市長
あの時の私どもの回答は、3,000円でないとだめだというような回答ではなかったと思うんです。それに向けて減額という形をお願いしたいということですけれども、今日、管財人から伺いましたが、さっきもご説明しましたように、極端にビルの値段という形に反映されてしまう、ビルを買おうと思ってらっしゃる方にとってのリスクという形に映ってしまうということであれば、それがどこで折り合いがつくのかという線をですね、是非、きっちりと皆さんにお示ししながら、この額で何年間居ますとかですね、そういう形になるんではないかと思います。ですから、3,000円にならないから出て行くんだっていう議論は、するつもりはないです。はい。
記者
WTCの絡みなんですけれども、この間、知事が色んな囲み取材等々だと思うんですが、答えてですね、平松市長のほうに、「府に市長が働きかけてほしい」というようなことを何回も言ってるというようなことを事あるごとにおっしゃってるんですけれども、そういう働きかけをされる、府といってどこを指すのか、府議会を指すのか分かりませんけど、そのことも含めてですね、おつもりはあるのかということが1点と。また話が全然違うんですけど、府市の水道統合についてですね、先日、市のほうが、府の値下げ案の根拠となっているものについて、給水の安定性に不安があるという話とですね、あともう1点、市とさらに統合した場合の統合効果っていうのが原価に生じる余地がないというような分析結果を出されてましたけれども、市長としてはその辺、今後の進め方も含めてどういうふうにお考えになるのか、この2点についてお伺いしたいと思います。
市長
はい。今日まで、中井管財人が先ほど記者会見でおっしゃったという話をお聞きするまではですね、私としては会社更生法を申請し、更生管財人の手元にお渡しし、判断をお任せしている状況の中で、知事から「働きかけてほしい」というふうに言われても、お答えする術がないというか立場にないというのが、これは法律家である橋下知事にはお分かりいただいているはずであるんですよね。それが会社更生法であり、更生管財人の立場であり、会社更生法を申請した側の動けるか動けないかという部分だと私は思っています。ただ、今日、今お話し伺ったことが、今後、管財人の中井弁護士とも連絡を取りますけれども、そのままであるとするならば、今日管財人の方から正式に府に対して、「市長働きかけてください」という依頼とも受け取れる部分がありますんで、それを確認した後で、動ける範囲はどこか、積極的に動けるということであれば、どんな形であれ動かせていただくということだと思います。
記者
府議会に、例えば出向いて説明みたいなですね。
市長
いや、だから、それは具体的にどういった形になるかっていうものは、それぞれの交渉の窓口なり設定、設営っていうものがあるわけですから。ただ、今までは法的、法的っていうとオーバーですけれども、立場上動けなかったわけですが、立場上動けなかった人間に対して知事は「動け、動け」って言うてはった部分を、私は非常にしんどかった部分があるんです、正直申し上げてね。それは管財人のほうから具体的に府に購入をお願いしたいということと、そこで市が協力してほしいということで、今後も管財人の方の指示、あるいは管財人の方が「こう思うんですが」というご意見をいただきながら、動ける部分は動きたいという気になりました。はい。
それから、水道統合でございますが、知事は絶えず、「大阪市の水、買います」とおっしゃってるんです。なおかつ、「コンセッション方式でいきます」というふうにおっしゃってて、で、「水道部はなくなります」と、もうはっきりとおっしゃってて。これは公開されている、私どもでいうと経営戦略会議(都市経営会議)になるんですが、その会議の議事録を取り寄せて読みましてもはっきりとおっしゃってます。そういう指示を出しておられるわけですね。市案でいくよ、コンセッションでいくよ、あるいは市の水を使うよと。そういう方向で検討して、値下げ案を作っていただいているはずであったものが、いただいたデータを分析いたしますと、市の水道局が分析いたしますと、とてもそういうもんではないというのがはっきりしている案だとしか言いようがないんです。ですから、我々としたら、どっちがほんまなのか分からん。知事がおっしゃってることを、果たして府の水道部はどう受け止めてデータをお出しになったのかという部分が分からないんですね。ですからそれをもういっぺん、府にどういうことですかと、知事がおっしゃってることと違うん違いますかということでお返ししていると。この水道協議っていうのは皆さん、もうずうっと取材していただいてるんで、よくお分かりいただいてると思いますが、一貫して知事の指導力というものを絶えず前に押し出しておられたから、今日まで続いた部分があります。それが現実のものかどうかっていうものを、見えればすぐになります。知事がおっしゃってることが、本当のことである、現実のものであるというものが見えれば、大阪市の水道局はもうきっちりと、例えば府下の南部へ大阪市の水を送水することによって、府の、今懸命に太い線を一本で村野から送ろうとされている案を出してこられたんですが、そういった部分の安定性という部分での不安も拭えるし、それでいて今、府がお出しになった減額効果と等しい、あるいは府の案の今回のすごいところは、それをさらに上回ろうという動きで金額を出された部分がありますんでね。大阪市としては何とか、この、せっかくここまで来ました府市の水道統合協議ですから、もう一度、「知事が決断をされた市案でいくよ」ということと、「市の水道水を使うよ」ということと、さらには、「コンセッションをきっちりやりましょう」ということを言っていただければ、もうすぐにでも現実の協議に入っていけると思います。もちろん府議会の皆さん方の審議、あるいは府水協、府下42市町村の思いというものも当然あるでしょうが、前向きに進むことは間違いありません。
記者
質問が2つあります。いずれも先ほどの質問の続きですけれども、税の増収策の例示としてですね、4つの政令市が連携して企業立地などについて考えたいというお話ですが、これは、単純な企業立地を共同でやるというようなことを指しているのか、あるいは、なんでしょうか、規制緩和などですね、他の施策を通じてですね、4政令市の連携を進めていこうとしているのか、今思ってらっしゃる具体的なイメージを教えてください。
もう1点は、一番最初の答えにある夢咲トンネルの影響でですね、咲洲、夢洲地区への影響、それからWTCへの影響について、どうお考えなのか、あるいは、どういうふうに結びつけたいと思ってらっしゃるか、もう少し具体的に教えてください。
市長
増収施策、4政令市の企業協力とかいう部分につきまして、具体的な検討に入っているわけではございません。先週、2,600億という数字をお出しした段階で、何が一番効果があるかっていうふうに考えていたときに、やっぱりこれからは、今までにはなかった府県を越えるようなダイナミックな都市間連携というものが、新たな経済需要、あるいはそういった立地、産業立地といったものを呼び起こすきっかけになるのではないかというイメージでございます。で、そういったイメージを今ここで語って何になんねんとお叱りを受けるかも分かりませんけれども、そういったイメージなり夢なりを語らなければどうしようもないほど、この2,600億という重荷は、我々、5年かけて営々と2,250億削ってきた、2,400億を超える形になりそうですが、それを削ってきた側からしますとね、そういった夢を描きたい。で、そういったものを提示することによって、いろんなアイデアがそこに集まってくるような、なんて言うんですか、こう、触媒を入れると、ずうっとこう固まってくるような、そういったものにならないかという期待を込めてます。ただしそれは、単に期待だけではなくて、具体的に動けるような提案が出た瞬間に、私はいつでも動く覚悟はありますし、4政令市長と具体的な協議に入ることもできるでしょうと。で、この間も神戸まつりで4人一緒になりましたが、その際にもやっぱり、「見える形、具体的に何かやっていきましょうね」ということでは意思統一できてますんで、それを今度は現場の職員に返して、「何かないかー!」いうのを、絶えず叩き続けるという形で、びっくりするような案が出てくればいいなあというふうに思っています。従来の府県の枠を越えるっていうことが、これはなんか非常に大きい、おもしろい発想ではないかなと、私自身は思っております。
夢咲トンネルでございますが、8月1日にオープンいたします。これがオープンするということで、これとて、当初のテクノポート構想で描かれた鉄道が中に入っているのかどうかという点からしますと、入っておりません。ですから、道路、車の通行する専用道路という形になっております。しかし、夢洲はこれからどんどんどんどん、まだ埋め立てていきます。で、C岸壁に、国際最大級のフェリーが泊まれるような岸壁があり、なおかつ、360ヘクタールでしたか、それだけの広い土地が生まれようとしているエリアですから、あそこは我々が今、重点的に考えています太陽光発電でありますとか、クリーンエネルギーでありますとか、そういったものを研究したり、あるいは、作ったりする場所としては、最適の場所になるんではないかという思いを持っているのと同時に、咲洲プロジェクトの際にも、「先端ものづくり産業」ということを言っていた場所でございます。それと、私自身が、咲洲から夢洲を通って舞洲を通れば、今度は此花区に地続きに、地続き言うても橋がありますけども、橋で此花区に入れる。ということは、すぐにまた大阪市内の中心部に入れるという、1つの大きな動線が確保されるというふうに思っております。更に、咲洲トンネルはこの秋から半額になるというのと、ETCの導入も考えているということで、新たなサービス等も考えますと、アクセス自体が大きな改善された形で、皆さんにお見せできるというふうに思っておりますんで、夢咲トンネルの効果っていうものは、非常に大きいものがあるというふうに思っております。
記者
財政再建に関してなんですが、増収策として夢のある話をということがあった一方なんですが、まだ大阪市は絞れる雑巾がたくさんある、例えば、関西電力の株ですとか、お持ちになっている資産がたくさんあるところがあると思うんですけれども、そういったところにですね、手をつけていく、この厳しい状況の中で、検討するかどうかっていう方向性だけでも教えてほしいんですが。
市長
はい。もちろん、先ほども申しましたように、事務事業すべての総点検をやっておりますんで、その中で不要だと思われたものは、大胆に削っていくのが当然だと思います。今おっしゃった関西電力の株、依然、大阪市が筆頭株主でございますけれども、この株を持っていることによって、年間何十億でしたっけ?
財政局財務部財務担当課長
50億ぐらいと思います。
市長
年間50億の配当金が来てるんですね。で、これが安定的な収入であることは間違いないわけですが、今売ってしまって、その安定的な収入源を放してしまうのか。売るということは買う人がいるから売れるわけで、それをどこに売るんだという瞬間に、どんと値段が下がるっていうのが株ですから、非常に慎重にも慎重を期さないとだめな部分だと思っています。具体的に、名前を出していただいたんで答えましたが、やっぱり年間50億の配当金が入ってくるということ自体は非常に大きな収入源のひとつであることは間違いありません。
記者
この間、すごい単純に計算したんですが、2,100円くらいで、大体1,800億円ぐらいの価値があるということで。
市長
全部丸々引き受けていただければね。
記者
2,000円で売れたらという話ですが、そうなると、2015年の1,850億は工面できるのかなと。それは単純な計算ですが、そういう計算をしてみたんですが。それはやはり、配当の50億が定期的に入ってくる方がいいというふうにお考えなのかということですか。
市長
ですから、それは比較の話ですから、50億を10年間持っていれば500億ですが、500億入ってくるのと同時に、今おっしゃった1,850億ですか、その資産はそのまま残っているわけですからね。もちろん、事務方がどういった案をあげてくるかですが、私自身は、関西電力の株、よく言われるんですよ、埋蔵金みたいな形で言われるんですが、「いや、それと同時に、ここでこれだけの収入、収入っていいますか配当をもらってるんですよ」ということを是非、分かっていただきたいと思っています。
記者
別件ですみませんが、住吉区のJR阪和線の杉本町駅で、開かずの踏切と古い駅舎がですね、市民の利便性とか安全性を損なっているということで、利用している大学教授と住民が基本構想を作ろうと。で、市も主体的に参加してほしいとの設計図等を作っているんですが、市民協働という観点から、どのようにお考えかをお聞かせ下さい。
市長
先日、大阪市立大学に行きました時に、金児学長にその現場を見せてもらいに行きました。確かにあの踏切っていうものが、なんでこっち側に出口がないんやろうと、当然思ってしまいます。東側になるのかな、あれ。東側になくて、西側にあって、踏切を渡らないといけないと。で、じゃあ、今、この財政難の折に、どういった形で新たな入口なり、改札口を作ることができるのか、JRさんの協力が得られるのかどうか、そういったことも含めて総合的に考えたいと思いますが、住民、あるいは市民の皆さんからそういった声があがってきて、なおかつ具体的な提案という形になっていることは非常にありがたいし。ただ、要は、先立つものという部分で、非常に判断に困る部分ではあります。はい。
 

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