平成22年9月16日 大阪市長会見全文 |
【サントリーホールディングス(株)から、サントリーミュージアムの建物等の寄付と、所有するコレクションの寄託を受けます】
皆さんこんにちは。今日はまず、今年12月末をもって休館との判断をされました、サントリーミュージアムについてであります。サントリーミュージアムは、ご承知のように天保山のランドマークとして、16年間、大阪の文化の発信に大きな貢献をしていただきました。それだけに、市民の皆さんに大変惜しまれての休館となるわけですが、その後、この優れた施設をどのようにするかという問題につきまして、文化を大切な資源と考える私にとりまして大きな課題でございました。大阪市とサントリーホールディングス株式会社との間で協議を重ねてきたわけでございますが、サントリーさんとしても創業の地である大阪、関西の文化振興に引き続き貢献しようということで、大変ありがたい協力の申し出をいただける運びとなりました。ご協力いただく内容、大きく3点ございます。1つは、大阪市に対するミュージアムの建物の寄贈でございます。2つ目は、当面の施設維持、運営経費に充当するため、7億円の寄付を受けます。3つ目として、こちらにも出ておりますけれども、サントリーさんが持っておられる世界有数のポスターコレクションであります、グランヴィルコレクションおよび関連作品2万点を大阪市に寄託いただきます。大阪市ではこれらのコレクションを「サントリーポスターコレクション」と名づけまして、大阪市の文化振興に対するサントリーさんの貢献の証しとさせていただきます。
以上3点ということになるわけですが、サントリーホールディングス株式会社の大阪の文化力向上に対する大きな貢献に対しまして、あらためてお礼を申し上げます。ありがとうございます。 今回寄託を受けることになりますポスターコレクションを近代美術館のコレクションと合わせることで、世界でも屈指のデザインコレクションになるわけですが、こういったコレクションを活用することで、デザイン産業の振興にも、つなげていきたい考えを持っております。そしてまた、近代美術館の整備に向けた弾みにもしていきたいと思っております。建物寄贈後の運営に当たりましては、当面、近代美術館が整備されるまでの間、近代美術館が持っておりますコレクションの展示場や、地域の活性化につながる文化活動の拠点として、ギャラリー部分を活用してまいりたいと思っております。こちらの赤い線の部分ですね。 施設全体の活用に向けましては、IMAXシアターの部分の利活用のアイデア募集なども含めまして、民間事業者の公募の準備を進めてまいります。 さらに、天保山・築港地区は、海と都心をつなぐ、「海の御堂筋」の玄関口にも位置しております。今回のサントリーミュージアムの寄贈をきっかけに、より一層の観光集客、文化振興という地域の活性化を図っていこうと思っております。そのために、民間活力の導入も視野に入れて、客船ターミナル、あるいは海遊館、マーケットプレイスなどを含めた地区全体の活性化計画、これを策定していきたいと思っております。 【大阪市土地開発公社を解散する方針を決定しました】
次にまいります。土地開発公社の解散について、ご説明申し上げます。まず、土地開発公社は『公有地の拡大の推進に関する法律』に基づき、全国の政令指定都市などの自治体が出資して設立している特別法人でございます。大阪市も昭和48年の3月1日に設立いたしました。当時、高度成長期でございまして、土地の値段が右肩上がりに上がっているという状況でございまして、まちづくりのためには、先に土地を押さえておく必要があったわけです。しかし、土地バブルの崩壊後は、その必要がなくなり公社の存在理由自体が薄れてしまっておりました。そういう背景もあって、8月18日に外部有識者からなる、『大阪市土地開発公社経営改善計画執行監理委員会』から、「公社は役割を終えたものであり、速やかに解散すべき」という提言をいただきました。土地開発公社は、これまで約128万2の用地を取得し、まちづくりに寄与してきております。例えば、此花区の高見フローラルタウンでありますとか、北区の淀川リバーサイドなど、これは住宅でございます。それから天保山ハーバービレッジ、OCAT地区などの再開発や、阪神高速道路大阪湾岸線などを整備してきております。
しかし、今後、公社の土地先行取得機能を活用する予定はございません。また現在、13,000m2残っております公社の長期保有土地の解消という問題につきましても、『第三セクター等改革推進債』の活用などにより、今年度内には全て解消できる目処が立っております。そうしたことから、大阪市としましても、委員会からの提言と同様に、公社の役割は終えたと判断し、全国の指定都市に先立って、公社を解散させることとしました。今後は、10月の議会でご議論いただくことになりますが、順調に進めば、指定都市で初めての解散ということになります。 【クリエイティブ・ストリーム・オオサカを開催します】
次です。私は、デザインの力やクリエイティブ産業が、大阪市の成長戦略の大きなポイントになると考えております。今年7月から世界的に活躍されております工業デザイナーの喜多俊之(きた としゆき)さんを、市長特別顧問にお迎えしたのも、その思いからです。そんな思いを形にしたらこうなるというようなイベントを、去年に続いて今年は、さらにパワーアップして開催いたします。9月20日から10月末まで市内各地で展開いたします「クリエイティブ・ストリーム・オオサカ」でございます。これは大阪市や団体・企業・個人の方々といっしょになって、様々なクリエイティブイベントを市内の色んな場所で展開するものでございます。お手元にちらしを配らせておりますけれども、9月20日にはそのキックオフイベントといたしまして、『クリエイティブ・デザイン都市大阪を目指して』と題したフォーラムを開催いたします。当日は、喜多俊之さんと対談させていただきますほかに、大阪・日本を代表するデザイナーの皆さんが、クリエイティブ・デザインで大阪を盛り上げていくっていう方向について、色んな角度から語り合ってもらおうと思っております。
それから、まだゲラの段階なんですが、お手元に配布しております情報誌、これもゲラなんですけれども、この『SUPER:』(スーパー)というのを、この度、創刊いたします。世界的にもレベルの高い大阪のクリエイティブや、あるいはデザインの「今」について、そして「人」について発信していこうというものでございます。今回は、2万部発行いたしまして、市役所本庁1階のホールでありますとか、大阪産業創造館の1階、さらにはメビック扇町などで無料配布することにしております。今後は年に2回発行したいと思っております。大阪の成長戦略の大きな柱として、イベント、フォーラム、印刷物と色んなかたちで「クリエイティブ・デザイン都市大阪」をアピールし続けていきたいと思っております。 【『地球にやさしい住生活デザインコンペティション リアルサイズモデル展示会』を実施します】
合わせて、もう1つ、デザイン関係の学生向けコンペと優秀作品の展示会についてのご案内です。「地球にやさしい住生活デザインコンペティション」というものなんですが、これは、デザイン系の勉強をしている学生たちを対象に、関西の建築・環境・デザイン系の大学と産業界の連携により実施されているコンテストです。このコンテストの優秀作品を、10月の30日から11月10日まで、本庁舎玄関ホールで展示いたします。展示会では、多くの学生の方から提案された作品のうち、優秀作品5点を実物大の模型で展示いたします。市民の皆様には、学生たちの斬新な発想による作品をご覧いただいて、「すまい」という身近な観点から、あらためて地球温暖化をはじめとする環境問題に対する理解を深めていただきたいと、このように思っております。同時に、この取組みを通じまして、建築・環境・デザイン系の学生の皆さんが、クリエイティブという付加価値の高い産業の新たな担い手として、将来に大きく飛躍されることを期待するものです。
この秋には、このように「住生活デザインコンペティション」や「クリエイティブ・ストリーム・オオサカ」関連の様々なイベントを開催してまいります。是非ご参加いただきたいとも思いますし、報道のほうもよろしくお願いしたいと思います。 【子ども手当未申請の方へのお知らせ】
最後に、子ども手当についてです。申請受付を開始しました際にも、お知らせしましたけれども、支給対象が中学3年生まで広がり、所得制限がなくなったことから、新たに受給対象となられる方にも様々な形でお知らせしてまいりました。しかし、申請がまだお済みでない方がいらっしゃいます。大阪市の状況ですが、受給対象31万人のうち、8月末現在で30万6千人を認定しております。ほとんどの方は申請がお済みなんですけれども、まだ申請がお済みでない方は、9月末までに申請していただければ、4月分にさかのぼって手当を受給することができます。1日も早く、お住まいの区の保健福祉センターで申請をしていただきたいと思います。私からは以上でございます。
質疑応答 記者
昨日、大阪維新の会のほうでですね、一次公認、33人発表されましたけれども、それは、市のほうに対しても、議会のほうに対しても、統一地方選でですね、候補を立ててくるということですけれども、それについて平松市長のほうのお考えをお聞かせいただければと思います。
市長
先日、府の公館で行われました知事との意見交換会の際にも、選挙で何もかも全てが決まるということに対して、私は危惧を申し上げておりました。大いに選挙だけが全てだという手法をお取りになっていることに関しましては、そういう考え方なんだろうという思いとともに、候補をお立てになること自体に関しては、私はもうコメントする立場にないとしか言いようがないというふうに思っております。はい。
記者
それとですね、2,500人とか、ちょっと数字のほうはですね、参加された人数のほうがですね、ちょっと、そのパーティー券自体の売り上げで来られた方とちょっとずれがあるようですけども、その参加された人数については、どのように思われますか。
市長
主催者発表で2,000人ですか。2,500人ですか。色々、もともと資金集めのパーティーということですよね。ですから、賛同される方がお買いになっても姿を見せないということも十分ありますから。人数についても、それから、たくさんの方が第一次公認というかたちで出られたことに関しましても、私自身、結局、大阪市を単に分割したいとか、大阪都にするとかっていう枠組みの話ばかりをされていて、住民であるとか、市民であるとかっていう具体的な話が一切出てこないことに対しての、不思議な思いっていうのが、絶えず抜け切れません。ですから、今後、選挙戦が近づくにつれ、色々なかたちが表に出てくるとは思いますけれども、私はやはり、今、懸命に市民の暮らしを地域から変えていく、さらには区役所も変えていくという動きを着実に進めていきたいし、それを単に制度論だけで、こう切り分けようとする議論に対しては、やはり抵抗していきたいというふうに思っております。はい。
記者
サントリーミュージアムに関してお話を伺いたいんですけれども、まずこの7億円のですね、寄付に関してなんですけども、その内訳詳細を、もしご存知ならば教えていただきたいと思うんですけども。
市長
7億円です。それが全てです。要するに、何々に使うから7億円を寄付するじゃなくて、このサントリーミュージアムっていうのは、この間、閉館というかたちになった時から、私どもの関係部局がサントリーホールディングスさんとずっと交渉してまいりまして、単にもう閉めるっていうだけで、あの地域自体の賑わいみたいなもの、あるいは、これからのまちづくりっていったもの、さらには、その芸術文化を愛する人たちの思いというものが、やはり、せっかくサントリーミュージアムっていう名前がついていたものだけに、何とかご協力をいただきたいという思いで、それは市がこれから近代美術館の整備というかたちに移っていきますけれども、その間、何とか現在あるサントリーミュージアムで多くの芸術作品、あるいはその他、色々なイベントで、周辺の賑わいが、さびれないようなかたちで使わせていただきたいという思いと、同時にそれをさらに、サントリーさんのお力を借りて継続させると。単に市の税金だけで運営するというんではないかたちをお願いしてまいりましたところ、分かりましたということで、7億円をお出しいただいた。非常にありがたいことです。はい。
記者
さらにですね、近代美術館が整備されたあとなんですけども、そのあとの使い道っていうのは具体的に今の段階で決まってるんでしょうか。
市長
まだ、そこまでは、はい。グラウンドデザインということでいうと、ベイエリア、築港地区っていう部分についての考え方っていうのは、これからもっと具体的に出ていかないと、例えば、来年の確か3月やったと思いますけれども、『クイーンメリー2』がやってまいります。で、これが天保山にやってまいりますが、今も世界最大級の豪華客船と言われている船ですけれども、そのほかにも海外からの客船というかたちでの大阪への停泊というものが、だいぶ具体化しつつ、数字になって表れつつありますんで、余計に築港エリアっていうものが、海から来られる海外のお客様に対する大阪の玄関口になるということでもありますんでね、そういった1つの、海遊館があり、マーケットプレイスがあり、そして、観覧車があり、日本で一番低い山もある。天保山ですか。あれ、一番低いやんね。そういった観光資源に恵まれております。さらに、赤レンガの倉庫も残っておりますし、築港エリアの再開発というかたちでしっかりと位置づけていきたいとは思っておりますが、今、明確な、近代美術館ができたあとのサントリーミュージアムがどうなるかというようなところまでは、まだお示しできておりません、はい。
記者
すみません、あともう1つなんですけれども、6月の末にこの話が出た時なんですけれども、経営に関してはですね、大阪ウォーターフロント開発さんがっていうふうな話が出たかに記憶してるんですけど、そのあたりの、この経営に関しては、そのままどういうふうな話になっているのでしょうか。
市長
もちろん経営というのは、どういうかたちで経営するかっていうことありますけれども、今回、7億円のご寄付、7億円をご寄贈いただいたことで、逆に、エリアの一体開発、あるいは一体的な展開ということを考えると、たしかに、OWD(大阪ウォーターフロント開発(株))ですか、が前へ出る、海遊館との一体というかたちでいうのが、普通考えられる方法かなとは思っております。はい。
記者
2点あります。まず1つはですね、先日、大阪府の自治制度研究会のほうで、中間案のほうが発表になりました。で、座長が大阪市の市政改革検討委員長の委員長代理されてるんでしたかね、新川先生、座長ということで、この中間案、多分、市長も結果ご覧なったと思いますが、これについての感想をまず教えてください。
市長
あっ、1点目ですね。はい。中間とりまとめであって、なおかつ自治制度研究会というかたちで書いてございますんで、先生方がお書きになったものかなあと錯覚する部分はあると思いますが、多くは、やはり、当然、府の事務方がまとめられた部分であるということを感じますし、なおかつ内容を見ましても、つい先日、府の公館で知事がおっしゃってたことと、割と軌を一にする表現というものが多々見受けられます。ですから、こういう研究会を通して、知事がおっしゃりたいことを府の職員が代わっておつくりになろうとしている部分と、それとやっぱり、逆に今までこういうかたちで大都市というものを、府が、包含しているはずの府が研究するなんてことはなかったわけですから、それはそれで1つ、私たちもしっかりと読み込んでいかないといけないと思います。で、内容については、大阪市から見ると、例えばデータの使い方とかですね、あえて古いデータを使ってらっしゃる部分であるとか、それから本来使うデータとしては準備不足の部分があるのではないかというものも見受けられますので、これが最終取りまとめに、より広い方たちの意見を聞きながらやっていくという方向のようですから、私どもは私どもなりに今回出された中間とりまとめをしっかりと分析をしたうえで、「ここはこうではないですか」とかいうかたちでは、意見は言わせていただけるのかなと思っております。新川先生につきましても、終わったあとの、私、直接まだお話聞いておりませんので、今度お会いできたら、お聞きしようと思っておりますけれども、要は大阪だけが非常に特別なのか。それから、大都市制度っていうもの、政令市っていうものの存在を、今後、大阪発展のためにどう考えておられるのかといった点については、じっくりお話は聞きたいと思っておりますね。何しろ私は先日の知事との意見交換会でも、「やれることはやりましょうよ」と。で、なおかつ大阪市っていうものの、今もっている力を是非、周辺へ波及できるようなかたちで、貢献する都市っていう方向性も出しておりますし、そういったあたりも、我々の思いというものも実際にお話、意見交換ができればとは思っております。はい。
記者
2点目はですね、先日もお伺いしたんですけど、都構想とか分市論についてですね、市議会のほうで、9月議会、実質始まってますけど、まだその議論がされてないと。で、今後、維新の会の会派が定数削減案とそれから、報酬カットの条例案を出されるそうなんですが、ここでも議会改革ということがメインであって、都構想とかについては議事提案説明の中では触れられないというような話もあるんですけど、その議会の中でですね、都構想について議論されていないという現状について、あらためて、もう一度お考えをお聞かせください。
市長
はい。やはり、府知事がはっきりと大きな声でおっしゃってることを、府側の職員も含めて、今回の府自治制度研究会で一定の方向性と見える中間とりまとめをまとめられた。で、私自身は要するに新聞の見出しで、「大阪市再編へ」というのが、このとりまとめの骨子であるというような見出しがついていたことに対しては、中身を見ると、3つか4つぐらいの方向性は出されているし、まだ決まったわけではないと、この方向に1つに決めたわけではないというふうに新川先生、終わってからおっしゃってたということですから、少し伝わり方にやや温度差を感じている部分はございます。ただ大阪維新の会という、地域政党ですか、地域政治団体というべきなのか、がめざしておられるのが、大阪都構想なのか、単に大阪市を分割したいだけなのか。で、分割してどうなるという話もないし、それから税金にしても、それは交付税が当るという非常に大雑把な話だけですから。これは維新の会の方たちが、きちんとやっぱり市民に対して、私は説明する責任があると思いますし、で、そういったことを本来議会のどういう委員会でやれるのかというと、やっぱり大都市・税財政制度特別委員会かな、大都市制度の特別委員会が最適やと思って、いつかの記者会見でも言いましたが、出ておりませんでした。やっぱり逃げずに、そういった議論をされないと、具体的に市民に説明がつかない部分ていうのが出てくると思います。私たちはどうも、守旧派と見られるように演出をされかかっておりますけれども、「そうじゃないんですよ」っていうことを、やっぱり我々はきちっと言っていかないといけないし、具体的に大阪市政の改革っていうものをこういう方向で進めたいという、そういう議論のぶつかり合いがないと、単にその制度論対、制度論と言いましても、上から切り分けて自分たちの、そこで上積みがあるように見せて、それで自分たちの使いたいように使うんだというような、その、議論にも見えるわけですから、それをやはりきちっと説明しないと、市民、府民の方に納得がいかないんじゃないかなと思います。
記者
先ほどの維新の会の公認のことにも関連するんですけれども、市長は以前、これから旗幟を鮮明にするというような発言をされました。次、統一地方選あるわけですけれども、前回の生野区補選では、一応応援メッセージは出すけどもマイクは握らないということだったんですが、今の時点では今後、統一地方選で旗幟を鮮明にしてですね、特定候補のマイクを握るというようなことも、今のところ考えていらっしゃるのでしょうか。
市長
大阪維新の会の皆さんが、市会議員選挙で大阪市を分断すると、これは生野区でも、それから、その前の福島でも、ずっとおっしゃっておりました。「都」とおっしゃってたと思いますし。で、こういう論調っていうか、そういう主張が続くようであれば、当然、私は分断することで大阪市民に利益は出ない、何の利益も得られないと、市民にとって。で、今、私のめざす方向いうのは、その大阪市が持っている力を何とか都市間連携で周辺に広げながら、大阪市も豊かになっていこうという方向性ですから、当然、旗幟を鮮明にするという以上の動きにつながることは間違いないと思います。で、それでないとやはり、単に人気があるからっていうかたちで、橋下知事のもとに馳せ参じられた方たちなのかどうか、議論がやっぱりしっかりされないことには、人気があるからといって大阪市を分断する、あるいは、分断するということ自体という、それとその先の将来像も、住民の生活とかですね、何も見えないんですよ、維新の会の今のおっしゃりようには。単に、経済活性化のためにものをつくるとか、カジノを持ってくるとかいうことばかりで、それがじゃあ誰のためになるのかも、そして具体的にどれだけの額かも示されていないし。どうも不思議でならんのです、だから。やっぱり住民に一番近いところをしっかりと支えていこうね、それが、支えていこうという思いと住民の人たちみんなも自分たちで支え合わないと、この世の中、本当にどこへ向くか分かりません、という時代にあって、地方分権と全く逆行される動きをされているようにも感じるんで、ここはやっぱりしっかりと頑張らないといけないなあとは思っております。ですから、来年の統一地方選挙に向けての色んな動きの際に、それがよりいっそう、私の場合はいきなりではなく、徐々にそういった色が出てくると思いますが。
記者
実際にその選挙戦の中でですね、マイクを握るってこともありうると。
市長
はい、ですから来年の4月に向けて、徐々にそういった色が出てくると思います、このままでは。つまり、今の維新の会が何も内容がないことをおっしゃってるという気がしますんで、「それをはっきり市民に示してくださいよ、そない言うんやったら」という部分がね、いると思いますよ。
記者
もしですね、そういう今のような状態が続いて、どうしても維新の会の言うことに納得できないと。これはもう、明確に反対しなけりゃいけないという状態で選挙戦を迎えた場合ですね、生野区の補選の時は対立が比較的、民主党ということで、対立軸が絞られてきたんですけども、今度の選挙戦では、それが色々、自民党だったり、公明党だったりということが非常にありうると思うんですけど、そういう時に、どういうお立場でされるのかなっていうのが、ちょっと、ある陣営について応援に立たれるのか、色々、選択肢あると思うんですけど、そのあたり、今の時点ではどうお考えになっているのでしょうか。
市長
半年ありますからね、まだ。もう半年しかないという方もいるでしょうが、私は最初から申し上げておりますように、仮定の話ではなくて、具体的な動きが見え始めた時に自分がどう動くかを見ていただければ、方向は分かるというふうに思っております。はい。
記者
ありがとうございます。
記者
今の話にちょっと関連してということになるんですが、知事とのやりとりの中で、知事との意見の対立というか、まあまあ、描く将来像ということになるのかと思うんですが、非常に違いが鮮明になったと。で、橋下代表はですね、その維新の会で、知事と市長と統一地方選挙を取りにいくということを明言していて、一方、平松市長は、市長ということをどうするのかということを、まだはっきり言われていないというふうに、市民も受け取っていると思うんですが、ここに関しても、まだ時間はあるので、いつかどこかのタイミングでということだと思うんですが、これ、統一選挙の前に平松市長が次の市長の選挙というのをどう考えるかということが、ある程度はっきりしないと市民の選択というのも、平松市長を支持される市民の方が、どう統一地方選に臨んでいいのか分からなくなってくると思うんですが、選挙前には市長選挙をどうするかということに関しては、態度をはっきりされるという理解でいいんでしょうか。
市長
いえ、私、前に言っておりますのは、統一地方選挙終わったあとに、自分の方向性っていうのは示させていただくというふうに言っております。で、その時期についても、結局、じゃあそう言ってて、例えば今ここで言ってしまうのか、あるいは、明日になったら言うのかっていう、そういう問題でもないと思ってますんでね。で、やっぱり冷静に維新の会がおっしゃってる世の中というものが、どういうものなのか見えないと言い続けているにもかかわらず、あたかも素晴らしい未来を描いておられるかのように伝えられている現実について、非常に危惧を持っていることは事実です、はい。ですから、それをはっきりと、旗幟を鮮明にしたいというふうに申し上げましたのは、「今のままの維新の会の、単に制度論であったり、というものに乗っかっていっていいんですか」、さらに大阪市だけがターゲットになってますけど、これは堺市にも議員をお出しになるわけですが、府議会議員に関しては、もう今や第一党になってしまっています。じゃあ、府の責任って何やったんやろうかっていう部分が、今回の府の自治制度研究会の中間とりまとめを見ても、ほとんど書かれていない。一方的に何か、この府と市が同じところにあったから悪いんや、みたいなかたちになっている部分も、やや、どうしてこうなるんだろうという部分も、皆さんでやっぱり、しっかり話し合っていただきたい、府議会の中でね。府議会って、そのためにあるんじゃないのかなっていう、府議会は大阪市を乗っとるためにあるんではなくて、大阪府下全体をきちんとコントロールされたり、あるいは調整、都市間連携をする際の難しい部分を調整されることも、広域行政の、私は責務としてあると思いますんで、今、何となく維新の会というものが、大阪市だけをターゲットにされているということ自体の、この混沌とした状況が、はたして関西のためにいいのかという部分を考えると、もっと広い視野で議論をしていただきたいと思います。ですから、私自身が次の選挙にどう臨むのかっていうのは、まだまだ1年以上ある話ですから。で、それを統一地方選挙でどうするんだ、維新の会に対決するんだということは、大阪市長として私は当然のことだと、今、おっしゃっていることでは。今、維新の会がおっしゃっていること、あるいは大阪市だけを分けるというふうにおっしゃっていることに関しては、大阪市長としては明確に反対をして、次の統一地方選挙に出てこられる方たちに対して反対をしていくということは、はっきり言えます。はい。
記者
それがはっきり言えるというのは、よく分かるんですが、一方でですね、例えば市長が、次の市長選挙で「いやもう出ないんだ」というふうに、仮にもう市長選挙やめるんだというふうに言われてしまうと、逆に維新の会に疑問を感じていた市民であるとか有権者に対して裏切りになる部分もあるんで、旗幟を鮮明にということであれば、市長をやるんだっていうことも、ある程度どこかの時期で早めに言われたほうが、有権者にとっても明確になるんではないかなっていうところは感じるんですが。
市長
ありがとうございます。是非そういった意見も多くにあるんであれば、それを参考にして、自分の態度っていうものを決めさせていただきたいとは思いますけれども、私の非常に個人的な今、自分の判断としては、まだ、それを言うには早いし、で、まだ丸3年も経っていないし、自分がやりたいと思っていることを今、懸命にやり続けています。特に、生活保護プロジェクトチームの動きというものを、しっかりと見守りながら、国にこの制度を本当にどうする気だっていう問題を突きつけて、なおかつ、全国の生活保護に困っている、生活保護の行政で悩んでいる自治体と連携しながら、本当に弱い人を助ける制度っていうものを確立したいという思いのほうが強うございますんで。で、それをやることによって、今、大阪市が非常に財政的にも硬直化している財政状況でございます。予算が多いとか、あるいは、その中で生活保護の占める割合が多いとか、言われながら、そういった現実が一体、市民生活、あるいは市民サービスの上にどういった悪影響を及ぼすのかといった点も含めて、この財政の硬直化っていうものを、やはり根底から変えていかないといけない。一方では、成長戦略っていうかたちで、我々が持っているあらゆるノウハウを使いながら、北ヤード、さらにはベイエリアといったところで、地の集積、地の実践というかたちを続けて、本当に今、全力であちこち動き回っておりますんで、それが現実のかたちになって見えた時に、「ああ、大阪市ようやってくれてたなあ」という部分が、是非、皆さんにお示しできるような動きをするために、今、その次期市長選がどうのこうのと言ってる、これは怒られるかもしれませんけれども、私自身の今の気持ちとしては、そういう段階ではないと。で、それを言ったとしても、その瞬間にまた、それに関する話題ばかりが先行して、本来、一番取り上げられなければならない住民の暮らしの矛盾であるとか、あるいは人々の暮らしをどうやってよくしていくのか。私は街頭犯罪のワースト1返上に本当に力を入れてまいりまして、市民の皆さんのご協力があったからこそ、ここまで数字を減らすことができたと思っていますし、この取組みを続けることは、絶対に大阪市という都市格を上げることには間違いなくある。で、大阪市だけではなくて、当然その周辺の都市にも影響は及ぶというふうに考えて取り組んでおりますんで、是非その取組みを応援していただきたいし、市民の皆さんといっしょにやっていきたいという思いのほうが強いんですけどね。ですから、記者さん言っていただいた部分については、私のブレーンと色々とまた相談はしますけれども、現時点で私の思いはそういうことです。
記者
ありがとうございました。
記者
まずですね、今週も職員から逮捕者が出ました。で、割とそこそこのペースで逮捕者が出ています、今年も。そのことに関して、どう思われますか。
市長
本当に申し訳ないというか、もう、服務規程、服務規律の徹底的な検証というものを、よりいっそうスピードを早めないといけないと思います。それと、こういうかたちで逮捕者が出てくるということ自体に対しまして、その職場、あるいは公務員意識というものを、しっかりと市民に向けてきちんとしたかたちで発信していかなければならないと、このように思います。
記者
今週の事件に関連してなんですが、もともと市長は不祥事も含めて全てオープンにしていくと、積極的にそういうことをすることを大事にしておられると考えていて、市全体としても、そのような姿勢だと思うんですが、今週の、要は逮捕の案件に対して、市としては発表してなくてですね。
市長
今週の?
記者
今週の月曜日の事件に関してですが、明石の事件に関して、市としてはリリースをしていないんですが、警察が先に発表したから、あるいは警察が問い合わせに対して、容疑の概要を教えてくれないからということ等々の理由と聞いているんですが、市としてリリースを出していないんですね。で、生活保護をめぐって人様が逮捕された時にはですね、毎回その都度しっかり発表しておいて、市の職員が、身内が逮捕された時に発表しないと。これまでもケース・バイ・ケースだったらしいんですが、ちょっと個人的に非常に疑問に思うんですが、市長としては、いかがお考えですか。
市長
いや、はっきりした事案であれば、私はリリースすべきだと思っております。で、警察が発表したからうちは発表しませんというんであれば、今まで発表しないものもいくつもあったかと思うんですが、このあたり、情報公開室、今、質問答えてくれる?
情報公開室市民情報部報道担当課長
ただいまの記者のご質問ですが、13日、本市東淀川でしたっけ、東淀川区の職員が置き引きで逮捕された件のことを指されてると思います。で、その時点で大阪市としましては、発表するに必要な情報を入手するに至ってない段階で、兵庫県警明石署が先に発表されました。本来でしたら、そういう情報をいただきながら大阪市も追随発表をするのを、考え方としては常としております。ただし、今回の場合は特段、兵庫県警ということもございましたので、最後まで本人との接見も含めまして情報を入手するに至らなかったということで、まず報道が先に、先行、各社の新聞報道が先行されましたので、私どもとしましては必要に応じて記者の皆様に対するレクチャーでありますとか、共同取材をお受けする用意をしておったところでございます。
市長
ご理解いただけましたでしょうか。私ども、今の説明聞いても、全てを表に出すということは、これはもう当たり前のことやと今、思っておりますし、で、記者の方にとって、あれをこう隠すっていうか、出さないということの問題点っていうものが非常に大きいということであれば、逆に反省して今後のあり方、例えば情報入手経路、入手時刻等を含めたかたちで報道からプレスに出すと。すでにその時点では、あらゆるメディアで放送、あるいは報道されているという状況であってもかまわないから出してくれということであれば出せると、そういうことになるのかな。
情報公開室市民情報部報道担当課長
はい。
市長
隠そうとか、そういう思いは全然ございません。はい。
記者
隠そうとしてらっしゃるとは当然思ってないんですけど、少なくとも逮捕ののちにはですね、時間経ってから個人名とですね、あと罪名ですね、それは分かっていたと聞いていますし、警察がそんな全ての案件に関してべらべらべらべら、事件の概要を教えるというのは、根本的にそんな期待できることないというのは分かってるんですが、不祥事も含めてオープンにするということをですね、前面に出しておられるのであれば、いかなる理由があっても、逮捕者が出るというのは基本的に普通の組織であれば重大な話なので、自ら出すべきではないのかなという。
市長
はい。ですから、今も課長が申しましたように、大阪府警であったら、もうちょっと連絡あったかもしれない、これはもう、かもしれない話で、ここでは言えないと思います。ただ、知り得た情報で、報道記者の皆さんから、これについてどうかという問い合わせについては、全て真摯にお答えしておりますし、こちらでつかんだ情報をまとめてきちんとご報告すると、プレスに、何ていうんですか、紙をお出しするというのは当然だと思います。今回それが、もうすでに報道されてるわ、あるいはテレビでもニュースやってたわというようなことで、何もこっちがしなかったというんであれば、それは改善の余地ありだと思います。はい。
記者
ちょっとサントリーがらみでですね、市の持ってらっしゃる近代美術館のコレクションですね、これ、なかなか今、市民の方に見せる場がないというか、機会がないというか、来週、展覧会はなさるようですけど、あらためてになるかもしれませんが、こういう現状、市長、おそらく忸怩(じくじ)たる思いを持ってらっしゃるんではないかと思うんですけど、この部分に関して、市長の今の気持ちとですね、その観点から、今回サントリーミュージアムという1つの場が与えられる、これに関するコメントというか、感想をお聞かせいただけますか。
市長
はい。サントリーミュージアムを、今後どのように使わせていただくかということになると、やはり美術館としての機能、これは当然すぐに使えるわけですから、そこを使いたいという思いも持っています。で、あとは民間の方の、民間の企業がこういうイベントをやりたいとか、あるいはこういう展覧会をやりたいとかっていうような、ご要望にもお応えできる施設だと思っておりますんで、そういった企画によってはお貸しするということになるんだと思います。で、一方、その近代美術館の作品ていうのは、4,400点だったかな。4,400点ございまして、素晴らしい作品があって、今度、一目100億円だっけ、一目100億円の展覧会やりますけれども、そういった本当に大阪市が長年にわたって放置してきた部分を、これは平成28年かな、28年度完成に向けて、今、懸命に各界を回っております。その時には、集大成としてお見せできるでしょう。それと同時に、サントリーミュージアムでも、これは近代美術館ができるまでの間、その近代美術館の名品というかたちで、色んなシリーズがきっとできると思いますから、確か展示スペース1,000m2ですね、サントリーミュージアムは1,000m2ぐらいの展示スペースですから、そこを有効に使って市民の皆さんに、「今はこういうものが見られますよ」、「次の季節にはこういうものが見られますよ」という、その近代美術の素晴らしさを、新しくいただいたポスターコレクションとともに展開したいなあと思ってます。はい。
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