平成23年1月27日 大阪市長会見全文 |
【『春節メガセールin大阪』の詳細が決まりました!】
皆さんこんにちは。今日はまず、先週の会見でも少し触れましたけれども、『春節メガセールin大阪』についてです。2月3日は、中国の旧正月、「春節」です。「春」の季節の「節」と書くんですけれども、この春節の時期はご承知のように、中国では一番めでたい時期で、多くの方が休みを利用されて海外旅行などに出かけられます。大阪・関西にも是非、数多くお越しいただきたいということで、皆さんを大いに歓迎し、大阪でのお買い物や観光を楽しんでいただこうというのが、この『春節メガセールin大阪』でございます。今年が初めての開催になります。関西国際空港、大阪商工会議所といっしょにやらせていただきます。また、商店街やデパート等の全面的な協力もいただいています。来年度以降も、大阪市として広告宣伝、それからプロモーション、商店街での促進イベントや案内ブースの展開などにしっかり協力していきたいというふうに思っております。オール大阪、オール関西という方向性で、京阪神堺という4都市間の連携も含めて、より発展する方向性を探っていきたいと、このように思っております。始まる前から来年のことを考えているような感じもあるんですが、申し訳ないです。今年の『春節メガセール in大阪』は、船場から難波・日本橋にかけての大阪ミナミの商店街や百貨店、それに関西国際空港を加えて、あわせて13施設、2,000店舗で展開いたします。海外からのお客様がパスポートをお見せになったり、お見せになって割引、さらには銀聯(ぎんれん)カードで支払われたら割引、さらに先着順でのプレゼントの贈呈など、各施設で様々な取組みが行われます。2月2日水曜日には、関西国際空港で、「和」をテーマにした歓迎イベントを開催します。舞妓さんによる舞いの披露や獅子舞のパフォーマンスなども楽しんでいただこうということなんですが、あわせて、2月3日、4日の2日間、大阪城天守閣で、各日、先着300人の方に大阪城などの四季の絵葉書セット、これをお配りしようと。2月の3日と4日の2日間、大阪城天守閣、先着300人の方、これは、外国から来られた方というだけではありません。各2日間ともに最初に300人の方にお配りするということでございます。こういった民間と行政が連携した取組みで、中国をはじめとして、より多くの外国人観光客の方に関西にお越しいただきたい。その玄関口は関空、大阪からというふうに思っております。そして、もちろん来ていただいた方に、いい思い出を持って帰ってもらって、大阪が素晴らしいまちだということを世界の方々にわかっていただく、さらにはお知り合いにPRしていただきたいというふうにも思っております。
で、世界へのPRということで少し付け加えさせていただきますと、先日、ある新聞でも財団法人森記念財団 都市戦略研究所が2008年から発表されております、世界の主要都市の総合ランキングというものがございました。で、世界を代表する主要都市35都市を選んで、都市の総合力を分析するという日本初の取組みと聞いているわけですが、その2010年版で、大阪市は35都市中の18位となっておりました。2009年では25位だったそうです。少し上がりました。で、分野別でもランキングされておりまして、大阪市が最も上位にランクされた分野は、居住。住むということですね。住みたいまちかどうかということになるんですが、その居住の分野で、大阪市は前の都市に15位だったそうですが、去年の発表によりますと、バンクーバー、パリに次いで第3位となっております。福岡が4位、東京が9位ということなんですが、「いちばん住みたいまちへ」と言い続けてきただけに、そういう評価はありがたいと思いますし、そういった大阪市の素晴らしさを海外から来られるお客様にも是非、実感していただきたいと考えております。ちなみに、分野別の評価の高い順では、研究開発で大阪が12位、経済では19位といったところでございました。 【大阪維新の会マニフェストについて】
次です。先日、感想だけ言わせていただきました、大阪維新の会のマニフェストについてでございます。マニフェストの中で実行したい施策というものを縷々(るる)述べておられますけれども、そういったものにつきましては、政治団体がおっしゃっていることということですので論評は差し控えますが、ただ、市民サービスや市民の生活にかかわる点で、誤解を招くかなり無理筋と思われる記述がありましたので、その事実を指摘させていただきたいと思います。これは「大阪市の行政サービスを名古屋市並みにすることで、4500億円の財源が生まれます。これが成長戦略の原資になります」という言い方をされている部分で、この数字は、色々調べてみましたら、どうもこれと違うかというのが見つかりました。知事の肝いりで設けられた府の自治制度研究会の資料の数字と一致しております。で、もともとは、その政令市の人口1人あたりの歳出額比較というものと数字が一致しているわけですけれども、で、研究会では、その他都市と比べた大阪市の歳出額の多さの原因、なぜこれだけ多いのかと。で、その部分を名古屋市と比較して4500億、差があるから、1人あたりの差を260万人でかけると4500億になるということなんですが、自治制度研究会では、生活保護費を含む扶助費の額の多さが非常に際立っているというように指摘されております。実際に、名古屋市とその扶助費の差を比べますと、額は2倍というふうになっています。で、ご承知のように扶助費には、生活保護費をはじめとした、保育所の事業費、児童手当など、住民の生活に直結する費用や敬老パスの費用などが含まれております。で、マニフェストを素直に読みますと、成長戦略の原資確保のために、これら住民生活のサービスを削減するんだというふうに言っておられる反面、一方、中では、すべてのサービスを今以上、今どおり、あるいは今以上続けるというふうにおっしゃってるあたりが、非常な「荒唐無稽」と私が言った1つの大きな理由になるという意味で、今日はその部分を指摘させていただきました。市民生活をあずかっている市長として、疑問を投げかけざるを得ませんし、私が「妄想だ」と言い続けている部分はここであるということで、今日はお時間をいただいて言わせていただきました。以上でございます。
質疑応答 記者
今日ですね、橋下知事が市町村の給食、公立中学校の給食について、来年度にも府のほうで補助金の予算措置を数十億円単位で予算計上したいんだと。ただ、これは前から言ってることなんですが、大阪市を含むその政令指定都市については、その補助金を出さないと言っておられます。独自の財源など色々あるということが理由だそうなんですが、これについての感想と、あと、改めてになるんですが、平松市長も色々、給食でありますとか、そういう部分に関しては色んな思いあると思いますんで、現時点での市内の公立中学校の給食に対する市長の思いというのを教えてください。
市長
はい。まず、新たな差等補助を設けられると宣言されたんだなあというふうに思いますが、当然これに対しては、特に子ども、義務教育の子どもに対する支援策であるとするなら、大阪市民も府民税を払っているわけですから、当然、その子弟が給食を受ける恩恵に浴すると。「恩恵に浴する」という言い方が適当かどうかわかりませんが、当然受けるべき補助金であろうというふうに思います。それと、中学校給食の実施につきましては、もう皆さんよくご存知のように、私も大きな公約の1つにあげておりますし、それに向けて一歩ずつ前進してきております。すでに大阪市内の中学校全校で、まだ昼食事業ではございますけれども、昼食事業を実施している。その喫食率を上げるべく努力をしておりますが、それでも来年度中には一定の方向性を出したいと、先日来言っておりますので、この補助というものが差等補助にならないようにしっかりと後押しをしていただければ、大阪市内はかなり進むスピードが上がるのに、というのが印象でございます。はい。
記者
ありがとうございました。
記者
先程、触れられた維新のマニフェストについての指摘がありましたけれども、今も口頭でおっしゃったんですが、今後何か、何て言うんでしょう、文章だとかですね、まとめて反論をするようなもの、機会っていうのはありますでしょうか。
市長
私は昨日、昨日の段階、昨日の朝やったっけ?おとといか?
情報公開室市民情報部報道担当課長
25日ですね。
市長
おとといの、おととい?
情報公開室市民情報部報道担当課長
おとといです。
市長
朝、この部屋で言わせていただいた、「荒唐無稽である」ということであるとか、そのデータの数字自体は合ってるんですけれども、その数字を裏付ける中身っていうものを見た時に、とてもおっしゃることが実現不可能であろうという部分で、「荒唐無稽」という言葉も使わせていただいてます。その言葉を、今日は定例会見の席で裏打ちしたいという部分で数字を引用いたしました。もちろん、記者の皆さんにはお分かりいただいていることだと思いますし、維新の会のマニフェストの中に引用されているデータ等の読み方を少し変えるだけで、中身がずいぶん変わってくるんだな、というものを出したいから、今日お出ししました。で、このほか、まだまだ、色々な点はありますけれども、これは一地域政党のマニフェストであるということで、公的機関というか大阪市全体で、もし、これが大阪府から出た資料であり、大阪府知事の意見であるということであれば、我々のホームページを使って反論しないといけないとは思いますけれども。一方的に、妄想であるという、そのキャッチフレーズだけで言っているのではないという部分を、今日は強調したかったからで、それを公式のホームページに載せていこうという思いは、今のところはございません。ですから、府があのマニフェストをそのままお使いになると、これはないでしょうから。政治のことですから。ですから現段階ではそう思ってます。はい。
記者
すみません、この間、4政令市長会の時に、ちょっとまだあまり情報が入っていない段階で、新潟の、州なのか、都なのか、わかりませんが、質問をさせていただいてたと思うんですけれども、その後、色々、情報収集されて、それを踏まえての改めてのご見解というか、ご感想、受け止めというのを、ちょっと伺いたいなと思います。
市長
情報収集といいましても、あれ以降、具体的な話は一切入ってきておりません。というのは、まだトップ同士がある程度の方向性が一致したということで出されたんだということだと思います。で、やはり一番感じることは、あの時にも言いましたことと変わらないんですけど、地方分権のあり方、あるいは地方自治のあり方、政令市がここまで増えてきますと、それぞれのよって来たる経済基盤であるとか、歴史的伝統であるとか、そういったものの違いから違うかたちを求めるという方向性については理解できるという部分は、全然変わっておりません。ただ調べてみましたら、新潟市が指定市になったのが2007年ですかね?
情報公開室市民情報部報道担当課長
2009年(正しくは2007年)。
市長
2009年、合併が2007年だったかな。で、そういう、そのわずか3年あまりの中で、何か行政上の不都合であるとか、県と市の協力体制が必要になった局面というのがあるのではないかなっていう。今後ともまた情報収集等はしていきたいと思っておりますけれども。我々、二重行政についての考え方みたいなものが、政令市になったばかりの市を抱える新潟県と、そのもう50年以上政令市としてやってきている大阪市を抱える大阪府の問題っていうのは、少しまた性格は違うんだろうなあと思います。はい。
記者
すみません。新潟の、新潟州の構想についてなんですけれども、確認なんですが、市長は府県のそうした垂直統合の動き自体については必ずしも全面反対ではないということなのか、つまり大阪都構想に反対しているのは、そういう進め方の手法に問題があるのであって、垂直統合自体を、それを自体を反対されているということではないっていうことなのか。
市長
大阪都構想、維新の会の代表が言っておられる都構想というものは、単に人々の暮らしの姿っていうものを一番今考えないといけない時代も含めて、地方分権に逆行すると。地域主権に逆行するというふうに思っておりますので、大阪都構想に関してはもう、断固反対という部分は変わりません。ですから、そういう意味での垂直統合には反対ですが、逆に、新潟市、新潟県というものが、今後どういう方向をめざしていかれるのかによって、「ああ、それはいいですよね」と言えるのか、「それをやると暮らしがどうなるんですかね」っていうのを言えるのかというのは、やはり今後の話やと思いますよ。もっと具体的に新潟州がめざしておられる、あるいは新潟都になるのかわかりませんが。単に同じものにはならないという方向性のほうが、今後の地方分権の姿ではないかなっていうふうに思います。ですから、大阪都構想には反対です、明確に。で、新潟州、都っていうのは、まだ、これも輪郭すら見えていない段階で、どうこう言える話ではない。ただ、地方分権というものが、ほんまに、何て言うんですか、住民に一番近いところにしっかりとした権限と財源があり、それが執行されるというかたちに向かって進むのであれば、あるいは県というものの存在自体が今のかたちでいいのかという部分を、県と市でしっかり考えましょうという土台に盛られるというんであれば、その成り行きは注目したいですね。
記者
逆に言うとですね、都市市長会議の時に市長は、大阪都構想については、一方的にこう言われてると。その2人の関係っていうのは、うらやましい面もあるという気がしてると言われてたんですけども、逆に言うと、その府市の垂直統合について、仮に橋下知事なりからですね、話し合いを求められてきたら、それに応じる余地はあるということなんですか。
市長
垂直統合などには応じるつもりはありません。なぜかっていうと、我々は今こそ基礎自治体っていうものを住民に一番近い自治体がどうあるべきか、今までの大阪市の反省、それも含めたうえで新たな基礎自治体のあり方みたいなものを、しっかりとこの間、研究もし、これは大阪市の行政改革検討委員会等で積み重ねてきた議論の先にあるものです。それを、垂直統合というかたちにはならないでしょう。なおかつ、地域主権確立に向けての宣言の中で言いましたように、やっぱり将来的には、これは何十年先になるかわかりませんけれども、道州制、より効率的な広範囲の広域行政っていうものがめざされるべきであって、と思っておりますので、垂直統合という言葉自体が、おそらく、もう時代に合わないであろうというふうに思います。新潟市もそうではないと思いますよ。はい。
記者
すみません、それと2点目、また給食の話なんですけれども、確認なんですけども、大阪府っていうのは、各学校に調理室をつくるっていうことを想定してるようなんですが、で、一方、大阪市は選択性のそういう業者が配送してくるという構想ですよね。で、今後、大阪府に要望する内容っていうのは、とりあえずは政令市にも補助金を付けてほしいということと、あと、選択性のそういう業者が配送するというかたちに対しても、補助金はつけてほしいという、こういうかたちで要請するという。
市長
はい。今、選択性給食についても、きちんとした給食としての、これは文部科学省になるのかな?文科省の認定も出て、補助も出ているわけですから、その形態がどうあれ、その地域に応じた給食のかたちというものをめざすのが、より効率的、効果的な、行政の速度も含めて、なると思います。で、それ知事がおっしゃったんですね、代表ではなくて。給食、知事がおっしゃったんですよね、予算を付けるということですから。で、数十億ということなんですが、おそらく、それを初年度であれば、何校分として数十億と考えておられるのか、そのあたりが不明ですので、自治体によっては手を挙げにくい額にしか過ぎない。つまり完全給食ということでしょ?あるいはセンター方式での給食というはずですから。その場合は、設備投資、初期設備投資の額は莫大になりますんで、数十億といいましても20億から90億まであるわけですが、それでも、おそらく大阪府下全域対象にならないと思う。誰かこれわかる人いる?今日は教育委員会いない?いないね、はい。もしあれでしたら、また細かい、うちのほうで、もし中学校129校かな、その全校に給食施設を入れるというと、それだけで確か100億超えてたような記憶があるんですけど、初期投資が。
政策企画室企画部長
20億か、30億。
市長
それ、ランニング(コスト)ちがう?
政策企画室長
いやいや、僕ちょっと、わかりません。大阪市が今考えておりますのは、弁当と給食の選択方式を委員会で私どもが諮問したやつに回答を教育委員会はもらってます。それを実行するとなれば、だいたいはじめの初期投資で、だいたい20億ぐらい。
市長
いや、うん。
政策企画室長
はい。それからランニングコストも20億くらいが出てまいりますので、そういうことだと思うんですが。
市長
うん。で、私が今言ったのは、もし、それを完全給食というかたちで学校の整備をするとなると、初期投資、その調理室等の部分とランニングもそれ以上にかかるということですから、数十億っていう規模がどの程度の生徒、中学校の生徒を対象にされているのかっていうのが、わかりませんね。はい。私はもう市政方針演説でも言わせていただいたように、選択性の給食、これをなんとか全校で実施したいというかたちで進めていきたいという思いは変わりません。はい。
記者
たびたびすみません。関西広域連合の参加というのが、この間、京都市さんも国の出先機関の移譲というタイミングで、一斉にそろって入りたいということで、足並みがそろったわけなんですけれども、それに対して、橋下代表か、知事か、これはちょっとよくわかりませんが、おそらく知事という立場だとは思うんですけれども、汗をかかずに、何と言いますか、わかりやすく言うと、おいしいところだけ参加するといいますか、お膳立てをしてもらったうえで参加するっていうのは、ずるいのではないかというふうな批判をされているんですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
市長
おそらく4都市市長会の我々のやり取りとか、それから、この2年半積み重ねてきた議論とかいうのは一切ご存じなくて、うわべのその情報だけで反応される、いつもの反応の仕方やというふうに思います。で、それにしても、関西広域連合が立ち上がる前に、私がその会合にオブザーバーで出させていただいて、オブザーバー、オブザーバーの資格でいいのかな、出させていただいて、政令市としても前向きに、この参加を検討したいというのを言わせていただいて、その時には知事は非常に評価をしておられました。で、なおかつ、その時にも、もうすでにやはり、実際に国の機関の受け入れ、つまり、どういうことかっていうと、広域連合としての実体が、実体の動きがしっかりと出た時には、当然、政令市も足並みをそろえて参加するというふうに言わせていただいてます。ですから、その時にそういうふうに言われたんならともかく、出来上がったものに対して、だいぶ日にちがたってから、それを言われるっていうことは間違いだし、なおかつ、あの時の議論でも、実際に政令市っていうものが広域連合の中でどういう役割を果たせばいいのかという部分では、帰宅困難者対策という部分で、この秋に我々実施しようと思っていますが、早速その場で神戸市の矢田市長が「これはもう、4政令市一斉にやるほうがいいんじゃないか」と。で、なおかつ、広域連合にこういった動きを提示していくべきではないかという議論がされました。ですから、本当に具体的に人命をどうやって守るのか、あるいは災害が起きた時に混乱無く、混乱を極力少なくして、どういう動きをとればいいのかっていうのは、やはり、住民に一番近いところで、あるいは日々行政をやっている立場のものが、より具体的な提案をできる。それはオブザーバーでもできるということから言うと、本当に、上っかわ、上っ面に反応される、いつもの反応かなと冷静に受け止めました。はい。
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