資料3−2    令和元年度 障がいを理由とする差別の相談窓口における対応状況(4月〜8月)    1 相談窓口ごとの受付件数  区障がい者基幹相談支援センター 7  地域活動支援センター(生活支援型) 0  区役所 2  局等 20  計 29  ※同じ事案について、複数の窓口に相談していることがある。    2 相談者の内訳 何番まで 29  本人 9  家族 6  支援者等 4  事業者等・不明・その他 10  計 29    3 障がい種別ごとの件数 (※重複あり)  視覚障がい 2  聴覚障がい・言語障がい 3  肢体不自由 16  その他の身体障がい 1  知的障がい 3  精神障がい(高次脳含む) 3  発達障がい 3  難病 0  その他・不明 3  計 34    4 対象分野別件数  @商品・サービス 10  A福祉サービス 4  B公共交通機関 6  C住宅 1  D教育 2  E医療 0  F雇用 1  G行政機関 4  Hその他 1  計 29    5 障がい種別ごとの対象分野別件数  ※重複あり  計 @商品・サービス A福祉サービス B公共交通機関 C住宅 D教育 E医療 F雇用 G行政機関 Hその他 視覚障がい 2  0 1 0 0 0 0 0 1 0 聴覚障がい・言語障がい 3  2 0 0 0 0 0 1 0 0 肢体不自由 16  6 1 5 0 0 0 0 3 1 その他の身体障がい 1  0 1 0 0 0 0 0 0 0 知的障がい 3  2 1 0 0 0 0 0 0 0 精神障がい(高次脳含む) 3  1 0 1 0 0 0 1 0 0 発達障がい 3  0 1 0 0 2 0 0 0 0 難病 0  0 0 0 0 0 0 0 0 0 その他・不明 3  1 0 1 1 0 0 0 0 0 計 34  12 5 7 1 2 0 2 4 1    6 相談内容(相談の主訴)及び対応結果  @傾聴 A改善 B解決 C未解決 D継続 計   1 不当な差別的取扱い  1  2  1  1  0  5    2 合理的配慮の不提供  1  0  6  0  2  9   3 環境の整備  1  0  0  0  0  1   4 その他  13  0  0  0  1  14   (内訳) 苦情・不快・不満  5  0  0  0  0  5   相談・意見・要望  8  0  0  0  1  9   計  16  2  7  1  3  29  ※相談内容の分類であり、相談者の主訴をもとに判断し、計上しています。  ※対応の過程で最終的に分類が異なる場合があります。  ※「4その他」については、対応結果の分類はしていません。  @傾聴:相談者が事業者への接触や解決を望まず、聞き取るにとどまったもの(要望、問合せ等含む) あるいは、適切と思われる相談先を紹介したが、結果が不明なもの  A改善:事業者が何らかの改善策を講じたが、相談者の納得状況が確認できないもの  B解決:事業者が改善策を講じ、相談者の納得を得たもの  C未解決:事業者が改善策を講じない、相談者がこれ以上の対応を望まないなど、未解決となったもの  D継続:集計時点で対応が継続しているもの    7 具体的事例  個人情報保護の観点から、内容は適宜修正しています。  凡例  差別:不当な差別的取扱い  配慮:合理的配慮の不提供  環境:環境の整備   @傾聴  「聞取のみ」※本人が対応を望まないもの、単なる要望等  肢体 ・車いすのまま乗車できるリムジンバスを走行させてほしい。(環境整備)  ※リムジンバスセンターの回答「車いす対応ができるバスの導入を検討中」  (参考)バスの改修補助金「訪日外国人受入環境整備緊急対策事業費補助金(交通サービス利便向上促進等事業)」  肢体 ・「緊急時のため」として、車いす使用の友人同士が別々の飛行機に乗せられた。人員を増やして対応してほしい。(配慮) ※伝聞による要望であり、具体的事案の相談ではないため、一般的な話として航空会社に聞き取り。機体の規模等の条件により対応が異なることを確認。  聴覚・精神 ・アルバイトに応募しようと電話で「突発性難聴による聴覚障がいがあること」を伝えたら、「聞こえない人はコミュニケーションが取れないので採用できない」と言われた。(差別)  ※相談者は、事業者名は今はわからず、聞いてほしかったとのこと。  「苦情・不快・不満」  肢体 ・(車いす使用者)携帯電話販売店でトイレの扉が開閉できなかったので、大声で助けを呼んだが店員は来てくれず、他の客に助けてもらった。大声で暴言を吐いたため、入店を拒否されている。利用できるようにしてほしい。(苦情) ※事業者は「トイレの開閉」については謝罪するが、過剰な要望が再三あるため店舗の利用はお断りする。  肢体 ・(車いす使用者)バスを待っていたが、別の車いす使用者がすでに乗車していたため断られた。対応できる方法はなかったのか。(伝聞・苦情) ※車いすスペースが確保できない場合、説明して次の便に乗車いただくことがある。定期・反復的の利用であれば、個別に相談が可能と思われる。  肢体・精神 ・(車いす使用者)インターネットで民泊を申し込むと「障がい者仕様になっていない」と断られた。エレベータがないことをそのように表現するのは差別ではないか。(苦情)※当該施設は一軒家でバリアフリーではないため、事業者は予約サイトを通じて、設備の整った施設を探すように伝えたつもり。外国の予約サイトが間に入っており連絡時の表現は確認できない。  肢体・高次脳 ・(車いす使用者)バスに乗車する際、スロープの傾斜がきつくて転倒したが、車外で起きたことなので事故扱いはしないと言われた。(苦情) ※本人、家族、支援者、事業者とで話し合う場を持った。事業者からは事故発生の状況、原因が説明されるとともに、手順の誤り、事故に対する謝罪があり、再発防止策等も提示され、相談者は納得。  知的・肢体 ・プールの多目的更衣室において、他の利用者から「あっちへ行け」と言われた。スタッフに注意するよう申し出たが対応してくれない。(苦情) ※事業者は、多目的更衣室の利用案内を掲示し、スタッフの巡回を強化した。  「相談・意見・要望」  肢体 ・公的施設の車いす用トイレが細長くて使用しにくいタイプなので改善を求める。(要望) ※どのように使いにくいのか不明ではあるが、改善要望があったことを担当部署に伝達   肢体 ・公営住宅のトイレ改修は自己負担と言われるが、改修費用を障がい者が負担するのは問題だ。不適切な発言があったとも聞いた。(伝聞・要望) ※個別事案の詳細は不明。一般論として担当部署に確認「一般住宅のトイレ改修は自己負担。誤解を与えないよう丁寧な説明を心がけるよう周知する。」   肢体 ・公営住宅の水道管の取り換えは自己負担と言われるが、改修費用を障がい者が負担するのは問題だ。 「伝聞・要望」※担当部署に「サビによる水道管の交換は自己負担、故障の場合は事業者負担である」ことを確認   肢体 ・手で操作し運転できる車があることをレンタカー会社の従業員が知らない。もっと周知するべき。(要望) ※大阪府レンタカー協会によると、大阪では手で操作するレンタカーを取り扱う事業者は確認できないが、需要があれば導入を検討するなど加盟事業者へ周知する。  その他 ・鉄道事業者に障害者差別解消法の相談窓口の設置を要望したが、設置しないと言われた。市からも要望してほしい。(要望) ※事業者は、お客様相談窓口を設置し、その役割を担っている。要望があったことは、事業者に伝達。  肢体 ・(車いす使用者)スーパーの通路が狭いので動線を確保してほしい。(要望) ※事業者を訪問し、通路確保や配慮の提供について確認。特に問題なく対応いただいているが、改めて電動車いすの啓発パンフレットを渡し、さらに理解を深めるよう啓発した。  視覚・肢体 ・ある施設の管理者から「車いすのままあがると床が傷む」という趣旨の発言があった。その場で注意したので、個別の対応はいらないが、一般的に広く啓発が必要と感じた。(要望)   A改善  その他 ・スーパー銭湯の利用規約に「障がい者には必ず介助者が必要」ととれるような不適切表現がある。(差別) ※障がいを理由に条件を付けることになるので事業者に修正を依頼。ホームページの更新に合わせて変更するとのこと。  聴覚・言語 ・聴覚障がいを理由にレンタカーの予約を取り消された。(差別) ※支店において緊急時の対応を心配して断ってしまったもの。今後はこのようなことがないように周知徹底する。   B解決  内部 ・心臓が悪いので、子どもの保育所の2階保育室に行くためにエレベーターを使用したいが、階段を使うよう言われる。(配慮) ※給食を運ぶためのエレベーター。障がいがあることを保育所には伝えていなかった。所長と対話し、エレベータを使用できることになった。  視覚 ・視覚障がいのため、子どもの保育所の連絡ノートの記入が難しい。配慮を求めていたのに対応してもらえない。(配慮) ※所長は連絡ノートが負担になっていることを知らなかったとのことで、対話の結果、必要な配慮がされることになった。  聴覚・言語 ・融資を申し込むため、弁護士と一緒に金融機関を訪問したが、構音障がいがあり、署名もできないため、申請するのが難しいと言われた。(配慮) ※本人・弁護士・事業者・福祉局で話し合った。双方の言い分に食い違いはあったが、今後申請の際にはパソコンを使った意思確認等の配慮ができることを確認し、本人も納得。  視覚 ・選挙公報がカセットテープで送られてくる。音声データの提供を求めるが対応してもらえない。(配慮) ※選挙公報がCD化され、本人にCDが送付された。  発達 ・生活する施設で、発達障がいのある子どもの特性や安全面を理由に、行事への参加を断わられた。(差別) ※施設長と保護者が対話し、今後の行事の参加に向け、一緒に対応策を考えていくこととなり、納得された。  肢体 ・(電動車いす使用者)駅の昼間無人化により、勤務先からの退勤時に駅員対応ができないと言われた。(配慮) ※事業者と本人が話し合った結果、必要な配慮が提供されることとなった。(一般論として無人時間を無くすことも要望)   発達 ・市立中学校入学当初から障がいの特性を理解した合理的配慮を求めてきたが、誠意をもって対応してもらえない。(配慮) ※本人家族、学校、教育委員会、区役所の4者で話し合いの場を持ち、今後の対応について意見交換、情報を共有することができ、相談者も納得。   C未解決  肢体 ・車いす使用者と介助者が喫茶店に入ろうとしたら、車いすでは入れないと入店を拒否された。(差別) ※椅子や机などの什器を動かす必要はあるが、車いすのまま入店が可能と思われる。事業者は障がい者差別解消法の趣旨は理解するが、過去の出来事などから車いすに対する印象が悪く、すぐさま改善の見込みがない。根気よく訪問し、理解を求めていく。   D継続  肢体・知的 ・医療的ケアが必要であるが、看護師の配置を確認し保育所に入所。実際には看護師が配置されない日があり、その日は通所できないと言われる。(配慮)  ※今後、支援者を含む関係者で会議し、通所の継続について保育所と調整する予定。  発達 ・障がいを理解してもらったうえで入園した幼稚園から、トイレの支援に手間がかかると一方的に退園を通告された。適切な配慮がなされていないのではないか。(配慮) ※事実確認中。本人は別の保育所に通うこととなった。  その他 ・家探しの際の障がい者差別について、どこにどのように話をしたらよいのか。(相談)  @管理会社やオーナーは「障がいがあること」「生活保護を受けていること」を理由に断ることがある。  A「成年後見人がついている」ことを理由に断られることもある。  B保証会社の審査で落ちてしまうこともあるが理由がわからない。  C保証会社の審査で「障がい者手帳を持っているか」聞かれている。聞くこと自体が差別ではないか。  ※権限のある部署や国の機関と連携して取り組める方法を探る    8 その他  ※「娯楽施設」施設全体を指す  「娯楽施設にかかる事案」  ※「遊戯施設」個々の乗り物やアトラクションを指す  肢体 "・「船型遊戯施設(乗り物)」:歩行困難な人に対する制限 @1台に2人まで A前列を指定 B介助もしくはご自身で移動可能か段差をまたぐことはできるか等を確認 C電動車いすの場合、ボートの横までは電動のままで移動可能だが、乗船の際は手動に切り替え  →再度、検討を要請中  聴覚 ・「シアター型の遊戯施設」:映像に字幕が付いてない。  →字幕表示機器の導入に向け努力中  肢体等 ・「VRメガネを装着し体験する遊戯施設」:介助者にはVRメガネを装着させない。  →現在、VRメガネ装着する遊戯施設はないが、改善するよう検討中  「事業者からの相談」  @手話通訳について  A視覚障がい職員の災害時の合理的配慮について    9 まとめ  ・車いす使用者にかかる事案が多い   ・学校、幼稚園、保育所など、保育・教育に関する相談が増えた。  ・必要な(求める)配慮がうまく伝わっていない等、双方の認識のずれから相談に至るケースがある。  ・事業者は正当な理由があり制限しているとの認識で、具体的な検討をせずに断るケースがある。  ・差別や合理的配慮の不提供には当たらないが、事業者に罰則を要望されるケースがある。  ・住宅入居差別については、いわゆる不動産業を直接規制する法律等がなく、主務大臣が不明確   また、急を要することから妥協してしまうなど、差別の解消につながらない。  ・障がい者差別の解消は理解しても、実際の対応を拒否された場合、どのように指導できるのか苦慮する。