障がいを理由とする差別の相談窓口における対応状況(令和3年2月〜8月)  1 相談窓口ごとの受付件数     区障がい者基幹相談支援センター 3     地域活動支援センター(生活支援型) 0     区役所 1     局等 15     計 19    ※同じ事案について、複数の窓口に相談していることがある。  2 相談者の内訳     本人 11     家族 2     支援者等 4     事業者等・不明・その他 2  3 障がい種別ごとの件数 (※重複あり)     視覚障がい 0     聴覚障がい・言語障がい 1     肢体不自由 2     その他の身体障がい 0     知的障がい 1     精神障がい(高次脳含む) 6     発達障がい 4     難病 0     その他・不明 6     計 20  4 対象分野件数     @商品・サービス 5     A福祉サービス 0     B公共交通機関 0     C住宅 2     D教育 2     E医療 0     F雇用 1     G行政機関 3     Hその他 6 5 障がい種別ごとの対象分野別件数 (※重複あり)    @商品・サービス A福祉サービス B公共交通機関 C住宅 D教育 E医療 F雇用 G行政機関 Hその他     視覚障がい      0 0 0 0 0 0 0 0 0      聴覚障がい・言語障がい      0 0 0 0 0 0 0 0 1     肢体不自由      2 0 0 0 0 0 0 0 0      その他の身体障がい      0 0 0 0 0 0 0 0 0     知的障がい      0 0 0 0 0 0 1 0 0     精神障がい(高次脳含む)      2 0 0 2 0 0 0 0 2     発達障がい      1 0 0 0 2 0 0 1 0     難病      0 0 0 0 0 0 0 0 0     その他・不明      1 0 0 0 0 0 0 2 3     計      6 0 0 2 2 0 1 3 6  6 相談内容(相談の主訴)及び対応結果     @傾聴 A改善 B解決 C未解決 D継続     1不当な差別的取扱い      2 2 0 0 2     2合理的配慮の不提供      1 0 1 0 2     3環境の整備      0 0 0 0 0     4その他      9 0 0 0 0     (内訳)苦情・不快・不満          6 0 0 0 0         相談・意見・要望          3 0 0 0 0      計      12 2 1 0 4      ※相談内容の分類であり、相談者の主訴をもとに判断し、計上しています。    ※対応の過程で最終的に分類が異なる場合があります。    ※「4その他」については、対応結果の分類はしていません。     @傾聴:相談者が事業者への接触や解決を望まず、聞き取るにとどまったもの(要望、問合せ等含む)あるいは、適切と思われる相談先を紹介したが、結果が不明なもの     A改善:事業者が何らかの改善策を講じたが、相談者の納得状況が確認できないもの     B解決:事業者が改善策を講じ、相談者の納得を得たもの     C未解決:事業者が改善策を講じない、相談者がこれ以上の対応を望まないなど、未解決となったもの     D継続:集計時点で対応が継続しているもの 7 具体的事例   個人情報保護の観点から、内容は適宜修正しています。    凡例:《差別:不当な差別的取扱い 配慮:合理的配慮の不提供 環境:環境の整備》  @傾聴   (聞取のみ) ア 不明 ・ゲームソフト販売店において、障がい者からは買取ができないと言われた。大阪市からそのような対応をしてもいいと言われていると従業員から説明があった。(差別)   ※従業員の言動について店舗に確認をしてよいか相談者に確認したが返答がない。 イ 知的 ・障がい者枠でバイトをしていたが、障がいへの理解がなくクビになった。(差別)   ※詳細を確認するため申出人にメール送付するが返答がない。 ウ 不明 ・百貨店の警備員だと思われる人物が、工事中で道幅が狭くなっているところに立っており車いすを利用している方が通りにくくなっている。点字ブロックの上にも立っているので何とかしてほしい。(配慮)   ※現地を確認したが相談者が言われている場所を特定することができず。百貨店に申し出内容を伝える。      (苦情・不快・不満) エ 精神 ・住宅の修理を管理会社に求めたが、対応が遅い。気に入らないなら出ていけと言われた。(苦情)   ※住宅オーナーに申出人とのやり取りを確認。申出内容を伝え、引き続き適切な対応をしていただくようお願いをする。 オ 精神 ・市内のコンビニや郵便局などいろいろな店舗を使用した際、店員から差別的な発言を受けた。病気のため身長が低いが、そのことや容姿のことで誹謗中傷を受けた。(苦情)   ※各店舗に申し出内容を伝え、啓発を行う。数年前の出来事でもあるため事実確認できない部分もあったが、引き続き障がいのある方に対する合理的配慮の提供について啓発を行った。申出人にもその旨説明した。 カ 不明 ・大阪市が作成している電動車いすのパンフレット内容について、「電動車いすを持ち上げる」という記載があるがその根拠について知りたい。(苦情)   ※電動車いすの持ち上げを推奨しているわけではなく、利用者の方とコミュニケーションを取り、そのときの最善の方法を検討していただきたいと申出人に返答。 キ 精神 ・風呂屋経営者から精神障がいのある自分の娘のことを「アホの子はアホ」だと罵られた。(不快)   ※メールでのお問い合わせであり、出来事の詳細の確認と、事実確認をしてよいか相談者に返信したが配信エラーで送付できず。その後現在に至るまで申し出もない。 ク 発達 ・コロナの影響で校庭が使用できない状況だったが、緊急事態宣言が解除されてからも使用できない状況が続いている。利用者に障がいがあることで断られているのではないか。(不満)   ※区の担当者、学校長に校庭開放事業の制度と、使用状況を確認し、障がいを理由としたものではないことを確認。申出人に伝える。 ケ 不明 ・転居の際の介護保険等の手続きについて各区で対応が異なる。郵便物の送付先を支援者に変更してほしいと意思表示しているので対応できないのが合理的配慮に欠けるのではないか。(不満)   ※福祉局の担当課に対応について確認し、担当課から申出人に返答。本市介護保険事務としては客観的居住の事実を基礎としているが、個別の事情に応じて各区で対応を判断している。各区で対応が異なるということではなく、個別の事情が違うことで判断が変わる可能性がある。相談があるにも関わらず個別の事情を聞かないなどの対応があるのなら、障害者差別解消法を踏まえ個別の事情を聞くように伝えると返答。   (相談・意見・要望) コ 精神 ・観光ガイドを行っている方から、電動車いすの持ち上げの是非について大阪市の見解を聞きたいと相談があった。(相談)   ※事例検討会議にて助言をいただき、申出人に回答。電動車いすを利用している方と十分なコミュニケーションをとった上で、そのときの最善の方法を検討してほしい旨を助言。 サ 精神 ・就労継続支援A型事業所に就労面接に行った際もめたため、そこで働くつもりはない。履歴書を返してほしい。(相談)   ※事業所に申し出内容を伝える。 シ 不明 【継続案件】・ハローワークの出張所に行き、求人票を出力し、担当者に紹介状の発行を依頼したところ、出先機関は規模も小さく対応できないので、本所の専門窓口へ相談してほしいと言われた。障がい者の相談が受けられないのであれば、その旨をホームページに掲載するなどして事前に判るようにしてほしい。(要望)   ※担当部署に相談趣旨を伝達し、ホームページの修正について改善を依頼。 ス その他 ・大規模ワクチン接種にかかる防衛省のホームページにルビが打たれていない。(要望)   ※防衛省に申し出内容を伝える。  A改善 セ 肢体【継続案件】・電動車いすを使用している方。チェーンの理髪店で、客用シートに移乗できないことを理由に施術を断られた。以前には同一店舗で施術を受けたこともある。店長からは「個人的には切りたいが、社の方針で切れない」と説明を受けた。(差別)   ※本社を訪問し社長に対し事実確認をしたところ、社の方針で電動車いすの方の施術をしないということではなく、今回は施術を行うスペースがなかったため、近くの店舗に一緒に行きますと案内したが、納得していただけなかったとのこと。合理的配慮の提供について理解を促し、今後の接客につながるように本事案を掘り下げて検証し、各店舗に周知するよう依頼。 ソ 精神 ・専門学校のオープンキャンパスに参加したが、特別支援学校の方は入学資格がないと言われた。(差別)   ※担当者の入学資格への理解不足により誤った案内を行ったことが判明。専門学校に啓発を行い、専門学校からは再発防止への取組について報告書の提出があった。特に障害者差別解消法への理解を進める研修について、より専門的な講師を招き実施するよう伝え、専門学校も前向きに検討している。 タ 発達 ・スポーツクラブを使用していたが、退会させられた。やり取りの中で「合理的配慮の欠如だ」と伝えたところ、そんな法律知らないとの返答だった。(差別)   ※スポーツクラブに行き退会となった理由や、相談者とのやり取り、会社での障がい者差別解消に向けた取り組みについて確認。会費の引き落としができなかったことが続いたこと、緊急連絡先を教えてもらえず、会費については年払いを提案したりやりとりを重ねたが、結果的に退会となったとのこと。大阪府の条例が改正されたことも踏まえあらためて啓発を行った。  B解決 チ 聴覚 ・複合商業施設の駐車場料金の障がい者割引を受けたかったが、インターホン越しでのやり取りは聞き取ることができないためいつも諦めている。(配慮)   ※駐車場を管理・運営する会社に確認し、聴覚障がいのある方でもスムーズに障がい者割引が適用できるような利用手順の記載ができないものか確認。インターホンを上げて障がい者手帳をかざせば確認ができる旨の記載をしたステッカーを事前精算機に貼付することで対応。"  D継続 ツ 肢体 ・コンサートホールに入場する際、感覚過敏で長時間のマスク着用が困難であるため、代わりにフェイスシールドの着用ではダメなのか尋ねたが、かたくなにマスク着用を言われ、コンサートを見ることができなかった。(配慮)   ※マスク着用が原則であり、事前の申出もなかったためその場で個別の対応をすることができなかった。今回の主催者が所属する業界団体へ連絡したところ、当該団体が出している「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に合理的配慮の提供に係る記載が欠けていたことから「ガイドライン」の改訂を検討するとのこと。 テ 発達 ・幼稚園入園が決まっていたが、ことばの発達が遅いことを相談したら入園後半年たっても改善が見られなければ退園してもらうと言われた。(配慮)   ※大阪府広域相談員と連携し、幼稚園を訪問し、事実確認、啓発に取り組んでいく。カリキュラムについていけない幼児に対して合理的配慮を可能な範囲で行ったのか。メインのカリキュラム以外のプログラムの検討はなされたのかについて確認を行う。 ト 精神 ・レジャー施設利用の際、他市発行の自立支援医療受給者証と障がい者年金受給者証を提示したが、障がい者割引が適用されず、また、スタッフとのやり取りで差別を感じた。(差別)   ※レジャー施設に事実確認を行い、啓発に取り組んでいく。 ナ 精神 ・市営住宅に入居が決まったが、自治会長より何年かに1回班長をしなければいけないと言われた。精神障がいがあり難しいと伝えたところ、受け入れてもらえず差別的な発言を受けた。(差別)   ※本人・自治会長・住宅管理センター職員で話し合いの場を持ち、和解して入居したため個別の事案としては解決しているが、平野区の自死事案の件に続いての今回の事案であり、担当部局と相談し、市営住宅の住民への啓発等を検討中。 ニ 肢体 【継続案件】・電動車いすで特定のコンサートホールへ行った際、「後ろの人が見えづらいから」との理由で車いすスペースの端に案内された。サイトラインが確保されていないのはホール構造の問題であり、構造上の不備のツケを車いすで観る者が端に行くことで対応しなければならないのか。(環境)   ※ホールへ行き現場確認と事実確認を行い、申出人に伝える。構造上の問題については改修等を行う際に検討をしていただくよう依頼。   ・電動車いすを利用しており、多目的トイレを使用したが、水を流すセンサーが背もたれの裏にあり手が届かない。構造上の改善をお願いしたい。(環境)   ※施設管理者から多目的トイレの写真を送付してもらったが、確認できない部分もある。JIS規格等を確認したうえで施設に投げかけていく。  8 まとめ  ・「新しい生活様式」における社会活動での相談事例が出てきた。  ・障害者差別解消法に抵触するという報道を見て、自身も同じことを言われたと気づき相談に至った事案があり、表面化されていない差別事案が数多くあることが想像される。