■障がいを理由とする差別の相談窓口における対応状況(令和3年9月〜令和4年1月) 1 相談窓口ごとの受付件数     区障がい者基幹相談支援センター 1     地域活動支援センター(生活支援型) 0     区役所 1     局等 10     計 12    ※同じ事案について、複数の窓口に相談していることがある。 2 相談者の内訳     本人 7     家族 4     支援者等 1     事業者等・不明・その他 0     計 12 3 障がい種別ごとの件数 (※重複あり)     視覚障がい 1     聴覚障がい・言語障がい 3     肢体不自由 3     その他の身体障がい 0     知的障がい 2     精神障がい(高次脳含む)2     発達障がい 2      難病 0     その他・不明 2     計 15 4 対象分野別件数     @商品・サービス 1     A福祉サービス 0     B公共交通機関 0     C住宅 3     D教育 2     E医療 3     F雇用 2     G行政機関 0     Hその他 1 5 障がい種別ごとの対象分野別件数 (※重複あり)    @商品・サービス A福祉サービス B公共交通機関 C住宅 D教育 E医療 F雇用 G行政機関 Hその他     視覚障がい      0 0 0 0 0 0 1 0 0     聴覚障がい・言語障がい      0 0 0 1 0 0 2 0 0     肢体不自由      0 0 0 1 1 1 0 0 0     その他の身体障がい      0 0 0 0 0 0 0 0 0     知的障がい      1 0 0 0 1 0 0 0 0     精神障がい(高次脳含む)      0 0 0 1 0 1 0 0 0     発達障がい      0 0 0 0 1 1 0 0 0     難病      0 0 0 0 0 0 0 0 0     その他・不明      0 0 0 0 1 0 0 0 1     計      1 0 0 3 4 3 3 0 1 6 相談内容(相談の主訴)及び対応結果     @傾聴 A改善 B解決 C未解決 D継続     1不当な差別的取扱い      1 0 3 0 1     2合理的配慮の不提供      2 0 0 1 1     3環境の整備      0 0 0 0 0     4その他      3 0 0 0 0     (内訳)苦情・不快・不満        1 0 0 0 0         相談・意見・要望        2 0 0 0 0     計      6 0 3 1 2   ※相談内容の分類であり、相談者の主訴をもとに判断し、計上しています。  ※対応の過程で最終的に分類が異なる場合があります。  ※「4その他」については、対応結果の分類はしていません。    @傾聴:相談者が事業者への接触や解決を望まず、聞き取るにとどまったもの(要望、問合せ等含む)     あるいは、適切と思われる相談先を紹介したが、結果が不明なもの    A改善:事業者が何らかの改善策を講じたが、相談者の納得状況が確認できないもの    B解決:事業者が改善策を講じ、相談者の納得を得たもの    C未解決:事業者が改善策を講じない、相談者がこれ以上の対応を望まないなど、未解決となったもの    D継続:集計時点で対応が継続しているもの 7 具体的事例   個人情報保護の観点から、内容は適宜修正しています。   凡例:《差別:不当な差別的取扱い 配慮:合理的配慮の不提供 環境:環境の整備》 @傾聴 (聞取のみ) ア 不明 ・後見人の弁護士の態度がひどい。配慮を求めるが、要望を聞き入れてもらえないように感じる。   弁護士会の苦情相談窓口に連絡を入れるが、弁護士事務所のある大阪市にも伝えておきたい。(配慮)   ※申出人自身で弁護士会の苦情相談に連絡されること、大阪市には内容を伝えておきたかったということ   であるため傾聴にとどめる。 イ 視覚・聴覚 ・就A事業所を利用している方が、基幹相談支援センターに相談。近くに住む利用者ととも   に通所していたが、コロナに感染し、ともに通所していた方も濃厚接触者となり2人とも休むことになっ   てしまった。今後は感染対策の観点から「他の利用者と一緒に行動しないように」と指示があった。申出   人は視覚障がいがあるため、他の利用者とともに行く必要性があるが認めてもらえない。ハローワークに   も相談している。(配慮)   ※後日基幹相談支援センターから連絡あり、申出人は新たな事業所に行こうと気持ちを切り替えており、   行政の介入はしないでほしいと話があったとのこと。運営指導課に情報連携を行う。 ウ 発達 ・通院しているクリニックのカウンセラーが「あなたは療育手帳ではないから大丈夫」と言った。   他にも自分自身の障がいを軽視するような発言が多数あった。その後主治医から謝罪があったが、後日カ   ウンセラーを見たとき、変装しているようだった。アスペルガーの特性を持っている人は、服装が変わっ   たときにその人だと認識することが苦手なため、それを知って変装しているのであれば差別にあたるので   はないか。(差別)   ※クリニックにはお世話になっているし、なかなか自分に合う医療機関は見つからないので、引き続きこ   のクリニックに通いたいと思っている。行政の介入は望まない、このようなことがあったということを聞   いてほしかったと申し出あり。 (苦情・不快・不満) エ 聴覚 ・ハローワークで就A事業所での雇用の紹介状をもらい面接に行ったが、紹介状に記載の雇用条件を   変えられた。会社側はハローワークへ記載内容の訂正の連絡ができていなかったと説明をするが、自分に障   がいがあるから条件を変えてきたのだと思う。(苦情)   ※ハローワークへ相談済み。ハローワークに確認したところ、雇用条件の記載内容の確認については対応す   るとのこと。 (相談・意見・要望) オ 肢体 ・車いすを利用している方。転居先の賃貸物件において、入口に階段しかないためスロープの設置を   依頼した。管理会社は検討してくれたが、スロープの設置となると歩道にまで整備面積が必要となるため設   置は難しいという回答だった。本当にそうなのか確認したい。またスロープを設置した事例がないか確認を   したい。   ※建設局に確認。公道に越境してスロープを設置することは認められない。これまでも認めた例はないとの   こと。確認した内容を相談者に返し了承を得る。 カ 肢体 ・もともと整形外科に通院している病院の歯科で治療を受けようと思ったが、整形外科の紹介が必要   だと言われた。同じ病院内なので柔軟に対応してほしい。意見を伝えてほしい。(要望)   ※病院に申し出内容を伝える。 B解決 キ 肢体【継続案件】・電動車いすを利用しており、コンサートホールで多目的トイレを使用したが、水を流す   センサーが背もたれの裏にあり手が届かない。構造上の改善をお願いしたい。(環境)   ※施設管理者から多目的トイレの写真を送付してもらう。その場を離れると自動で流れるセンサーのみで、   手動ボタンはないことが確認できた。必ずしも両方つけるべきだという規定はないものの、手動ボタンがあ   ることでより使いやすくなることも考えられるため、次回改修時に検討をしていただくよう依頼した。 ク 聴覚 ・市営住宅の棟全戸に対し自治会会則(最終頁に脱会届がついている)が配布された。普段自治会活   動や集会に参加できていないため、脱会届が届けられたものだと勘違いし、届を提出してしまった。提出す   る際「耳と足が悪いので掃除や集会参加などの自治会活動ができなかった」と自治会長に伝えたところ、「   ここは施設と違うから入居できない」といった旨の発言があった。自治会を脱会することで共益費が値上が   りした(脱会届に値上がりについての文言あり)。共益費の値上がりは生活がしんどくなるので再加入した   い。(差別)   ※区・基幹相談支援センター・ケアマネが間に入り対応。自治会長に発言の真意を聞き取ったところ、「施   設とは違うのでできる限り協力してほしい」といった意味合いで出た発言であったと確認。障がいによる差   別であるととらえられる発言なので、障がい理解をして今後対応してもらうよう啓発を行った。自治会へは   再加入できた。 ケ 精神 ・市営住宅の自治会役員より次期班長を引き受けてほしいと要請があった。精神障がいがあり、両親   の介護の問題もあるため班長を引き受けることはできないことを障がい者手帳を提示しながら説明したが、   自治会役員から「自分は納得しても同じフロアの皆さんが納得しないこともあるので、自治会の常会で状況   を説明し了承を得てほしい」と依頼があった。複数の方の前で話すことは苦手であるし、差別的な取り扱い   にあたるのではないか。(差別)   ※本人と面談をし、障がい特性など聞取りを行う。できることは協力していきたいと思っているという気持   ちも確認。住宅管理センター・都市整備局とともに自治会長及び役員と話し合いを実施。今回の対応の問題   点を指摘し、本人の障がい特性、できることは協力していく気持ちであることを説明し、それらを理解いた   だきながら、コミュニケーションをとり、お互いに納得できるまで対話をしてほしいと依頼。班長について   は規約により入居後2年間は免除されるため、次期班長に当たることはないことを確認。 コ 肢体・知的 ・幼稚園で差別的な扱いを受けている。遠足(みかん狩り)に来ないでほしいと言われた。主   治医意見書でみかん狩りへの参加可能の診断をもらったが、保護者がこどもたちの乗るバスの後ろをついて   きてほしいと言われ、みかん狩りが終わったら引き取って帰ってほしいと言われた。みかん狩りのあとの芝   滑りなどの遊びには参加できないと言われた。次の行事である雪滑りには参加をしたい。(差別)   ※大阪府広域支援相談員とともに幼稚園へ行き、みかん狩りについての事実確認を行う。その後保護者と園   との雪滑りに向けての話し合いに大阪府広域支援相談員とともに参加。他の園児とともにバスに乗って行事   に参加し、バスで帰園するということで話し合いを終える。 C未解決 サ 精神【継続案件】・レジャー施設利用の際、他市発行の自立支援医療受給者証と障がい者年金受給者証を提   示したが、障がい者割引が適用されず、また、スタッフとのやり取りで差別を感じた。(差別)   ※施設に事実確認を行う。障がい者割引については自立支援医療受給者証や障がい年金受給者証では適用で   きないことを確認。スタッフとのやり取りについては申し出内容と齟齬が生じている部分もあるが、引き続   き適切な対応をしていただくよう啓発を行った シ 精神 ・強迫性障がいがあり、他人の触れたものに極度に反応してしまう。歯科医を予約する際、障がいが   あることを伝えて予約していた。来院時、脇に挟むタイプの体温計で検温するように言われ、非接触の体温   計での対応を求めたが、応じてもらえなかった。差別的なことがあったと伝えたかった。その後の対応は大   阪市に任せると申し出あり。(配慮)   ※歯科医に事実確認を行う。障がいについては精神疾患があること、またスリッパを履くことができないが   大丈夫かという確認があった。体温計については非接触のものは体温が正確に出ないので院長の方針で接触   型のものしか置いていない。対応できないので他院を紹介すると説明をしたが、拒否されたとのこと。 D継続 ス 発達【継続案件】・幼稚園入園が決まっていたが、ことばの発達が遅いことを相談したら入園後半年たって   も改善が見られなければ退園してもらうと言われた。(配慮)※大阪府広域相談員と連携し、幼稚園を訪問   し、事実確認、啓発を行った。「退園してもらう」という発言については事実確認ができず、そのことに申   出人は納得がいっていない。 セ 肢体【継続案件】・コンサートホールに入場する際、感覚過敏で長時間のマスク着用が困難であるため、代   わりにフェイスシールドの着用ではダメなのか尋ねたが、かたくなにマスク着用を言われ、コンサートを見   ることができなかった。(配慮)   ※当該業界団体が出している「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に合理的配慮の記載をして   もらうよう改訂の依頼をしている。 ソ 知的 ・レジャー施設にて、長時間のマスクの着用ができないため入場前に話をし、乗り物に乗るときはマ   スクを着用するということで許可をもらった。しかし、あるアトラクションに乗ったとき、マスクを着用し   ていないことに気づいたスタッフが急に降りてくださいと言ってきたため、パニックになり失禁してしまっ   た。その後の対応にも配慮が感じられなかった。(配慮)   ※マスク着用の運用について、今後同じことがおきないような仕組みづくり等、施設へ働きかけを行う。 タ その他 ・ギランバレー症候群の既往歴と発達障がいがある方の保護者からの相談。大学の授業において提   出物の期限を延長させてもらえるように配慮依頼書を提出したところ、ギランバレー症候群の既往歴に過敏   に反応し、安全性の確保のためという理由で実験の授業を遠隔で受けるように言われた。   ※大学に事実確認を行う。本人が求めていない配慮を合理的配慮として建設的な対話をせずに遠隔での授業   を求めることは差別的なことにあたりうると説明。授業については本人自身で教授と話をして対面で授業を   受けれているが、相談者である保護者は大学側の対応に納得できていない。 8 まとめ ・相談件数は減少傾向にある。 ・新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための外出制限の影響もあると考えられる。 ・マスク着用に関する事例等、コロナ特有の事例が複数あり、コロナの影響は大きいと思われる。