長居障害者スポーツセンター建替え基本構想(中間案・概要版) ※ 音声読み上げ機能に配慮した文字の変換を行っています。 第1章 基本構想の策定に当たって ■ これまでの経過 ・大阪市では、全国初の障害者専用のスポーツ施設として、昭和49年に長居障害者スポーツセンターを開設し、平成9年に開設した舞しま障害者スポーツセンターとともに、障害のある人にスポーツやレクリエーションの機会を提供しています。 ・「障害のある人が、いつ一人で来館してもスポーツを楽しむ事ができる」を基本方針として、専門性の高い指導員を配置し、スポーツの指導や教室の開催など、多彩なメニューを展開することで、障害のある人の自立と社会参加の促進に大変重要な役割を果たしています。 ・時代の経過とともに、利用者の増加やニーズの多様化に加え、長居障害者スポーツセンターの老朽化も踏まえ、令和元年度からあり方検討を実施し、令和3年11月の戦略会議において、建替えなどの方向性を決定しました。 ■ 基本構想の策定の目的 ・これまで果たしてきた役割のもと、引き続き障害のある人が安心してスポーツを楽しむ事ができる「障害者専用のスポーツ施設」としての運営を重視し、また障害者スポーツ指導員等の育成拠点として、その機能を継承、発展させていく必要があります。 ・建替え後の「新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)」が本市障害者スポーツ振興の中核的な拠点施設としての役割が果たせるよう、基本理念・コンセプト、建築計画等について、基本的な考え方を取りまとめることを目的として基本構想を策定します。 第2章 障害者スポーツの現状と課題 ■ 障害者スポーツの現状 ・障害者スポーツセンターでは、重度の障害のある人、知的障害のある人から高いニーズがあり、長居障害者スポーツセンターでは毎年概ね35万人の利用がありました。 ・新型コロナウイルス感染症の影響により、休館や利用方法の変更による大幅な利用者の減少、オンラインによる取組など、障害者スポーツを取り巻く状況が大きく変化しました。 ■ 障害者スポーツ振興、障害者スポーツセンターの課題 【障害者スポーツ振興の課題】 ・障害の種別や程度に関わらず、誰もがスポーツに参加する機会の確保 など 【障害者スポーツセンターの機能面に関する課題】 ・ニーズの多様化に伴う機能面の対応、障害のある人・ない人との交流機会の創出 など 第3章 社会環境の状況等 ・SDGs(エスディジーズ)の達成への貢献、将来の人口減少、カーボンニュートラルやデジタル化の推進などの社会環境の状況を踏まえつつ、施設整備・運営に関連して今後留意すべき点を整理します。 ・今後の条件整備を目的として、マーケットサウンディング(市場調査)を実施しました。 第4章 基本構想の基本的な考え方 ■ 基本理念・コンセプト みんながたのしみ、つながる障害者スポーツセンター (5つのコンセプト) ・障害のある人がいつ一人で来ても、安心してスポーツを楽しむ事ができる ・障害者スポーツを通じて、障害のある人とない人とが交流できる ・みんなでつくり、ささえあい、はぐくむことができる ・デジタル技術の活用を前提に、質の高いサービスを提供する ・環境に配慮しながら、持続可能な施設マネジメントを推進する 第5章 建築計画の考え方 ・本市障害者スポーツ振興の中核的な拠点施設としての役割が果たせるよう、しょ室・機能、規模や整備場所など、基本的な考え方として、建築計画を取りまとめました。 ■ 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)に導入するしょ室・機能とその規模 ・様々なニーズ等に対応できるよう、舞しま障害者スポーツセンターの機能も考慮のうえ、必要なしょ室・機能等を検討し、建築モデル案を作成しました。 ・また、早川福祉会館との複合化により、スポーツ・文化活動への広がりや、アクセスの向上、市費の縮減を図ります。 ・将来の施設需要に見合った規模の大小についても総合的に検討した結果、この建築モデル案を基本として、詳細な検討を進めていきます。 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の建築モデル案 延床面積10,500から12,000平方メートル程度(現在8,500平方メートル) 階層 3階建て(現在2階建て) 整備費用 70から80億円程度(※) 主なしょ室・機能 (既存施設) アリーナ バスケットボールコート2面(現在1面)、室内ランニングコースの新設 プール 25メートル×8コース(現在6コース)、あさ型プールの新設 会議室 早川福祉会館との複合化(5から6室程度) その他 サブアリーナ、トレーニング室、卓球室、ボウリング室等 (新設) 多目的室 新設(3部屋程度) 民間活用・交流スペース 新設(施設1階出入口付近) 図書室 早川福祉会館点字図書室との複合化 共用施設 更衣室・トイレ等の共用施設の充実 屋外施設 アーチェリー場、屋上広場を区分け ※ 上記はモデル案であり、今後実施する予定の基本計画や設計等の過程において、内容を変更する場合があります。 ※ 整備費用については概算であり、最近の物価上昇を踏まえ、相当の幅をもって見る必要があります。 ※ 既存施設の解体費、跡地整備費等は今後精査するため、上記の整備費用には含んでいません。 ■ 配置イメージ 1階 スポーツエリア(その他)、管理・事務室、機械室エリア、民活交流スペース、屋外施設(アーチェリー場)など 2階 スポーツエリア(アリーナ・プール・サブアリーナ・多目的室) 3階 スポーツエリア(会議室)、屋外施設(屋外広場) ※ 今後実施する予定の基本計画や設計等の過程において、配置についても変更する場合があります。 ■ 整備場所 ・現地を含む長居公園内、市内未利用地から整備候補地について総合的な検討を行った結果、現在の長居障害者スポーツセンターの南側を整備場所とし、移転建替えを進めていきます。 ・長居公園内で整備を進めることで、これまで育まれてきた仲間とのつながりを大切にし、また公園内にある他の施設との連携による相乗効果があります。 ・移転建替えにより、工事期間中も現在の施設を利用しながら整備を進めることができ、現地建替えと比べ、設計の自由度、工事期間中の安全性が確保できることに加え、工期の短縮と工事費の圧縮が図られます。 ・南側での建替えに向けて、今後実施する基本計画などの過程において、周辺の地下構造物への影響や既存樹木の移植等の費用について詳細に検討します。 【住所】大阪市東住吉区長居公園 【交通アクセス】大阪メトロ長居駅1号出入口すぐ、JR長居駅より徒歩2分 【跡地の利用について】 ○ 現在の長居障害者スポーツセンター ・今後関係先と調整のうえ、緑化を基本とした検討を行います。 ○ 現在の早川福祉会館 ・今後関係先と調整のうえ、売却や転用等の活用の検討を行います。 → これら建築計画の基本的な考え方のもと、利用者の意見等も伺いながら、基本計画、設計を進めていきます。 第6章 事業計画の考え方 ・整備・運営に関して、様々なPPP/PFI手法の中から最適な事業手法のほか、財源確保、入札・契約方式を検討した内容について、基本的な考え方を事業計画として取りまとめました。 ・官民の最適な役割分担のもと、効率的・効果的な整備と良質なサービスの提供が図られるよう、引き続き詳細な検討を進めていきます。 第7章 運営計画の考え方 ・施設運営に関する取扱いや実施事業など、今後検討すべき事項を整理した内容について、基本的な考え方を運営計画として取りまとめました。 ・基本理念等のもと、これまでの取組とともに、人材育成や多様な主体との連携のほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、重点的な取組を通じて、拠点施設としての機能を強化します。 第8章 整備に向けた今後の課題と整備スケジュール ■ 整備に向けた今後の課題 ・この基本構想における基本的な考え方のもと、整備・運営に向けて、今後実施する予定の基本計画、PFI導入可能性調査、設計の過程において、詳細に検討します。 ・引き続き、社会経済情勢を注視しつつ、将来の施設需要を勘案しながら、サービスの向上と経費の縮減とともに、入札・契約の公正性、透明性、競争性が図られるよう、最適な事業手法について検討を進めていきます。 ■ 整備スケジュール ・令和6年度に事業手法を決定し、その手法によりますが、開館時期は令和13から14(2031から2032)年度末頃を見込んでいます。 令和4(2022)年度 基本構想の策定 令和5(2023)年度 基本計画の策定 令和6(2024)年度 PFI導入可能性調査、最適な整備・運営(事業手法)の決定 その後、 従来型方式の場合 令和7(2025)年度 基本設計 令和8(2026)年度から 実施設計、入札等準備期間 令和10(2028)年度から 施工 令和13(2031)年度 竣工、開館 開館後に既存施設の解体工事、跡地整備 PFI方式の場合 令和7(2025)年度から PFIの準備期間 令和10(2028)年度から 設計・施工一括 令和14(2032)年度 竣工、開館 開館後に既存施設の解体工事、跡地整備 デザインビルド等の場合 令和7(2025)年度から デザインビルド等の準備期間 令和9(2027)年度から 設計・施工一括 令和13(2031)年度 竣工、開館 開館後に既存施設の解体工事、跡地整備 ※ 一般的な事業手法として、現時点でシミュレーションしたものであり、今後前後する場合があります。 以上