資料2  新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)整備基本計画(素案) 令和5年10月 大阪市 ※ 音声読み上げ機能に配慮し、一部文字の変換を行っています。 目次 第1章 基本計画の策定に当たって 1 これまでの経過 2 基本計画の策定の目的 3 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の完成までのプロセス 4 各プロセスにおける主たる検討項目のイメージ 5 基本構想と基本計画の関係 6 現在の施設の概要 7 整備・運営の基本方針 第2章 敷地条件の整理等 1 位置関係 2 敷地条件の整理等 第3章 建築計画 1 建築計画の考え方 2 施設・配置計画 3 外装・内装計画 4 構造計画 5 設備等計画 6 防災・減災計画 7 セキュリティ計画 8 ゾーニング計画 9 施設整備計画・図 10 跡地整備計画 11 概算事業費とライフサイクルコスト 第4章 事業計画 1 事業計画の考え方 2 PPP/PFI導入可能性調査に向けた事前整理 第5章 運営計画 1 運営計画の考え方 2 施設運営に関する取扱い等の検討 第6章 整備に向けた今後の課題と整備スケジュール 1 整備に向けた今後の課題 2 整備スケジュール 3 運営体制 4 収支計画 参考資料 1 基本計画検討会議の概要 2 利用者・団体への意見聴取等 3 用語の説明 4 根拠条例 第1章 基本計画の策定に当たって 1 これまでの経過 大阪市では、全国初の障害者専用のスポーツ施設として、昭和49年に長居障害者スポーツセンターを開設し、平成9年に開設したまいしま障害者スポーツセンターとともに、障害のある人にスポーツやレクリエーションの機会を提供しています。「障害のある人が、いつ一人で来館してもスポーツを楽しむ事ができる」を基本方針として、専門性の高い指導員を配置し、スポーツの指導や教室の開催など、多彩なメニューを展開することで、障害のある人の自立と社会参加の促進に大変重要な役割を果たしています。 時代の経過とともに、利用者の増加やニーズの多様化に加え、長居障害者スポーツセンターの老朽化も踏まえ、令和元年度からあり方検討を実施し、令和3年11月の戦略会議において「大阪市における障害者スポーツセンターの今後のあり方について」※1で示されたとおり、建替えなどの方向性を決定しました。 その後、建替え後の施設の機能や規模等を検討することを目的として、令和4年2〜3月に長居障害者スポーツセンター建替えに関するアンケート調査を実施しました。令和4年度には、大阪市長居障害者スポーツセンター建替基本構想検討会議を開催し、障害者スポーツの現状と課題、社会環境の状況などを踏まえ、建替え後の「新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)」の基本理念・コンセプト、建築計画、事業計画及び運営計画の基本的な考え方を取りまとめ、パブリック・コメント手続きを経て、令和5年3月に「新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)整備基本構想(以下「基本構想」という。)」※2を策定しました。 ※1 大阪市における障害者スポーツセンターの今後のあり方について https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000545853.html ※2 基本構想 https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000576675.html 2 基本計画の策定の目的 基本構想では、基本理念について、「みんながたのしみ、つながる障害者スポーツセンター」とし、5つのコンセプトを設定しました。また、まいしま障害者スポーツセンターの機能を考慮するほか、早川福祉会館と複合化し、施設の機能強化を図ることで、スポーツ・文化活動への広がりや、アクセスの向上などを図りながら、活動の継承、発展をめざすこととし、諸室・機能、規模や整備場所などの基本的な考え方として、建築計画として取りまとめました。 基本構想で示した基本理念・コンセプト、建築計画等の基本的な考え方をより具体化することを目的として、この「新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)整備基本計画(以下「基本計画」という。)」を策定するものであり、施設整備の詳細や概算事業費等について調査・検討を実施し、設計与条件を設定します。 基本計画では、建築計画等の検討結果や完成までのスケジュールを見える化し、利用者をはじめとする多くの市民の方々に施設や取組を知っていだだき、また様々な意見を伺いながら、適宜反映することで、より良い施設にしていくとともに、市政運営の透明性を確保していきます。 3 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の完成までのプロセス この基本計画の策定から新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)が完成するまでには様々なプロセスを要します。今後は、この基本計画をもと、PPP/PFI導入可能性調査を経て、事業手法を決定し、その決定した手法に沿って設計・施工を進め、完成をめざします。 4 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の完成までのプロセス この基本計画の策定から新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)が完成するまでには様々なプロセスを要します。今後は、この基本計画をもと、PPP/PFI導入可能性調査を経て、事業手法を決定し、その決定した手法に沿って設計・施工を進め、完成をめざします。 令和4年度「基本構想の策定」 整備候補地の選定や施設整備のコンセプト、概ねの導入機能、規模、配置イメージなどの建築計画のほか、事業計画等における「基本的な考え方」を取りまとめた「基本構想」を策定しました。 令和5年度「基本計画の策定」 基本構想で示した「基本的な考え方」をもとに、設計与条件を整理し、整備候補地に即した敷地調査、施設配置、諸室・規模の検討、概算事業費の算出などを実施し、「基本計画」を策定します。 「PPP/PFI導入可能性調査」 基本計画を踏まえ、事業範囲や事業スキーム、官民リスク分担等を検討し、VFM評価を実施します。 民間事業者への市場調査、VFM評価のもと、整備・運営における事業手法を決定します。 決定した整備(事業)手法に基づき、設計・施工を実施 「基本設計」 基本計画を踏まえ、意匠を決定し、建築、構造、電気設備、機械設備等の基本設計を実施します。 基本設計では、構造や配置、レイアウト、備えるべき機能や設備、内外のデザイン等を「基本設計図書」として取りまとめます。 「実施設計」 基本設計に基づき、施工を考慮したデザインと技術面の両面にわたって詳細な設計を行うとともに、工事費の具体的な積算を実施します。 建築、電気設備、機械設備工事の発注のため「実施設計図書」を作成し、計画通知等を申請し、建築確認の後、各工事に着手します。 「施工」 設計図書に基づき、建築、電気設備、機械設備工事を実施します。 「完成(竣工〜開館)」 竣工から準備業務が整った後、新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)が供用開始(開館)します。 ※ 開館後、現在の施設の跡地に関わる整備を行います。 5 各プロセスにおける主たる検討項目のイメージ 基本構想、基本計画、基本設計、実施設計 「基本構想」 検討段階 基本的な考え方の整理 主たる検討項目 基本理念、導入機能・規模、配置モデル、整備候補地 図面・図書のイメージ 配置イメージ 例 アリーナ アリーナ規模、室内ランニングコースの有無など大まかな方針 プール プールの長さ、コースなど大まかな方針 更衣室 利用者要望及び課題の把握 トイレ 利用者要望及び課題の把握 環境技術 公共施設の計画などの方針の確認 「基本計画」 検討段階 与条件の設定 → 設計に向けて、発注者が求める条件等を明確化する 主たる検討項目 整備・運営の基本方針、敷地条件、諸室・規模・階層、全体ゾーニング、概算事業費 図面・図書のイメージ 施設・配置計画図 例 アリーナ 競技規則を踏まえたアリーナの規模や競技面数、観客エリアなどの対応方針 プール 公認プール規則、可動床の有無や観客エリアの規模などの対応方針 更衣室 家族更衣室など必要な機能への対応方針 トイレ 利用者に応じた規模及び男女共用トイレなど必要な機能への対応方針 環境技術 施設整備における環境性能目標設定の方針以上 「基本設計」 検討段階 概略仕様の決定 → 基本計画を図面化・具体化する 主たる検討項目 平面計画、外装計画、構造計画、設備計画、仕上げグレード、工事区分、工事費概算 図面・図書のイメージ 平面計画図、立面計画図、断面計画図、外観イメージ、概略仕様書、構造計画概要書、工事費概算書 例 アリーナ 競技レイアウト、床材等の内装計画、架構計画、照明等の電気設備計画、空調計画等の機械設備計画の整理 プール 内装計画、架構計画、熱源・空調・給排水等の機械設備計画の整理 更衣室 運用計画に基づいたロッカー数、シャワーブースサイズ、内装計画、給排水設備計画の整理 トイレ ブースレイアウト、清掃性に配慮した内装計画、空調及び給排水衛生計画の整理 環境技術 省エネ・創エネ技術設備及び運用方法の決定 「実施設計」 検討段階 詳細な仕様の決定 → 施工業者への発注のための設計図書を作成する 主たる検討項目 詳細設計図、構造計算、機械能力計算、工事費内訳積算、 図面・図書のイメージ 意匠設計図、構造設計図、電気設備設計図、機械設備設計図、構造計算書、工事費内訳書 例 アリーナ、プール 内装仕様、設備機器の規格、数量及び配置の決定 更衣室、トイレ 内装仕様、什器等想定仕様、設備機器の規格、数量及び配置の決定 環境技術 設備の機器の規格、数量及び配置の決定 「PPP/PFI導入可能性調査」 検討段階 事業手法の決定 主たる検討項目 事業内容、事業範囲、事業スキーム、官民リスク分担などを検討し、市場調査、VFM評価を実施 ※ 同様の内容を基本計画(素案)に記載 5 基本構想と基本計画の関係 基本構想では、ハード・ソフトの両面から現状と課題、社会環境の状況などを踏まえ、新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の基本理念・コンセプト、建築計画、事業計画及び運営計画の基本的な考え方を取りまとめました。 基本計画では、基本構想で示した基本的な考え方をより具体化するため、施設整備の詳細や概算事業費等について調査・検討を実施し、設計与条件を設定します。 次のとおり、基本構想と基本計画の構成の関係と、基本計画の段階で取りまとめる主な項目を示します。   基本構想と基本計画の構成の関係 基本構想の構成→基本計画の構成 基本構想の策定に当たって、現状と課題、社会環境の状況等の把握、基本構想の基本的な考え方→基本計画の策定に当たって 建築計画の考え方→敷地条件の整理等、建築計画 事業計画の考え方→事業計画 運営計画の考え方→運営計画 整備に向けた今後の課題と整備スケジュール→同じ (参考)基本設計・実施設計図書の構成 基本計画のもと、来年度には、PPP/PFI導入可能性調査において、民間事業者への市場調査、VFM評価などの結果を踏まえ、事業手法を決定し、その決定した手法に沿って今後設計・施工を進め、完成をめざします。 基本計画から基本設計、実施設計と段階を進めることで設計図の作成による詳細図や工事費の積算の精度を高めるほか、運営に関する詳細な計画を策定していきます。 基本設計図書→実施設計図書 意匠(建築)設計、構造設計、電気・機械設備設計、外構設計 計画概要、使用概要、計画図等、工事費概算書→設計図・仕様書・計算書等、工事費内訳書、計画通知書、CASBEE評価書等 + 維持管理・運営計画 運営体制、実施事業、運営収支計画等 6 現在の施設の概要 長居障害者スポーツセンター 所在地 大阪市東住吉区長居公園1番32号 開設 昭和49年 敷地・延床面積 13,273平方メートル・8,503平方メートル 構造 鉄骨及び鉄筋コンクリート造2階建、一部平屋建 主な施設機能 体育室、トレーニング室、プール、卓球室、ボウリング室、会議室、屋外運動場 主な事業 障害者スポーツの指導、スポーツ教室等の開催、障害者スポーツ振興を担う人材育成、障害者スポーツに関する普及啓発 など 根拠条例 大阪市障害者スポーツセンター条例 早川福祉会館 所在地 大阪市東住吉区南田辺一丁目9番28号 開設 昭和37年(平成5年12月建替え) 敷地・延床面積 1,217平方メートル・3,437平方メートル 構造 鉄筋コンクリート造 地上4階・地下2階建 主な施設機能 貸室(ホール、会議室、和室)、点字図書室(ボランティア室、録音図書製作室等含む)、障害者相談支援研修センター 主な事業 視覚障害者のための図書等の収集及び提供、障害者の自立及び社会参加に関する相談及び啓発、集会、各種行事の場の提供 など 根拠条例 大阪市立早川福祉会館条例 7 整備・運営の基本方針 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)は、これまで長居障害者スポーツセンター、早川福祉会館が果たしてきた役割のもと、複合化による機能強化を図り、障害のある人が安心かつ継続してスポーツやレクリエーション、文化活動を楽しむ事ができる施設をめざします。 また、障害者スポーツ指導員や点字・録音図書のボランティアなど、様々な活動をささえる人の育成に加え、地域の多様な主体との連携により、身近な場所での活動を支え、発展に向け、ハブとしての役割を担う施設をめざします。 さらには、障害者専用のスポーツ施設としての運営は重視しつつ、障害のある人とない人の交流を促進する新たな機能を追加し、障害や障害のある人に対する理解を深め、共生社会の実現につながる中核的な拠点施設をめざします。 そうしためざす施設像のもと、これまで実施してきたサービスを踏襲しつつ、DXを推進し、ハード・ソフトの両面にわたって機能向上を図りながら、維持管理・運営がしやすい施設を実現し、コストの縮減に努め、将来にわたって持続可能な施設マネジメントを推進し、SDGsの達成、環境への配慮としてゼロカーボンおおさかに貢献する施設として、次のとおり、基本構想で示した基本理念・コンセプト等の基本的な考え方を踏襲した「整備・運営の基本方針」を示します。 ■ 基本理念 みんながたのしみ、つながる障害者スポーツセンター ■ 施設の5つの基本コンセプトと基本的な整備・運営方針 1 障害のある人がいつ一人で来ても、安心してスポーツを楽しむ事ができる ユニバーサルデザインを徹底追求した「みんなにやさしいスポーツ施設」 これまでのつながりを大切にした「継続性のある施設」 2 スポーツや文化活動を通じて、障害のある人とない人とが交流できる 立地を活かし、「様々な人々が自然に交流できる施設」 誰もが気軽に障害者スポーツなどに触れ、理解が深まるよう「体験できる施設」 3 みんなでつくり、ささえあい、はぐくむことができる 施設の利用やクラブ・グループ活動の育成を通じて、「自主的な活動ができる施設」 指導者やボランティアなど、ささえる人を育成し、「みんなが参画できる施設」 4 デジタル技術も活用し、質の高いサービスを提供する 予約等のデジタル化を図り、「利便性の高い施設」 DXを推進した「先進的なスポーツ施設」 5 環境に配慮しながら、持続可能な施設マネジメントを推進する ゼロカーボンおおさかの実現に貢献する「未来に誇れる施設」 サービス、安全・安心を前提に、ライフサイクルコストを意識した「持続可能な施設」 ※ 早川福祉会館との複合化を踏まえ、基本コンセプト等を一部修正 第2章 敷地条件の整理等 1 位置関係 (1) 現在の施設の位置関係 現在の長居障害者スポーツセンター、早川福祉会館の位置関係を示します。 案内地図省略 【交通アクセス】 ● 現在の長居障害者スポーツセンター Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車、1号出口から北へ徒歩約2分(約140m) JR阪和線「長居」駅下車、東へ徒歩約3分(約220m) 大阪シティバス・いまざとライナー「地下鉄長居」下車、北へ徒歩約4分(約310m) ● 現在の早川福祉会館 Osaka Metro谷町線「駒川中野」駅下車、1号出口から西へ徒歩約11分(約890m) Osaka Metro御堂筋線「西田辺」駅下車、1号出口から東へ徒歩約14分(約1,100m) JR阪和線「南田辺」駅下車、出口から南東へ徒歩約9分(約760m) 大阪シティバス「東住吉区役所前」下車すぐ (2) 整備場所の位置図 整備場所は、基本構想に基づき、現在の長居障害者スポーツセンターの南側の敷地を新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の整備場所とし、概要を整理します。 案内地図、地形図、航空写真省略 【交通アクセス】 ● 新たな長居障害者スポーツセンター(仮称) Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車、1号出口下車すぐ JR阪和線「長居」駅下車、出口から東へ徒歩約 分(約 m) 大阪シティバス・いまざとライナー「地下鉄長居」下車、北へ徒歩約 分(約 m) ※ 徒歩時間:80m/分で計算(整備場所は今後時間・距離を測定) (3) 市内各所からのアクセスの比較 平日午前10時台のOsaka Metroの駅から施設まで徒歩での移動を想定した所要時間を示します。 ただし、乗換等により前後します。 (参考)Osaka Metro各駅からの施設までの所要時間 (着)長居駅下車後長居障害者スポーツセンターまで徒歩2分を含む 梅田駅25分 なんば駅15分 天王寺駅9分 長居駅2分 太子橋今市駅46分 駒川中野駅28分 長吉長原駅32分 西梅田駅26分 住之江公園27分 コスモスクエア駅41分 深江橋駅38分 野田阪神駅34分 南巽駅41分 天神橋筋六丁目駅31分 天下茶屋駅19分 大正駅33分 鶴見緑地駅51分 井高野駅57分 今里駅34分 ポートタウン東駅49分 (着)駒川中野駅下車後早川福祉会館まで徒歩11分を含む 梅田駅33分 なんば駅30分 天王寺駅18分 長居駅37分 太子橋今市駅47分 駒川中野駅11分 長吉長原駅20分 西梅田駅43分 住之江公園43分 コスモスクエア駅50分 深江橋駅35分 野田阪神駅44分 南巽駅38分 天神橋筋六丁目駅37分 天下茶屋駅41分 大正駅43分 鶴見緑地駅45分 井高野駅64分 今里駅32分 ポートタウン東駅65分 2 敷地条件の整理等 (1) 敷地概要 所在地 大阪市東住吉区長居公園 整備する敷地面積 測量中 用途地域/建ぺい率/容積率 第1種住居地域/80%(ただし公園条例による)/200% 防火地域 準防火地域 その他の地域地区 なし 都市施設 公園・緑地 道路 路線種別:府道 路線名:大阪高石線 幅員:36m (2) 現況写真 令和5年7月から9月にかけて、敷地調査を実施しました。 墨字版では、現在の長居障害者スポーツセンター、整備場所の現況写真を添付 (3) 敷地調査 ア 建築物その他調査 整備予定地を含む計画敷地、現在の長居障害者スポーツセンターの敷地の範囲において、次の項目について目視により工作物及び立木調査、電気設備調査、機械設備調査を行いました。 今後の整備に向けて、工作物等の移設又は移植、残置、撤去など、方向性について分類しました。整備に影響する立木については、令和6年度に実施する予定の樹木医診断により移植の可否について検討を行います。なお、本分類については、今後整備を進める過程において、変更となる場合があります。 → 今後調査結果を記載 イ 地盤調査 今後の整備を進めるうえでの参考資料とするため、整備予定地において、サウンディングを行い、その種別は「標準貫入試験」としました。試験位置は建物の配置を踏まえ、2箇所(本)、深さは30m以上、測定間隔及び試料の採取は1mごとに行いました。 → 今後調査結果を記載 (4) 整備予定地の土壌汚染調査 今後の整備を進めるうえでの参考資料とするため、整備予定地において、土壌汚染対策法及び大 阪府生活環境の保全等に関する条例に準じて、自主的な土壌汚染調査を行いました。試料の採取は、1箇所(検体)とし、第二種特定有害物質について調査を行いました。 → 今後調査結果を記載 第3章 建築計画 1 建築計画の考え方 基本構想「第5章 建築計画の考え方」のもと、第1章の「6 整備・運営の基本方針」で示す基本理念・コンセプト等を踏まえ、基本計画では、機能向上、ユニバーサルデザインの追求、環境への配慮の3つを重点的な柱とする建築計画とします。 (1) 機能向上 これまで長居障害者スポーツセンター、早川福祉会館が果たしてきた役割のもと、複合化による機能向上を図り、障害のある人が安心かつ継続してスポーツやレクリエーション、文化活動を楽しむ事ができる施設として、施設の狭あいなどの課題にも対応したハード面の機能向上が図られるような計画とします。 また、これまで実施してきたサービスは踏襲しつつ、DXの推進による質の高いサービスの提供のほか、様々な活動をささえる人の育成、身近な場所での活動を支えるハブとしての役割、障害者専用のスポーツ施設としての運営は重視しつつ、障害のある人とない人の交流の促進など、障害や障害のある人に対する理解を深め、共生社会の実現につながる中核的な拠点施設として、ソフト面の機能が最大限活かせるような建築計画とします。 (2) ユニバーサルデザインの追求 様々な障害特性やSOGIESC※に配慮し、誰もが安全で安心かつ快適に利用できる施設として、ユニバーサルデザインを追求し、障害のある人や介助する人など誰もが安全で安心かつより快適に利用でき、居心地のよい空間となるようなより良い建築計画とします。 なお、障害のある人や介助する人にとって使いやすいトイレや更衣室、通路の段差、視覚障害者誘導用ブロック、音サイン、識別しやすいカラーデザイン、カーブミラー、乗降しやすく操作性に優れたエレベーター、わかりやすい館内案内、誘導音と光の点滅により誰もが安全に避難できる避難誘導器具等の設置など、細部にわたる検討については、今後整備を進める段階に応じて、利用者の意見等を伺いながら設計を行います。 ※SOGIESC(ソジエスク) 性的指向(Sexual Orientation/セクシャル オリエンテーション)と性自認(Gender Identity/ジェンダー アイデンティティ)、性表現(Gender Expression/ジェンダー エクスプレッション)、性的特徴(Sex Characteristics/セックス キャラクタリスティクス)の4つの性の構成要素の頭文字を並べたもの。 (3) 環境への配慮 本市は、「大阪市地球温暖化対策実行計画〔区域施策編〕(改定計画)」において、2050年の「ゼロカーボン おおさか」の実現を長期目標に掲げ、2030年度までに市域の温室効果ガス排出量を2013年度から50%削減するため、地球温暖化対策の取組を推進しています。 また、最近では、エネルギー安定供給の確保が世界的に大きな課題となる中、GX(Green Transformation/グリーントランスフォーメーション)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現するべく、令和5年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、その中で住宅・建築物においては、抜本的な省エネルギーの実現が掲げられ、ZEB 水準の省エネルギー性能の高い新築住宅・建築物の普及などが掲げられています。 市設建築物設計指針(環境編)では、市設建築物がめざすべき環境性能を定めており、本指針に基づき、新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の整備にあたっても、グリーンとデジタル技術などの活用により環境に配慮した建築計画とします。 なお、本指針に基づき、施設整備に関連する、一次エネルギー消費性能・外皮性能及び環境性能効率の目標は次のとおりです。 ■ (参考)市設建築物設計指針(環境編)等に基づく一次エネルギー消費性能等の必要な基準 建物用途※1 病院等、集会所等 一次エネルギー消費性能(BEI)の目標値※2 ≦0.7 外皮性能(BPI)の目標値※3 ≦0.9 CASBEE大阪みらいにおける環境性能効率の目標ランク※4 病院等の場合Sをめざし、最低限A、集会所等の場合原則A ※1 建物用途の具体例 病院等 病院、老人ホーム、身体障害者福祉ホーム、児童福祉施設 集会所等 公会堂、集会所、図書館、博物館、美術館、体育館、劇場、映画館等 ※2 BEI(Building Energy Index) BEIとは、エネルギー消費性能計算プログラムに基づく、基準建築物と比較した時の設計建築物の一次エネルギー消費量の比率のこと。 BEI=設計一次エネルギー消費量÷基準一次エネルギー消費量  ※3 BPI(Building Palstar Index) BPIとは、省エネ法改正に伴い設けられたPAL(外皮基準の指標)により算出される年間熱負荷の基準のこと。 BPI=設計PAL/基準PAL ☆ PAL(パルスター)は、建物の屋内周囲空間の床面積当たりの年間熱負荷のこと。  ※4 CASBEE(キャスビー)(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency) 「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム)は、建物を環境性能で評価し、格付けする手法。省エネルギーの資機材の使用等の環境配慮のほか、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価し、「Sランク(素晴らしい)」から、「A(大変良い)」「B+」「B−」「C(劣る)」という5段階の格付けが与えられる。 本市では、「大阪市建築物の環境配慮に関する条例」に基づき、一定規模以上の建築物の環境品質・性能と環境負荷の低減等に係る計画書の届出を求め、その概要をホームページ等で広く市民に公表を行う「CASBEE大阪みらい」の制度を実施。 〇 ZEBとは Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることをめざした建物のことで、本市では、今後予定する新築建築物については、原則「ZEB Oriented」相当以上をめざしており、新たな長居障害者スポーツセンター(仮称)の整備にあたってもその水準の確保に取り組みます。 ◆ ZEBの4段階の定義 ZEB 省エネで基準一次エネルギー消費量を50%以下にまで削減(BEI≦0.50)さらに、創エネで基準一次エネルギー消費量を0%以下にまで削減(BEI≦0.00) Nearly ZEB 省エネで基準一次エネルギー消費量を50%以下にまで削減(BEI≦0.50) さらに、創エネで基準一次エネルギー消費量を25%以下にまで削減(0.00