先般、アフガニスタン、メキシコ、チュニジアなど9か国の行政官が、日本の中小企業の隆盛の秘訣を知るために、JICA（国際協力機構）の招へいにより東成区を訪れました。

　東成区のモノづくり企業は経営者や従業員の方が地元出身や地元在住であるケースが多く、地域・社会貢献への意欲が強いのが特徴です。一行は大阪シティ信金東成支店さんから地域に根差したファイナンスについての講義を受けた後、製菓機器メーカーである片江地区の幸和工業さんを視察しました。同社はすでにJICAとの連携によりインドネシアで技術指導を行っており、国際貢献にも熱心。行政官は本国に帰国後、ここで学んだ「地域・社会と企業がともに発展する」というコンセプトを踏まえて、各国の中小企業支援政策を立案します。

　企業による国際協力は2025年万博のテーマでもあるSDGsに直接つながるものです。東成区は、このようなSDGsに沿った「企業の社会貢献活動」を応援しています。

　SDGsでは、福祉・教育・環境・平等・働き方など、世界共通の社会課題が17の項目に分けられており、これらの社会課題に、国、企業、市民すべての社会メンバーが連携して取り組もうという呼びかけがなされています。

　東成区はこの運動と連携して、経済産業省等が主催する「関西SDGsプラットフォーム」（*2）の設立賛同団体となっているほか、平成30（2018）年度から「ひがしなり企業区民連携フォーラム」を立ち上げ、区内企業のさまざまな社会貢献活動、CSR活動をSDGsの観点からとらえて、まちづくりを行っていこうと考えています。

　ひがしなり企業のSDGsへの貢献についての一例は以下のとおりです。

【事例1】　株式会社光製作所x片江小学校

【事例2】　株式会社幸和工業 x 開発途上国 x JICA

【事例3】　株式会社サクラクレパス x 区内小学生

【事例4】　大阪シティ信金東成支店 x 地元企業 x 開発途上国 x JICA

　また、同社は、2016年からJICAの中小企業海外展開支援事業を活用して、インドネシア・東ジャワ州で現地技術者への技術指導を行っています。

　2018年2月にも、メキシコ、アフガニスタン、チュニジアなど9か国の中小企業振興政策を担当する行政官の視察を受け入れています。（ココが知りたいひがしなり（拡大版）の記事はこちら）

　こういった事業を通じて、開発途上国の技術力の向上や雇用の創出に寄与することができ、その結果得られる持続的な経済成長を通じて、貧困の削減や暮らしの改善につながっていきます。

（*1）「東成区と国連！？そして万博との関係」（2017年9月22日付）

（*2）「関西SDGsプラットフォーム」

※  光製作所と幸和工業は区で作成した動画「ファクトリーツアー」でも紹介されています。