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報道発表資料 住民監査請求(区民アンケート[住之江区3])の結果について

2021年10月8日

ページ番号:546064

問合せ先:行政委員会事務局 監査部 監査課 特別監査担当(06-6208-8573)

令和3年10月8日 14時発表

 大阪市監査委員は、次のとおり、令和3年8月26日(木曜日)に提出された住民監査請求について、次の理由により住民監査請求の対象とならない旨、請求人に通知しました。(却下、結果は同年10月7日決定)

1 請求の要旨

 令和2年度住之江区民アンケート(第2・3回目)について、実施決裁文書にはその目的が「運営方針のプロセス指標の取得」であるとされている。しかし、住之江区役所はこの区民アンケートの結果を運営方針のプロセス指標として使用することの合理性について説明が全くできず(民法第644条、地方自治法第138条の2違反)、対象文書を「区民アンケートの結果がプロセス指標として用いることのできる根拠が示され た文書」として行った情報公開請求についても不存在となっている。

 その結果、この区民アンケートにかかる経費が目的(運営方針の評価)を達成できないまま支出されており、地方自治法第2条第14号、地方財政法第4条違反となっている。

 令和3年度においても、令和2年度と同様の損害を生じることが明白となっているので、令和3年度に発生すると考えられる損害を防止する措置を講じるよう、令和3年度区民アンケートの実施に要する費用を支出しないよう求める。

2 判断に至った理由

 地方自治法(以下「法」という。)第242条に定める住民監査請求が適法な請求となるには、本市職員等による個別具体的に特定された財務会計上の行為又は怠る事実(以下「当該行為等」という。)について、当該行為等が違法として財務会計法規上の義務に違反し、又は不当である旨を具体的に摘示し、請求人において財務会計法規上の義務違反となる事由を他の事由から区別して特定認識できるように個別的、具体的に主張し、その主張事実を証する書面を添えて請求をする必要がある。

 また、法第2条第14項、地方財政法第4条の規定は、地方公共団体や地方行財政運営の在り方に関わる基本的指針を定めたものであって、かかる基本的指針に適合するか否かは、当該地方公共団体の置かれた社会的、経済的、歴史的諸条件の下における具体的な行政課題との関連で、総合的かつ政策的見地から判断されるべき事項であり、当該地方公共団体の長の広範な裁量に委ねられているというべきであるから、長の判断が著しく合理性を欠き、長に与えられた広範な裁量権を逸脱又は濫用すると認められる場合に限り、上記規定の違法性が肯定されると解される。(大阪高裁平成17年7月27日判決)

 加えて、当該職員の財務会計上の行為をとらえて改正前の法第242条の2第1項第4号に基づく損害賠償責任を問うことができるのは、たとえこれに先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても、当該原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である。

 地方公共団体の長は、当該原因行為が著しく合理性を欠きそのためこれに予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵の存する場合でない限り、当該原因行為を尊重しその内容に応じた財務会計上の措置を採るべき義務があり、これを拒むことは許されないものと解するのが相当であると解される。(最高裁平成4年12月15日判決)

 上記の点から、本件請求が住民監査請求の要件を満たしているか検討した。

 本件調査は、アンケート調査業務であり、特段の法規定がない限り、どのような調査業務を行うかについては、地方公共団体の長の広範な裁量に委ねられていると考えられる。したがって、市長の判断が著しく合理性を欠き、その広範な裁量権を逸脱又は濫用すると認められる場合に限り、本件調査に係る経費の支出は、違法性が認められる。

 この点、請求人は、事務の目的と全く関連性を持たない本件調査を実施し、その費用を支出することは、市長の裁量権の逸脱濫用にあたると主張する。しかしながら、本件調査の目的は、運営方針のプロセス指標の取得であるとされているところ、令和3年度の住之江区の運営方針のプロセス指標は、区民アンケートで肯定的な回答をした割合などが設定されており、本件調査はこの値を得るために実施するものと認められ、目的と全く関連性を持たないという事実は認められない。したがって、この点について職員がその権限の行使において、著しく合理性を欠く行為を行うとまでは認められず、裁量権の範囲を逸脱又は濫用するものであるとの摘示があるとは認められない。

 また、請求人は、運営方針のプロセス指標として区民アンケートの結果を用いるとの決定が、本件調査の実施に係る費用の支出という直接的な財務会計行為の原因行為であるとして、その原因行為の不当を主張し、その結果、本件調査に要する費用の支出も違法であると主張する。

 しかしながら、上記最高裁平成4年判決のとおり、財務会計上の行為の違法を理由に、職員等にその財務会計上の行為による支出相当額の返還を求めることができるのは、財務会計上の行為の原因行為に違法事由が存する場合であっても、当該原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られ、その違法性は、当該原因行為が著しく合理性を欠き、そのため財務会計上の行為に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵の存する場合に認められるとされており、この理は財務会計上の行為の差止めを求める場合にも妥当すると解すべきところ、請求人の主張は、原因行為に関するものに過ぎない。

 以上のとおり、本件請求における請求人の主張は、本件調査に係る経費の支出について、財務会計法規上の義務違反等を具体的に摘示したものとは認められない。

 よって、本件請求は、法第242条の要件を満たさないものと判断した。

住民監査請求結果

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