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報道発表資料 住民監査請求(鶴見区コミュニティ回収奨励金)の結果について

2021年10月15日

ページ番号:547131

問合せ先:行政委員会事務局 監査部 監査課 特別監査担当(06-6208-8573)

令和3年10月15日 14時発表

 大阪市監査委員は、次のとおり、令和3年8月19日(木曜日)に提出された住民監査請求について、令和3年10月15日に請求人に監査結果を通知しました。(監査結果は同年同月14日決定)

1 請求の要旨

 令和2年4月にa連合振興町会が行った届出事項の変更によるコミュニティ回収にかかる奨励金の受領は、不正な請求によるもので、令和2年9月に大阪市が確認を行わずに奨励金をa連合振興町会会計bの個人口座に支払ったのは不当な支出であり大阪市に損害が生じている。a連合振興町会に支出された奨励金100万円の返還を求めるなど、必要な措置を求める。

2 監査の結果(勧告)

(1)監査委員の判断の要旨
ア 令和2年9月の支払時点において大阪市鶴見区a連合振興町会(以下「本件連合町会」 という。)は本件奨励金債権の債権者であったか
(ア)コミュニティ回収奨励金の性質

 コミュニティ回収等の実施等に関する要綱(以下「本件要綱」という。)第4条、第5条、第6条及び第8条によれば、コミュニティ回収奨励金は、コミュニティ回収の実施の届出を行った団体が、4月から翌年3月までの間についてコミュニティ回収を実施し、翌年4月30日までにコミュニティ回収取引伝票を添えたコミュニティ回収実施団体年間実績報告書により古紙等の収集量を環境事業センターに報告することで受給することが可能となり、当該実績報告書について環境局長の審査等を経て、所定の支給額が確定するものであると認められる。

 したがって、コミュニティ回収奨励金は、コミュニティ回収を実施した団体への、過去の実績に対する報償としての性質を有するものであると認められ、コミュニティ回収奨励金債権は、コミュニティ回収実施団体としての地位とは独立した債権となる。

(イ)本件奨励金債権の発生と帰属

 本件奨励金は、平成31年4月から令和2年3月までの1年間に、a地域においてコミュニティ回収を実施したことに対するものであり、同年、同地域においてコミュニティ回収実施団体としての届出を行い、本件報告書により実績報告を行ったのはNPO法人a地域活動協議会(以下「本件地活協」という。)であるので、本件奨励金債権を本来有しているのは本件地活協であると認められる。

 これについて、本件連合町会が本件申出書により支給を申出て、本件連合町会あてに支払いが行われているが、この支払いが適法なものとなるには、本件地活協から本件連合町会へ、本件奨励金債権の譲渡(以下「本件債権譲渡」という。)が有効に行われていなければならない。

 この点、債権を譲渡するには、譲渡を行うことについての両当事者の合意が必要であるところ、本件地活協と本件連合町会の間で、契約書等その合意が成立したことを直接証明する文書が作成されたことを伺わせる事情はない。

 ただし、本件地活協が代表者名で作成したコミュニティ回収実施団体を本件連合町会へ変更する旨の本件報告書と、本件連合町会が代表者名で作成した本件申出書が同封されて郵送されてきた一連の事情から、両者が、本件債権譲渡を行う意思を有していたと推認することも可能である。

 しかしながら、本件地活協と本件連合町会の代表者は同一人であることから、本件地活協から本件連合町会へ無償の債権譲渡などを行うことは、本件地活協の代表者である理事長eによる利益相反行為となり、特定非営利活動促進法(以下「NPO法」という。)は、利益相反行為を行う場合には、特別代理人の選任が必要であるとしているところ、本件について、本件地活協において特別代理人が選任された事情は伺われない。

 よって、本件地活協と本件連合町会の間に、本件債権譲渡の有効な合意が成立しているとは認められず、令和2年9月の本件奨励金の支払時点において、本件連合町会は本件奨励金債権の債権者であったとは認められない。

イ 本件地活協代表者による利益相反行為につき追認等された事情の有無
(ア)特定非営利活動法人における利益相反行為の追認等

 NPO法は、代表者の利益相反行為について、特別代理人を選任しなければならないとするのみで、その追認等について何らの定めもおいていないが、当該団体が真実に利益相反行為を承認したと認められる事情がある場合であっても、一切これを追認等できないとする必要はないと考えられるので、追認することができると解する。

 追認があったと認められるための要件についても、NPO法には明確な規定はないが、会社法や一般社団法人及び一般財団法人に関する法律等の規定に照らして、少なくとも、利益相反行為の承認の議案であることを示して招集された社員総会において、利益相反関係にある社員が加わることなく行われた議決により、当該議案が決議されることが必要であると解する。

(イ)令和3年7月10日開催の本件地活協第12回定期総会における議決

 本件地活協第12回定期総会において、本件奨励金の収入がない令和2年度決算報告が提出されていることから、この総会における議決をいかに評価するべきかが問題となる。

 当該定期総会については、採決の状況や遡及しての議決があったかなどについて、本件地活協作成の議事録と、鶴見区役所が保有している議事メモの記載に差異はあるものの、令和2年度決算報告が承認され、及びコミュニティ回収について、本件連合町会の事業とする旨可決されたことが認められる。ただし、前者は令和2年度において本件奨励金の収入がなかったことを認めるもの、また後者は実施主体の変更を決定するものに過ぎず、利益相反行為の承認である旨が示されていないこと、また利益相反関係にある理事長eが議長として議事を進め、採決にも参加していることなどから、当該定期総会において、利益相反行為である本件債権譲渡の追認がなされたものと評価することはできない。

 また、これ以外に、本件地活協の総会において、本件債権譲渡について取扱ったことを伺わせる事情はない。

 よって、本件地活協において、本件債権譲渡が追認されたとは認められない。

ウ 本市の返還請求を阻害等する事由の有無

 前記ア及びイのとおり、本件連合町会は、本件奨励金債権の債権者であるとは認められないので、本件奨励金の本件連合町会への支給は、債権者でない者への弁済であり、本市は、本件連合町会に対して、本件奨励金支給額相当の不当利得返還請求権(民法第703条)を有することになると考えられるが、他方、本市の担当者等の主観的事情として、本件連合町会が本件奨励金債権を有していないことを知っていた場合、民法第705条の規定により、本市は、本件連合町会に対し、支給した本件奨励金の返還を請求できない。

 この点、本件奨励金債権は、令和元年度における本件地活協の実績に対して発生するものであり、本件連合町会が請求を行うのであれば、両者の間に譲渡行為等がなければならないが、本件奨励金の支出手続の起案者等は、本市の債権譲渡の際の確認手続等を知らず、そもそも債権譲渡があったとの認識すらなかったということであり、公金の支出手続に当たる職員に求められる注意を著しく欠いていたと認められる。

 また、支出負担行為等の承認者は、起案者等が作成した一覧表をもって承認したとのことだが、直接の証拠書類を確認しなければ、起案者等が債権者を誤っていてもそれをチェックすることができないのは明らかで、直接の証拠書類による確認を怠って支出負担行為等を承認したことは、承認者に求められる注意を著しく欠いていたと認められる。

 本件奨励金の支出負担行為等に関わった職員の過失はいずれも極めて重大ではあるが、担当者等が本件奨励金債権がコミュニティ回収実施団体の地位とは独立の債権であることの明確な認識を欠き、コミュニティ回収実施団体の地位に当然に随伴するといった誤った思い込みを有していたものと考えるのが妥当であり、本件連合町会が本件奨励金債権を有していないことを知っていたとまでは認められない。

 よって、本市による本件奨励金相当額の不当利得返還請求を阻害する事由は認められない。

 以上のとおり、本件奨励金の支給は、債権者を誤って行われたものであるので、本市は、本件連合町会に対し、本件奨励金相当額の不当利得返還請求権を有していると認められる。

(2)勧告の要旨

 市長は、本件連合町会に対して、2か月以内に、本件奨励金相当額について、期限を定めて返還を請求するなど、必要な措置を講じること。

住民監査請求結果

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