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疾患別情報(定期の予防接種)

2024年4月1日

ページ番号:84593

 次の疾患をクリックすると、疾患別の病気の特徴、ワクチン、副反応の説明がみられます。

■ ヒブ
■ 小児用肺炎球菌
■ B型肝炎
■ ロタウイルス
■ ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ(5種混合・4種混合・3種混合・2種混合・ポリオ)
■ 結核(BCG)
■ 麻しん・風しん(MR)                                                                                                                      ■ 水痘(みずぼうそう)
■ 日本脳炎
■ 子宮頸がん(HPV)                                                                                                                               ■ インフルエンザ                                                                                                                                                    ■ 高齢者用肺炎球菌
■ 新型コロナ

ヒブ(インフルエンザ菌b型)

【どんな病気?】

 ヒブは咳やくしゃみ、会話などで発生する飛沫を吸い込んで感染します(飛沫感染)。菌は鼻や喉で増えますが、そのほとんどは症状を起こしません。しかし、血液の中に入り込むと、細菌性髄膜炎(脳や脊髄を覆っている髄膜に感染する)や心膜炎、肺炎、敗血症などを起こします。

 ヒブによる髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐、けいれん(ひきつけ)などの症状で始まり、重症化しやすく、治療しても予後不良となる場合があります。5歳未満の乳幼児に多く、治療を受けても約5%が亡くなり、約25%にてんかん・難聴・発育障がいなどの後遺症が残るといわれています。

【どんなワクチン?】

 インフルエンザ菌b型から精製した莢膜多糖体とトキソイドを結合した不活化ワクチンです。子どもの重症例はインフルエンザ菌b型莢膜をもつ菌が多いため、ワクチンにはこのb型莢膜が使われています。
 ワクチン接種により、髄膜炎などの重篤なヒブの感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 接種部位の発赤、腫れ、しこり、発熱、不機嫌になる、などがみられますが、いずれも軽く、数日中には回復します。極めてまれに、ショック、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギー反応)、血小板減少性紫斑病、けいれん(ひきつけ)などがあります。


小児用肺炎球菌(PCV15)

【どんな病気?】

 子どもの多くが肺炎球菌を鼻の奥にもっていて、咳やくしゃみなどの飛沫によってまわりに感染させます(飛沫感染)。免疫力の低下などにより、菌が体内に侵入すると症状が出ます。重症の場合、髄膜炎、敗血症、肺炎、中耳炎を起こします。肺炎球菌による感染症は5歳未満の乳幼児に多く、特に2歳未満の乳幼児がかかると死亡や、後遺症のリスクが高いと言われています。髄膜炎にかかると2%の子どもが亡くなり、10%に発達や運動障がい、難聴などの後遺症が残ると言われています。

【どんなワクチン?】

 細菌性髄膜炎など、子どもに重い病気を起こしやすい15種類の血清型を含む不活化ワクチンです。

 ワクチン接種により、肺炎球菌(ワクチンに含まれる種類のもの)が血液や髄液から検出されるような重篤な肺炎球菌感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 接種部位の発赤、腫れ、しこり、発熱などがみられることがありますが、1~3日で自然に回復します。極めてまれに、ショック、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギー反応)、けいれん(ひきつけ)などがあります。

B型肝炎

【どんな病気?】

 B型肝炎ウイルスに感染しておこる肝臓の病気です。ウイルスに汚染された血液や体液などを介して感染します。感染した時期や健康状態によって、一時的な感染で終わるもの(一過性感染)とほぼ生涯にわたり感染した状態が続くもの(持続感染)とに分かれます。持続感染の多くは出生時又は乳幼児期の感染であることが知られており、そのうち1015%は感染から年月を経て慢性肝炎となり、その後、肝硬変・肝細胞がんを発症することがあります。

【どんなワクチン?】

 B型肝炎ワクチンは世界の180か国以上で使用されている不活化ワクチンです。40歳までのワクチン接種で抗体獲得率は95%と報告されており、抗体を獲得した場合、肝炎発症の予防効果は30年以上続くといわれています。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 倦怠感や頭痛及び接種部位の発赤、腫れ、しこりが約10%にみられます。極めてまれに、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギ-反応)、急性散在性脳脊髄炎などがあります。

ロタウイルス

【どんな病気】

 ロタウイルス胃腸炎は乳幼児期にかかりやすい急性胃腸炎です。感染力が非常に強く、手洗いや消毒などをしっかりしても感染予防することが難しいため、5歳までにほとんどすべての子どもが感染します。ロタウイルス胃腸炎の多くは突然のおう吐、発熱に続き水様性下痢を認めます。ロタウイルス自体に効く薬はありませんが、ほとんどの場合は1週間ほどで自然に回復します。重症化すると脱水症状や、けいれん、腎不全、脳炎などをまれに合併することがあります。初めての感染は特に重症化しやすいので、できるだけ早くワクチン接種を完了し、重症化を予防しましょう。

【どんなワクチン?】

 ヒトロタウイルスを弱毒化した経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン(ロタリックス)と5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン(ロタテック)があります。どちらか1種類を接種してください。2種類とも予防効果や安全性に差はありません。
 接種前に授乳に関する制限はありませんが、接種後の吐き出しを避けるために接種前(30分以内)は授乳を控えることをおすすめします。

 ロタウイルスワクチンは、重症複合免疫不全症(SCID)の方への接種ができません。SCIDは生まれつきの免疫の異常により、病原体から体を守ることができず、感染症にかかりやすくなるまれな病気です。お子さんに、慢性の下痢、繰り返す重症感染症(肺炎など)、体重増加不良などの症状がみられる場合は注意が必要です。SCIDの検査は令和2年7月から産科医療機関で任意検査(有料)が始まっています。この検査を受けられた保護者の方は、検査結果を予防接種医にお渡しください。また、検査を希望される場合は予防接種医にご相談ください。

 ※ロタウイルスワクチン接種にあたり、SCIDの検査は必須ではありません。

 接種後、吐き出してしまっても、わずかでも飲み込んでいれば、再接種の必要はありません。

 接種を受けてから1~2週間は腸重積症のリスクが通常より高まるという研究報告があります。「突然激しく泣く」「機嫌がよかったり不機嫌になったりを繰り返す」「嘔吐する」「血便が出る」「ぐったりして顔色が悪い」などの症状がひとつでもみられる場合やいつもと様子が違う場合は速やかに医療機関を受診してください。

 ワクチン接種後1週間ほどは便中にウイルスが含まれることがあります。おむつ交換後は流水と石けんでていねいに手洗いをしてください。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 下痢、嘔吐、ぐずり、咳・鼻水、発熱などが出る場合がありますが、通常は数日でおさまります。高熱やけいれんなどの異常や、腸重積症の症状がある場合は受診してください。

 【腸重積症】
 腸が腸に入り込み閉塞状態になることです。0歳児の場合、ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、生後3~4か月から月齢が上がるにつれて多くなります。この時期と重ならないようにするためにも、このワクチンは早く接種を完了してください。腸重積症は手術が必要になることもありますが、発症後、早く治療すれば、ほとんどの場合は手術をせずに治療できます。

ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ(5種混合DPT-IPV-Hib/4種混合DPT-IPV/3種混合DPT/2種混合DT/ポリオ)

【どんな病気?】

◆ジフテリア

 ジフテリア菌が含まれた咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込み、咽頭、鼻に感染します(飛沫感染)。症状は高熱、喉の痛み、犬が吠えるような咳、嘔吐などです。発症2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障がいや神経麻痺をおこすことがあります。

 かつては年間8万人以上のジフテリア患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていました。わが国では昭和56年にジフテリア・百日せき・破傷風(DPT)ワクチンが導入され、平成11年を最後に患者の発生はありません。しかし、海外では、近年でも感染者が多く発生しているところがあり、死亡例も認められています。

◆百日せき

 百日せき菌を含む咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことで感染します。感染してから症状が出るまでの期間は7~10日です。百日せきは風邪のような症状ではじまり、咳がひどくなり、顔をまっ赤にして連続的に咳込むようになります。咳の後、急に息を吸い込むので笛を吹くような音がでることがあります。乳幼児は咳で呼吸ができず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)、けいれん(ひきつけ)を起こすこともあります。

 合併症としては肺炎や脳症があり、新生児や乳児がかかると重症となり、特に生後6か月未満で発症すると亡くなってしまうこともあります。

◆破傷風

 破傷風は人から人に感染するのではなく、土の中にいる菌が傷口から入ることで感染します。菌の侵入部位が特定できないほどの軽い傷でも感染することがあります。感染すると菌の出す毒素で口が開かなくなったり、けいれん(ひきつけ)を起こしたり、呼吸筋が麻痺して呼吸ができなくなったりすることがあります。

 日本中のどこにでも破傷風菌はいますので感染する機会はあり、毎年100人以上の患者が発生しています。

◆ポリオ

 ポリオウイルスは人から人へ感染します。便中に排泄されたウイルスが間接的に他の人の口から入り、咽頭又は腸から吸収されて感染します。感染者の9095%は病気としての症状が出ずに終生免疫(免疫が身体の中に一生涯にわたって記憶され、その病気にかからないですむこと)を獲得します。感染者の5%は軽い発熱、頭痛、嘔吐があらわれ、12%には髄膜炎がみられます。ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染すると筋肉に麻痺をおこし、運動機能に後遺症を残したり呼吸困難で死亡したりすることもあります。

 わが国では昭和35年にポリオ患者の数が5,000人を超え、かつてない大流行となりましたが、予防接種により流行がおさまり昭和55年から国内でのポリオウイルス自然感染例は報告されていません。しかし、海外では近年でもポリオ患者の発生があります。

◆ヒブ

 ヒブは咳やくしゃみ、会話などで発生する飛沫を吸い込んで感染します(飛沫感染)。菌は鼻や喉で増えますが、そのほとんどは症状を起こしません。しかし、血液の中に入り込むと、細菌性髄膜炎(脳や脊髄を覆っている髄膜に感染する)や心膜炎、肺炎、敗血症などを起こします。

 ヒブによる髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐、けいれん(ひきつけ)などの症状で始まり、重症化しやすく、治療しても予後不良となる場合があります。5歳未満の乳幼児に多く、治療を受けても約5%が亡くなり、約25%にてんかん・難聴・発育障がいなどの後遺症が残るといわれています。


【どんなワクチン?】

【5種混合(DPT-IPV-Hib)・4種混合(DPT‐IPV)・3種混合(DPT)・2種混合(DT)ワクチン】 

 不活化ワクチンとトキソイドの混合ワクチンです。国内の臨床試験では、初回3回の接種を受けた人はほぼ100%の抗体獲得が認められています。

【ポリオ(単独)ワクチン】
 3種類の血清型(1型・2型・3型)を型別に増殖させたポリオウイルスを不活化し(=殺し)、免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性をなくして作ったものです。このワクチン接種によってポリオ(急性灰白髄炎)による麻痺などを予防します。製造工程に外国産のウシの血液成分(血清)を使用していますが、本剤接種による伝達性海綿状脳症(TSE)伝播のリスクは理論的に極めて低いと考えられています。(海外でも過去にヒトに伝播した報告例はありません)。


接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

【5種混合(DPT-IPV-Hib)、4種混合(DPT-IPV)、3種混合(DPT)、2種混合(DT)ワクチン】

接種部位に、発赤、腫れ、しこり、全身的な副反応として発熱、下痢、鼻水、咳、発しん、食欲減退、咽頭発赤、嘔吐などがあります。

極めてまれに、ショック、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギー反応)、血小板減少性紫斑病、脳症、けいれん(ひきつけ)などがあります。

【ポリオ(単独)ワクチン】
 不活化ワクチンは、ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません。国内臨床試験でみられた1週間以内の副反応は、注射部位の症状(赤み・腫脹・痛みなど)、熱(37.5℃以上)などで多くは2から3日で消失します。 

結核(BCG)

 BCG接種については、令和3年10月1日より委託医療機関において個別接種を行っています。

 委託医療機関についてはこちらからご覧ください。

 各区保健福祉センターでの集団接種は令和5年3月をもって終了し、令和5年4月からは委託医療機関での個別接種へ完全移行します。

【どんな病気?】

 たんの中に結核菌をもつ患者が、咳・くしゃみをした時に、菌が空気中に飛び散り、これを吸い込むことによって感染します(空気感染)。結核菌が身体の中に入ってもほとんどの人は無症状です。過労や病気などで抵抗力が弱ってくると発病することがあります。乳幼児が大量の菌を一度に吸い込むと、肺だけでなく全身性の結核にかかったり、重い後遺症を残したりすることがあります。

 結核の患者数は以前よりも大幅に減少したものの、現在でも患者の発生はあり、決して過去の病気ではありません。

【どんなワクチン?】

 BCGは牛型結核菌の毒性を弱めてつくられた生ワクチンです。

 BCGワクチンをスポイトで腕におとし、スタンプ方式で2か所に押しつけるように接種します。

 接種により、結核の発症を5274%、重篤な髄膜炎や全身性の結核の発症を6478%予防し、一度接種すればその効果は1015年程度続くと考えられています。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 BCG接種後2週間頃に針のあとが赤く膨らみ、接種後4~6週間頃に最も赤くなります。膿を持ったり、浸出液がでる(ジクジクする)ことがありますが、針のあとをこすったり、絆創膏を貼ったりせずに清潔に保ってください。接種後2~3か月で針のあとがかさぶたになり、かさぶたがとれた後は痕が残ります。針のあとの赤みは少しずつ薄くなり、接種後1年くらいで目立たなくなります。

 副反応としては、1%以下の割合で、接種後4~6週間目に接種した側のわきのリンパ節が腫れることがあります。通常は自然になおるのでそのまま様子をみてかまいません。3㎝以上の大きさに腫れたり、化膿して自然にやぶれて膿が出たりした時は、接種を受けた医療機関もしくは集団接種の場合は保健福祉センターへ相談してください。極めてまれにアナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギー反応)、BCG感染症(髄膜炎、骨炎など)などがみられます。

≪コッホ現象≫
 
BCG接種後、通常よりも早い時期(10日以内、多くは2から3日後)に、接種した場所が赤くはっきり腫れたり、針のあとが膿をもつことがあります。ふつう、2から4週間で腫れなどはおさまり、自然になおりますが、これをコッホ現象といいます。この現象は、既に結核に感染している児がBCG接種を受けた場合にみられる反応です。一般に0.04%程度の乳児が感染を受けている可能性(結核既感染率)があるといわれています。
 コッホ現象と思われる反応がみられた場合には、結核感染の確認のために必要な検査等を行いますので、必ず、速やかに接種を行った委託医療機関もしくは集団接種の場合は保健福祉センターへ連絡してください。

麻しん・風しん(MR)

【どんな病気?】

◆麻しん(はしか)

 麻しんウイルスの空気感染(ウイルスが空気中に広がり、人に感染すること)、飛沫感染(咳やくしゃみなどにより感染すること)、接触感染によっておこる病気です。感染してから症状が出るまでの期間は10~12日で、感染力が強く、免疫のない人が感染するとほぼ100%かかる病気です。発熱、咳、鼻水、めやに、発しんを主な症状とします。最初3~4日間は38℃前後の熱が出ますが一時的に下がり、再び39~40℃の高熱と発しんが出ます。高熱は3~4日で解熱し、次第に発しんも消失します。発熱する1日前から解熱後3日までは他の人に感染させると言われています。

 主な合併症としては、気管支炎、中耳炎、肺炎、脳炎があり、脳炎は1,000人に1~2人で、慢性に経過する脳炎(亜急性硬化性全脳炎:SSPE)は10万人に1~2人発生します。麻しん(はしか)にかかった人は1,000人に1人の割合で死亡します。

◆風しん

 風しんウイルスの飛沫感染によっておこる病気です。感染してから症状が出るまでの期間は2~3週間です。軽い風邪症状で始まり、発しん、発熱、首や耳の下のリンパ節腫脹、目の充血などを主な症状とします。発しんや発熱は約3日間で治るので「三日ばしか」とも呼ばれています。

 合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。年長児や大人になってからかかると一般的に重症になりやすく、3日では治らないことが多くあります。

 妊娠20週頃までの妊婦がかかると、先天性風しん症候群(先天性心疾患、白内障、難聴など)の子どもが生まれる可能性が高くなります。そのため、女性は妊娠前に予防接種を受けておくことが大切です。また、男性も風しんにかかって周囲の妊婦に感染させないために、風しんの既往の確認や予防接種について考慮する必要があります。

【どんなワクチン?】

 麻しん(はしか)ウイルス及び風しんウイルスを弱毒化してつくった生ワクチンです。ワクチンを接種するとおよそ95%の人が抗体を獲得します。

 輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた人は、3か月以上過ぎてからMRワクチンを接種してください。血液又はガンマグロブリンに含まれる麻しんに対する抗体により、ワクチンの効果が弱くなる可能性があるためです。また、川崎病などの治療でガンマグロブリン製剤の大量療法(200mg/kg 以上)を受けた人も同様の考え方で6か月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11か月以上)接種を延期してください。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 主な副反応は発熱と発しんです。1回目の接種後2週間以内にみられますが、1~3日で治ります。2回目の接種では発熱や発しんの頻度は極めて低くなります。まれに脳炎や脳症が100万~150万人に1人以下の頻度で起こることがあります。

水痘(みずぼうそう)

【どんな病気?】

 水痘帯状疱疹ウイルスの空気感染(ウイルスが空気中に広がり、人に感染すること)、飛沫感染(咳やくしゃみなどにより感染すること)、接触感染によっておこる、感染力が強い病気です。感染してから症状がでるまでの期間は約2週間です。主な症状は発しん、発熱、発しんは顔や胸、腹部、頭部に現れ、紅斑 (皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる)を経て痂皮化 (かさぶたになること)して治癒します。一般に水疱の数は症状が出てから数日内に250500個以上に達します。発熱は通常38℃前後で23日続きます。40℃を超えることもあり、その際に熱性けいれん(ひきつけ)を合併することがあります。主な合併症としては、肺炎、気管支炎、肝炎、皮膚の細菌感染症、心膜炎、小脳炎、髄膜脳炎、血小板減少性紫斑病があります。

 ワクチンを受けなければ10歳までに約80%の子どもがかかると言われてきました。以前は毎年約100万人程度が発症し、約4,000人が入院、20人弱が死亡していると推定されていましたが、ワクチンの接種率が上がり、患者数が減少しています。

【どんなワクチン?】

 弱毒化された水痘帯状疱疹ウイルスを凍結乾燥させた生ワクチンです。接種した人の90%以上が抗体を獲得するといわれています。副反応が極めて少ないワクチンです。                                                                                                           ※接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 主な副反応は接種部位の発赤や腫れ、発熱、発しんです。まれに接種直後から翌日にかけて過敏反応(発しん、じんましん、紅斑、痒み、発熱など)がありますが、通常は数日中に消失します。極めてまれに、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギー反応)、血小板減少性紫斑病などがあります。

日本脳炎

 平成17年5月から日本脳炎予防接種の積極的な勧奨を差し控えていましたが、平成22年8月27日より接種機会を逃した方に対する接種機会の確保が図られることとなりました。

 詳しくは、日本脳炎の予防接種のお知らせをご覧ください。

【どんな病気?】

 日本脳炎ウイルスの感染でおこります。人から人に直接感染するのではなく、ブタなどの体内でウイルスが増えた後、そのブタを刺した蚊が人を刺すことによって感染します。感染してから症状がでるまでの期間は616日です。感染者のほとんどが無症状ですが、1001,000人に1人が脳炎症状を発症すると言われています。高熱、頭痛、嘔吐、意識障がい、けいれん(ひきつけ)などの症状を示す急性脳炎を起こすと2040%は亡くなると言われています。

 予防接種の普及などで患者数は減少し、近年では西日本を中心に毎年10人前後の発生となっていますが、日本脳炎ウイルスは広い地域で確認されています。最近では高齢者の患者が多くなっていますが、小児での発症報告もあります。

【どんなワクチン?】

 乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、日本脳炎ウイルスを精製した不活化ワクチンです。ワクチンの発症予防効果は約80%と推定されており、接種回数が多くなるほど抗体の割合は高くなります。12回の接種では不十分で、3回以上接種しておくことが重要です。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 主な副反応は接種部位の発赤や腫れ、発熱、発しんなどで、これらのほとんどは接種3日後までにみられます。

 ごくまれに、ショック、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難などの重いアレルギー反応)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎、けいれん(ひきつけ)、急性血小板減少性紫斑病などの重大な副反応の発生がみられることがあります。

 詳しくは、厚生労働省(日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A)別ウィンドウで開くをご覧ください。

子宮頸がん(HPV)

【どんな病気?】

 子宮の入り口にできる子宮頸がんは2030代で近年増加しています。

 子宮頸がんは進行すると不正出血や下腹部痛などの症状が現れますが、初期の場合はほとんど自覚症状がないため、早期発見と予防が重要な病気です。子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で引き起こされています。粘膜の接触による性交渉から感染すると考えられており、女性の多くが一生に一度は感染するといわれる、ごくありふれたウイルスです。

 子宮頸がん予防ワクチン(2価・4価)は、子宮頸がんを起こしやすいヒトパピローマウイルス16型と18型の感染を防ぐことができ、これにより子宮頸がんの原因の5070%を防ぎます。また、9価ワクチンは16型と18型に加え、ほか5種類のヒトパピローマウイルスの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の8090%を防ぎます。このワクチンを接種しただけでは完全に子宮頸がんを予防できるわけではないため、併用して定期的にがん検診を受けることが必要です。


【どんなワクチン?】

 子宮頸がんから最も多く検出されるHPV16型・18型に対する抗原を含む不活化ワクチンです。2価(サーバリックス)、4価(ガーダシル)と9価(シルガード9)の3種類のワクチンがあります。4価ワクチン(ガーダシル)はHPV16型・18型の2種類以外に尖圭コンジローマの主な原因となるHPV6型・11型に、9価(シルガード9)は加えてHPV31型、33型、45型、52型、58型に対する抗原を含みます。このワクチンは性交渉前の女性に接種することでHPV感染を防ぐものです。すでに感染したウイルスを排除したり、がん細胞を治したりする効果はありません。なお、このワクチンにはウイルスの遺伝子が含まれていないので、接種したことによって感染することはありません。

接種対象年齢・回数・間隔等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 接種部位の痛み、発赤、腫れなどが高い頻度で現れますが、一過性のもので数日中には回復します。他に発熱や疲労、筋肉痛、関節痛、頭痛、胃腸症状などが現れることがあります。

 接種後に血管迷走神経反射による失神が現れることがあるので、接種後30分は座って医療機関内で様子をみてください。重い副反応としてはまれに、アナフィラキシー(血管性浮腫・じんましん・呼吸困難など)、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)などが現れることがあります。

インフルエンザ

【どんな病気?】

 インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。感染した人の咳やくしゃみにより空気中に広がったウイルスを吸い込む、もしくは手に付着したウイルスが鼻や口の粘膜を通して体内に入り感染します。インフルエンザの症状は38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れ、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。普通の風邪に比べて全身症状が強く、気管支炎や肺炎を伴う等、重症になることがあります。

【どんなワクチン?】

 インフルエンザワクチンは毎年、流行予測により選定される、A型株2種類、B型株2種類の型4種類のウイルス株で構成された4価ワクチンです。重症化や合併症の発病を予防する効果は証明されており、高齢者については、接種しなかった場合に比べて死亡の危険を1/5に、入院の危険を1/3~1/2に減少させることが期待できます。ワクチンの予防効果が現れるのは、接種後2週間から5か月程度と考えられています。                                                                                                                                                       ※接種対象年齢・回数等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 主な副反応は接種部位の発赤、腫れ、痛みが接種者の10~20%に起こり、全身反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが接種者の5~10%に起こりますが、いずれも通常2~3日でなくなります。
 また、稀にみられる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難等の重いアレルギー反応のこと)が見られることがあります。
 その他、重い副反応としてギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、紫斑などが報告されています。

高齢者用肺炎球菌(PPSV 23)

 接種費用や予防接種の受け方等については、高齢者用肺炎球菌ワクチン接種のお知らせをご覧ください。

【どんな病気?】

 肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気で、この菌は主に気道の分泌物に含まれ、唾液等を通じて飛沫感染します。
 肺炎は日本人の死因の第3位で、肺炎によって亡くなる方の95%が65歳以上の高齢者です。特に心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障がい、糖尿病の方等は、肺炎にかかりやすく重症化しやすい傾向があります。

【どんなワクチン?】

 肺炎球菌感染症で高頻度に認められる23種類の莢膜型の肺炎球菌を培養し、殺菌して精製した不活化ワクチンです。肺炎球菌莢膜型の約80%に対応することができ、肺炎の予防や、かかっても軽い症状ですむ効果が期待できます。 
接種対象年齢・回数等についてはこちらをご覧ください。

【副反応は?】

 主な副反応は接種後に接種部位の発赤、腫れ、痛みが接種者の5%以上に起こり、全身反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが接種者の1~5%未満に起こりますが、いずれも通常2~3日でなくなります。
 その他、まれにアナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難等の重いアレルギー反応のこと)や血小板減少症、ギラン・バレー症候群、蜂巣炎様反応等が見られることがあります。

新型コロナ

 対象者や接種回数等は、新型コロナワクチン接種についてをご覧ください。

【どんな病気?】

 人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。
 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)については、まだ未知の部分が多くありますが、発熱やのどの痛み、咳が長引くことが多く、強いだるさが特徴で、重症化すると肺炎を起こすと考えられています。また、特に高齢者や基礎疾患のある方等は重症化しやすい可能性が考えられています。

【どんなワクチン?】

 mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを使用します。このワクチンは、ウイルスのタンパク質をつくるもとになる遺伝情報の一部を注射します。人の身体の中で、この情報をもとに、ウイルスのタンパク質の一部が作られ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。
 流行株に合わせたワクチンの接種を行います。現在、令和6年4月以降に使用するワクチンは未定であり、最新のWHOの推奨株を用いる予定です。

【副反応は?】

 令和5年度に使用したワクチンの主な副反応として、注射した部分の痛み、頭痛、疲労、発熱等があります。いずれの症状も大部分は接種の翌日をピークに発現し、数日以内に回復しています。
 また、頻度は不明ですが、重大な副反応としてショック、アナフィラキシー、心筋炎、心膜炎が知られています。

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