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大阪市における児童虐待対策の強化に向けて(提言)

2011年11月1日

ページ番号:144800

 大阪市では、児童虐待による痛ましい事件が後を絶たない中、大阪市次世代育成支援対策推進会議のもとに児童虐待対策専門部会を設置し、平成22年11月から平成23年9月にかけて8回にわたり、児童虐待対策の充実について検討を行っていただきました。

 同専門部会では、包括的な観点から既存の施策をあらためて見直し、現状と課題について検証しながら、それぞれの施策が役割を発揮し、有効に機能することで対応力の一層の強化を図ることができるよう、今後の施策の方向について取りまとめていただきました。

 このたび、大阪市次世代育成支援対策推進会議から「大阪市における児童虐待対策の強化に向けて(提言)」を受けましたので、公表します。

「大阪市における児童虐待対策の強化に向けて(提言)」 概要

提言にあたって

 児童虐待はこどもの人権侵害であり、こどもや青少年の心身を深く傷つけ、さらに、虐待を受けた経験は、その後の心身の発達や人格の形成にも重大な影響を与え、最悪の場合は生命をも奪う深刻な問題である。

 児童虐待による被害が後を絶たない中で、平成22年7月に、大阪市西区において母親に遺棄された幼児2人の遺体が発見されるという痛ましい事件が発生した。

 このような事件が二度と起きることがないよう、大阪市における児童虐待対策を一層強化していくためには、子育て支援や青少年育成なども含め、包括的な観点から様々な施策をあらためて点検し、児童虐待の発生予防から早期発見・早期対応、被虐待児童やその家庭への支援、再発防止まで、切れ目のない総合的な支援体制を整備し、セーフティネットを確かなものとしていく必要がある。

 そのため、大阪市次世代育成支援対策推進会議のもとに設置した「児童虐待対策専門部会」において、平成22年11月から検討を重ねてきた。しかしながら、その間にも、児童虐待による痛ましい死亡事件が発生した。事件に関する詳細な検証は別途行われるが、本専門部会では現時点で明らかな課題を含めて検討を行い、その結果を提言として取りまとめた。大阪市における児童虐待対策の今後一層の強化に資するものとなるよう期待する。

 

施策の方向

 既存の施策をあらためて見直し、検証しながら、それぞれが役割を発揮し、有効に機能することで対応力の一層の強化を図ることができるよう、次のとおり、今後の施策の方向を提案する。
《重点項目》
項   目提  案
区子育て支援室と区要保護児童対策地域協議会の機能強化

 児童虐待の発生予防、早期発見・早期対応、支援を要するこどもとその保護者の地域での見守りにおいて、区子育て支援室が、様々な子育て支援サービス等の情報提供を行い、適切な機関につなぐなど総合的な相談支援の中心的な役割を果たすとともに、区要保護児童対策地域協議会の調整機関としての役割を十分果たせるように機能強化を図られたい。

【提案】
・区子育て支援室の職員体制の充実
・区子育て支援室の職員の専門性の向上(職員に対する研修の充実、専門職の配置)
・区子育て支援室と関係部署(保健・生活支援等)の連携強化
・区要保護児童対策地域協議会の活用による地域での見守り体制の構築

こども相談センターの機能強化

 こども相談センターは、専門的な知識や技術を要する相談に対応するとともに、法的権限を行使する専門的機関であり、職員の専門性の向上に努めるとともに、虐待に至った家庭における親子関係の再構築支援の促進に、より積極的に取り組んでいく必要がある。

【提案】
・こども相談センターの職員の専門性の向上
・家族回復支援事業の充実と家庭復帰の促進

地域におけるネットワークの活性化 

 区子育て支援室が中心となり、こどもや子育て支援に関わる様々な社会資源が相互に連携し、協働して支援に取り組むための仕組み(ネットワーク)をつくることが重要である。
 ネットワークに参画するすべての機関が、児童虐待防止に向けた自身の役割とともに他の機関の役割や限界も理解し、それぞれの役割が支援の仕組みの中でどのような位置づけにあり、どのような目的をもつのか絶えず意識しながら活動することが大切である。

【提案】
・区子育て支援室が中心となって、こどもや子育て家庭の支援に関わる地域の社会資源を把握し、情報を共有化
・地域の社会資源が有機的に連携し、児童虐待防止に有効に機能する強固なネットワークづくり

1 児童虐待防止の機運醸成と子育て支援

(1)児童虐待に関する相談や通告がしやすい環境づくり

◎広報・啓発の強化

  • 市民の児童虐待に対する認知度や関心は高まってきているが、児童虐待(が疑われる)場面に遭遇したときの通告先や通告方法などの情報は十分いきわたっていない。

【提案】

  •  児童虐待の発生予防の大切さについて、民間企業・団体等の協力も得ながら多様な広報手段を活用し、様々な機会を捉えて啓発を行うことが大切である。
  •  児童虐待の通告義務や、通告者の秘密は守られることを周知することで、通告に対する市民の意識を高める必要がある。また、通告は、声にならないSOSを発している家庭を適切な支援につなぐ第一歩であることを積極的に周知する必要がある。
  • 子育て中の保護者に対して、通告はこどもや自分の子育てを、社会全体で見守り支えようとする仕組みの一つであるということを積極的に伝えることが重要である。

◎こども自身が相談しやすい環境づくり

  • 虐待を受けているこどもの心情は複雑で、虐待をされていることを隠す(親をかばう)、または虐待と自覚していない場合も少なくない。

【提案】

  • こども自身が児童虐待に対する正しい知識をもち、教職員や相談窓口などに打ち明けたり助けを求めたりできるよう、学校教育活動全体を通じた取組みを進めていく必要がある。
  • 小・中学校・高等学校においては、こどもたちが困ったときや悩んだときはいつでも相談できるよう、安心して相談できる場だというメッセージを伝えながら、相談窓口を周知する取組みを創意工夫し行っていくことが大切である。
  • こどもにとってもインターネットは身近な情報入手の手段となっていることから、インターネットで、こどもに向けて児童虐待に関する相談窓口等の情報を提供することも有効である。

(2 )子育て家庭に対する情報提供と支援

◎子育て支援情報の効果的な提供

  • 住民登録と居住の実態が異なることから行政サービスの情報が届かない、または近隣との交流がなく孤立しているなどの大都市特有の課題を抱えた子育て家庭がある。
  • 育児不安は児童虐待の要因の一つであり、保護者の不安感の軽減は児童虐待の発生予防という観点からも重要である。

【提案】

  • 子育て支援サービスに関する情報提供は、インターネットや携帯サイトなどの活用や、スーパーマーケットなど市民がよく利用する場所での提供など、だれもが情報を得やすい提供の方法を工夫する必要がある。
  • 「子育ていろいろ便利帳」は、必要とする情報をできるだけ簡単に検索できるよう、視覚的にわかりやすい誌面づくりを工夫する。民生委員・児童委員、主任児童委員など地域における支援者に配付に協力してもらうなど、情報を必要とする子育て家庭に必要としているときに渡せるように工夫する必要である。
  • 情報紙などで子育て支援情報を提供する際には、子育てに対して前向きに取り組んでいる保護者の姿を紹介し、子育ての喜びや楽しさを伝えるようなメッセージを積極的に伝えることも大切である。
  • 保育所や学校園などこどもに日常的に関わる機関は、こどもの年齢や各家庭の状況に応じて、保護者に対して適切な時期に適切な情報を提供するよう努める必要がある。

◎子育て支援施策の充実

  • 3歳未満のこどもは虐待を受けるリスクが高く、状況の把握が児童虐待の発生予防や早期発見のポイントとなる。
  •  乳幼児健康診査未受診者については、様々な方法でこどもと保護者の状態を把握するよう努めているが、それでも把握できないケースもあり、地域で孤立し、虐待につながるケースも含まれていると考えられる。

【提案】

  • 乳児家庭全戸訪問事業と3か月児健康診査を通じて、すべての乳児と保護者の心身の健康確認と育児不安などへの対応を行うよう努められたい。一定期間を越えても連絡がつかず、乳児の健康状態が確認できない場合は、区要保護児童対策地域協議会のケースとして登録し、状況の把握を行うべきである。
  • 乳幼児健康診査などほとんどの保護者と接触できる機会に、ひきこもりがちになっている保護者に対しては、子育て支援サービスの利用や交流の場への参加をはたらきかけることが重要である。
  • 保育所や学校園においては、保護者会やPTA活動などを通じての子育てや家庭教育に関する学習機会の提供や子育て支援情報の提供など、子育て家庭を支援する取組みを更に積極的に行っていく必要がある。

◎家庭の状況やニーズに応じた子育て支援

  • 様々な実態調査などを通して、保護者やこども、養育環境など、児童虐待に至るおそれのある要因(リスク要因)が多数報告されている。

【提案】

  • 妊娠・出産から乳幼児期の子育て支援は、医療機関と行政機関(保健分野、子育て支援を担当する部署)が連携し、リスクが高いと判断される家庭に特に配慮しながら、継続的な支援を行う必要がある。さらに、必要に応じて、生活支援を担当する部署とも連携し、家庭の状況に応じた適切なサービスにつないでいく必要がある。
  • 発育・発達等の問題に関わって医師や保健師などによる相談や指導を行う際に、こどもの障害への対応だけでなく、不安を抱える保護者のケアについても丁寧に対応することが必要である。
  • 保育所や学校園、または生活保護やひとり親家庭支援を担っている部署などは、児童虐待のリスク要因は家庭環境の変化に応じて生じる可能性があることに留意しつつ、必要に応じて区子育て支援室と連携し、こどもや保護者の支援を行う必要がある。

 

2 児童虐待の発生を予防し、早期に発見、対応する体制づくり

(1) 関係機関の機能強化と役割分担・連携の推進

◎区子育て支援室の機能強化 

  •  区子育て支援室は、こどもに関するあらゆる相談に応じ、様々な子育て支援サービス・資源の情報提供を行うなど総合的な相談支援を担っている。また、児童虐待の相談・通告窓口、区要保護児童対策地域協議会の調整機関としての役割も担っている。

【提案】

  • 区子育て支援室の職員の専門性の向上と体制の充実を図っていく必要がある。
  • 区子育て支援室の職員に対して実施している基礎的かつ実践的な研修を、内容を更に充実し継続して行うことで、調整機関としてのコーディネート力を培っていくことが重要である。
  • 区子育て支援室は、保健を担当する部署との一層の連携を図り、妊娠・出産から子育てまで切れ目のない、きめ細かな支援を更に充実していく必要がある。

◎こども相談センターと区子育て支援室の役割の明確化と連携強化  

  • こども相談センターでは、児童虐待の相談・通告への対応とともに、困難ケースや被虐待児童の保護や家族再統合に向けた支援に関する業務も増加しており、職員には質・量とも過重な負担がかかっている。
  • こども相談センターに児童福祉司等を増員するなど体制強化を図ってきたが、経験年数の短い職員が増加したことにより職員の専門性の向上が急務となっている。

【提案】

  • こども相談センターと区子育て支援室の役割分担を進め、それぞれの機能を十分活かせるような機能的な仕組みをつくっていく必要がある。また、区子育て支援室は、区で提供できるサービスや地域の社会資源を活用し、児童虐待の発生予防・早期発見に取り組むとともに、在宅で支援が可能なケースについては継続的な支援を行う必要がある。
  • こども相談センターの職員が、児童家庭相談における専門機関として、緊急かつ高度な対応や、区子育て支援室の後方支援を適切に行えるよう、外部研修の活用などにより一層の専門性の向上を図っていく必要がある。

◎こどもや保護者に関わる関係機関の取組みの強化

  • 子育て支援施設、保育所や学校園には、同じ年代のこどもが集まり、職員等が日常的にこどもの状態を把握し、保護者と接触できる機会も多いことから、児童虐待の早期発見・早期対応にあたって重要な役割を担っている。
  • 医療機関には、虐待の発生予防や早期発見に関して重要な役割を果たすことが期待されている。今後一層、こども相談センターや区子育て支援室と医療機関との密接な連携が必要である。

【提案】

  • 子育て支援施設職員や保育士、教職員は、保護者やこどものサインを敏感に察知し、状況に応じた支援ができるよう、職員研修の機会などを活用して支援者としてのスキル向上を一層図る必要がある。
  • こどもをめぐる問題について保育所や学校園だけでは対応が難しい場合には、区要保護児童対策地域協議会の個別ケース会議で支援を検討するなど、積極的に地域の協力を得るようにする必要がある。
  • 医療機関においては、児童虐待対応にかかるシステム構築や児童虐待への対応マニュアルの作成が望まれる。そのためにも、医療機関に対して虐待の発見・通告を促すようはたらきかけるとともに、一層連携を深めていくことが必要である。

(2)地域における支援者の活動の推進

◎民生委員・児童委員の役割が発揮しやすい連携づくり

  • 民生委員・児童委員、主任児童委員は、地域におけるこどもや子育て家庭の支援に大きな役割を果たしているが、乳幼児の保護者には、その役割や活動内容などがあまり知られていない。
  • 児童虐待の相談・通告時に、区子育て支援室から民生委員・児童委員、主任児童委員に対して調査などの依頼を行う場合、個人情報の取扱いの判断が難しく、的確なタイミングで適切な情報提供ができていない場合がある。
  • 要保護児童の見守りや支援を行うにあたっては、保育所や学校園と民生委員・児童委員、主任児童委員との連携が重要で、お互いの機能と役割を理解したうえで、普段から信頼関係を築くことが必要不可欠である。

【提案】

  • 支援を求める保護者が民生委員・児童委員、主任児童委員に相談しやすい環境づくりを進める必要がある。
  • 児童虐待の相談・通告時に、民生委員・児童委員、主任児童委員に対して、区子育て支援室の担当者が個人情報を提供して調査などの依頼を行う場合の具体的な方針の明確化を図る必要がある。
  • 保育所や学校園は、民生委員・児童委員、主任児童委員との日常的な連携を強化し、信頼関係を構築するとともに、地域におけるこどもや子育て家庭を取り巻く現状を共通理解できる場をもつことも検討されたい。
◎児童虐待予防地域協力員の活動の活性化
  • 個人でボランティアとして登録している児童虐待予防地域協力員(以下「協力員」という)は、継続的に参加できる活動などが設定されていないため、モチベーションを持続するのが難しい状況になっている。

【提案】

  • 協力員自らが地域ニーズに即した活動のあり方について考え、主体的に取り組めるよう、ワークショップ手法を取り入れた研修機会を設定するなどきめ細かな支援に努められたい。
  • 協力員のあり方や、活動への支援におけるこども相談センターと区子育て支援室との機能的な役割分担について検討する必要がある。

(3)地域におけるネットワークの強化

◎区要保護児童対策地域協議会の機能強化

  •  区要保護児童対策地域協議会が活発に活動している区の事例を共有するなど、その機能を高める取組みを積極的に行っていく。また、参加する関係機関の対応力や専門性を強化するための取組みを実施していく必要がある。
  • 区要保護児童対策地域協議会の円滑な運営と関係機関のアセスメントなどに関する専門性の向上が求められている。

【提案】

  • 区要保護児童対策地域協議会が活発に活動している区の事例を共有するなど、その機能を高める取組みを積極的に行っていく。また、参加する関係機関の対応力や専門性を強化するための取組みを実施していく必要がある。
  • 区要保護児童対策地域協議会の個別ケース会議の開催にあたっては、多角的な視点から支援計画について検討できるよう、当該ケースに関わる可能性のある様々な部署や関係機関の参画を求める必要がある。

◎地域におけるネットワークの活性化

  • こどもや子育て家庭の支援には多くの機関や人が関わっているが、区内の社会資源を一元的に把握し、機関同士の連携を促進させるなどの役割を担うコーディネーターの存在が重要である。

【提案】

  • 区子育て支援室が中心となって、こどもや子育て家庭の支援に関わる地域の社会資源の情報を集約し、それぞれの機能や役割分担、連携の状況を一元的に把握することが大切である。そのうえで、地域の社会資源をつなぎ、相互の連携や協働を一層推進させ、地域団体間のネットワークの活性化を図ることが望まれる。
  • こどもの見守りや子育て家庭の支援などにおいて、ネットワークとしてうまく機能している事例について共有化するとともに、区の状況に応じて区単位よりも更に身近な地域でのネットワークづくりが進むよう、区子育て支援室が支援していくことが望まれる。
  • こどもや子育て家庭が支援の隙間に陥らないよう、ネットワークに参画するすべての機関が、児童虐待の発生予防、早期発見・早期対応、保護・自立支援などの各段階において、それぞれ果たすべき役割や、他の機関との連携内容が一目でわかるよう整理を行い、可視化したうえで周知と共有化を図る必要がある。

 

3 虐待に至った家庭の家族機能の回復と虐待を受けたこどもの自立支援

(1) 家族支援の充実

◎虐待に至った保護者の地域における支援

  • こどもが児童養護施設等を退所した際は、区子育て支援室が中心となり地域での見守りを行うこととなっているが、区によっては、これまで対応した経験が少なく、必要なノウハウが蓄積されていない場合がある。

【提案】

  • 虐待に至った保護者の支援にあたっては、区要保護児童対策地域協議会の場で、ケースの状況に応じて最も適切な見守り支援の中心的な役割を担う機関等を決定したうえで支援計画を作成する必要がある。さらに、ケースの進行状況については、定期的に確認することを徹底する必要がある。

◎親子関係の再構築支援の充実

  • こども相談センターでは、家族回復支援に関するスーパーバイズ体制が不十分であること、児童福祉司等が多数の新規ケースを抱えているため施設入所中のケースに丁寧に関われていないことから、こどもや保護者への適切なはたらきかけができていない。

【提案】

  • 施設等に入所しているこどもとその保護者の状況を定期的かつ的確に把握し、可能なケースについては積極的に家庭復帰を進めていく必要がある。また、親子関係の再構築を進めていくための専任チームをつくるなどこども相談センターの体制を強化する必要がある。
  • 比較的軽微な虐待のケースや、施設や一時保護所からこどもを引き取った保護者について継続的に養育指導ができるよう、身近な相談機関である区子育て支援室の体制と機能を強化する必要がある。

(2) 社会的養護体制の充実

◎家庭的養護の推進

  • 児童虐待相談件数の増加に伴い、保護が必要な被虐待児童数も増加しており、現在では、定員に近い入所数が続く状況となっている。また、児童養護施設等においても、性別や年齢等によっては受入れの余裕が少なく、施設への入所措置にかかる調整が困難なケースも生じてきている。
  • 大阪市では、家庭での養育が困難なこどもにとって最も家庭環境に近い里親委託を推進するため、里親制度の普及と里親の開拓を進めているが、都市特有の住宅事情や単身世帯が多い世帯構成などの背景もあり、登録里親の大幅な増加は難しい状況にある。

【提案】

  • 施設入所による養育が必要なこどもに対し、適切な支援を行うためにも児童養護施設等の入所枠の拡充が早急に必要である。また、入所枠拡充のために地域小規模児童養護施設の整備を、より家庭的な養育環境の整備のために小規模グループケアの整備を促進していくべきである。
  • 里親委託を推進するため、引き続き関係団体・機関と連携し、養育里親及び養子里親の開拓や里親の支援に取り組む必要がある。
  • 里親に次いで家庭的な養育環境である小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)については、国の動向を見ながら、整備促進のための施策について検討していく必要がある。

◎社会的養護のもとで育ったこどもの自立支援  

  • 児童養護施設への被虐待児童の入所が増加傾向にあるが、虐待により心に傷を負ったこどもに対しては、心理的なケアなど専門的ケアを充実させ、心の傷を癒すことが必要である。
  • 社会的養護のもとで育ったこどもが児童養護施設等を退所し、自立するにあたっては、保護者などからの支援を受けられないことも多く、様々な課題を抱える可能性が高い。

【提案】

  • 児童養護施設等において心理療法を必要とするすべてのこどもが適切なケアを受けることができるよう、施設の状況に応じた対応を検討されたい。
  • 児童養護施設等においては、長期的な視点で入所児童の退所後を見据えた支援を行う必要があり、こどもの年齢や適性等に応じて、基礎学力の向上支援に加え、進学、就職など多様な進路について選択できるような学習支援も行っていくことが大切である。
  • ソーシャル・スキル・トレーニングなど、社会的自立を支援する事業や就労を支援するための事業について、退所後の支援も含めて総合的に内容の充実を図っていく必要がある。
 

おわりに

  • 今回の提言は、行政機関だけではなく、保育所や学校園、医療機関、地域団体、児童養護施設など、児童虐待の対応に関わりの深い関係機関に対する提案にも及んでいることから、各関係機関に広く周知し、関係機関の連携を深めていただくために積極的に活用してもらいたい。
  • この提言を実効あるものとするためには、提案をできるだけ早期に具体的な取組みとして実現させることが重要である。また、提言に関連する内容で、関係機関が実施した取組みの状況については、大阪市次世代育成支援対策推進会議において報告するなど、大阪市として責任をもって進捗状況を把握し、検証する機会を積極的に設けるよう求めたい。
  • こどもや子育て家庭に関わる機関はもちろん、一人でも多くの人がこの提言の趣旨をご理解いただき、すべてのこどもが安全で安心な環境の中で育つ社会、こどもを生み、育てることに安心と喜びを感じることのできる社会の実現に向けて取り組んでいただくことを望んでやまない。

「大阪市における児童虐待対策の強化に向けて(提言)」

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大阪市次世代育成支援対策推進会議 児童虐待対策専門部会

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