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訪問リハビリに注目!【広報紙「かぜ」3月号】

2022年3月1日

ページ番号:559904

 高齢化が進む中、医療と介護の連携はますます重要になっています。この医介連携により可能となる在宅療養も、療養生活の選択肢のひとつです。西区役所としても、医介連携そして在宅療養がより円滑に行えるよう支援しています。こういった中、今注目を集めているのが在宅療養時のリハビリ、いわゆる「訪問リハビリ」です。西区内では、現在訪問リハビリを実施している医療機関はまだ少数ですが、今後はニーズに応じて増えていくことが予想されています。

 今回は「訪問リハビリ」に力を入れている、本城整形外科の本城医師にその現状や課題、展望についてお話しを伺いました。

住み慣れた地域・自宅で、継続可能なリハビリを

本城整形外科 医学博士 本城 昌(ほんじょう まさし)医師

リハビリの重要性

 一般的なリハビリのイメージは、事故による骨折や脳梗塞などによる後遺症に対して、身体機能を回復するために行われる訓練、といったところではないでしょうか。しかしリハビリには事故や大きな病気に限らず、誰にでも訪れる加齢による衰えを医学的見地から予防し、その程度を最小限にとどめるという機能もあるのです。私たちの体は動かさないでいると、手足の筋肉が衰える、関節が硬くなる、体力が落ちるといったように、すぐに機能低下が発生します。急速に高齢化が進行する現在、加齢による機能低下を防ぐためのリハビリは、その重要性を高めていくと考えます。

空白のない、継続したリハビリを

 高齢者の方はリハビリの空白期間が2週間を超えると、これまでのリハビリが無駄になるケースも多いのですが、退院からリハビリ開始までに2週間以上期間が空いてしまうことが多く、大きな課題となっています。また、リハビリのための通院の負担も思いのほか大きく、続かない方も多いのが現状です。

 訪問リハビリは、退院からリハビリに至るこの期間のロスを減らし、通所にかかる時間と労力も省くことができます。これまでのリハビリの効果を維持し、かつ今後も続けやすくする、という大きな役割を担っていると考えます。

 他にも、自宅のベッドやトイレ、浴室などを使用するという日常生活に沿った環境の中で利用者のペースでリラックスしてリハビリを受けることができ、また、専門スタッフが関わってくれることで、家族が感じる心理的負担の軽減につながるといったメリットもあります。

 一方、訪問リハビリでは使用する機器が限定されたり、他の利用者との交流がないといったデメリットがありますので、リハビリを受ける際には、通院するのか、訪問を受けるのか、家族をはじめ、かかりつけ医やケアマネジャーと十分に相談していただくことが大切です。

医療と介護の連携を深めて

 このように、区民の皆さんがリハビリを受けたいと思ったとき、通院か訪問かを選択できることが重要ですが、訪問リハビリはまだまだ周知が足らず、一般的な利用にはつながっていません。

 幸い西区では、この間医師会、居宅介護支援事業所などの関係機関、そして区役所や区社協が医介連携を進めてきました。そういった環境下、訪問リハビリを進めていく土壌が形成されているのではと感じています。そのことは、当医院が訪問リハビリに取り組むための大きな後押しともなっています。

 今後、訪問リハビリへのニーズに応えていくためには、こういった連携を維持し、医師や理学療法士などの専門職、ケアマネジャーなど、リハビリを必要とする方と関わるスタッフの連携体制をさらに深めていくことが重要だと痛感しています。

私たちの元気の源は「患者さんの笑顔」

 現在、整形外科では来院される方の治療や訪問リハビリの対応など、日々忙しく大変なことが多いですが、元気の源は「患者さんの笑顔」です。特にリハビリの場合は治療による効果を患者さん自身が感じることも多く、体の機能などが回復してくると自然に表情も明るくなり、笑顔も増えてきます。その様子を拝見することに、大きなやりがいを感じます。

 訪問リハビリのニーズはこれからますます増えると考えていますが、実施している医療機関はまだまだ少ないというのが現状です。

 住みなれた地域・自宅で安心して暮らし、継続可能なリハビリが受けられるよう、訪問リハビリの社会的な重要性と在宅療養を可能とする医療・介護の連携強化をこれからも訴えながら、患者さんの笑顔のために頑張っていきたいと思います。

訪問リハビリテーションって?

 加齢や病気などにより、医療や介護を必要とする方が、入院することなく自宅で医師や看護師、介護ヘルパー等の訪問を受けながら安心して日々の暮らしを続けることができる在宅療養。訪問リハビリテーション(以下「訪問リハビリ」)は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった国家資格のある専門職に自宅に来てもらい、在宅でリハビリを行う在宅療養のひとつです。今回は、介護保険制度を利用した訪問リハビリをご紹介します。

質問1 訪問リハビリの対象(介護保険適用)となる方は?

 主治医から以下のような状態で、「訪問リハビリが必要」と認められた、要介護・要支援の方

  • 筋力が低下して歩くことに不安がある
  • 手の動きが悪くなってきた
  • 言葉がはっきり出ず会話に支障がある
  • 麻痺や拘縮があるなど

質問2 訪問リハビリを行ってくれる方は?

 担当医師をはじめ以下の専門職の方です。

  • 理学療法士
     運動・体操、マッサージ等によって、歩く・立ち上がるなど、日常生活に必要な体の基本動作の維持・回復を図る。
  • 作業療法士
     家事・手芸などの作業や動作を通じて、認知機能や日常生活機能の維持・回復を図る。
  • 言語聴覚士
     発声や発語、会話などの訓練、コミュニケーション能力のリハビリ、嚥下(えんげ)機能の訓練を行う。

質問3 訪問リハビリ(介護保険適用)を利用するには?

 ケアマネジャーに相談のうえ、訪問リハビリを依頼する事業所を決めてください。

 主治医の指示書に基づき、ケアマネジャーと訪問リハビリ担当者が利用者の自宅を訪問し、サービスの内容や回数の決定、生活環境の整備のアドバイスや家族介護のアドバイスを行います。(契約・重要事項の説明・実施計画書の作成)

質問4 訪問リハビリ(介護保険適用)の頻度・所要時間、費用は?

 訪問リハビリの頻度は利用される方の状態などに応じて、ケアマネジャーの作成するケアプランで時間や日数が決まります。ただし、1回20分・週6回以内が限度となります。

 利用者負担が1割負担の方は、基本サービス費の自己負担額は1回あたり約330円です。一定以上の所得がある方(2割または3割負担の方)は、自己負担額が変わります。また、基本サービス費のほかに、サービス提供者の体制やサービスの内容によって料金が異なる場合があります。

問合せ

西区保健福祉センター 保健福祉課(地域保健)

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