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薬剤師による在宅訪問の大切な役割を知ってください【広報紙「かぜ」3月号】

2023年3月1日

ページ番号:593051

 住み慣れた自宅や施設での療養には、医療・介護の連携がとても重要です。その連携の中で、医師(歯科含む)・看護師やケアマネジャー、ヘルパーと並んで重要な役割を担っているのが薬剤師。しかし、薬剤師による在宅訪問についてはまだまだ認知度が低いのが実情です。

 今回は、在宅訪問に力を入れておられる西区薬剤師会副会長の村井薬剤師にその現状や課題、展望についてお話を伺いました。ぜひ、薬剤師による在宅訪問の役割を知っていただき、適切で効果的な薬の使用支援を活用しながら、健やかな生活の維持につなげていきましょう。

在宅におけるお薬の問題をサポート

西区薬剤師会副会長(あけぼの薬局薬剤師) 村井 扶(たすく)さん

薬の使用でよくある困ったケースとは

 複数の病院で受診したことで、同じお薬を必要以上に持っていたり、昔にもらった薬を処分せず、自宅にたくさん保管されている方がおられます。これらの方は不要な薬を飲んでしまう危険もあるので注意が必要です。また、高齢独居でサポートしてくれる方が近くにおられず、お薬カレンダーの活用が難しい方もおられます。

 「病気、障がい、要介護などで通院・来局が困難な方」はこれらの問題が発生しやすい状況にあり、身近な誰かが気づくことはできても根本的な解決が難しい状況です。

お薬カレンダーの写真

お薬カレンダー

訪問したことで改善したケース

 高齢独居で喘息の症状があるにも関わらず吸入薬を使わず、服薬・吸入忘れが原因で症状が良くならずに、入退院を繰り返していた方がおられました。訪問をしたところ、入院中に指示された時間と自宅での生活リズムが合っていないことで、服薬・吸入忘れが発生していました。すぐに、最も服薬・吸入忘れの少ない時間を提案しましたが、当初は受け入れられませんでした。しかし、訪問を重ねることで少しずつ理解していただくことができ、患者さんの生活リズムに合わせた時間に変更することができました。その結果、症状が改善。症状悪化による入院はなくなりました。

 他にも訪問の結果、飲み込む力の衰えから服薬が難しくなったことがわかり、貼り薬や注射薬による代替を主治医に提案し、症状が改善した方もおられます。

薬剤師による在宅訪問を依頼するには

 かかりつけ薬局に限らず、主治医や訪問看護師、ケアマネジャーや退院時に病院を通じて依頼しても大丈夫です。もちろん普段から利用されている薬局で相談してもらっても大丈夫です。西区では多職種同士が連絡をとれる体制が整っています。

 また、西区薬剤師会加盟の薬局の多くは基本的に訪問対応しています。薬物治療の内容やご希望される訪問日時によっては対応できない場合もありますが、薬局間で連携し対応させていただきます。

 安心してご相談いただければと思います。

多職種の連携で有効な治療を

 初めての在宅訪問では、ケアマネジャーに同席をお願いしたり、医師や訪問看護師が訪問されているタイミングに同行するようにしています。そうすることで患者さんの病状や生活状況がより分かるので、多職種との連携はとても重要と考えています。

 また、薬剤師が薬のことを全て担当することで、訪問看護師やヘルパーさんはより専門的なケアに時間をかけることができ、結果的に在宅での治療や生活の質向上につながります。

 特に、ケアマネジャーの方々に薬剤師が共にかかわる意義を理解してもらい、必要に応じて薬剤師による訪問を相談・依頼できる状態が望ましいと考えています。

 西区薬剤師会では、医療・介護関係者向けの「在宅おくすり相談窓口」を開設しているほか、医療や介護分野の方々が利用できる薬剤師の在宅訪問利用に関する説明用のチラシを作成するなど、多職種連携の強化に向け、積極的に働きかけています。

今後の課題や展望

 終末期を自宅でむかえる方には痛みを緩和する薬や注射薬などさまざまな薬剤が必要になることが多く、薬剤師による在宅訪問が必要不可欠です。今後、高齢化がさらに進むことで、在宅療養を希望される方も増えると予想されることから、西区全体として薬剤師による在宅訪問を進めていく必要があると考えています。そのためには多職種の連携がさらに重要になってくると考えています。

 患者さんはもちろん、医療や介護に携わる方々に「お薬のことは安心して任せられる」と言っていただけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

お薬に関する在宅訪問のことは薬剤師に相談を!治療や生活の質向上のために

薬剤師による在宅訪問って?

 薬剤師が自宅や施設などで生活する患者のもとに医薬品を届け、服薬の指導や支援をすることです。

質問1 在宅訪問における薬剤師の主な役割は?

 主な役割は次のとおりです。

  1. 処方箋に基づきお薬を用意し、居宅へお届け
  2. お薬の飲み合わせの確認
  3. 服薬・保管状況の確認および残薬の整理
  4. お薬の効果や副作用の確認
  5. 患者、家族への服薬指導と支援

質問2 薬剤師による在宅訪問を利用できる対象の方は?

 病気、障がい、要介護などで通院・来局が困難な方で、次の1、2などの理由があり、医師・歯科医師が訪問の必要性を認めた場合に利用することができます。

  1. 自宅での薬の使用や管理に不安がある方(認知症やひとり暮らしの高齢者で服薬の見守りがない等が条件)
  2. 医師・歯科医師がその必要性を認め、薬剤師に訪問を指示した方

質問3 介護認定を受けていないと利用できませんか?また、費用負担は?限度枠を圧迫しませんか?

 利用できます。原則として、介護認定(居宅療養管理指導)を受けていない場合は、医療保険(訪問薬剤管理指導)が適用されます。費用は若干異なりますが、受けられるサービスは同じです。

 1回の利用にかかる薬剤師の在宅訪問の費用(自己負担1割の場合)は、単一建物に診療患者が1人の場合、介護保険で517円、医療保険で650円です。

 なお、居宅療養管理指導費(介護保険)は限度枠外のサービスなので、限度枠内のサービスを圧迫することはありません。

質問4 月にどの程度、薬剤師による在宅訪問を利用できますか?

 原則として月4回までですが、処方されるお薬の日数や服薬状況によって訪問回数は決まります。

質問5 薬剤師による在宅訪問をお願いするには?

 かかりつけ薬局に限らず、主治医や訪問看護師、ケアマネジャーや退院時に病院を通じて依頼できます。

問合せ

西区役所 保健福祉課(地域保健)

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