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メディアをかしこく活用しましょう 平成27年3月号

2019年10月1日

ページ番号:301975

中川 喜代子さん(奈良教育大学名誉教授/社会学者)

 最近、メッセージや写真を手軽に送り合えるので、無料通信アプリ:ライン(Line)が子どもたちの間でよく使われていますが、メッセージを読んだまま返信しないでおくと「既読無視だ(メールを読みながら無視した)」として相手の反感を買っていじめられることを恐れ、中断するのが難しい面があり、学習時間の削減や夜更かしにつながりかねないと憂慮されています。兵庫県のある町では、午後9時以降はラインなどを使ったやり取りを控えるよう呼びかける運動を町ぐるみで展開しようという試みが報道されて話題になっています。

 また、「プロフィールサイト」という自己紹介のページが集まったサイトでは、多くの若者が日常的に情報発信をしています。登録は簡単で、いくつかの質問に答えればすぐに自分用のページが作れてしまうため、顔写真や連絡先などを“素直”に発信してしまいます。しかし、このような情報がインターネット上に公開されると、それは瞬く間にかつ際限なく広まってしまい、回収することは事実上不可能です。少女が派手な化粧をして写した写真を貼り付け、自分の身体的特徴や好みの男性についての情報を書き込み、いわゆる「援助交際」の相手を探していることがあり,これを利用して援助交際を始めた少女が暴力を受けたり売春行為を強要されたりしたという報告もあります。このほか、日常に起こる身の回りの出来事や自分の気持ちを開けっ広げに即時に書き込む「リアルタイムブログ」が少女の間で流行っているようですが、それをだれが見ているかは気にしないという無防備さが問題になっています。いずれも基本的に携帯電話で利用しやすいように設計さており、若者は肌身離さずこのような空間の中にいるのです。

 若者を取り巻くインターネット環境が象徴しているように、うまく活用すればとても便利な反面、測り知れない危険が潜む高度情報化社会に生きる私たちには、メディアから発信されるさまざまな情報を的確に読み取ること、そしてメディアをうまく使いこなして表現し、仲間や社会にメッセージを発信していく確かなメディア・リテラシーを習得することが求められているのです。さしあたり、子どもたちには、メールは不特定多数の相手に機械的に送信されるものが多いこと、メールアドレスの構成、メール転送の働きなどを理解して正しい判断ができるよう、学校でも家庭でも機会あるごとに教えていくことでメディア・リテラシーを身につけさせたいものです。

 「デジタル・ネイティブ」とよばれる20歳以下の若者とインターネットの関係を中心に話を進めてきましたが、最後に、私たちが利口な消費者になるために「スパムメール」のお話を紹介して終わりたいと思います。

 イギリスのとあるレストランで、料理の注文に迷っていた夫妻がメニューをきくと、店主や周囲の客から“スパム”,“愛しいスパム”,“素晴らしいスパム”の連呼を浴びせられてそれを注文せざるを得ない状況に追い込まれる…というコントから、一方的に送りつけるダイレクトメールのネット版を<スパムメール>といいます。主には、根拠のない儲け話、アダルト系サイトへの勧誘、処方箋が必要な医薬品の不正入手などで、世の中のメールの8割以上はスパムメールといわれますが、スパムメールへの対策は“無視する”のがいちばん。呼び名には、食糧事情があまりよくなかった第二次大戦時、イギリスは配給されたスパムばかりを食べていたことから「もうスパムは飽き飽きだ」という風刺が込められています。

 情報の「目利き」になることで、私たちは情報に騙されず、たのしく豊かな生活を送ることができます。そのために欠くことのできないメディア・リテラシーを磨きましょう。

注釈

【注1】メディア・リテラシーとは、メディアの情報を冷静にうまく使いこなす能力。

【注2】「スパム」とは、アメリカのホーメル社の商品名で「ランチョンミート」と呼ばれる加工肉を缶詰にしたものです。

メディアをかしこく活用しましょう 平成27年3月号

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