ページの先頭です
メニューの終端です。

女性の人権2 あさ、最後の夢~女性の社会教育!~ 平成28年1月号

2019年10月1日

ページ番号:338241

金 香百合(きむ かゆり)さん(ホリスティック教育実践研究所所長)

 前回に続いて、放映中のNHK連続ドラマ「あさが来た」のヒロインあさのモデルである廣岡浅子をとりあげます。幕末の豪商に生まれた浅子は、大阪の両替商に「嫁ぎ」ました。家父長制度の真っただ中を、まさに「女だてらに」といわれた行動力をもって、江戸時代から明治へと激変する荒波の中を生き抜いていきます。

 浅子の生きた約150年前は「女性であるゆえの生きにくさ」は、今と比べものにならない時代だと思います。ドラマではあさの周囲にいる男性たちの女性観・人間観がひとつの鍵です。女性にとって生きにくかった当時の世の中でも、夫、舅(しゅうと)、友人の五代友厚など、社会的権力をもつ人が浅子の能力を、性差にとらわれず、ひとりの人間として正当に評価し、支援しています。女性の地位が150年前よりも向上した現代社会を生きる女性たちからみても、うらやましいかぎりの環境です。脚本家の願望でもあるかもしれません。

 ドラマでは、史実をもとにしながらも視聴者向けの脚色がいろいろあります。ここでは、できるだけ浅子本人の人生に肉薄してみたいと思います。

女性と仕事

 浅子にとって商いは、近江商人の教えの「三方よし」に根ざします。その心は、売り手よし、買い手よし、世間よし。この商いが、売る側、買う側、社会全体によいものであること、そのバランス感覚は大切なことでした。自分だけがもうける、ということは意地汚く、愚かなことでした。時代の激変の中を、情勢を見極めつつ、行動していく浅子の三方よしの哲学があって、廣岡家は生き延びたのです。浅子いわく「たとえ女子であっても努力さえすれば男子に劣らぬ仕事ができるものである。また力があるものである。そうして人間はその境遇を切り開いて自分の思う理想に達することができるものである。」

女性と学ぶこと

 好奇心旺盛な浅子にとって、学ぶことは子ども時代からの基本的欲求でした。「なんで、なんで」が口癖でした。自分の周囲のことも、遠い世界のことも、社会の変化の行く先も、どれもこれも知りたい、理解したい、そしてそれを自分の中に取り入れて変化・成長していきたい、と思っていました。この成長欲求は、人類が今日まで発展してきた大切な要素です。浅子は、自尊感情が高く、向学心旺盛で、自らその欲求をかなえていく環境を作り出し、応援してもらいました。人は自尊感情が低くなると、学ぶことをあきらめていくことがあります。女だから、もう年をとったから、自分は能力がないから…などいろいろな言い訳をつけて。浅子自身は言い訳しない人生の中で、少しでも可能性があれば、それにむけて頑張りました。このような努力をしながら、いわゆる学校というものをでていない浅子が、日本初の女子大学設立に尽力したのです。

最後の夢~大阪YWCAの創立~

 浅子は夫の死後、会社を後継者にゆずって、自分の最後の夢にエネルギーを傾けます。浅子の人生最後の夢、それは、「すべての女性が生涯にわたって、包括的に、いきいきと自分らしく生きることのできる」社会教育の実践とそのための組織の確立でした。当時、欧米の女性宣教師たちが日本女性を支援するために、また「キリスト教女子青年会」を設立するために派遣されてきました。浅子もキリスト教に出会い、そして宣教師たちと出会います。修養会という名の学習会をみずから毎夏開催し、そこでは若き日の市川房江や村岡花子も学びました。そして最晩年、大阪基督教女子青年会(大阪YWCA)設立準備委員長の任を背負いました。浅子の死の翌年、発足した大阪YWCAの最初の会合は浅子の追悼会となりました。1918年(大正7年)に活動を開始したYWCAは、女子青年たちの魂とこころとからだの包括的な成長を願って、多様な事業を展開しました。グループワーク・労働問題学習会・レクリエーション・夜間女学校など、当時では初めて紹介されるものばかりでした。廣岡浅子最後の夢は、2018年(平成30年)に100周年を迎える大阪YWCAの中で今も生き生きと息づいています。

女性の人権2 あさ、最後の夢~女性の社会教育!~平成28年1月号

Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)別ウィンドウで開く
PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市西成区役所 市民協働課人権・生涯学習グループ

〒557-8501 大阪市西成区岸里1丁目5番20号(西成区役所7階)

電話:06-6659-9734

ファックス:06-6659-2246

メール送信フォーム