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部分と全体をつないで考える~人権教育へのホリスティック・アプローチ

2019年10月1日

ページ番号:482572

金 香百合(きむ かゆり)さん/ホリスティック教育実践研究所所長

 落語はおもしろい。枕といわれる前ふりの話を、単なる導入と思って聴いていると、実はそれが、すべてオチにつながっていく。ここに活用されている「部分」と「全体」の関係を、今回は人権教育に応用して考えたいと思います。

積極的人権教育

 人権教育にもさまざまな段階があります。消極的人権教育では「○○をなくす、○○をふせぐ、○○に対処する」ということが中心課題になります。それは大切なことです。しかし、それを実現した上でさらに、「すべての人が平等で、生まれてよかったと思うことができ、その個性や特性を活かして、イキイキと生きることのできる家庭や地域や社会をつくる」ことをめざすのが積極的人権教育です。この積極的人権教育を実現していくためには、人権問題の個別課題(部分)と普遍的課題(全体)をあわせて理解し、取り組むことが重要になります。そして生きることのすべてが、人権教育に関わってくるといえます。

人権教育の個別課題

 私たちのまわりには、女性、子ども、高齢者、障がい者、同和問題、外国人、HIV感染者、ハンセン病回復者、犯罪被害者やその家族、刑を終えた出所者、難病患者の人権、インターネットによる人権侵害、LGBTなどの性的少数者、各種ハラスメントなど、さまざまな人権問題が存在しています。このような個別課題は、単独で存在するのではなく、つながり、重なり、複雑化しています。

 たとえば、同和地区のことを理由に、インターネットで執拗ないじめを受け、心身の調子をくずして精神障がい者になり、ひきこもって、家庭内暴力や自殺まで追い詰められるといったケースもおこります。だからこそ、人権問題の解決には部分をしっかりと見据える視点と、それらをつないで全体を見ていく視点の両方が必要なのです。

人権教育へのホリスティック・アプローチ

 ホリスティックとは、全体的・包括的という意味です。ホリスティック・アプローチとは、部分と部分をつなぎ、そこでおこっている相互作用を理解しながら、全体的なバランスとプロセス(過程)を見きわめつつ関わることです。バランスというキーワードは、半々を意味しません。加害者と被害者が「けんか両成敗」に終わることはないのです。まず加害者には、きちんと取るべき責任や反省的学びがあります。そして被害者には、ケアや今後の自分を守れるような学びが必要です。ひとつの問題の発生後、謝って終わり、ではなく、加害者・被害者・関係者すべての問題解決・回復・再発予防などのホリスティック・アプローチが不可欠です。

    生きることのすべてが人権教育

     私が人権講演会で経済の話や人間心理の話を枕にすると、いつ人権教育の話になるのかと思ったという感想を頂いたことがあります。経済の話も心理の話もすべてが人権の話なのですが、別ものと理解されたのでしょう。人権教育を部分と全体をつないでホリスティックにとらえなおすことをおすすめします。ゆりかごからから墓場まで、「生きて出会うことのすべてが人権教育」に関わっているのです。
    (「にしなり我が町」平成29年8月号掲載)

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