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子どもの人権~子どもを知る・見る~ 平成27年9月号

2019年10月1日

ページ番号:482584

北野 真由美さん(NPO法人 えんぱわめんと堺 代表理事)

 私たち“えんぱわめんと堺”では、「エンパワメント授業」と題して学校で出前授業をおこなっています。この出前授業では、二、三人の「ファシリテーター」と呼ばれる進行役で一クラスを担当しますが、一人のファシリテーターは、それぞれ子どもの個性や特徴をキャッチし、新たな子どもの力を見つけるお手伝いをしています。お手伝いと言っても、私たちは子どもが困っていることに対してすぐに解決策を与えるという方法はとりません。たとえば、散乱した机の上で消しゴムを探している子どもの場合、「消しゴムはここにあるよ」と言って消しゴムを差し出すことも、「机を散らかしていったい何をやっているの!」と叱ることもしません。当然、消しゴムを探している子どもに消しゴムを差し出せば、その場での困りごとはすぐに解決できるでしょう。しかし、それでは本来持っている力を伸ばすこと(エンパワメント)や、周囲の気づきを促すことができないのです。このような場面で、私たちは、「どうしようか?ここを探す?」と声をかけて、どこから探すのかを一緒に考えます。もし見つからなくても「ないみたいやけど、どうする?」と考え方を変えるよう促します。前の席の子どもの消しゴムを見つけて無言で手を出そうとしたときは、「あっ、前のお友だちの消しゴムを見つけたんやね。貸してほしいとき、どうする?」と、行動の前にたずねます。これは、自分の言葉で「貸して」と友だちに伝える機会を作ることで伝える力を引きだすと同時に、子どもたちにとって大事なつながりを促すためです。ここでおとなが割って入って友達の消しゴムを借りて渡してしまえば、子ども同士がつながる機会を奪ってしまうことになります。こうして、会話を聞いていた周囲の子どもたちも、困っている友だちがいることに気づき、しだいにクラスの中に小さな変化が生まれていきます。

 このように、本人が求めていることを自ら達成するためのお手伝いや、子どもが求めていることをまわりに理解してもらうためのお手伝いを、私たちは重視しているのです。子どもの支援とは、子どものことをすべて手伝うことや、できないことをやってあげることではなく、子どもがどのように人とつながるのか、社会とつながるのかを支援することではないかと私たちは考えています。目に入るものが気になって授業中に教室内を動き回るケースでも、私たちは単純な「困りごとのスピード解決」はおこないません。ファシリテーターが一緒に動きつつ、子どもが興味あるものを見つけたとき、「これを見つけたんやね」と認めることで、新しい発見に納得して落ち着き、自分の席に戻ることが多いのです。「子どもは何を求めているのか?」それを理解したうえで、子どもの力を支援したいと考えています。

※ファシリテーター:中立な立場を保ちながら話し合いに介入し、議論がスムーズに進むよう調整しつつ、相互理解や、参加者自身の気づきに向けて場を運営する役割を担う人。

子どもの人権~子どもを知る・見る~ 平成27年9月号

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