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市政運営の基本的な考え方(平成25年度)

2020年1月10日

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平成24年9月14日の大阪市戦略会議において、「市政運営の基本的な考え方(平成25年度)」を決定しました。

 

(目次)

1 本市を取り巻く状況

2 めざす姿

3 大阪の再生に向けた自治の仕組みの構築

(1)自律した自治体型の区政運営

(2)大阪にふさわしい大都市制度の構築

(3)地域主権改革の推進

4 活力ある大阪の実現に向けた政策推進

(1)現役世代への重点投資

(2)府・市の戦略一元化と大阪の成長への取組み

(3)市民生活の安全・安心の確保

(4)区の特性や地域の実情に即した施策の展開

5 府・市間も含めた行財政改革の強力な推進

(1)ムダを徹底的に排除し、成果を意識した行財政運営

(2)機動的かつ戦略的な組織再編

(3)広域行政・二重行政の一元化と事務事業の連携に向けた取組み

6 平成25年度予算編成の基本的な考え方

1 本市を取り巻く状況

・少子高齢化が一段と進行し、超高齢社会を迎えているなか、本市においても、都心回帰等により、近年増加傾向にあった人口が、今後、再び減少に転じようとしている。なかでも、社会経済を支える生産年齢人口や将来を支える年少人口の減少が見込まれており、地域コミュニティや経済活動に多大な影響を与えることが懸念される。

・また、現在の日本は、現役世代(20~64歳)が高齢者(65歳以上)を支える社会経済システムとなっているが、少子高齢化の進展により、1990年に現役世代 5.1 人で高齢者1人を支えていたものが、2010年には 2.6 人で1人となり、さらに2040年の推計では1.4人で1人を支えなければならず、今後も現役世代の負担はさらに大きくなる傾向にある。

・一方で、産業構造の転換の遅れや企業の流出等により、大阪の経済が長期にわたり低迷している結果、失業率の上昇や非正規雇用の増加といった雇用環境の悪化が顕著となっており、それにともなって、中間所得者層が減少し低所得者層が増加するなど、現役世代自体の活力も低下している。

・地域においては、高齢単身世帯の増加やライフスタイルの変化等により、地域コミュニティを取り巻く環境が変化し、これまで地域で担ってきた「自助」「共助」の機能が低下する一方で、地域課題は一層複雑・多様化しており、地域社会全体が力をあわせて担う新しい形の「公共」をつくることが必要である。

・このような状況にあって、現在の大阪の自治の仕組みは、地域の実情に応じたきめ細かな対応を行うにも、都市の発展に向け、大阪全体で一体性ある政策を迅速に実行するにも不十分なものとなっている。

・本市財政は、人件費や投資的・臨時的経費の抑制を図っているものの、最も税収の多かった平成8年度決算と比較すると、税収が約2割減少する一方で、扶助費や市債の償還のための公債費などは2倍を超え、生活保護費は約2.6倍に増嵩するなど、義務的な経費が高い伸びを示している。

・その結果、ここ10年は約500億円の通常収支不足が見込まれる(今後の財政収支概算(粗い試算)[平成24年2月版])が、今後も少子高齢化が進み、飛躍的な経済成長が見込みにくいなか、多様化する市民ニーズに速やかに応え、市民の安全・安心を支えられる安定した財政基盤を構築していく必要がある。

2 めざす姿

・大阪の再生に向け、熾烈な都市間競争のなか、大阪のパワーをひとつに結集しアジアの諸都市との競争に打ち勝つため、大阪にふさわしい新たな大都市制度の実現をめざす。

・基礎自治行政については、「ニア・イズ・ベター」(補完性・近接性の原則)を徹底する。地域においては、「自らの地域のことは自らの地域が決める」という意識のもと、豊かなコミュニティが形成され、住民の安全・安心が確保されるとともに、地域の様々な活動主体が協働して地域のまちづくりに取り組む活力ある地域社会の実現をめざす。

・社会を支える現役世代が力を十分に発揮できる環境を整え、大阪・関西が持つ強みに磨きをかけて、高い付加価値や技術革新を生み出すとともに、従来からのアジアとの緊密性を活かして、アジアの成長力を取り込むことで成長する都市を実現し、国内外から人材・資金・情報が集まる都市魅力を備えた活力ある大阪をめざす。

3 大阪の再生に向けた自治の仕組みの構築

・大阪が再生するためには「成長は広域行政、安心は基礎自治行政」という考え方を基本に、広域自治体と基礎自治体の役割分担を明確にし、それぞれが担うべき役割に専念して責任ある意思決定を行う、という大阪にふさわしい新しい自治の仕組みの構築が必要である。

・基礎自治行政については、住民に身近な区長のもと、多様な区民の意見やニーズを反映した総合的な施策・事業を展開するとともに、区民が区政を評価する「自律した自治体型の区政運営」を推進する。

・一方で、新たな大都市制度を実現するため、府・市一体となって大阪の自治の仕組みを再構築する取組みを推進するとともに、国に対しては、地域主権改革の推進を求めていく。

(1)自律した自治体型の区政運営

・局から権限と財源の大幅な移譲を受けた区長が、その権限と責任において、区の特性や地域の実情に即した施策や事業を企画・立案し総合的に展開するとともに、区民による評価を改善や新たな展開につなげていく。

・施策の効果的な実施や行政運営の効率化といった観点から、複数の区からなるブロック単位で行政運営を進める仕組みを構築し、運営する。

(2)大阪にふさわしい大都市制度の構築

・「大都市地域における特別区の設置に関する法律」の成立を受け、同法に基づく「特別区設置協議会」を設置し、新たな大都市制度の実現に向けた具体的な取組みを推進する。

(3)地域主権改革の推進

・関西広域連合の一員として、国の出先機関を関西広域連合へ「丸ごと」移管するよう国に求めていく。

・また、補完性の原則に基づく事務・権限、財源の国から地方への移譲の徹底を国に求め、地域主権型道州制の実現をめざす。

4 活力ある大阪の実現に向けた政策推進

・現在の社会経済システムでは、高齢化の進展に伴い社会保障支出が増加する一方で、現役世代向けの社会保障支出が少なく、雇用環境も悪化しているなど、現役世代をとりまく状況は厳しい。このような状況が続けば、現役世代がまちの成長を担い続けることや、将来世代を生み育てることが難しくなりかねない。

・また、少子化が進む中、グローバル社会の中で活躍し、将来の大阪を支える核となる創造性豊かな「人財」を育成することの重要性が増している。

・そこで、非常に重要な役割を担う現役世代が継続的に活力を生み出せるように支援し、その活力を高齢世代にも還元するという流れを生み出す必要がある。

・加えて、都市の持続的な発展のためには、「成長を通じて、市民の安全・安心を守るための取組みを充実すると同時に未来への投資を行い、それをまた成長につなげる」という循環を実現することも重要である。

・また、活力ある地域社会づくりに向けては、地域活動の担い手の拡大や市民による自律的な地域運営の実現に向けた支援策を区長が中心となって推進するとともに、区の特性や地域の実情に即した施策を総合的に展開することが必要である。

・以上のような認識のもと、ⅰ現役世代への重点投資、ⅱ府・市の戦略一元化と大阪の成長への取組み、ⅲ市民生活の安全・安心の確保、ⅳ区の特性や地域の実情に即した施策の展開、という4つの方針にもとづき各種施策を推進し、これらの相乗効果により、活力ある大阪の実現をめざす。

(1)現役世代への重点投資

・子育てや教育、就労などに関して、現役世代が抱えている負担や将来への不安の軽減を図り、現役世代が能力を十分に発揮できるよう、安心して子育てができ、働くことができる環境を改善・充実させる。

・また、こどもたちの学習意欲を向上させ、個性や才能を伸ばし、さらにはグローバル人材として活躍できるよう、教育環境の充実やICTの活用とともに自国や世界の歴史を学ぶ場の提供など、人材育成とその支援を重点的に進める。

・これらにより、まちの担い手となる元気な現役世代が生まれ、活躍し続け、まちを支えて、大阪の持続的な成長につなげる。

(2)府・市の戦略一元化と大阪の成長への取組み

・大阪全体の成長・発展に向け、府・市で一本化する「大阪の成長戦略」に掲げる「内外の集客力強化」「人材力強化・活躍の場づくり」「強みを活かす産業・技術の強化」「アジア活力の取り込み強化・物流人流インフラの活用」「都市の再生」を府・市一体で進め、政策効果や投資効果の最大化・最適化をめざす。

・世界的な創造都市の実現に向け、「グランドデザイン・大阪」で示した創造的な人材が住み、働き、楽しみたいと思う圧倒的な魅力を備えた都市空間の形成に府・市一体で取り組むとともに、「大阪都市魅力創造戦略」のもと、「大阪アーツカウンシル(仮称)」や「大阪観光局(仮称)」といった推進体制を整備するなど、都市魅力創造に向けた取組みを進める。

・「エネルギー戦略」「新大学構想」についても、今後策定する取りまとめにもとづき、府・市一体で推進する。

(3)市民生活の安全・安心の確保

・乳幼児医療費助成や妊婦健康診査公費負担の拡充など、こどもたちを安全・安心に産み育てることができる取組みを、引き続き実施する。

・生活保護の適正実施や特別養護老人ホームの待機者の解消を図るとともに、発達障がい者、認知症高齢者など真に支援を必要とする人のための取組みを充実することにより、安心して生活できるセーフティネットを確立する。

・また、東日本大震災やこれに伴う原発事故を教訓に、防災・減災や、再生可能エネルギーの活用などエネルギー源の多様化に取組む。

(4)区の特性や地域の実情に即した施策の展開

・区長は、区域内の基礎自治に関する施策や事業の実質的な責任者として、子育て支援・福祉・環境美化をはじめ、区の特性や地域の実情に即した施策を総合的に展開する。

・地域住民による自律的な地域運営の実現に向け、より幅広い人たちの参画促進などによる地域活動の活性化や地域活動協議会の形成に向けた地域の主体的な取組みを積極的に支援する。

・市民に「区役所が変わった」と実感してもらえるよう、区長のマネジメントのもとで窓口の改善に取り組み、各区の切磋琢磨により「日本一の住民窓口」をめざす。

・多くの行政課題を抱える西成区の現状を打ち破るため、必要な施策・事業に集中して取り組む「西成特区構想」を、引き続き推進する。

5 府・市間も含めた行財政改革の強力な推進

・スリムで確固たる行財政基盤の構築に向け、「市政改革プラン」に基づき、施策・事業の見直しをスピード感をもって実行に移していく。

・また、府・市間における広域行政・二重行政の一元化について、新たな大都市制度の姿を視野に入れつつ、府・市一体となって「全体最適」化を図り、生みだされた成果を政策推進の原資とする。

(1)ムダを徹底的に排除し、成果を意識した行財政運営

・行政サービスの受け手である住民に可能な限り選択権を委ねるとともに、民間でできることは民間に委ねるということを基本に最適なサービスを調達するなど、これまでの経緯ややり方にとらわれることなく、常に成果を意識しながらPDCAサイクルを着実にまわす。

・歳入の確保、施策や事業の聖域なきゼロベースの見直しなどを進めることによって、新たに発生する社会的ニーズにも柔軟に対応しながら、市民の安全・安心を支える安定した財政基盤の構築をめざす。

(2)機動的かつ戦略的な組織再編

・市政改革プランを着実に実行するとともに、政策を迅速かつ強力に推進していくため、「動く組織・機能する組織」に変えていくことにより、組織パフォーマンスの最大化を図る。

・府・市一体となってにぎわいを創出し、世界中から人・モノ・投資等を呼び込むために関係部署を集約化するなど、機動的かつ戦略的な組織再編を行う。

(3)広域行政・二重行政の一元化と事務事業の連携に向けた取組み

・平成24年6月の府市統合本部会議で取りまとめた地下鉄・バス事業をはじめとする経営形態の見直し検討項目(12項目)と、信用保証協会など類似・重複している行政サービス(22項目)の基本的方向性について、早期実現をめざし取り組む。

・府・市間における「事務事業の共同化」や「日常業務の一体的運営」などの取組みも推進する。

6 平成25年度予算編成の基本的な考え方

 ここ10年は約500億円の通常収支不足(*)が見込まれるという厳しい財政状況のなか、市民の安全・安心を支える安定した財政基盤の構築に向け、補てん財源に依存することなく収入の範囲内で予算を組むことを原則とするなど、将来世代に負担を先送りすることのないよう財政健全化への取組みを進めるとともに、めざす姿の実現に向け、限られた財源のもとでの一層の選択と集中を全市的に進める。

・「市政改革プラン」や府・市による広域行政・二重行政の見直しの着実な実現に向け、予算を編成する。なお、府・市間の取組みの推進にあたっては、住民の視点等を踏まえ、府・市の役割分担に応じた負担となるよう取り組む。

・区長・局長マネジメントのもと、PDCAサイクルを徹底し、歳出・歳入両面にわたって更なる自律的な改革に取り組む。

・自律した自治体型の区政運営の推進に向け、基礎自治行政に関しては、区長自らの努力で広告料収入などを確保する場合の財源も活用しながら、区長が区の特性や地域の実情に即した施策を展開できるよう、その決定権に基づき、局予算も含め、予算を編成する。

・市債発行については、将来世代の負担を勘案し、必要最小限とするため厳しく精査する。

・財政運営の透明性や財政規律を一層確保する観点から、予算編成過程の公表を充実するとともに、平成25年度当初予算の公表にあわせ今後の財政収支概算を改訂するほか、年度間の財源調整状況をより明確化するため、財政調整基金を設置する。

*  通常収支不足とは、基金など補てん財源を活用しない場合の収支不足のことである。なお、本市では、こうした補てん財源に加え、地方交付税等といった地方財政制度上の補てん財源についても多額になっており、地方交付税の不交付団体とならない限り、算定の仕組み上、市税が増えても地方交付税が減るため、一般財源(税+地方交付税等)が大幅には増えない状況にある。

市政運営の基本的な考え方(平成25年度)

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