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平成27年度 市政運営の基本方針

2020年1月10日

ページ番号:297044

平成26年9月に決定した「市政運営の基本的な考え方(平成27年度)」に基づき進めている27年度予算編成作業等における様々な議論を踏まえ、「平成27年度 市政運営の基本方針」を策定しました。

(目次)

1 本市を取り巻く状況

2 これまでの取組み

3 基本的な考え方

(1)活力ある大阪の実現に向けた政策推進

  ⅰ現役世代への重点投資

  ⅱ大阪の成長に向けた府・市一体の取組み

  ⅲ市民生活の安全・安心の確保

  ⅳ活力ある地域社会づくりと区の特性や地域の実情に即した施策の展開

(2)府・市間も含めた行財政改革の強力な推進

  ⅰムダを徹底的に排除し、成果を意識した行財政運営

  ⅱサービス向上へのあくなき挑戦

  ⅲ広域行政・二重行政の一元化と事務事業の連携に向けた取組み

  ⅳ徹底したICTの活用

  ⅴ事務処理手続きの適正化等

(3)大阪の再生に向けた自治の仕組みの実現

  ⅰ自律した自治体型の区政運営

  ⅱ大阪にふさわしい新たな大都市制度の実現

  ⅲ地方分権改革の推進

4 平成27年度予算編成

1 本市を取り巻く状況

[人口減少時代の到来]

  • 本格的な人口減少時代を迎え、社会経済を支える生産年齢人口や将来を支える年少人口の減少が見込まれ、国においては、人口減少に伴う課題の抽出や、対策の検討が進められている。本市においても、都心回帰等により近年増加傾向にあった人口が、今後、再び減少に転じることが見込まれており、その結果、社会保障や経済活動、地域コミュニティなど幅広い分野に影響を与えることが懸念される。

[現役世代の負担増]

  • 少子高齢化が一段と進行し、超高齢社会を迎えている中、本市においても1990年に現役世代(15~64歳)6.2人で高齢者(65歳以上)1人を支えていたものが、2014年には2.6人で1人となっており、さらに2040年には1.7人で1人を支えなければならないと推計され、今後、現役世代の負担はさらに大きくなる。
  • また、景気は持ち直し傾向にあり、雇用環境も改善しているものの、産業構造の転換の遅れや企業の流出等により、大阪の全国シェアの長期低落傾向が続き、それに伴い、中間所得者層が減少し低所得者層が増加するなど、現役世代自体の活力も低下している。

[地域コミュニティの機能低下]

  • 地域においては、少人数世帯・高齢単身世帯の増加やマンションなどの共同住宅の増加といった、地域コミュニティを取り巻く社会環境の変化、また、個人の生活様式や価値観も多様化するなど人と人とのつながりの希薄化がみられ、これまで地域で担ってきた自助・共助の機能が低下する一方で、地域課題はより一層複雑・多様化している。

[厳しい財政状況]

  • 本市財政は、人件費や投資的・臨時的経費の抑制を図っているものの、最も税収の多かった平成8年度決算と比較すると、税収が約2割減少する一方で、扶助費や市債の償還のための公債費などは2倍を超え、生活保護費は約2.6倍に増嵩するなど、義務的な経費が高い伸びを示している。今後の財政収支概算は、一定の改善が見られるものの、当面は約200~300億円の通常収支不足が見込まれ、今後とも厳格な財政運営が求められている。

(本市を取り巻く状況に関するデータについては参考資料参照)

2 これまでの取組み

[基本認識]

  • 本市を取り巻く厳しい状況を克服し、活力ある大阪を取り戻すためには、現役世代が継続的に活力を生み出せるよう支援し、その活力を高齢者にも還元する流れを作るとともに、成長を通じて市民の安全・安心を守る取組みを充実すると同時に、未来への投資を行い、それをまた成長につなげる好循環を実現しなければならない。
  • また、地域課題に関わる様々な活動主体の自律的な取り組みを支援し、市民生活の安全・安心を支える地域コミュニティを活性化させ、自助・共助の力を取り戻さなければならない。

[めざす姿]

  • 社会を支える現役世代が力を十分に発揮できる環境を整え、大阪・関西が持つ強みに磨きをかけて、高い付加価値や技術革新を生み出すとともに、従来からのアジアとの緊密性を活かして、アジアの成長力を取り込むことで成長する都市を実現し、国内外からヒト・モノ・カネ・情報が集まる魅力あふれる大阪をめざす。
  • 地域において、多様な活動主体が「自らの地域のことは自らの地域が決める」という意識のもと、相互に理解し信頼し合いながら協働して豊かなコミュニティが形成されること、さらにこれらの活動主体と行政とが協働して「公共」を担う、活力ある地域社会の実現をめざす。

[これまでの取組み]

  • このような大阪をめざし、まずは現役世代への重点投資として、待機児童対策をはじめ、こども医療費助成、英語教育の充実、中学校給食やICT環境の整備といったこども・教育施策に重点を置くなど、政策転換を進めてきた。
  • また、特区制度を活用したビジネス環境の整備や、民間の柔軟かつ優れたアイデアを活用した公園施設の一体的な管理・運営手法の導入、幼稚園・保育所の民営化など、民間の力をより一層活用する取組みを進めた。
  • 多様な活動主体が参加して地域課題に取り組む地域活動協議会の形成と財政的な支援など、地域住民による自律的な地域運営の実現に向けた取組みを積極的に支援してきた。
              
  • 市民に身近なところで自律的な基礎自治行政を行うため、区長に対し権限と財源の大幅な移譲を行い、区の特性を活かしたまちづくりを進めてきた。
  • 市政改革において、市役所をゼロベースでグレートリセットするという考えのもと、スリムで確固たる行財政基盤の構築に向けた施策・事業の見直しを実行し、生み出した効果を政策推進に活用してきた。
  • 府市統合本部で取りまとめた取組みなどを進めるとともに、新たな大都市制度の実現に向け、大阪府・大阪市特別区設置協議会において計21回にわたる協議を行い、27年1月に特別区設置協定書(案)を取りまとめた。

(これまでの主な取組みについては別紙参照)

3 基本的な考え方

 これまでの政策転換と市政改革により、大阪再生への道が開けてきた。通常収支不足を縮減するなど、確かな財政基盤の構築にも道筋をつけることができた。
 今後は残る改革課題に精力的に取り組むとともに、その成果も活用しながら、市民生活の向上、大阪の活性化に向けて、新たな政策課題にも果敢に挑戦する。そして、市政に改革を定着させ、政策転換の成果を市民にしっかりと届けなければならない。
 平成27年度は、引き続き「活力ある大阪の実現に向けた政策推進」「府・市間も含めた行財政改革の強力な推進」を市政運営の基本に、これまでの取組みをさらに発展させ、政策転換と市政改革を強力に推進する。
 また、大阪が再生するためには「成長は広域行政、安心は基礎自治行政」という考え方を基本に、広域自治体と基礎自治体の役割分担を明確にし、それぞれが担うべき役割に専念して責任ある意思決定を行う大阪にふさわしい新しい自治の仕組みの構築が必要である。
 市民生活の向上、大阪の活性化、財政基盤の安定を未来においても確かなものとするためにも、新たな大都市制度の実現に向けて全力で取り組む。

(1)活力ある大阪の実現に向けた政策推進

ⅰ現役世代への重点投資

  • 子育てや教育、就労などに関して、現役世代が能力を十分に発揮し、活躍できる環境を整えるため、保育を必要とする児童数を上回る入所枠の確保や、病児・病後児保育の充実など、安心して子育てができ、働くことができる環境を改善・充実させる。
  • 将来を担うこどもたちの学習意欲を高め、学力の向上を図る。また、個性や才能を伸ばし、さらにはグローバル人材として活躍できるよう、引き続きICTの活用や英語教育の充実、中学校給食の改善、教育センターのシンクタンク機能の充実、学校図書館の活用推進など、教育環境の整備をさらに進めるとともに、塾代助成を拡充するほか、自国や世界の歴史を学ぶ場の提供についても検討を進める。
  • 教育改革については、教育委員との協議の場で決定する教育施策・予算の基本方針を踏まえ、学校現場の声も聞きながら進める。また、学校現場の負担軽減に向けた取組みも行う。
  • 現役世代の活力の底上げと経済活性化にもつなげるため、女性がその能力を十分に発揮し、活躍できる環境整備に取り組む。
  • 戦後70年の節目に、特に若い世代が、平和の大切さを心に刻み、自分の命を大切にして、困難に立ち向かう意欲を持てるよう、あらためて平和を考える取組みを全庁的に行う。

ⅱ大阪の成長に向けた府・市一体の取組み

  • 「大阪の成長戦略」で掲げた成長目標を達成するため、新たに指定を獲得した国家戦略特区など国の政策と連動しながら、海外との競争に向けたさらなる環境整備や成長のけん引役となる産業の育成に重点化して府・市一体で取り組む。
  • 大阪に「民」の活力を取り込み、民間が十二分に力を発揮できる社会をつくるため、「官」の関与を見直すなど、企業活動の活性化につながる規制改革を推進する。
  • 超高齢社会を見据えた中長期的な医療・健康サービスの向上や関連産業の振興方策について、大阪府市医療戦略会議の提言に基づく幅広い取組みを戦略的に推進する。
  • 「大阪都市魅力創造戦略」や「グランドデザイン・大阪」で示す都市魅力の創出や都市空間の形成に引き続き取り組むとともに、「おおさかエネルギー地産地消推進プラン」に基づくエネルギー改革や大阪における公立大学のあり方の検討を踏まえた大学改革に取り組む。
  • 専門家からなるアーツカウンシルとのさらなる連携に加え、市民の想いを尊重できる寄附制度の創設により、行政の価値判断ではなく、民の力で芸術文化を支える仕組みをつくる。そのうえで、芸術文化振興施策を展開し、大阪の芸術文化の一層の発展をめざす。
  • 天王寺動物園を大都市大阪にふさわしい魅力あふれる動物園とする徹底した改革を行い、あわせて動物園を核とした天王寺・阿倍野エリアの魅力向上を図る。
  • 公共空間をはじめ、民有地の屋上や壁面も含めた多様な都市空間の緑化に取り組むとともに、都市部におけるみどりの拠点づくりなど、大阪にふさわしいみどりのまちづくりを進める。

ⅲ市民生活の安全・安心の確保

  • こども医療費助成を拡充するとともに、児童相談所機能強化に向けて取り組むほか、妊婦健康診査公費負担などを引き続き実施し、こどもたちを安全・安心に産み育てることができる取組みをさらに進める。
  • 生活保護の適正実施や生活困窮者の自立支援を進めるとともに、特別養護老人ホームの待機者の解消を図るほか、発達障がい者や認知症高齢者など、真に支援を必要とする人のための取組みを充実する。また、地域における見守りネットワークなど地域福祉力の強化も図ることで、安心して生活できるセーフティネットを確立する。
  • 南海トラフ巨大地震に備えて、密集住宅市街地の整備や防潮堤・建築物等の耐震化を進めるとともに、区の特性に即したきめ細かな防災・減災の仕組みの構築に取り組むなど、ソフト・ハード両面を組み合わせた総合的な対策を推進する。
  • 街頭犯罪発生件数を減少させ、「全国ワースト」を返上するため、区長を中心として、大阪府や大阪府警とも連携しながら、各区の状況を踏まえた防犯対策を引き続き集中的に取り組む。

ⅳ活力ある地域社会づくりと区の特性や地域の実情に即した施策の展開

  • 地域活動協議会の取組みに対するきめ細かな支援を行うほか、地域におけるコミュニティ・ビジネスやソーシャル・ビジネスの促進や、多様な活動主体のネットワーク拡充への支援を行うとともに、地域公共人材の充実に引き続き取り組む。
  • 区民の日常生活に関する相談や要望を総合的に受け付け、解決に導く総 合拠点としての区役所の役割を充実させるなど、区役所における区民サービスのより一層の向上を図る。
  • こどもたちが緑の中で安全に遊べる環境づくりとして、各区の実情に応じて地域とともに校庭等の芝生化を引き続き進める。
  • 多くの行政課題を抱える西成区の現状を打ち破るため、必要な施策・事業に集中して取り組む「西成特区構想」及び、「あいりん地域を中心とする環境整備の取組み(5か年計画)」を大阪府や大阪府警とも連携し引き続き推進する。
  • 区長は、区域内の基礎自治に関する施策や事業の実質的な責任者として、子育て支援、福祉、環境美化など、局と十分連携したうえで、より一層、区の特性や地域の実情に即した施策を総合的に展開する。

(2)府・市間も含めた行財政改革の強力な推進

ⅰムダを徹底的に排除し、成果を意識した行財政運営

  • 市政改革プランの取組み状況を踏まえて、平成27年度の市政改革の基本方針を策定し、引き続き行財政改革を推進する。
  • 施策・事業の聖域なきゼロベースの見直し、歳入の確保などを進めることにより、新たに発生する社会的ニーズにも柔軟に対応しながら、安定的に市民生活を支えるための行財政運営を行う。
  • 行政サービスの受け手である住民に可能な限り選択権を委ねるとともに、民間でできることは民間に委ねるということを基本に、最適なサービスを提供するなど、これまでの経緯ややり方にとらわれることなく、改革の取組みを推進する。
  • 改革を推進する職員を育成し、PDCAサイクルを徹底するため、人材マネジメント・業務マネジメントを強化する。

ⅱサービス向上へのあくなき挑戦

  • すべての市民利用施設や事業において、利用者が真に求めるサービスを的確に把握し、速やかに提供するなど、これまでのやり方にとらわれることなく、徹底したサービス改革を行い、利用者の視点に立った自治体トップレベルのサービスをめざす。


ⅲ広域行政・二重行政の一元化と事務事業の連携に向けた取組み

  • 府市統合本部で取りまとめた経営形態の見直し検討項目と、類似・重複している行政サービスの基本的方向性について、具体的進捗を図る中での課題解決を行い、早期実現をめざす。
  • 府・市間における「事務事業の共同化」や「日常業務の一体的運営」などの取組みを推進する。

ⅳ徹底したICT活用

  • スマートフォンの普及に対応した様々なアプリケーションの開発等により、市民サービスの向上を図り、市民と行政との距離感を縮めていくほか、民間によるサービス提供や市民の行政参画の促進等に向け、行政が保有するデータを公開する「オープンデータ」に取り組む。
  • あわせて、本市の業務についても、タブレット端末等を積極的に活用するなど、業務プロセスの改善を図る。

ⅴ事務処理手続きの適正化等

  • 事務の公平性・正確性の確保や個人情報保護といった行政としての責務を全うするため、行政の事務処理の手続きについて、常に社会の変化に対応して見直しを行うことで適正化を図り、その遵守を職員に徹底する。
  • 本市が是正権限をもつ市民・企業などの法令等違反のうち、人の生命、財産などに危害を及ぼす可能性があり、緊急・重大性がある事案や、放置することで大きな支障を及ぼす事案等について、是正措置を速やかに行う。


(3)大阪の再生に向けた自治の仕組みの実現

ⅰ自律した自治体型の区政運営

  • 区長は、引き続き、その権限と責任において区の特性や地域の実情に即した施策や事業を企画・立案し、総合的に展開するとともに、区民による評価を改善や新たな展開につなげていく。
  • また、区政運営のさらなる充実をめざし、区長マネジメントによる取組みとして重点的に実施すべき事業を推進するため、「区政の充実のための重点経費」を新設する。

ⅱ大阪にふさわしい新たな大都市制度の実現

  • 「大阪府・大阪市特別区設置協議会」において取りまとめられた特別区 設置協定書(案)については、今後、府市それぞれの議会における承認、住民投票を経たうえで、特別区への移行をめざす。

ⅲ地方分権改革の推進

  • 関西広域連合の一員として、国の出先機関を関西広域連合へ「丸ごと」移管するよう国に求めていく。
  • また、補完性の原則に基づく事務・権限、財源の国から地方への移譲の徹底を国に求め、地方分権型道州制の実現をめざす。

4 平成27年度予算編成

 厳しい財政状況のなか、市民の安全・安心を支える安定した財政基盤の構築に向け、補てん財源に依存することなく収入の範囲内で予算を組むことを原則とするなど、将来世代に負担を先送りすることのないよう財政健全化への取組みを進めるとともに、限られた財源のもとでの一層の選択と集中を全市的に進める。

  • 行財政改革の推進や府・市による広域行政・二重行政の一元化の着実な実現に向け、予算を編成する。なお、府・市間の取組みの推進にあたっては、住民の視点等を踏まえ、府・市の役割分担に応じた負担となるよう取り組む。
  • 特別会計繰出金など、多額の一般財源を要する事項については、引き続き、精査する。
  • 区長・局長マネジメントのもと、PDCAサイクルを徹底し、歳出・歳入両面にわたって更なる自律的な改革に取り組む。
  • 自律した自治体型の区政運営の推進に向け、基礎自治行政に関しては、区長自らの努力で広告料収入などを確保する場合の財源も活用しながら、区長が区の特性や地域の実情に即した施策を展開・充実できるよう、その決定権に基づき、局予算も含め予算を編成する。
  • 公共事業については、より一層の選択と集中を進め、資産(投資)の組換えという手法も活用し、推進するとともに、その財源となる市債発行については、将来世代の負担を勘案し、必要最小限とするため厳しく精査する。
  • 財政運営の透明性や財政規律を一層確保する観点から、予算編成過程の公表を充実するとともに、平成27年度当初予算の公表にあわせて今後の財政収支概算を改訂する。

平成27年度 市政運営の基本方針

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