大阪市会だより12月号 平成29年 編集と発行/大阪市会事務局政策調査担当 〒530-8201 大阪市北区中之島1-3-20 ☎6208-8694 FAX 6202-0508 大阪市会ホームページアドレス http://www.city.osaka.lg.jp/shikai/ 平成28年度 公営・準公営企業会計決算認定 9~12月 定例会 お金の使い方をチェックしました!  大阪市会は、おもに平成28年度公営・準公営企業会計決算や一般会計等決算などを審議する平成29年第3回定例会を開きました。公営・準公営企業会計の決算報告については、9月13日の本会議において、市長の説明を受けた後、決算特別委員会を設置・付託し、6日間にわたる審査を経て、10月25日の本会議で賛成多数により認定しました。  また、9月27日の本会議では、株式会社USJとの賃料増額確認請求事件について和解するために提出した議案を可決したほか、一般会計補正予算などの案件を議決しました。  このほか、今定例会では、10月25日の本会議までに「小中学校におけるプログラミング教育の必修化に対して支援を求める意見書案」ほか4件の意見書案を可決し、内閣総理大臣をはじめ各関係行政庁へ送付しました。※一般会計等決算の審査の模様は、平成30年1月1日に発行予定の「大阪市会だより1月号」に掲載します。 決算特別委員会委員(公営・準公営企業会計) 委 員 長 副委員長 委  員 (自民) 床田 正勝 (自民) 前田 和彦   (公明) 岸本  栄 (維新) 広田 和美 不破 忠幸 竹下  隆     市位 謙太 大橋 一隆 丹野 壮治     上田 智隆 高見  亮 岡田 妥知 (自民) 有本 純子 木下 吉信 髙野 伸生 (公明) 八尾  進 西  徳人 辻  義隆     永田 典子 (共産) こはら 孝志 井上  浩 江川  繁 床田正勝 決算特別委員長 ●その他のおもな質疑項目● ○地下鉄の火災対策 ○BRTの社会実験 ○関西国際空港と伊丹空港を鉄道で結ぶネットワークの形成 ○水道局におけるICT活用 ○中央卸売市場本場の機能向上に向けた施設整備 ○元なにわの海の時空館の利活用 ○クルーズ客船の誘致 ○夢洲埋立事業の収支見通し 決算特別委員会の質疑 公営・準公営決算特別委員会の様子 交  通 地下鉄駅の可動式ホーム柵の設置等について 平成31年度までに谷町線の東梅田駅と堺筋線の堺筋本町駅に新たにホーム柵を設置します。また、ホーム柵の設置により輸送力が落ちるという課題に対し、整列乗車促進シートの設置などで乗降時間の短縮に取り組んでいます。中長期的な取り組みとして御堂筋線全駅へのホーム柵の設置を目指していきます。さらに、ベンチの向きを線路に対して直角に変更するなど対応を進めていく予定です。 高速鉄道事業会計の損失額が増加した理由はなぜか? 自動車運送事業の終結にあたり、自動車運送事業会計への出資金296億円は残余財産なし、貸付金約206億円は返済免除とする予定です。3月28日に交通事業の廃止条例案の可決により出資金・貸付金が回収できないことが確実となったことから、これらの引当金等を損失として計上する必要がある旨、監査委員より指摘があったため、平成28年度決算にこれらの損失額を計上しました。 水  道 工業用水道事業の収益確保や今後の方向性については 平成20年のリーマンショックによる急速な景気悪化などの影響を受け、工業用水道事業は大幅に需要が減少しており、段階的に浄水施設のダウンサイジングを進めてきました。平成28年度では、一日最大給水量が約8万5千立方メートルとなり、ピーク時の5分の1を下回っています。減少し続ける需要に対して、地下水利用者には、揚水機の更新するタイミングでPR活動を行い工業用水道への転換を促すとともに、企業誘致説明会において工業用水道の紹介パンフレットの配布を依頼するなど、新たな需要者の獲得に向けて取り組んでいきます。  今後、浄水施設や管路の老朽化に伴い多額の整備費用が必要となるため、厳しい経営状況が続くことが見込まれます。将来にわたりサービスの提供を安定的に継続するため、中長期的な経営の基本計画となる経営戦略を平成29年度中に策定し、その中で今後10年間の収支見通しや目指すべき取り組み目標などを盛り込んでいきます。 中央卸売市場 中央卸売市場事業会計について 施設の解体撤去などによる特別損失を除いた経常損益は約6,200万円の剰余となり、25年ぶりに剰余となりました。  減価償却費や支払利息が減少したほか、経費の約3分の1を占める光熱費の削減を図るために節電対策や太陽光発電による電気供給に取り組むとともに、電力消費の主流である市場内事業者等の協力が得られたことにより、光熱水費が大きく減少したことによるものが大きな要因です。さらに、平成28年度の電力調達において、競争性が働いたことから、前年度よりも12パーセントの減額ができたことや、入札電力単価に付加されている燃料費調整額が大幅に減少したことも影響している旨、答弁がありました。 喫煙対策について 安全で安心な生鮮食料品を安定的に提供するという重要な社会的役割を担っている中央卸売市場においては、受動喫煙防止対策の徹底が求められていることを十分に認識し、分煙を周知するチラシ配布やポスター掲示、場内放送などを実施しています。今後も、卸・仲卸業者などの市場内事業者と連携を図りながら、これらの対策に引き続き取り組んでいきます。 港  営 夢洲へのIR・万博誘致におけるインフラ整備の考え方は 夢洲におけるIRの実現や万博の開催は、臨海部の活性化の起爆剤となり、大阪ひいては関西の発展に大きく寄与することが期待できます。このため、港湾局としても実現に向け積極的に取り組んでいます。これに関連する道路や上下水道などのインフラ整備については、IRや万博の成否の結果を受け、土地利用の需要の状況を見定めながら、収支のバランスにも配慮しつつ、開発に合わせて段階的に進めていきます。 万博誘致場所の津波対策について 南海トラフ巨大地震に伴う津波については、国が設定した震源モデルを使って大阪府がシミュレーションを実施しています。それによると、万博開催時の夢洲の地盤は、津波より4~5メートルの余裕高が確保されており、ごく一部では浸水があるものの、盛土上にあるIR予定地や、万博を予定している国際観光拠点に津波の影響はないとされ、安全性は十分に確保されています。 下 水 道 クリアウォーターOSAKA株式会社の状況は、どうなっているのか 本年4月から、下水道施設の運転維持管理について、クリアウォーターOSAKA株式会社への包括業務委託を実施しています。  同社は、本市からの技術・ノウハウを引き継いでおり、下水管渠から下水処理場まで施設全般を対象に運転管理や施設保全、修繕まで、トータルの維持管理を行うことができます。同社は、この強みを生かし、技術者不足等に苦慮する他の自治体のニーズをくみ取りつつ、包括業務委託等の受託を目指しています。現在同社は、本市周辺の自治体に出向いての市場調査や民間企業との連携パートナーシップ協定の締結を進めるなど、潜在的な需要の掘り起こしに努めており、同社の特性を生かせるビジネス案件につながることを期待しています。  また、運営権制度の導入については、国庫補助などの財源確保や老朽施設による事故が発生した際の行政と運営権者とのリスク分担などの課題について整理を行い、国などの関係部署との協議や市独自の検討を精力的に進め、これらの課題解決に努めていきます。 市会議員から 市に質問  交通事業や水道事業、中央卸売市場事業などの公営・準公営企業会計について「前年度の予算が適正に、効率的に使われたか?」などをチェックする決算特別委員会が開かれました。 平成 28年度 公営・準公営 決算概要 収益的 収支 事 業 収 益 費 用 差 引 平成28年度 未処分利益剰余金 (△未処理欠損金) バス 億 132 万円 7,108 億 126 万円 8,408 億 5 万円 8,700 億 △788 万円 4,423 地下鉄・ ニュートラム 1,700 8,984 1,804 0,553 △103 1,569 1,083 3,974 水道 659 5,405 507 5,271 152 0,133 297 0,266 工業用水道 20 8,568 15 9,368 4 9,199 6 4,474 中央卸売 市場 75 8,456 77 8,273 △1 9,816 △353 4,407 港営 153 2,393 131 6,348 21 6,045 △1,589 4,175 下水道 843 7,055 816 2,781 27 4,273 58 4,403 ※1万円未満切り捨て 高校生と市会議員の意見交換会を行いました 自分の意見を 言えました 議員を身近に 感じられました! また参加したいですっ 大阪市がもっと 良くなってほしい  大阪市会では、平成29年7月27日(木)、28日(金)の2日間、市民に身近で親しまれる市会をめざし、その広報事業の一つとして大阪市会で初めて「高校生と大阪市会議員の意見交換会」を開催しました。  大阪市立の高等学校に在学する高校生が、2日間で合計75名参加しました。  今回の意見交換会は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、更なる若者の政治参加が期待される中、次代を担う高校生が市会議員と意見交換をすることで政治や行政、選挙等に対する理解と関心を高めることを目的として行われました。  「高校生と大阪市会議員の意見交換会」では、意見交換だけではなく、普段議員が活動している委員会室や、市役所屋上に設置されているみおつくしの鐘などの見学や、議会のしくみについて市会議員が自ら説明する時間もありました。 島田実行委員長あいさつ  意見交換会では、2日間でのべ40名(うち女性議員はのべ21名)の市会議員が参加しました。高校生3~5名と市会議員2名が1つのグループとなり、さまざまな意見交換を行いました。高校生からは議員の仕事や大阪市政に対する質問や提案などがありました。また「特別区」や「総合区」など、これからの大阪市がどうなっていくのかという質問も出ました。 高校生からの質問(抜粋) 若者向けの政策はありますか? 現役世代への投資は、非常に重要なことだと思っている。今年の11月から子どもの医療費助成が18歳までに拡大される。高校生のみんなから提案してくれれば更に良くなるのではないか。また、教育の無償化を大学まで拡充したいと思っている会派もある。 議員をやめたいと思ったことはありますか? 議会で質問など失敗したこともあるが、議員はやりがいのある仕事だと思っている。議員が発言したことで大阪市政が変わり、成果が見える。 選挙権が18歳に下がりましたが、今の高校生に期待すること はなんですか? 若者の今の投票率は50%ぐらいで、特に低年齢層の投票率が低い。そうなると候補者は選挙に勝つために投票率の高い高齢者への施策を選挙公約にあげる可能性が高くなってしまうので、ぜひ投票に行ってほしい。  今回のイベントは、受付から進行、最後のお見送りまで、すべて実行委員の議員自らが行いました。会派を超えて議員が直接高校生と接することで、高校生たちにとってより議員を身近に感じてもらえるイベントとなりました。 受付 イベント後のお見送り 参加者のアンケート 意見交換会の満足度 大変満足 64% 満足 32% ふつう 4% 参加した高校生の96%がイベントに満足と回答していました!! ◦とても楽しかったです。あと2年で投票権を持つことになるので、今回の経験を生かして投票しようと思います。 ◦今まで遠い存在だった議員さんと交流して、関心が深まりました。 ◦日頃生活している中では絶対に体験できないようなことができて、自分の視野が広がりました。 ◦参加するまでは市会に興味がなかったですが、今回参加して興味がわきました。  市会や議員についてもなかなか興味がわかなかった高校生たちは、初めは緊張してポツリポツリと答えるだけでしたが、だんだん打ち解けて議員たちとフレンドリーに会話したり、白熱した意見交換を行ったりするようになりました。参加した高校生たちの全員が、また同様のイベントがあれば参加したいと回答しました。 市会のうごき 9/6(水) 招集告示〔9~12月定例会〕 13(水) 〈開会〉本会議(公営・準公営企業会計決算の市長説明など) 14(木) 決算特別委員会【公営・準公営】 (正副委員長の互選、説明など) 20(水)~22(金) 常任委員会(付託案件の審査、請願書・陳情書の審査など) 27(水) 本会議(常任委員会付託案件の議決など) 10/2(月)~5(木) 決算特別委員会【公営・準公営】(質疑) 24(火) 決算特別委員会【公営・準公営】(付託案件に対する態度決定) 25(水) 本会議(公営・準公営企業会計決算の議決など) 可決した意見書 意見書は可決後、国会・関係行政庁に提出します。 ○食品衛生管理の国際標準化を求める意見書 ○小中学校におけるプログラミング教育の必修化に対して支援を求める意見書 ○受動喫煙防止対策を進めるために健康増進法の改正を求める意見書 ○大規模災害時の法制度に関する抜本的な見直しを求める意見書(以上9月13日) ○非専門士業者による法的業務代理の排除及び各士業の根拠法等の適正な運用確保のための制度充実を求める意見書(10月25日) ※大阪市会だよりは新聞折込みでお届けします。折込みは、朝日・毎日・読売・産経・日本経済新聞の朝刊です。この5つの新聞を購読されていない方でご自宅への郵送をご希望の場合は、電話・ファックス等で市会事務局政策調査担当へお申し込みください。なお、次号は平成30年1月1日(月)に発行する予定です。