1 大阪市会だより 令和4年5月号 編集と発行/大阪市会事務局政策調査担当 〒530-8201 大阪市北区中之島1-3-20 ☎6208-8694 FAX 6202-0508 大阪市会ホームページアドレス https://www.city.osaka.lg.jp/shikai/ 令和4年5月1日発行 令和4年度 予算案可決 予算総額 3兆4,627億円  大阪市会は、2・3月市会(定例会)を2月10日から3月29日まで開きました。  この定例会では、おもに令和4年度予算案について審議しました。予算案は、3月4日に各常任委員会に付託され、さまざまな観点から審査が行われました。3月29日の本会議で採決され、大阪IRに関する議案については附帯決議を付して可決されました(詳細は2面で紹介)。  本号では、令和4年度予算案などに対して、常任委員会で行われた議員の質疑と市の回答の一部を紹介します。 次回の5月市会(定例会)の予定をお知らせします 5/13 本会議<開会> 5/18~20 各常任委員会 5/25 本会議 5/27 本会議<閉会> 2・3月市会 常任委員会 議員のQ & 市のA 財政総務委員会 Q 大阪市の財政状況について A 令和4年度当初予算は、令和3年度と比較すると歳入は市税収入が533億円の大幅増、歳出は公債費が137億円減となるなどにより収支が改善し、通常収支が均衡することとなりました。  また、今回の財政収支概算では、国の経済成長に係る見通しに基づいて市税収入などの増加を反映させた結果、令和10年度には地方交付税制度上の財源不足がなくなるため、不交付団体となる見込みです。その場合、税収の増減がそのまま財政に影響を与えるため、急激な環境変化にも対応できる財政運営が必要となります。 Q DX(※)推進の人材確保などについて A 令和4年度の職員採用試験に「デジタルに関する論文」の科目を新たに設け、デジタル技術を活用して業務プロセスや市民サービスを変革できる人材を確保します。さらに、高いデジタルスキルを有する外部専門人材を活用し、職員と協働して業務に取り組める体制を構築していきます。  また、生活者目線・事業者視点でデザインされた便利で快適なサービスの提供を目指し、役所に来られることなく手続きが完結できるような市民サービスの実現に向けて取り組んでいきます。 ※デジタルトランスフォーメーション/デジタル技術を浸透させることで、人々の生活をよりよいものへと変革すること。 その他の質問項目 〇職員の採用・人材育成・職員の働き方改革について 〇未利用地の活用について 〇副首都化に向けた取り組みについて   など 教育こども委員会 Q ヤングケアラーへの支援について A 令和4年度当初にスクールカウンセラー全員を対象に研修を実施し、ヤングケアラーに必要な視点を踏まえた支援が行えるようにするとともに、児童・生徒への日常的な声掛けなどで、こどもが家庭についてより相談しやすい環境につなぐことができるようにします。  また、寄り添い型相談支援事業では、もと当事者などが聞き手となり、相談を受けるピアサポートなどをSNSでも実施し、こどもたちが相談に向けて一歩踏み出せるよう取り組んでいきます。 Q 不登校児童・生徒への支援策や不登校特例校の設置について A 小中学校に不登校対策のモデル校を指定し、魅力ある学校づくりや不登校の児童・生徒への早期対応の研究に取り組むとともに、教育支援センターを2か所増設し、学校以外での学習の場として不登校児童・生徒の受け入れを行っています。  また、不登校を経験した児童・生徒が落ち着いて過ごせる環境の充実も重要な要素であり、教育支援センターに実際に通う児童・生徒や保護者の声を参考にしながら、安心して生活できる環境を備えた不登校特例校の設置を検討していきます。 その他の質問項目 〇学校教育のICT活用事業について 〇医療的ケア児の受け入れ強化について 〇塾代助成事業について         など 民生保健委員会 Q 保健所の体制強化について A 新型コロナウイルス感染症が、想定を上回るペースで急拡大したことにより、データ入力が遅れるなど業務が逼迫したため、全庁的な応援体制をとりました。第7波に備えて業務全般の抜本的な見直しを行うため、令和4年度にデジタル統括室と保健所でプロジェクトチームを立ち上げ、さまざまな課題の見直しを進めていきます。  また、保健師を増員して各区に配置し、保健所と兼務とするなど、平常時と非常時に分けた、より迅速で柔軟な応援体制の構築に取り組んでいきます。 Q 長居障がい者スポーツセンターの建て替えについて A 建て替え後の施設の機能などを検討するため、利用者や大阪市内の障がい者、アスリートなどへアンケート調査を実施しています。多様な障がい特性に配慮しつつ、ICTの活用によりサービス向上を図り、よりよい施設となるよう調査・検討し、外部有識者からの意見を聴取しながら令和4年度に基本構想を策定します。建設場所は、利用者の利便性を考えれば長居公園内の長居駅近くとなりますが、近辺の地下構造物への影響を考慮しながら検討を進めます。 長居障がい者スポーツセンター外観写真掲載 その他の質問項目 〇高齢者施設の入所者や小児への新型コロナワクチンの接種について 〇大阪健康安全基盤研究所について 〇認知症への支援策について       など トピックス 駐日ウクライナ大使からのメッセージ  3月28日に全議員と市長・副市長が、議場でウクライナのコルスンスキー駐日大使からのメッセージを受けました。大使はオンラインで、大阪市による避難民受け入れなどに対する謝意などを述べられました。  後日、議員全員で、ウクライナ大使館へ支援金(83万円)を贈りました。 可決した意見書 意見書は可決後、国会および関係行政庁に提出します 〇医療福祉現場等における犯罪行為を防ぐために必要なデータベースの整備を求める意見書 〇ガソリン等の価格の高騰から国民生活及び社会経済を守るため揮発油税等におけるトリガー条項の発動停止規定の削除等を求める意見書 〇生活保護停止中の方を福祉医療費助成制度の対象とする制度改正を求める意見書 (以上、3月29日) 「大阪市会だより」は再生紙を使用しています。 2 大阪市会だより 令和4年5月 3月 市会のうごき 3/3〜4 本会議 ■各会派代表者による代表質問(前回で紹介) ■令和4年度予算案などの常任委員会への付託 ■各種議案の説明・常任委員会への付託 3/7 各常任委員会 ■予算案の説明 市会の紹介動画です 市会のうごきなどについてもっと知りたい方はこちら!(QRコードの掲載) 3/10~11・14~16 各常任委員会 ■予算案の審査  (1・2面で紹介) 3月16日の都市経済委員会では、IR事業者の代表2名が参考人として出席しました 3/18・22~23 各常任委員会 ■各種議案などの審査 3/28 本会議 各常任委員会 [本会議] ■令和4年度一般会計補正予算案(第1回)の説明・常任委員会への付託 [各常任委員会] ■予算案などの採決 ■補正予算案の審査  (財政総務・民生保健委員会) 3/29 本会議<閉会> ■予算案などの議決 各議案の内容・賛否などはこちらからご覧いただけます。(QRコードの掲載) 都市経済委員会 Q 万博会場への移動手段などについて A 来場者の約4割を輸送する予定の地下鉄中央線は、円滑な交通アクセスを確保するうえで非常に重要であるため、輸送力を増強する必要があります。改札機の増設など、駅機能を強化するためなどの事業費は、大阪府と大阪市を合わせて約56億円を見込んでいます。  ほかにも、SDGsへの貢献を目指す万博として、会場アクセスのバリアフリー化は大切な取り組みであり、障がいをお持ちの方々の意見を反映することも含め、どのように進めるのか検討していきます。 Q IR(統合型リゾート)について A IRの立地により、大阪府と大阪市に年間約1,060億円の納付金と入場料収入が見込まれるとともに、地元企業からの積極的な調達や、来訪者が地域で消費活動を行うことなどにより、年間で約1兆1,400億円の経済効果があると見込んでいます。一方で、IR事業の実現のためには、感染症や夢洲特有の課題などの解決が前提条件であり、その条件が成就していない場合には、事業者に基本協定の解除権を付すこととしました。 大阪IRのイメージ画像(MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックス提供) ※変更の可能性があります。 その他の質問項目 〇産業振興策について 〇地域交通ネットワークについて 〇大阪城東部地区のまちづくりについて  など 市政改革委員会 Q 区役所の窓口サービスについて A 住民情報の窓口業務を民間委託することで、実際の事務作業の多くは民間事業者のスタッフが担うことになりますが、責任を持って行政サービスを提供するためには、後方で審査などを行う職員が法律や制度を理解し、特にレアケースにおいて迅速に対応する力を維持することが重要であると考えています。そのために、区役所と市民局の連携による職員の学習サポートや、組織を越えて情報共有ができる仕組みの構築などに継続的に取り組んでいます。 Q 犯罪被害者やその家族・遺族への支援について A 犯罪により精神的なダメージを負われた方々に対して、相談窓口を設けて専任の職員を配置し、丁寧な相談対応に努めています。犯罪被害者などへ見舞金の支給や日常生活支援も行っており、被害発生の初期段階で関係機関と連携することにより、相談を待たずに迅速に対応することが可能となりました。  また、自宅などで被害に遭い、引き続き居住することが困難となった方に対し、一時避難のための大阪府警からの宿泊支援の期間に加え、最大25泊分の宿泊費用を助成する予定です。 その他の質問項目 〇市営住宅の指定管理者による新たなサービスについて 〇不発弾の処理費用について 〇救急隊員の増員について        など 建設港湾委員会 Q 夢洲における土地改良事業について A IRは国際観光拠点の核となる施設であるため、IR事業用地としての適性確保が必須であり、そのための土地改良費は、土地に起因するものであることや臨海地域の活性化などの政策的な観点も踏まえ、土地所有者として負担することとしました。  また、費用は港営事業会計で負担し、万が一、同会計に資金不足が生じた場合は一般会計から有利子で貸付を行う予定であるため、市民が税負担することにはなりません。 Q 淀川左岸線(2期)事業について A 地盤改良工事の一部区間で民地への影響が確認されたため、複数の対応策を検討中です。一定の想定で工法を変更するとともに、新たに確認された地中障害物の撤去費用などを合わせると、事業費が約1,000億円増加する可能性があります。  大規模事業のリスク管理については、令和3年度に組織を立ち上げ対応しています。また、今後は専門家やコンサルタントなどの第三者も活用して、事業費や工程などを適切に管理するなど、徹底した事業リスク管理に継続的に取り組みます。 その他の質問項目 〇阪急連続立体交差事業について 〇水道のPFI管路更新事業について 〇「ゼロカーボンおおさか」の実現に向けた取り組みについて                など 附帯決議について 3月29日の本会議で、大阪IRに関する議案は、賛成多数により附帯決議を付して可決されました。 【都市経済委員会】  国は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」の制定にあたって、観光立国の構築をめざし「観光及び地域経済の振興に寄与する」ものと定めており、多彩な伝統・文化、及び豊富な観光資源などを有する大阪は、都市間競争に打ち勝ち、地域経済の振興を図るため、大阪IRの誘致に関して、以下の事項に留意すること。 1.大阪IRの設置にあたっては、都市魅力の向上、地域経済の振興を図るため、世界最高水準の国際会議場や展示施設を整備するとともに、積極的にMICEを誘致すること。 2.地域及び来訪者にとって、安全で安心な大阪の新たな観光拠点を形成するため、先進的な取り組みを推進すること。 3.既存ギャンブルに起因する依存症も含め、段階に応じた防止・回復の対策を実施するため、IR開業前に「(仮称)大阪依存症センター」を前倒しして設置すること。 【建設港湾委員会】  港営事業会計における債務負担行為「大阪・夢洲地区特定複合観光施設用地に係る土地改良事業」788億円(令和5~15年度)の執行にあたっては、以下の事項に留意すること。 1.特定複合観光施設用地の土地改良事業の費用については、適正な工法で施工され、それらの対策が必要性・合理性があるか否か、十分に精査・検討し、算定すること。 2.本事業については、債務負担行為限度額を厳守し、年度ごとに支出金額とその具体的な内容を公表すること。 ※大阪市会だよりは年5回発行を予定し、新聞折込みでお届けします。折込みは、朝日・毎日・読売・産経・日本経済新聞の朝刊です。この5つの新聞を購読されていない  方でご自宅への郵送をご希望の場合は、電話・ファックス等で市会事務局政策調査担当(☎6208-8694 FAX 6202-0508)へお申し込みください。