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「大阪市人権だよりKOKOROねっと」第25号テキスト版

2019年10月28日

ページ番号:323403

大阪市人権だより「KOKOROねっと」No.25
human rights & diversity magazine
平成27(2015)年6月発行 summer No.25

トピックス
【巻頭特集】
 それってダレの役割?
 男女が協力して社会を変えていこう!
【ヒューマンインタビュー】
 新しい世界におもいきって飛び込もう
 スタート・ケア代表 内橋康彦さん
【若者と就労】若い人必見!!
 さまざまな就労支援のカタチあります

■P1-2
特集 ダイバーシティ・男女共同参画
男女が協力して社会を変えていこう!

 今、日本では、共働きの家庭が約半数となっていますが、家事や育児は相変わらず女性の役割、男性は会社で働きづめ、お互いに不満を抱えたまま、日々、生活を送っている家庭は少なくありません。もちろん、それ以外の家庭でも同じようなことが起きていることでしょう。
 男性も女性も仕事と家庭を両立し、それぞれの役割を果たすことができれば、豊かでいきいきとした社会になるはず。
 そのためには、まず、自分の意識を変えてみましょう。

お宅はどうですか?
マンガ「それってダレの役割?」

マンガ「それってダレの役割?」の画像
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夫(職場にて)
 終わった〜!早く帰れるぞ!
妻(職場にて)
 会議の資料、残業しないと間に合わない!
夫(帰宅後)
 遅いなー?腹減ったな…
妻(帰宅途中)
 カレーの材料揃えてきたから作ってくれてるかな…。

 お帰りー!遅かったねー。早くご飯作ってー。

 何時に帰ったの?
 6時に帰って、ずっとテレビか・・・・

 これ、面白いね~。
 あっ、風呂も入れてね。

 何で家事は全部わたしなの!!
 わたしだって仕事で疲れてるのよ!!

 い、いや、そんなつもりじゃ…

 仕事はやりがいがあるし、子どもが生まれても働き続けたいけど…

 彼女ばかりに負担かけてたなぁ。僕もできることからやらなくっちゃ!


男女共同参画に関する挿し絵

「女の子らしく遊びなさい!!」って、なんで言われるの?
「専業主夫です」っていうと変な顔をされる。
保育園の送り迎えっていつも妻の役目なの?

男だとか、女だとか、そういうものにとらわれていませんか?

カタイけどやわらかい!?『男女共同参画社会』
 「男女共同参画社会」というとカタイ印象を受けますが、その考え方は、とっても、やわらかいもの。要は「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」という考え方を一旦リセットして、一人ひとりが「自分らしく」生きていけるようにした社会のことです。働く機会が男女公平に与えられ、また、ともに責任を持つ社会です。

男女共同参画社会だと、どうなるの?

地域が活性化する!

  • 男女がともに主体的に地域活動やボランティア等に参画することで、地域コミュニティが強まる。
  • 地域で助け合いながら、子どもたちをのびのびと育てられる。

家庭が充実する!

  • 家族が、それぞれの望む生活を実現するために協力し合い、絆が深まる。
  • 両立支援・子育て支援が充実し、安心して子どもを生み育てることができる。

職場が活気づく!

  • 女性の参画が進み多様な人材が活躍することで、経済活動の創造性が増し、生産性が向上する。
  • 男女ともに働きやすい職場環境で個人の能力がより一層発揮できる。

職場、家庭、地域など、お互いを尊重し合い 自分らしく生きていける!

■P3
今後、男女ともに家事・育児・介護・地域活動などに
積極的に参加するために必要なことを大阪市民に聞いてみました
(複数回答・上位5項目)

男性が家事、育児、介護などを行うことに対する男性自身の抵抗感をなくす
男性46.0%  女性64.2%

夫婦や家族間でのコミュニケーションを図る
男性51.8%  女性57.2%

労働時間短縮や休暇を取りやすくすることで、仕事以外の時間をより多く持てるようにする
男性48.0%  女性48.8%

社会の中で男性が家事、育児、介護などに参加することに対する評価を高める
男性37.9%  女性49.6%

男性の仕事中心の生き方、考え方を改める
男性37.0%  女性37.9%
(出典:平成25年度 大阪市男女共同参画に関する市民意識調査)

意識調査の結果からわかること
 家庭や地域のことは女性の役割という考えや、男性が家事、育児、介護などを行う抵抗感をなくし、むしろそれを評価する社会が望まれています。今後ますます男女がともに子育てや介護に関わりやすい社会になることが必要です。

大阪市では?
大阪市の男女共同参画の取組み
●女性活躍促進の取組み
●クレオ大阪の運営
  女性の再就職に向けたセミナー等
  男女共同参画に関する情報提供、講座、研修
  子育て支援
  女性のための相談、男性のための相談 
●DV(ドメスティック・バイオレンス)施策 など

「男女共同参画」に関するセルフチェックをしてみましょう

  • 仕事と家庭生活が両立できる環境である。
  • パートナーと対等な関係が保たれている。
  • 職場や家庭でコミュニケーションがとれている。
  • これは男の仕事・女の仕事と分けて考えていない。
  • 誰からも暴力行為やセクハラ等を受けていない。
  • 家族みんなで家事を分担している。
  • 子育ては夫婦で協力し合っている。
  • 子どもに「男らしく」とか「女らしく」と価値観をおしつけていない。
  • 地域活動に家族で参加している。

男女共同参画をめざす活動とネットワークの拠点
クレオ大阪
■男性の悩み相談
クレオ大阪子育て館(男性相談員が対応)
電話相談 電話06-6354-1055
(毎週金曜日19時~21時、毎月第3日曜日11時~17時)
面接相談 予約電話06-6770-7723
(毎週金曜日19時~21時、毎月第3日曜日11時~17時/予約は火曜~土曜10時~20時30分、日曜・祝日10時~16時)

■女性総合相談センター
クレオ大阪中央
総合相談受付 電話06-6770-7730
電話相談 電話06-6770-7700
(火曜~土曜10時~20時30分、日曜・祝日10時~16時)
※面接相談は予約が必要です

■人権全般に関する相談はこちら
大阪市人権啓発・相談センター
電話06-6532-7830(なやみゼロ)(相談専用)
ファックス06-6531-0666(相談専用ファックス番号)
大阪市西区立売堀4-10-18 阿波座センタービル1F
地下鉄「阿波座駅」2号または4号出口よりすぐ 
〔開設時間〕
平日9時~21時
土日・祝日9時~17時30分
お気軽にお問い合わせください

6月23日〜29日は男女共同参画週間です

■P4
若者と就労

さまざまな就労支援のカタチを利用してみませんか
 高齢化社会による定年延長化や技術発展による機械化・省力化にともない、若年層の労働・就職状況は悪化の道をたどってきました。そして平成12(2000)年以降、派遣などの非正規雇用者が増え、その後の金融危機やリーマンショックにともなう景気悪化により、非正規雇用や新規雇用枠が減少し仕事に就けない若者が増えてきました。
 このような状況の中でも近年、少しづつ景気が落ち着き、若年層の失業率も低下傾向になってきています。ですが、正規雇用者は減り派遣やフリーターといった非正規雇用者の比率が増えています。また「若者の意識に関する調査」で、ひきこもりになったきっかけは、就職に起因するものが多いということもわかってきました。
 そこで、そういった若者に対し、時代に即したカタチで就労や社会参加を支援する施設や事業が生まれてきています。

●若年層(15~34歳)の雇用状況の推移

若年層(15~34歳)の雇用状況の推移を表したグラフ
別ウィンドウで開く

知っていますか?若者の就職サポート機関
 上のグラフに見られるように、若者の就労が不安定な状況が続いていますが、むしろ採用に苦しんでいる企業も多くあります。
 次に紹介する機関等の相談・支援活動を受けて、自分に合った就職先を見つけることも、新しい就職活動ではないでしょうか。

■大阪ハローワーク関連施設
正社員での就職を希望する概ね35歳未満の若者を対象とし、就職を一貫サポートする施設です。就職に関することなら何でも相談できます。
●あべのわかものハローワーク
 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-5-1あべのルシアスオフィス棟10階
 電話06-4396-7380
●大阪わかものハローワーク
 大阪市北区角田町8-47阪急グランドビル18階
 電話06-7709-9470
 平日/10時~18時30分 土曜/10時~18時(日曜・休祝日及び年末年始休み)

■大阪市若者自立支援事業コネクションズおおさか
(大阪市若者サポートステーション)
 コミュニケーションが苦手で、なかなか一歩が踏み出せない、働きたいけれど、学校を卒業してから長いブランクがあって、何からはじめていいのかわからない若者等に対し、相談から、スモールステップのプログラムで自立への支援を行います。
大阪市北区梅田1-2-2-400 大阪駅前第2ビル4階
 電話06-6344-2660 ファックス06-6344-2677
 大阪市若者自立支援事業 コネクションズおおさかホームページ
 11時~18時30分(受付は18時まで)火・木・金・土(祝日を除く)

■NPO法人 淡路プラッツ
“働くこと”よりもコミュニケーションに不安を抱える若者も居ます。『居場所支援』を中心に、ひきこもりやニートといわれる若者の社会参加とそのご家族を伴走型で支援しています。(有料です)。
大阪市東淀川区下新庄1-2-1
電話・ファックス06-6324-7633
NPO法人 淡路プラッツホームページhttp://www.awajiplatz.com別ウィンドウで開く

■NPO法人 スマイルスタイル
「しあわせを感じながら働く人がこの場所からたくさん生まれるように。」との想いを込めた「働く」「仕事」の情報発信基地『ハローライフ』の運営など、さまざまなソーシャルデザインプロジェクトを行っています。
大阪市西区靭本町1-16-14
電話・ファックス06-6147-3285
NPO法人 スマイルスタイルホームページhttp://smilestyle.jp別ウィンドウで開く

こんな事業も行われています。
若者応援宣言企業
概ね35歳未満の若者を採用・育成のためハローワークに求人を提出し、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を公表する中小・中堅企業を「若者応援宣言企業」として、積極的にマッチングやPR等を行っています。
★大阪労働局のホームページまたはハローワークの求人検索パソコンから、応募する前に企業のことを詳しく知ることができます。
★応募の相談や職業紹介は、各ハローワークの窓口でもできます。

■P5
企業と人権
知っておきたい「CSR(企業の社会的責任)」とは?
 最近よく耳にする「CSR」とは、どんな定義(意味)があるのでしょう。
 CSRは『corporate social responsibility』を略したものですが、明確な定義はありません。従来からの企業理念や経営理念に置き換えることもできますが、今ではより広い意味で「社会的責任」と位置づけています。具体的には、社会的公正さ、環境への配慮、利害関係者(お客様・取引先・地域社会・株主・従業員など)に責任ある行動を取るということです。
 例えば、お客様に対しては安心・安全で満足していただけるよう、また地域社会では環境への配慮と貢献活動の推進を。従業員に対してはダイバーシティ(多様な人材の受入れ)や、働きやすい環境づくり(ハラスメント対策やワーク・ライフ・バランスなど)の推進など、企業と人や地域との相互関係がますます見直されています。

知っていますか?「CSR」のメリット!
「CSR」に基づく企業活動によって
企業とそれを取り巻く様々な人々、地域が豊かになれます!

企業メリット

  • 社会的評価・信頼の向上
  • 社員のモチベーション保持・強化
  • 新たなアイデアや価値を生み出す
  • 優秀な人材の確保につながる
  • 生産性・生産効率がアップ

地域メリット

  • 地域の活性化が図れる
  • 企業との連携が広がる
  • 地域環境が良くなる
  • ボランティア活動への協力が得られる

従業員メリット

  • 個人の性格や個性(人権)が尊重される
  • 職場が安全で衛生的になる
  • 仕事のスキルアップが図れる
  • 仕事と生活の満足度がアップする

●社会的責任に関するガイドラインISO26000
 国際規格ISO26000とは、企業だけでなく様々な組織を対象とした社会的責任に関するガイドライン規格です。今後、社会的責任を実践していくうえで、グローバルな共通テキストとして期待されています。
〈参考URL〉※ISO26000→http://iso26000.jsa.or.jp/

人権column
もう、チェックしましたか?
「大阪府の最低賃金」
1時間838円です

 都道府県ごとに決められている最低賃金(毎年改定)は、年齢に関係なく、パートやアルバイトなどを含め、全ての労働者に適用されます。
 あなたの賃金が最低賃金以上になっているか確認してみましょう。
■最低賃金に関するお問合せは、大阪労働局(電話06-6949-6502)または最寄りの労働基準監督署へ

■P6
大阪市からのお知らせ

「目の前の 人をまっすぐ 見てほしい」
人権に関する作品募集事業 キャッチコピー【一般の部】平成25年度 佳作 山野 大輔さん

6月は「就職差別撤廃月間」です 〈しない  させない  就職差別〉
 昭和50(1975)年に「部落地名総鑑事件」が発覚したことを契機に、大阪府ではすべての職場、すべての企業から就職差別を解消するため、全国に先駆け昭和57(1982)年から本月間を設けています。毎年6月はハローワークにおいて、新規学卒求人票の受理が始まることから各種啓発活動を集中的に展開しています。
 採用面接時に、家族の出身地や職業、思想・信条などについて質問することは、本人に責任のない事項や本来自由であるべき事項で応募者を判断することになり、就職差別につながるおそれがあります。
 就職の機会均等を保障することの大切さについて皆さんのご理解をお願いします。

就職差別110番
採用面接時等の差別について、相談、関係機関の紹介等を行います。
電話06-6210-9518 〔6月17日(水曜日)~19日(金曜日)10時~18時〕
メールrosei-g04@sbox.pref.osaka.lg.jp ※返信先をご記入ください(Eメールでの相談受付は6月中随時)
問い合わせ 大阪府商工労働部雇用推進室 電話06-6941-0351(内線6761)

採用選考は、人の一生を左右しかねない重要な意味を持っています。
就職の際の採用選考においては、次の3点を基本的な考え方として実施することが重要です。

  • 「人を人としてみる」人間尊重の精神、すなわち応募者の基本的人権を尊重する
  • 応募者のもつ適性・能力を基準として採用選考を行う
  • 応募者に広く門戸を開く

就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例

  • ×本籍に関する質問

なぜこのような質問はいけないのか?
 本籍を質問することは、結果的に就職差別につながるおそれがあり、公正な採用選考から同和地区出身者や在日韓国・朝鮮人の人たちを排除してしまうことになりかねません。

  • ×住居とその環境に関する質問
  • ×家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
  • ×資産に関する質問

なぜこのような質問はいけないのか?
 応募者の適性・能力を中心とした選考を行うのではなく、本人の責任でないことがらで判断しようとしていることです。これらは本人の努力によって解決できない問題を採否決定の基準とすることになり、そこに予断と偏見が働くおそれがあります。

  • ×思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問

なぜこのような質問はいけないのか?
 思想・信条や宗教、支持する政党、人生観などは、信教の自由、思想・信条の自由など、憲法で保障されている個人の自由権に属することがらです。それを採用選考に持ち込むことは、基本的人権を侵すことであり、厳に慎むべきことです。

問い合わせ 大阪市人権啓発・相談センター 電話06-6532-7631 ファックス06-6532-7640

■P7-8
Human Interview
チャレンジ★ダイバーシティ

新しい世界に飛び込めば、
過去の経験や失敗は、ネタになる。
 「何かしたい」けど、何ができるのかわからないし、時間もない、自分には無理という人は多い。けれど、「何かしたい」と思ったら、まずは行動してみましょう。その最初の一歩がワーク・ライフ・バランスです。ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活、どちらも大切にして人生を楽しもうとする考え方です。今回は、ワーク・ライフ・バランスの考え方を採り入れ、やりたいことを実現した、スタート・ケア代表・内橋康彦さんに、視野を広く持つことの大切さやワーク・ライフ・バランスの可能性についてお話しいただきました。

スタート・ケア代表 内橋康彦さんの写真

スタート・ケア代表 内橋 康彦さん
うちはし・やすひこ ワーク・ライフ・バランスから介護離職を防ぐ活動をする団体「スタート・ケア」の代表。17年間システムエンジニアとして勤めた会社を退職し、(株)ワーク・ライフバランス代表の小室淑恵さんからワーク・ライフ・バランスを学び、セミナー講師に転身。現在は、主に将来、親の介護で仕事を辞めないための「介護と仕事の両立の備え」やシステムエンジニアに向けたワーク・ライフ・バランスと起業についてのセミナーやコンサルティングを行っている。ワーク・ライフ・バランスを体感する勉強会「コミカレOSAKA」副代表。生駒市男女共同参画審議会委員などを務める。兵庫県神戸市出身、奈良県生駒市在住。妻、中学校1年の長男、小学校4年の次男の4人家族。

残業、残業…で悪循環に
―システムエンジニアをされていた時は、残業が多かったのですか?
 午後9時までは当たり前。夜11時になる人も少なくなく、6時に帰ろうものなら定時なのに「早退?!」という目で見られて帰りづらかったです。大きな案件の時は、徹夜や休日出勤が続いて、「家でテレビみてゆっくりする」、そんなことさえかなわない生活でした。
―それでも17年間勤めたのは?
 何度も「辞めたい」と思いましたが、辞められなかったんです。辞める勇気がなかなかわかず、ズルズルいただけです。
―どんな気持ちで残業を?
 「どうせ、今日も終電やから」と思うと、「がんばろう」という気にはなれず、ついダラダラ。効率が上がらず、残業。悪循環でした。
―辞めると決めたきっかけは?
 ちょうど次男が生まれた時でした。担当しているシステムにトラブルが生じました。その時、自分の実力不足を痛感するとともに、会社から理不尽と思える扱いを受け、悔しい思いをしました。「ここにいたらずっと悔しいままだ」、そう思ったのが退職を決意したきっかけでした。
―不安はなかったのですか?
 不安だらけでした。ただ、長時間労働、給料ダウンと待遇がどんどん悪くなったのと、新しいことをしたい想いが強くなってきたので、辞めることに迷いはありませんでした。

辞める前から準備する
―最初に何をしましたか?
 辞める何年か前から、本を読んだり、興味のあるセミナーを受けたり、外の世界に目を向けていました。今思えば、17年間、閉鎖的な環境にいました。仕事内容も変わらなければ、職場環境も変わらない。私が入社した時にいた人がまだ隣に座っていたり…。
―同じ環境にいる方が楽なのでは?
 ラクかもしれませんが、私の場合、刺激も成長もありませんでした。絵具でいえば、青い色ばかりをどれだけ塗っても青にしかならないのと同じ。しかし、そこに違う色を加えていくことで、新しい、自分の色をつくっていくことができます。
―内橋さんにとって違う色とは?
 ワーク・ライフ・バランスという概念でした。これを提唱している小室淑恵さんに影響を受け、ワーク・ライフ・バランスをベースに、多様なセミナーを開催している学びの場「コミカレOSAKA」のスタッフを始めました。そこで、いろんな価値観を持つ人たちに会い、閉じていた世界が一気に広がりました。そうした中で、ワーク・ライフ・バランスを広めるため、セミナー講師の道を選んだのです。
―時間に余裕ができましたか?
 働く時間というか、仕事にかかわっている時間は実は長くなってしまいました(笑)。でも、時間調整は自由にできるので、子どもと遊んだり、地域の行事に参加したりすることは多くなりました。
―新しい仕事のいいところは?
 ひとから言われて仕事をするのではなく、自分で創り上げていけるところと、常に新しい人と出会い、新しいことができる点ですね。成長を実感でき、そのうえ人に感謝されると嬉しいし、やり甲斐を感じます。
―講演では、どんなことを?
 近い将来、親の介護をすることになる人に向けて「介護離職」を防ぐための心構えや方法について話をしています。

介護は10代にも関係がある?!
―介護といってもまだまだ実感がわかない人が多いのでは?
 実感はないでしょうが、いろいろと関係はあります。晩婚化で、祖父母の介護を中学・高校生が担うケースもあり、介護が原因で荒れる学生も増えています。実際に介護しているのは親でも、親が苦労していたら、子どもはその影響を受けます。「一億総介護時代」を迎え、いつ、誰がそうなるかはわかりません。
―介護と仕事、どう考えれば?
 「親のために仕事を辞めなければならないのか」という話になります。その時は「自分の事を一番に考えてください」と伝えています。介護で、仕事を辞めたり、夢をあきらめたりすると、そのことが自分のストレスになり、最悪の場合、虐待にもつながりかねません。自分が幸せでないと、人も幸せにはできません。大切なのは、介護しなければならないようになる前から、考えを柔軟にし、いろんな選択肢を準備しておくことですね。

全員介護で、残業できる人がいなくなる?!
―「ワーク・ライフ・バランスなんて理想にすぎない」という経営者もいるのでは?
 会社をワーク・ライフ・バランスの取れた体質にしておかないと人材確保が難しくなります。例えば、まだ、介護で悩む会社員は少数派ですが、これからは「介護で残業できない」という社員が大半になる時代がやってきます。そうなると会社自体が立ち行かなくなる。できる社員は「この会社では、介護ができない」と見切りをつけ、介護しながらでも働ける会社を探すでしょう。
―企業はどうすれば?
 ワーク・ライフ・バランスの真骨頂は、多様性、すなわちダイバーシティの価値観を採り入れることです。障がいがあったり、育児や介護をしなければならない人がいたり、大なり小なり、働くことに制約のある人が出てきます。その時、いろいろな個性やさまざまな事情を抱えた人、一人ひとりが働きやすい環境づくりをどうするか、今から考える必要があります。
―例えば?
 個人からチームで評価する制度に変え、チーム内で助け合える仕組みを作る。
そのチームリーダーは育児・介護に理解のある「イクボス」になることです。

NPO法人で社会勉強を!
―これから就職を考えている人、勤めているけれどしっくりきていない若い人たちに、仕事についてのアドバイスをお願いします。
 今いる世界がすべてではありません。外に目を向け、いろんな人と出会うことが大切です。
 例えば、育児、介護、貧困、環境などの社会問題に取り組んでいるNPO法人などに、所属してみることをお勧めしたいですね。それは仕事や生き方、ひいては自分の魅力に結びつきます。ぜひチャレンジしてください。
―扉をたたくのに勇気がいるのでは?
 私も得意じゃありません。知らない人ばかりだと、緊張するし、委縮します。
 でも、共感できるところがあれば勇気を出して飛び込んでみましょう。何も考えずに、申込みしてしまいます。合わなければ辞めてもいいんですから。入ったら最初は居心地が悪いかもしれません。でも、それは自分が未熟だからです。だからこそ、学びが大きいし、成長も早くなります。
―劣悪な職場経験も、一つの経験。
 失敗は、人生を魅力的にします。チャレンジし、失敗したことから学んだ経験に無駄なことは一つもないし、就職活動で、自己アピールする時のネタにもなります。
―内橋さんの自信はどこからきているんですか?
 最初から自信があるわけではありません。
 ある人に言われました。「自信は持つものでなく、示すものだ」と。つまり、できなくても「やります」といって、そこからやり始めたらいい。百点満点でなくても「できる」ようになります。人間の脳は、口にしたことを信じるんだそうです。ただし、1回言っただけではだめ。何度でも繰り返し言うことが大切ですね。
―ありがとうございました。

■P9
連載コラム くらしとバリア 1
「バリアフリー」から「ユニバーサルデザイン」へ
 年齢や障がいの有無にかかわらず、すべての人が人として普通の生活ができるよう、ともに暮らし、ともに生きていくことをめざす社会が、ノーマライゼーション社会です。
 しかし現実には、高齢者や障がいのある人などが自立し社会参加するためには、いろいろなバリア(障壁)が存在しています。例えば、車いす利用者にとっては、段差や階段、狭いトイレ、手動ドアなどもノーマライゼーション社会へのバリアの一例です。

 そこでバリアフリーは、高齢者や障がいのある人が日常生活をする上で、障壁となるものを取り除くという考え方です。元々はアメリカで生まれた概念で、1974年に国連障害者生活環境専門家会議が「バリアフリーデザイン」という報告書を出した頃から、主に建築業界で使われるようになりました。かつては、健常者の視点で都市がデザインされていましたが、段差や階段に手すりを付けたり、スロープやエスカレーターを設置するといった、バリアフリー化が進んでいます。

 近年では、さらに進んだ「ユニバーサルデザイン」が主流になってきています。これは、健常者はもちろん高齢者や障がいのある人のみならず、性別や年齢、体力や能力、言語や文化などにかかわらず、全ての人が利用しやすく、また、使いやすいように、最初から製品や建物、都市空間をデザインするという考え方に基づき、より暮らしやすいまちづくりをめざすものです。

ユニバーサルデザインの7つの原則
1.誰もが公平に利用できること
 どのような人にも役に立つように作られており、同じように使いこなせる。
2.使う上で柔軟性に富むこと
 幅広い人の好みや能力に適応するように作られている。
3.簡単でわかりやすく利用できること
 使う人の経験や知識、言語能力などに関係なく、使い方がわかりやすく作られている。
4.必要な情報が簡単にわかること
 周囲の状況、使う人の視覚、聴覚などの感覚能力に関係なく、必要な情報が効果的に伝わるように作られている。
5.危険や誤作動につながらないこと
 ついうっかりしたり、意図しない行動が、危険な状態や思わぬ結果につながらないよう安全に作られている。
6.身体的な負担が少ないこと
 無理な姿勢をとることなく、効率よく、気持ちよく、疲れないで使える。
7.利用に適した大きさや空間になっていること
 体格や姿勢、移動能力に関係なく、適切に操作がしやすい大きさや空間がある。

※次号は大阪市の取組みを紹介します。

■P10
Information インフォメーション
新着映像ソフト(DVD)をご紹介します

 映像ソフトを用いた人権学習に取り組まれてはいかがでしょうか。さまざまな人権課題について、より認識を深めていただけるようパンフレット・冊子の提供をはじめ、映像ソフトの貸出しを行っています。学習会や研修会などにぜひご活用ください。

 映像ソフトは、この他にもさまざまなビデオやDVDがありますので、大阪市ホームページ(大阪市 ビデオ・DVDで学ぼう で検索)をご覧ください。

タイトル いじめと戦おう!中学生篇
ジャンル 子どもをめぐる課題

タイトル 秋桜の咲く日
ジャンル 障がいのある人をめぐる課題

タイトル アニメーション ココロ屋
ジャンル 子どもをめぐる課題

タイトル 東山文化を支えた「差別された人々」(第1巻)シリーズ映像でみる人権の歴史
ジャンル 同和問題

タイトル あなたに伝えたいこと インターネット時代における同和問題
ジャンル 同和問題

タイトル 家庭の中の人権 カラフル
ジャンル 人権とは

タイトル ワークショップをはじめよう 人権啓発ワークショップ事例集
ジャンル 人権とは

タイトル あなたが あなたらしく 生きるために ~性的マイノリティと人権~
ジャンル 人権とは

タイトル みんなで語ろう!公正な採用選考
ジャンル 職場・企業などにおける課題

タイトル 新・人権入門
ジャンル 職場・企業などにおける課題

問い合わせ 大阪市人権啓発・相談センター
      電話06-6532-7631 ファックス06-6532-7640
      貸出しを希望される方は、まずはお電話でご予約ください。

「子どもの人権110番」強化週間
~平日時間延長と土日の開催~
 いじめや体罰が大きな問題になっていますが、子どもをめぐる人権問題は周囲の目につきにくいところで発生していることが多く、また被害者である子ども自身も、その被害を外部に訴えるだけの力が未完成であったり、身近に適切に相談できる大人がいなかったりする場合が少なくありません。
 このような子どもの発する信号をいち早くキャッチし、その解決に導くための相談を受け付ける専用相談電話は子どもだけでなく、大人もご利用可能です。

フリーダイヤル0120-007-110
強化週間 6月22日(月曜日)~28日(日曜日)
受付時間 8時30分~19時
     但し、27日(土曜日)・28日(日曜日)は10時~17時
     この期間外も平日8時30分~17時15分は開設
相談内容 いじめ、体罰、不登校、児童虐待など
相談担当者 人権擁護委員、法務局職員
問い合わせ 大阪法務局人権擁護部 電話06-6942-9496

6月1日は「人権擁護委員の日」
人権擁護委員による特設人権相談所を開設します
秘密厳守
 日常生活において「これは人権問題ではないだろうか?」と感じたり、「法律ではどうなっているのか分からなくて困っている」ときなど、お気軽にご相談ください。

6・7月の開設予定
6月1日(月曜日) 大阪市役所 1階市民相談室
6月19日(金曜日) 港区、浪速区、東淀川区、阿倍野区
7月17日(金曜日) 西区、天王寺区、西淀川区、住之江区
7月24日(金曜日) 社会福祉法人豊里学園(大阪市旭区太子橋1-16-24
※上記以外の区役所の開催日については下記問い合わせまで。

料金 無料
時間 大阪市役所は10時~16時
    区役所及び社会福祉法人豊里学園は13時30分~16時
問い合わせ 大阪市市民局ダイバーシティ推進室人権企画課 電話06-6208-7611

「人権擁護委員」をご存知ですか?
 人権擁護委員制度とは「人権擁護委員法」に基づき、基本的人権を擁護するために設けられた国の制度です。法務大臣より委嘱を受けた人権擁護委員が、人権侵害があった場合には、その相談相手となり、適切な処置を講ずることによって救済を図るなどの活動を行っています。
 現在、約14,000名(大阪市の委員定数は内95名)の人権擁護委員が全国の各市町村に配置されています。

編集後記
 今年度より表紙のタイトル文字をリニューアルし、少し雰囲気を変えてみましたが、いかがでしょうか?
 24号でいただいたアンケートはがきでは、ヒューマンインタビューのヴァニアさんの話に「感銘を受けました」「興味深く読みました」「心に響きました」というあたたかいご感想をたくさんいただきました。
 「ダイバーシティという言葉を初めて知りました」という感想もまだまだ多く、「理解を深めることができました。」というお声が増えるよう、そしてたくさんの方々に読んでいただけるよう、今年度もダイバーシティ(多様性)を基本テーマに様々な情報を発信していく予定ですので、ご期待ください!

■裏表紙
大阪市人権啓発・相談センターでは、専門相談員による人権相談を行っています
ひとりで悩んでいませんか?
 大阪市にお住まいの方で、人権に関することでお悩み、お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。専門の相談員が対応します。まずはお電話を!
相談専用電話番号06-6532-7830(なやみゼロ)
相談専用ファックス番号06-6531-0666
相談時間 平日/9時〜21時 土日・祝日/9時〜17時30分
※年末年始(12月29日~1月3日)・施設点検日は休館
※人権相談の受付は、相談時間終了の30分前までです。

『プレゼント付きアンケート!!』No.25
アンケートに答えて「Quoカード」をゲットしよう。

KOKORO(こころ)ねっと No.25 アンケートはがき
下記事項のあてはまる番号を○で囲むか、必要事項をご記入ください。

質問1
この情報誌を、どこで入手されましたか?(その他の場合は具体的な場所をご記入ください)
1 駅構内  2 市・区役所  3 図書館  4 学校、職場 
5 大阪市ホームページ
6 その他(                        )

質問2
この情報誌のなかで興味・関心を持った記事はありましたか?(複数回答可)
1 巻頭特集(P.1〜3)  2 若者と就労(P.4) 
3 企業と人権(P.5〜6) 4 ヒューマンインタビュー(P.7〜8) 
5 連載コラム(P.9)   6 その他(            )

質問3
この情報誌を読んで人権に興味・関心がわき、次号も読んでみたいと思われましたか?
1 ぜひ読みたい   2 どちらかといえば読みたい
3 どちらでもよい  4 読みたいとは思わない

質問4
あなたは「大阪市は市民一人ひとりの人権が尊重されているまち」だと思いますか?
1 そう思う     2 どちらかといえばそう思う 
3 そう思わない   4 わからない

質問5
この情報誌を読んだ感想やご意見、今後掲載してほしい内容やご要望をお書きください。

右のハガキまたは携帯電話などからも応募できます。
アンケートの答えと必要事項をご記入の上、ハガキについてはキリトリ線にそって切り取り、ポストに投函してください(応募はいずれかお1人1回)。抽選で20名様にQuoカード(1000円相当)をプレゼントします。なお、当選発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。
応募期限:平成27年8月31日(月曜日)

※個人情報について、はがき及びウェブサイトのアンケートから取得しました個人情報は、個人情報保護法及び大阪市個人情報保護条例等に則り、適切に取扱います。
◆次回のKOKOROねっとNo.26は、平成27(2015)年9月発行の予定です。
主な設置・配付場所:市役所、区役所、大阪市営地下鉄駅構内、市立各図書館等

大阪市人権だより KOKOROねっと
human rights & diversity magazine
平成27(2015)年6月発行 /summer No.25
【発行】大阪市人権啓発・相談センター 〒550-0012 大阪市西区立売堀4-10-18 電話:06-6532-7631  ファックス:06-6532-7640
【制作協力】株式会社アド・エモン
〔法務省委託事業〕

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このページの作成者・問合せ先

大阪市人権啓発・相談センター
電話: 06-6532-7631 ファックス: 06-6532-7640
住所: 〒550-0012 大阪市西区立売堀4丁目10番18号 阿波座センタービル1階

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