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企業のための人権啓発情報紙vol.2 web版

2019年10月24日

ページ番号:481013

企業のための人権啓発情報紙vol.2

平成25年3月発行

企業のための人権啓発情報紙vol.2の表紙の画像

人材は企業の財産。

いろんなひとと一緒に働いてみませんか?

職場の人間関係に悩む人は少なくありません。
それが原因でうつになって休む人もいれば、短い期間で辞めてしまう人もいます。
「“いろんなひと”がいるから、職場運営は難しい」
そう頭を抱えている経営者や管理職の方は多いでしょう。
しかし、本当にそうでしょうか?
社員が安心して仕事に取り組み、能力が出せる環境が整い、ほんとうのコミュニケーションが行われているならば、むしろ“いろんなひと”は企業の財産になるはずです。
障がい者の雇用が進んだ企業の取り組みは、多様な個性が活かされる職場づくりのお手本のようなもの。
強くて柔軟な組織を育てる可能性を秘めています。

障がい者雇用に学ぶ未来の働き方とは?

 さまざまな人がともに生きる「共生社会」のために障がい者雇用対策が進められています。企業にとっても、さまざまなメリットがあります。今回は、障がい者雇用を積極的に行う、保険業界で初めての特例子会社(株)ニッセイ・ニュークリエーションと、一人の青年との出会いが障がい者雇用につながった(有)奥進システムを訪ね、その思いと方法について伺いました。

※平成25年4月より、障がい者の「法定雇用率」が引き上げられます。詳しくは厚生労働省のホームページ別ウィンドウで開くをご覧ください。

(株)ニッセイ・ニュークリエーション(NNC)

お互いを理解し、支え合って成長する企業風土

 NNCは、平成5年11月に社員25名からスタートし、一般事務、印刷・製本の業務を行っています。現在は肢体不自由、聴覚障がいを中心に知的障がい、精神障がいを含め131名の障がいのある人が働き、その人数は出向者を含めた全社員の8割以上を占めています。
 創業時のメンバーのひとりで、車いすを使っている相井さんは「障がい者ばかりの職場なので、コミュニケーションがとれなければ仕事はできません。そのおかげで“伝えよう”“聞き取ろう”という助け合いの文化が創られた」と話します。同社の会社案内には「車いす使用の人は聞こえない人の耳になる。聞こえない人は車いす使用の人の手足になる。足りない部分を補いながら働けるところがNNCの良いところ」という社員の言葉が記されています。
 頸椎損傷で車いすを使用する、相井さんと同じく創業時のメンバーの片岡さんは「自分と異なる障がいの知識がなく困惑しました」と設立当初を振り返ります。しかし業務を行うためには手話は必須。社員で自主的に手話推進委員会を立ち上げ、時間外に社員を集めて手話を学んだそうです。
 現在、手話推進委員会は、週1回の講習、年1回の独自の手話技能試験を行い、社員の手話能力の向上に努めています。さらに、社内通訳士「手話コミュニケーター」の養成を実施。手話は社内の公用語になっています。

手話で会話している社員の写真

NNCでは手話が社内公用語。全社員が習得に励んでいる。

社員同士でコミュニケーションをとっている写真

障がいは人によって千差万別。コミュニケーションを密接にとり、お互いの障がいを理解し合うことが大切。

車いすを使用している社員の写真

「重いものを持とうとすると聴覚障がいの同僚が必ず持ってくれ助かっています」と加藤さん。

社員の自主性を生かした組織運営

 「手話推進委員会」、「健康促進委員会」など9つの委員会、「CSR活動室」、「社内報編集室」など4つの室から構成される委員会制度は、同社の象徴的な取り組みです。すべての社員がいずれかの委員会のメンバーとして自主的に活動を実施。今では会社運営になくてはならない存在となっています。昨年、本社から出向した佐藤さんは「社員同士の強い連帯感、仲間意識、下からの湧き上がってくる熱気を強く感じる」と言っています。
 事務室に入ると「いらっしゃいませ」、帰る際には「ありがとうございました」と大きな声があがります。社員一人ひとりが明るくいきいきと仕事をしている様子は、同社へ一歩入るとすぐにわかります。
 設備面でも、社員が快適に働けるよう整えられています。平成22年の増築の際は、社員から多くの意見、要望を取り入れ設計されました。車いすが余裕ですれ違える広い通路、手指が不自由でも簡単に開閉できるドア、オストメイト対応の車いすトイレ、災害時に車いすがスムーズに避難できる階段スロープなど、細部にまで配慮がされた環境は、まさにユニバーサルデザインです。
 このように、社員がお互いの障がいを理解し、つながってきた20年は、ソフト・ハード両面で実を結び、蓄積されたノウハウは、次の世代へ脈々と引き継がれています。「こんな組織をつくりたい」と見学に訪れる人は、ニッセイグループ内を含め、年間1,000名を超えるそうです。
 CSR活動室リーダーの谷口さんは「障がいの有無に関係なく、働きやすい職場を主体的に創っていける企業が世の中に広がってほしいと思います」と締めくくりました。

社屋の外観の写真

障がいがある社員のさまざまな要望や意見が取り入れられた社屋

車いすを使用している社員が扉を閉めている写真

株式会社ニッセイ・ニュークリエーション

平成5年創立した日本生命100%出資の特例子会社。印刷物の製作、保険関係の事務代行が主な業務。建物や制度面への配慮だけでなく、社員による主体的な職場運営が実現している。社会福祉面で、地域との交流もさかん。平成25年で20周年を迎える。

CSR活動室 谷口 光次さんの写真

CSR活動室 谷口 光次さん

(有)奥進システム

ある青年との出会いから始まった

 (有)奥進システムは、現在、社員7名のうち、5名が障がいのある社員です。内訳は頸椎損傷の重度障がい者が2名、精神障がい者が2名、透析を要する人が1名です。
 同社は、中小企業を対象に業務管理のソフトをオーダーメイドでつくる会社。その得意分野と障がいがあっても快適に働ける職場づくりのノウハウが融合して、障がいのある社員と共に働く環境をサポートするさまざまなwebシステム開発を進めています。
 障がい者雇用のきっかけは、代表の奥脇さんが障がいのある青年と出会ったことから。広報担当の今岡さんは、「『社会と関わっていたいから働きたい』という青年の純粋な気持ち、即戦力となる技術力を知り、採用を決めた」と話しています。

うぇぶサポの画像

 (有)奥進システムは、現在、社員7名のうち、5名が障がいのある社員です。内訳は頸椎損傷の重度障がい者が2名、精神障がい者が2名、透析を要する人が1名です。
 同社は、中小企業を対象に業務管理のソフトをオーダーメイドでつくる会社。その得意分野と障がいがあっても快適に働ける職場づくりのノウハウが融合して、障がいのある社員と共に働く環境をサポートするさまざまなwebシステム開発を進めています。
 障がい者雇用のきっかけは、代表の奥脇さんが障がいのある青年と出会ったことから。広報担当の今岡さんは、「『社会と関わっていたいから働きたい』という青年の純粋な気持ち、即戦力となる技術力を知り、採用を決めた」と話しています。

日々の体調やこころの調子までわかりあっていることの心地よさ

 奥進システムでは現在、社内で各自「障がいプレゼンテーション」の機会を持ったり、ネット上のサポートブック「うぇぶサポ」で、障がいの特性やどんな時にどんなサポートが必要なのか情報を共有しています。とりわけ、外から判断しづらい精神障がいの場合は、症状が出る身体の部位、幻聴や感覚過敏を引き起こす原因など、人によって全く違うため、こうした情報は非常に重要です。
 日々の体調や心の状態についても、日報に各自が記し、全員で共有しています。
 「何パーセント力を出せたか、スムーズに仕事できたか、困った時、人に相談できたかなど細かく記録しています。もちろん、日報だけの判断ではなく『調子がいい』にチェックが入っていても、様子がおかしいと感じたらすぐ社員が声をかけます」と今岡さん。問題があれば、場合によっては専門支援機関や社員の家族と改善策を検討するそうです。
 さらに、出・退社、食事時など、業務以外のサポートも、その場で考えるのではなく、誰が誰の、何を、どんなタイミングで行うか、細かい部分まで全員で相談して決めているため、気兼ねをすることもなく、スムーズにサポートできます。
 同社では、遠隔地から事務所のサーバを利用し、在宅でも事業所内にいるように作業できる環境がつくられています。
 「私は、一人親家庭なので週1日は在宅ですし、週3回透析が必要な社員は1日おきに早く帰ります。障がいの有無ではなく、個人の個性や、生き方を尊重しながら、どう業務を効率的に進めるかが企業の課題だと考えています」と今岡さん。

トラックボウルの写真

頸椎損傷重度障がいのある2人がマウスの代わりに使用しているトラックボウル。

テーブルの写真

天板は車いすのまま入る高さ。会議や昼食時に利用している。

仕事中の社員の写真

必要なものが必要なところにあり、全員がそれを把握している。

モチベーションの維持にサポートはいらない

 障がいのある人と一緒に働くことは、職場にどんな影響をもたらすのでしょうか。
 「優秀な技術者も、重度障がいがあるというだけで、現実的には就職が困難です。このためか、障がい者の『仕事』へのモチベーションは高く、健常者の比ではありません。さまざまなマネジメントは行っても『モチベーション』に関しては必要ないです。自分のできる仕事を精一杯やって、雇用者にも、取引先にも喜んでいただく。働いてもらった給料で、結婚し子育てする。働くこと、生きることの根本的な意味を改めて気づかせてくれる存在です」と今岡さんは話してくれました。

有限会社 奥進システム

平成12年創立。インターネット技術を活用し社会に貢献できる企業を目指す。設備のバリアフリーのほか、在宅勤務制度、育児・介護休暇制度を導入し、残業ゼロを推進。働きやすさを追求し、その成果をソフト化し社会に還元している。

ポジティ部 広報 今岡 由美子さんの写真

ポジティ部 広報 今岡 由美子さん

事業主のみなさまへ

公正な採用選考のために

公正な採用選考を行うためには、

  1. 「人を人としてみる」人間尊重の精神、すなわち、応募者の基本的人権を尊重する。
  2. 応募者の適正・能力のみを基準として行う。
  3. 募集に当たり広く応募者に門戸を開く。

この3つの考え方が大切です。

聞いてませんか?家族のこと


最近、採用選考時に家族のことについて質問されたとして、大阪労働局およびハローワークへの相談が増えています。面接での緊張感を解きほぐそうということでも応募者の方は悩んだり傷ついたりする場合がありますので、本人の職務遂行にあたり適正・能力のみを基準とした採用選考を行ってください。


次の14の事項について質問や作文を課すこと等は就職差別につながるおそれがあります。

△本人に責任のない事項
(1)国籍・本籍・出生地に関すること
(2)家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
(3)住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
(4)生活環境・家庭環境などに関すること

△本来自由であるべき事項
(5)宗教に関すること
(6)支持政党に関すること
(7)人生観・生活信条などに関すること
(8)尊敬する人物に関すること
(9)思想に関すること
(10)労働組合・学生運動など社会運動に関すること
(11)購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

△その他の事項
(12)身元調査などの実施
(13)全国(大阪においては近畿)高等学校統一応募用紙・JIS規格の履歴書に基づかない事項を含んだ応募書類(社用紙)・エントリーシートの使用
(14)合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

大阪労働局のホームページはこちら別ウィンドウで開く

大阪市人権啓発・相談センター

大阪市人権啓発・相談センターは多様化する人権問題に迅速かつ柔軟に対応するための総合施設です。

人権に関する冊子の配布や、人権啓発ビデオ等の貸出

人権に関するさまざまなパンフレット・冊子等の提供や、人権啓発ビデオ・DVD等の貸出しを行っています。

●貸出無料 ぜひご活用ください

職場・企業向けビデオ・DVDのご紹介

それぞれの立場 それぞれのきもち 職場のダイバーシティと人権

年代や経験、価値観の異なるメンバーそれぞれが、どのような思いを持っているのか。コミュニケーションの重要性やダイバーシティの考えに沿って問題解決のヒントを探ります。

あなたが防ぐ!「情報漏えい」
情報セキュリティをきちんと運用していくためには、従業員一人ひとりの「モラル向上」と「情報セキュリティに関する知識をもつこと」、そして「決められた運用ルールをきちんと守ること」が大切です。予防対策と再発防止について必要な知識・考え方を紹介します。
心のケアと人権【職場編】

心の病気を正しく理解し、適切な行動を取ることの大切さを伝えます。うつ病と診断された同僚に対して陰口をたたく職場で悩む上司。課内で問題点を話し合った後、お互いに支え合う職場環境を作ることが大切だと悟ります。

人権のヒント第2巻 職場編 気づきのためのエピソード集

ごく普通の会社員の日常を描きながら、日頃は気づかない「人権のヒント」を探り、職場のなかで私たちが考えるべき人権問題について提起します。

くらしの中の人権問題 会社編 セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント

日常生活における人権侵害をドキュメンタリータッチのドラマで見せながら対立する両者の意見を通し、視聴者に考えることを促す作品です。

職場の人権~相手のきもちを考える~

相手の気持ちを理解することでパワハラやセクハラ、コミュニケーション不足で起こるトラブルを防ぐことができます。立場や条件の異なる人たちと、よりよい職場環境を作るために何が必要なのかを問いかけながら、相手の気持ちを考えて行動することの重要性を描いています。

パワハラになる時ならない時 パワーハラスメントの4つの判断基準
パワハラになる時ならない時 事例で考えるパワハラ・グレーゾーン

業務に絡んで発生することが多いパワハラ。パワハラの認定は業務や日ごろの人間関係のあり方によって大きく異なるため、セクハラのような「べからず集」、「NGワード集」を設定することが困難です。本教材では、パワハラとなる可能性のある言動とそのジャッジのポイントを事例で示し、わかりやすく解説します。

詳しくは大阪市ホームページをご覧ください。


人権相談

専門相談員による人権相談を実施しています。人権に関することでお悩み、お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

●相談無料 ●秘密厳守

お問い合わせは

〒550-0012 大阪市西区立売堀4丁目10番18号 阿波座センタービル1階
電話 06-6532-7631 ファックス 06-6532-7640
人権相談専用 電話 06-6532-7830 ファックス 06-6531-0666
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     ※年末年始(12月29日~1月3日)・施設点検日は休館

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