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子どもの権利 web版

2019年10月31日

ページ番号:483918

「子どもの権利」の表紙の画像

監修/弁護士 峯本耕治

はじめに

~子どものみなさんへ~

今の大人たちがまだ子どもだったころ、大人の言うことはほとんど正しいと信じていました。
たまに、「お母さんやお父さんの言ってること、少しへんだなぁ。」と思っても、それをはっきり言ってみることもあまりありませんでした。
でも、自分たちが大人になってみて、「あ、大人もまちがえることがあるんだ!」と気づいたのです。
私たちが子どものころおかしいと感じたことの中には、やっぱり大人たちがまちがっていたこともあったのだと、わかってきたのです。
そんな自分を反省して、大人たちは、きみたち子どもの権利も大切にしようと、みんなで約束をしました。
子どもたちに「発達の権利がある」ということは、また、少しくらい子どもはまちがえることがあってもいいということでもあります。
きみたちの一人一人が、失敗をおそれず、いろんなことに真剣に取り組んで、もって生まれた可能性を開花させることが、私たちの願いです。
そのために、この冊子を今、心をこめて贈ります。
最後に、これだけは忘れないでください。
子どもはいつまでも子どもではありません。
きみたちが大人になったとき、今よりもっとすばらしい、だれもが楽しく生きていけるような、そんな社会を作ってほしいのです。
きみたちのあとにつづく子どもたちに、胸を張って、この「子どもの権利」を手渡せるように・・・・・・

  • この冊子は、多くの皆さんに「子どもの権利条約」の内容を知っていただくことを目的とし、それぞれの条文の趣旨をなるべく原文の流れに沿って、わかりやすい言葉で置き換えようとしたものです。
  • ただし、条文によっては、「子どもに分かりやすく」という観点から、条文の趣旨に従った大胆な意訳や条項のカットを行いました。
  • 多くの条文が「締約国は」という主語で、国の果たすべき任務として述べているのに対して、この冊子では、できるかぎり子どもを主語として、子どもからのメッセージとして伝える形をとっています。
  • 条文を内容から次の7つのブロックに分けています。
  1. 自分のことを知り、決定し、誇りを持って生きる権利
  2. 親や家族とともに生きる権利
  3. 自分で考え、自分の意見を述べ、自分で行動する権利
  4. 不利な条件の下にある場合、保護される権利
  5. 心身ともにゆたかに楽しく生きる権利
  6. 発達する権利
  7. 大人や、大人の社会から守られる権利

子どもの権利条約-条約 第1部

おとなが守る子どものけんり

第1条(子どもの定義)

この条約では、18歳未満を子どもとしています。

第2条(差別の禁止)

私たちは、すべて、この条約によって権利が守られます。
人種、皮膚の色、性、宗教、意見、出身、財産、障がい、出生、地位などがちがうからといって、決して差別されません。

第3条(子どもの最善の利益)

私たちに関するすべてのことは、どうしたら私たちが一番幸せになれるかを考えて行われなければなりません。

第4条(国の義務)

国は、この条約に認められた私たちの権利を実現するために、できる限りのことをしなければなりません。

第5条(親等の責任、権利及び義務の尊重)

私たちがこの条約に認められた権利を行使する場合、親や親にかわる保護者には、私たち一人一人にあった方法で指示や指導を与える責任・権利・義務があり、国はそれを尊重しなければなりません。

自分のことを知り、決定し、誇りを持って生きる権利

「ワタシはワタシ ボクはボク」

第6条(生命に対する固有の権利)

私の生命は私自身のものです。私は生命の限り生きて、あらゆる可能性を開花させることができます。

第7条(名前・国籍を得る権利、親を知り養育される権利)

第8条(国籍・名前等のアイデンティティを保全する権利)

名前も国籍も私が生まれたときからもっている、私自身の大切な一部です。
私はできるかぎり親が誰であるかを知り、親のもとで育つことができます。

親や家族とともに生きる権利

「いっしょだよ」

第9条(親からの分離禁止と分離のための手続)

第10条(家族再会のための出入国)

私たちを、親から勝手に引き離すことはできません。ただし、私たちに暴力をふるったり、傷つけたり、放っておいたりする親からは、私たちを保護するために、法にしたがって引き離すことができます。
また、親と離れている場合には、定期的に会うことができます。それは、親が外国に住んでいる場合でも同じです。

第11条(子どもの不法な国外移送、帰還できない事態の防止)

私たちを無理に国外へ連れ出すことはできません。また、国外から帰れなくしてもいけません。国は、そのための措置をとらなければいけません。

自分で考え、自分の意見を述べ、自分で行動する権利

「じぶんできめるよ」

第12条(意見を表明する権利)

私たちは自分のことが決められるときは必ず、自由に自分の意見を言うことができます。大人はその意見を、大切にしなければなりません。

第13条(表現の自由)

私たちは自由に表現することができます。話したり、書いたり、描いたり、踊ったり、歌ったり、いろいろな方法で。そして、たくさんの情報や考えを求めたり、受けとったり、送ったりすることができます。

第14条(思想、良心および宗教の自由)

私たちは、自由にものごとを考え、自分で良い悪いを決め、自由に宗教を選ぶことができます。それについて、親は私たち一人一人に合った方法でアドバイスすることができます。

第15条(結社及び集会の自由)

私たちは自由に、グループを作って活動したり、集会をひらいたりすることができます。

第16条(プライバシー・名誉・信用等の保護)

私たちは、プライバシー、家族、住まい、通信(郵便・電話等)などの人に知られたくない秘密を守られ、また、名誉や信用を大切にされます。

第17条(多様な情報源からの情報及び資料の利用)

私たちは、新聞・テレビ・雑誌などのマス・メディアを通して、成長に役立ついろいろな情報や資料を利用することができます。

不利な条件の下にある場合、保護される権利

「あんしんだね」

第20条(家庭環境を奪われた子ども等に対する保護及び援助)

第21条(養子縁組に際しての保護)

私たちが家庭を失ったり、家庭で安心して生活できなくなったりした場合は、養子縁組制度などの国の保護や援助をうけることができます。
養子縁組制度は、私たちが一番幸せになるために活用できるものでなければなりません。

第22条(難民の子ども等に対する保護及び援助)

難民の子どもたちの権利を守るために、国は保護や援助を与えなければならず、そのために、国は国際的な協力をしなければなりません。

第23条(心身障がいを有する子どもに対する特別の擁護及び援助)

国は、障がいのある子どもたちが、楽しくいきいき暮らせるよう、一人の人間として尊重され、自分の力で生活し、社会へ積極的に参加できるような環境作りをしなければなりません。

第30条(少数民族に属し又は先住民である子どもの文化、宗教及び言語についての権利)

少数民族の子どもたちは、自分自身の民族の文化、宗教、言語に誇りをもって生きる権利を守られます。

心身ともにゆたかに楽しく生きる権利

「よかったね」

第18条(子どもの養育及び発達についての親の責任と国の援助)

両親は、私たちを育てることについて、共通の責任を負っています。私たちを育てる責任はまず親または親に代わる保護者にあり、親や保護者は私たちがどうしたら一番幸せになれるかを考えて、私たちを育てなければなりません。そして国は、親や保護者が私たちを育てやすいように援助し、機関や施設を設けるなどの色々な条件作りをしなければなりません。
両親が働いている場合、私たちは必要な保育サービスを受けることができます。

第24条(健康を享受すること等についての権利)

私たちは、できる限り健康に成長することができます。また、病気の治療やリハビリテーションなどの保健サービスを受けることができます。

第25条(子どもの処遇等に関する定期的審査)

私たちが法に基づいて身体や心の治療などのために病院や施設に入所している場合は、治療の内容や、私たちがどのように扱われているかについて定期的にチェックを受けることができます。

第26条(社会保障からの給付を受ける権利)

私たちは、社会保険などの社会保障を受けることができます。国はそのために必要なことをしなければなりません。

第27条(相当な生活水準についての権利)

私たちには、心も身体も豊かに発達できる生活水準が必要です。
まず、親にその生活に必要な条件を確保する責任があり、国はそれを、援助しなければなりません。

発達する権利

「みつけたよ」

第28条(教育についての権利)

私たちは、教育についての権利を持っており、国はその達成のためのさまざまな措置をとらなければなりません。特に、次のことは重要です。

  1. 初等教育(小学校)は義務教育にし、無償であること。
  2. 職業教育などのさまざまな中等教育(中学校・高校)を発展させ、すべての子どもがそれを受けられるように援助すること。
  3. すべての子どもが能力に応じた高等教育(大学)を受けられるようにすること。
  4. すべての子どもが進学・就職について情報や指導を得られるようにすること。
  5. すべての子どもがいつも学校に来られるようにし、途中で辞める子どもが減るようにすること。

また、学校の規律・懲戒は、私たちの人権を尊重する方法で、使われなければなりません。

第29条(教育の目的)

子どもの教育の目的は、

  1. 子どものあらゆる能力や可能性をできる限り発達・開花させること。
  2. 人権を尊重する心を育てること。
  3. 自分自身の文化を尊重し、自分とは違う文化(文明)を尊重する心を育てること。
  4. 平和・平等・友好の精神を大切にし、責任ある行動を取れる人間に育てること。
  5. 自然を大切にする心を育てること。

第31条(休息、余暇及び文化的生活に関する権利)

私たちは、休息し、余暇を持ち、年齢にふさわしい遊びを楽しむことができます。そして、文化や芸術に自由に参加することができます。

大人や、大人の社会から守られる権利

「まもってね」

第19条(監護を受けている間における虐待からの保護)

親やまわりの大人たちが私たちの心や身体に暴力をふるったり、傷つけたり、放っておいたり、無理やり働かせたりしている場合は、国があらゆる手段で保護しなければなりません。

第32条(経済的搾取からの保護、有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利)

私たちを働かせてお金をとりあげたり、私たちの成長・発達に有害な労働につかせたりしてはいけません。

第33条(麻薬の不正使用等からの保護)

私たちは麻薬や覚せい剤などの身体に有害な薬から守られなければなりません。

第34条(性的搾取、虐待からの保護)

私たちは売春や性的暴力から守られなければなりません。

第35条(子どもの誘拐、売買等からの保護)

私たちは誘拐されたり売買されたりしないように、守られなければなりません。

第36条(他のすべての形態の搾取からの保護)

私たちは大人たちの金もうけの道具として利用されないように、守られなければなりません。

第37条(拷問等の禁止、自由を奪われた子どもの取扱い)

私たちに拷問をしてはいけません。死刑や終身刑にしてもいけません。私たちは理由なく自由を奪われません。自由を奪う場合は法にしたがって期間をできるかぎり短くし、一人の人間として尊重された取り扱いをされなければなりません。

第38条(武力紛争における子どもの保証)

国は、15歳未満の子どもを、戦争などの武力紛争に参加させてはいけません。私たちを武力紛争から守るためには、あらゆる努力をしなければなりません。

第39条(搾取、虐待、武力紛争等による被害を受けた子どもの回復のための措置)

私たちの心や身体が、無理やり働かされたり、暴力を振るわれたり、また戦争にまきこまれたりして、傷ついたときは、国は私たちの回復や社会復帰のためにできるかぎりのことをしなければなりません。

第40条(刑法を犯したと申し立てられた子ども等の保護)

私たちが犯罪を犯した場合でも、私たちが人権を尊重し社会で役に立つ人間として成長するよう、配慮して取り扱われなければなりません。

条約第2部

第42条(条約の広報)

国は、積極的にこの条約の内容を大人にも子どもにも広く知らせることを、約束します。

第44条(報告の提出義務)

国はこの条約が発効してからまず2年以内に、その後は5年ごとに、国がこの条約に認められた権利の実現のために、何をし、どんな進歩があったかを国際連合の「子どもの権利に関する委員会」に報告することを約束します。

このほか、条約の第2部及び第3部では、手続き的な条文が収められていますが、それらについては、逐一解釈していませんので、次に記載する政府訳を参考にしてください。

~大人のみなさんへ~

1994年5月に、日本で「子どもの権利条約」(正式名:児童の権利に関する条約)が発効しました。「子どもの権利」という考え方は、当初多くの大人たちをびっくりさせ、混乱させました。
その最初の驚きは、否定でも肯定でもなく、「思いもよらなかった」という、素直な感情からきたものであったと思います。
私たちは基本的人権を持っています。
自分が持っている権利の重さを知ること、そして実際に使っていくこと、それが人権を守る第1歩です。
ただ、一方で、私たちは、自分の権利だけに目を向けがちですが、私たちが本当に守ることができるのは、多くの場合、現実には他の人たちの権利です。
自分自身の人権は、また、周囲の人たちによって、守られているものです。
私たちの社会はそうした関係から成り立っています。
「私」は最大限に「あなた」の人権を守ることによって、人類社会の最大の目的である人間の尊重に参加できるのです。
「子どもの人権」は、子どもだけで守ることはできないからこそ、大人たちの社会の中に、この権利条約が誕生しました。
私たちのもっとも身近で生き、発言力の弱い子どもたちに、最大限に権利を認め尊重するという発想は、私たちの生き方、考え方に大きな飛躍を求めています。
私たちは、変わらなければなりません。
「この地球は先祖から受け継いだものではなく、未来の子孫から借り受けたものだ。」という言葉があります。
一見か弱い存在である「子ども」に対して謙虚な視点をもち、その限りない成長こそがこの社会の目的であるということを、共通のテーマとして持ち続けたいと思います。

条約全文

「児童の権利の関する条約」

Convention on the Rights of the Child

国際連合において協定された「子どもの権利条約」政府訳の全文を掲載しております。
ご一読の上、より深い理解にお役立てください。

前文

 この条約の締約国は、
 国際連合憲章において宣明された原則によれば、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎を成すものであることを考慮し、
 国際連合加盟国の国民が、国際連合憲章において、基本的人権並びに人間の尊厳及び価値に関する信念を改めて確認し、かつ、一層大きな自由の中で社会的進歩及び生活水準の向上を促進することを決意したことに留意し、
 国際連合が、世界人権宣言及び人権に関する国際規約において、すべての人は人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしに同宣言及び同規約に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明し及び合意したことを認め、
 国際連合が、世界人権宣言において、児童は特別な保護及び援助についての権利を享有することができることを宣明したことを想起し、
 家族が、社会の基礎的な集団として、並びに家族のすべての構成員、特に、児童の成長及び福祉のための自然な環境として、社会においてその責任を十分に引き受けることができるよう必要な保護及び援助を与えられるべきであることを確信し、
 児童が、その人格の完全なかつ調和のとれた発達のため、家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべきであることを認め、
 児童が、社会において個人として生活するため十分な準備が整えられるべきであり、かつ、国際連合憲章において宣明された理想の精神並びに特に平和、尊厳、寛容、自由、平等及び連帯の精神に従って育てられるべきであることを考慮し、
 児童に対して特別な保護を与えることの必要性が、1924年の児童の権利に関するジュネーヴ宣言及び1959年11月20日に国際連合総会で採択された児童の権利に関する宣言において述べられており、また、世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約(特に第23条及び第24条)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(特に第10条)並びに児童の福祉に関係する専門機関及び国際機関の規程及び関係文書において認められていることに留意し、
 児童の権利に関する宣言において示されているとおり「児童は、身体的及び精神的に未熟であるため、その出生の前後において、適当な法的保護を含む特別な保護及び世話を必要とする。」ことに留意し、
 国内の又は国際的な里親委託及び養子縁組を特に考慮した児童の保護及び福祉についての社会的及び法的な原則に関する宣言、少年司法の運用のための国際連合最低基準規則(北京規則)及び緊急事態及び武力紛争における女子及び児童の保護に関する宣言の規定を想起し、
 極めて困難な条件の下で生活している児童が世界のすべての国に存在すること、また、このような児童が特別の配慮を必要としていることを認め、
 児童の保護及び調和のとれた発達のために各人民の伝統及び文化的価値が有する重要性を十分に考慮し、
 あらゆる国特に開発途上国における児童の生活条件を改善するために国際協力が重要であることを認めて、
 次のとおり協定した。

第1部

第1条(児童の定義)
 この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。
第2条(差別の禁止)
1 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。
2 締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。
第3条(児童に対する措置の原則)
1 児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。
2 締約国は、児童の父母、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者の権利及び義務を考慮に入れて、児童の福祉に必要な保護及び養護を確保することを約束し、このため、すべての適当な立法上及び行政上の措置をとる。
3 締約国は、児童の養護又は保護のための施設、役務の提供及び設備が、特に安全及び健康の分野に関し並びにこれらの職員の数及び適格性並びに適正な監督に関し権限のある当局の設定した基準に適合することを確保する。
第4条(締約国の義務)
 締約国は、この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずる。締約国は、経済的、社会的及び文化的権利に関しては、自国における利用可能な手段の最大限の範囲内で、また、必要な場合には国際協力の枠内で、これらの措置を講ずる。
第5条(父母等の責任、権利及び義務の尊重)
 締約国は、児童がこの条約において認められる権利を行使するに当たり、父母若しくは場合により地方の慣習により定められている大家族若しくは共同体の構成員、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者がその児童の発達しつつある能力に適合する方法で適当な指示及び指導を与える責任、権利及び義務を尊重する。
第6条(生命に対する固有の権利)
1 締約国は、すべての児童が生命に対する固有の権利を有することを認める。
2 締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する。
第7条(登録、氏名及び国籍等に関する権利)
1 児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。
2 締約国は、特に児童が無国籍となる場合を含めて、国内法及びこの分野における関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、1の権利の実現を確保する。
第8条(国籍等身元関係事項を保持する権利)
1 締約国は、児童が法律によって認められた国籍、氏名及び家族関係を含むその身元関係事項について不法に干渉されることなく保持する権利を尊重することを約束する。
2 締約国は、児童がその身元関係事項の一部又は全部を不法に奪われた場合には、その身元関係事項を速やかに回復するため、適当な援助及び保護を与える。
第9条(父母からの分離についての手続及び児童が父母との接触を維持する権利)
1 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。
2 すべての関係当事者は、1の規定に基づくいかなる手続においても、その手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会を有する。
3 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。
4 3の分離が、締約国がとった父母の一方若しくは双方又は児童の抑留、拘禁、追放、退去強制、死亡(その者が当該締約国により身体を拘束されている間に何らかの理由により生じた死亡を含む。)等のいずれかの措置に基づく場合には、当該締約国は、要請に応じ、父母、児童又は適当な場合には家族の他の構成員に対し、家族のうち不在となっている者の所在に関する重要な情報を提供する。ただし、その情報の提供が児童の福祉を害する場合は、この限りでない。締約国は、更に、その要請の提出自体が関係者に悪影響を及ぼさないことを確保する。
第10条(家族の再統合に対する配慮)
1 前条1の規定に基づく締約国の義務に従い、家族の再統合を目的とする児童又はその父母による締約国への入国又は締約国からの出国の申請については、締約国が積極的、人道的かつ迅速な方法で取り扱う。締約国は、更に、その申請の提出が申請者及びその家族の構成員に悪影響を及ぼさないことを確保する。
2 父母と異なる国に居住する児童は、例外的な事情がある場合を除くほか定期的に父母との人的な関係及び直接の接触を維持する権利を有する。このため、前条1の規定に基づく締約国の義務に従い、締約国は、児童及びその父母がいずれの国(自国を含む。)からも出国し、かつ、自国に入国する権利を尊重する。出国する権利は、法律で定められ、国の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の権利及び自由を保護するために必要であり、かつ、この条約において認められる他の権利と両立する制限にのみ従う。
第11条(児童の不法な国外移送、帰還できない事態の除去)
1 締約国は、児童が不法に国外へ移送されることを防止し及び国外から帰還することができない事態を除去するための措置を講ずる。
2 このため、締約国は、二国間若しくは多数国間の協定の締結又は現行の協定への加入を促進する。
第12条(意見を表明する権利)
1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。
2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。
第13条(表現の自由)
1 児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
2 1の権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
(a)他の者の権利又は信用の尊重
(b)国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
第14条(思想、良心及び宗教の自由)
1 締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する。
2 締約国は、児童が1の権利を行使するに当たり、父母及び場合により法定保護者が児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利及び義務を尊重する。
3 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。
第15条(結社及び集会の自由)
1 締約国は、結社の自由及び平和的な集会の自由についての児童の権利を認める。
2 1の権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。
第16条(私生活等に対する不法な干渉からの保護)
1 いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。
2 児童は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。
第17条(多様な情報源からの情報及び資料の利用)
 締約国は、大衆媒体(マス・メディア)の果たす重要な機能を認め、児童が国の内外の多様な情報源からの情報及び資料、特に児童の社会面、精神面及び道徳面の福祉並びに心身の健康の促進を目的とした情報及び資料を利用することができることを確保する。このため、締約国は、
(a)児童にとって社会面及び文化面において有益であり、かつ、第29条の精神に沿う情報及び資料を大衆媒体(マス・メディア)が普及させるよう奨励する。
(b)国の内外の多様な情報源(文化的にも多様な情報源を含む。)からの情報及び資料の作成、交換及び普及における国際協力を奨励する。
(c)児童用書籍の作成及び普及を奨励する。
(d)少数集団に属し又は原住民である児童の言語上の必要性について大衆媒体(マス・メディア)が特に考慮するよう奨励する。
(e)第13条及び次条の規定に留意して、児童の福祉に有害な情報及び資料から児童を保護するための適当な指針を発展させることを奨励する。
第18条(児童の養育及び発達についての父母の責任と国の援助)
1 締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。児童の最善の利益は、これらの者の基本的な関心事項となるものとする。
2 締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与えるものとし、また、児童の養護のための施設、設備及び役務の提供の発展を確保する。
3 締約国は、父母が働いている児童が利用する資格を有する児童の養護のための役務の提供及び設備からその児童が便益を受ける権利を有することを確保するためのすべての適当な措置をとる。
第19条(監護を受けている間における虐待からの保護)
1 締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。
2 1の保護措置には、適当な場合には、児童及び児童を監護する者のために必要な援助を与える社会的計画の作成その他の形態による防止のための効果的な手続並びに1に定める児童の不当な取扱いの事件の発見、報告、付託、調査、処置及び事後措置並びに適当な場合には司法の関与に関する効果的な手続を含むものとする。
第20条(家庭環境を奪われた児童等に対する保護及び援助)
1 一時的若しくは恒久的にその家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。
2 締約国は、自国の国内法に従い、1の児童のための代替的な監護を確保する。
3 2の監護には、特に、里親委託、イスラム法のカファーラ、養子縁組又は必要な場合には児童の監護のための適当な施設への収容を含むことができる。解決策の検討に当たっては、児童の養育において継続性が望ましいこと並びに児童の種族的、宗教的、文化的及び言語的な背景について、十分な考慮を払うものとする。
第21条(養子縁組に際しての保護)
 養子縁組の制度を認め又は許容している締約国は、児童の最善の利益について最大の考慮が払われることを確保するものとし、また、
(a)児童の養子縁組が権限のある当局によってのみ認められることを確保する。この場合において、当該権限のある当局は、適用のある法律及び手続に従い、かつ、信頼し得るすべての関連情報に基づき、養子縁組が父母、親族及び法定保護者に関する児童の状況にかんがみ許容されること並びに必要な場合には、関係者が所要のカウンセリングに基づき養子縁組について事情を知らされた上での同意を与えていることを認定する。
(b)児童がその出身国内において里親若しくは養家に託され又は適切な方法で監護を受けることができない場合には、これに代わる児童の監護の手段として国際的な養子縁組を考慮することができることを認める。
(c)国際的な養子縁組が行われる児童が国内における養子縁組の場合における保護及び基準と同等のものを享受することを確保する。
(d)国際的な養子縁組において当該養子縁組が関係者に不当な金銭上の利得をもたらすことがないことを確保するためのすべての適当な措置をとる。
(e)適当な場合には、二国間又は多数国間の取極又は協定を締結することによりこの条の目的を促進し、及びこの枠組みの範囲内で他国における児童の養子縁組が権限のある当局又は機関によって行われることを確保するよう努める。
第22条(難民の児童等に対する保護及び援助)
1 締約国は、難民の地位を求めている児童又は適用のある国際法及び国際的な手続若しくは国内法及び国内的な手続に基づき難民と認められている児童が、父母又は他の者に付き添われているかいないかを問わず、この条約及び自国が締約国となっている人権又は人道に関する他の国際文書に定める権利であって適用のあるものの享受に当たり、適当な保護及び人道的援助を受けることを確保するための適当な措置をとる。
2 このため、締約国は、適当と認める場合には、1の児童を保護し及び援助するため、並びに難民の児童の家族との再統合に必要な情報を得ることを目的としてその難民の児童の父母又は家族の他の構成員を捜すため、国際連合及びこれと協力する他の権限のある政府間機関又は関係非政府機関による努力に協力する。その難民の児童は、父母又は家族の他の構成員が発見されない場合には、何らかの理由により恒久的又は一時的にその家庭環境を奪われた他の児童と同様にこの条約に定める保護が与えられる。
第23条(心身障害を有する児童に対する特別の養護及び援助)
1 締約国は、精神的又は身体的な障害を有する児童が、その尊厳を確保し、自立を促進し及び社会への積極的な参加を容易にする条件の下で十分かつ相応な生活を享受すべきであることを認める。
2 締約国は、障害を有する児童が特別の養護についての権利を有することを認めるものとし、利用可能な手段の下で、申込みに応じた、かつ、当該児童の状況及び父母又は当該児童を養護している他の者の事情に適した援助を、これを受ける資格を有する児童及びこのような児童の養護について責任を有する者に与えることを奨励し、かつ、確保する。
3 障害を有する児童の特別な必要を認めて、2の規定に従って与えられる援助は、父母又は当該児童を養護している他の者の資力を考慮して可能な限り無償で与えられるものとし、かつ、障害を有する児童が可能な限り社会への統合及び個人の発達(文化的及び精神的な発達を含む。)を達成することに資する方法で当該児童が教育、訓練、保健サービス、リハビリテーション・サービス、雇用のための準備及びレクリエーションの機会を実質的に利用し及び享受することができるように行われるものとする。
4 締約国は、国際協力の精神により、予防的な保健並びに障害を有する児童の医学的、心理学的及び機能的治療の分野における適当な情報の交換(リハビリテーション、教育及び職業サービスの方法に関する情報の普及及び利用を含む。)であってこれらの分野における自国の能力及び技術を向上させ並びに自国の経験を広げることができるようにすることを目的とするものを促進する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。
第24条(健康を享受すること等についての権利)
1 締約国は、到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利を認める。締約国は、いかなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が奪われないことを確保するために努力する。
2 締約国は、1の権利の完全な実現を追求するものとし、特に、次のことのための適当な措置をとる。
(a)幼児及び児童の死亡率を低下させること。
(b)基礎的な保健の発展に重点を置いて必要な医療及び保健をすべての児童に提供することを確保すること。
(c)環境汚染の危険を考慮に入れて、基礎的な保健の枠組みの範囲内で行われることを含めて、特に容易に利用可能な技術の適用により並びに十分に栄養のある食物及び清潔な飲料水の供給を通じて、疾病及び栄養不良と闘うこと。
(d)母親のための産前産後の適当な保健を確保すること。
(e)社会のすべての構成員特に父母及び児童が、児童の健康及び栄養、母乳による育児の利点、衛生(環境衛生を含む。)並びに事故の防止についての基礎的な知識に関して、情報を提供され、教育を受ける機会を有し及びその知識の使用について支援されることを確保すること。
(f)予防的な保健、父母のための指導並びに家族計画に関する教育及びサービスを発展させること。
3 締約国は、児童の健康を害するような伝統的な慣行を廃止するため、効果的かつ適当なすべての措置をとる。
4 締約国は、この条において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため、国際協力を促進し及び奨励することを約束する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。
第25条(児童の処遇に関する定期的審査)
 締約国は、児童の身体又は精神の養護、保護又は治療を目的として権限のある当局によって収容された児童に対する処遇及びその収容に関連する他のすべての状況に関する定期的な審査が行われることについての児童の権利を認める。
第26条(社会保障からの給付を受ける権利)
1 締約国は、すべての児童が社会保険その他の社会保障からの給付を受ける権利を認めるものとし、自国の国内法に従い、この権利の完全な実現を達成するための必要な措置をとる。
2 1の給付は、適当な場合には、児童及びその扶養について責任を有する者の資力及び事情並びに児童によって又は児童に代わって行われる給付の申請に関する他のすべての事項を考慮して、与えられるものとする。
第27条(相当な生活水準についての権利)
1 締約国は、児童の身体的、精神的、道徳的及び社会的な発達のための相当な生活水準についてのすべての児童の権利を認める。
2 父母又は児童について責任を有する他の者は、自己の能力及び資力の範囲内で、児童の発達に必要な生活条件を確保することについての第一義的な責任を有する。
3 締約国は、国内事情に従い、かつ、その能力の範囲内で、1の権利の実現のため、父母及び児童について責任を有する他の者を援助するための適当な措置をとるものとし、また、必要な場合には、特に栄養、衣類及び住居に関して、物的援助及び支援計画を提供する。
4 締約国は、父母又は児童について金銭上の責任を有する他の者から、児童の扶養料を自国内で及び外国から、回収することを確保するためのすべての適当な措置をとる。特に、児童について金銭上の責任を有する者が児童と異なる国に居住している場合には、締約国は、国際協定への加入又は国際協定の締結及び他の適当な取決めの作成を促進する。
第28条(教育についての権利)
1 締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に、
(a)初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。
(b)種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。)の発展を奨励し、すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとし、例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。
(c)すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられるものとする。
(d)すべての児童に対し、教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとする。
(e)定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。
2 締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。
3 締約国は、特に全世界における無知及び非識字の廃絶に寄与し並びに科学上及び技術上の知識並びに最新の教育方法の利用を容易にするため、教育に関する事項についての国際協力を促進し、及び奨励する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。
第29条(教育の目的)
1 締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。
(a)児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。
(b)人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。
(c)児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。
(d)すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の理解、平和、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。
(e)自然環境の尊重を育成すること。
2 この条又は前条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行われる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。
第30条(少数民族に属し又は原住民である児童の文化、宗教及び言語についての権利)
 種族的、宗教的若しくは言語的少数民族又は原住民である者が存在する国において、当該少数民族に属し又は原住民である児童は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。
第31条(休息、余暇及び文化的生活に関する権利)
1 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。
2 締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。
第32条(経済的搾取からの保護、有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利)
1 締約国は、児童が経済的な搾取から保護され及び危険となり若しくは児童の教育の妨げとなり又は児童の健康若しくは身体的、精神的、道徳的若しくは社会的な発達に有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利を認める。
2 締約国は、この条の規定の実施を確保するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。このため、締約国は、他の国際文書の関連規定を考慮して、特に、
(a)雇用が認められるための1又は2以上の最低年齢を定める。
(b)労働時間及び労働条件についての適当な規則を定める。
(c)この条の規定の効果的な実施を確保するための適当な罰則その他の制裁を定める。
第33条(麻薬の不正使用等からの保護)
 締約国は、関連する国際条約に定義された麻薬及び向精神薬の不正な使用から児童を保護し並びにこれらの物質の不正な生産及び取引における児童の使用を防止するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置を含むすべての適当な措置をとる。
第34条(性的搾取、虐待からの保護)
 締約国は、あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護することを約束する。このため、締約国は、特に、次のことを防止するためのすべての適当な国内、二国間及び多数国間の措置をとる。
(a)不法な性的な行為を行うことを児童に対して勧誘し又は強制すること。
(b)売春又は他の不法な性的な業務において児童を搾取的に使用すること。
(c)わいせつな演技及び物において児童を搾取的に使用すること。
第35条(児童の誘拐、売買等からの保護)
 締約国は、あらゆる目的のための又はあらゆる形態の児童の誘拐、売買又は取引を防止するためのすべての適当な国内、二国間及び多数国間の措置をとる。
第36条(他のすべての形態の搾取からの保護)
 締約国は、いずれかの面において児童の福祉を害する他のすべての形態の搾取から児童を保護する。
第37条(拷問等の禁止、自由を奪われた児童の取扱い)
 締約国は、次のことを確保する。
(a)いかなる児童も、拷問又は他の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けないこと。死刑又は釈放の可能性がない終身刑は、十八歳未満の者が行った犯罪について科さないこと。
(b)いかなる児童も、不法に又は恣意的にその自由を奪われないこと。児童の逮捕、抑留又は拘禁は、法律に従って行うものとし、最後の解決手段として最も短い適当な期間のみ用いること。
(c)自由を奪われたすべての児童は、人道的に、人間の固有の尊厳を尊重して、かつ、その年齢の者の必要を考慮した方法で取り扱われること。特に、自由を奪われたすべての児童は、成人とは分離されないことがその最善の利益であると認められない限り成人とは分離されるものとし、例外的な事情がある場合を除くほか、通信及び訪問を通じてその家族との接触を維持する権利を有すること。
(d)自由を奪われたすべての児童は、弁護人その他適当な援助を行う者と速やかに接触する権利を有し、裁判所その他の権限のある、独立の、かつ、公平な当局においてその自由の剥奪の合法性を争い並びにこれについての決定を速やかに受ける権利を有すること。
第38条(武力紛争における児童の保護)
1 締約国は、武力紛争において自国に適用される国際人道法の規定で児童に関係を有するものを尊重し及びこれらの規定の尊重を確保することを約束する。
2 締約国は、15歳未満の者が敵対行為に直接参加しないことを確保するためのすべての実行可能な措置をとる。
3 締約国は、15歳未満の者を自国の軍隊に採用することを差し控えるものとし、また、15歳以上18歳未満の者の中から採用するに当たっては、最年長者を優先させるよう努める。
4 締約国は、武力紛争において文民を保護するための国際人道法に基づく自国の義務に従い、武力紛争の影響を受ける児童の保護及び養護を確保するためのすべての実行可能な措置をとる。
第39条(搾取、虐待、武力紛争等による被害を受けた児童の回復のための措置)
 締約国は、あらゆる形態の放置、搾取若しくは虐待、拷問若しくは他のあらゆる形態の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰又は武力紛争による被害者である児童の身体的及び心理的な回復及び社会復帰を促進するためのすべての適当な措置をとる。このような回復及び復帰は、児童の健康、自尊心及び尊厳を育成する環境において行われる。
第40条(刑法を犯したと申し立てられた児童等の保護)
1 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されたすべての児童が尊厳及び価値についての当該児童の意識を促進させるような方法であって、当該児童が他の者の人権及び基本的自由を尊重することを強化し、かつ、当該児童の年齢を考慮し、更に、当該児童が社会に復帰し及び社会において建設的な役割を担うことがなるべく促進されることを配慮した方法により取り扱われる権利を認める。
2 このため、締約国は、国際文書の関連する規定を考慮して、特に次のことを確保する。
(a)いかなる児童も、実行の時に国内法又は国際法により禁じられていなかった作為又は不作為を理由として刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されないこと。
(b)刑法を犯したと申し立てられ又は訴追されたすべての児童は、少なくとも次の保障を受けること。
(i)法律に基づいて有罪とされるまでは無罪と推定されること。
(ii)速やかにかつ直接に、また、適当な場合には当該児童の父母又は法定保護者を通じてその罪を告げられること並びに防御の準備及び申立てにおいて弁護人その他適当な援助を行う者を持つこと。
(iii)事案が権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関により法律に基づく公正な審理において、弁護人その他適当な援助を行う者の立会い及び、特に当該児童の年齢又は境遇を考慮して児童の最善の利益にならないと認められる場合を除くほか、当該児童の父母又は法定保護者の立会いの下に遅滞なく決定されること。
(iv)供述又は有罪の自白を強要されないこと。不利な証人を尋問し又はこれに対し尋問させること並びに対等の条件で自己のための証人の出席及びこれに対する尋問を求めること。
(v)刑法を犯したと認められた場合には、その認定及びその結果科せられた措置について、法律に基づき、上級の、権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関によって再審理されること。
(vi)使用される言語を理解すること又は話すことができない場合には、無料で通訳の援助を受けること。
(vii)手続のすべての段階において当該児童の私生活が十分に尊重されること。
3 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定された児童に特別に適用される法律及び手続の制定並びに当局及び施設の設置を促進するよう努めるものとし、特に、次のことを行う。
(a)その年齢未満の児童は刑法を犯す能力を有しないと推定される最低年齢を設定すること。
(b)適当なかつ望ましい場合には、人権及び法的保護が十分に尊重されていることを条件として、司法上の手続に訴えることなく当該児童を取り扱う措置をとること。
4 児童がその福祉に適合し、かつ、その事情及び犯罪の双方に応じた方法で取り扱われることを確保するため、保護、指導及び監督命令、力ウンセリング、保護観察、里親委託、教育及び職業訓練計画、施設における養護に代わる他の措置等の種々の処置が利用し得るものとする。
第41条(締約国の法律及び締約国について有効な国際法との関係)
 この条約のいかなる規定も、次のものに含まれる規定であって児童の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。
(a)締約国の法律
(b)締約国について効力を有する国際法

第2部

第42条(条約の広報)
 締約国は、適当かつ積極的な方法でこの条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることを約束する。
第43条(児童の権利委員会の設置)
1 この条約において負う義務の履行の達成に関する締約国による進捗の状況を審査するため、児童の権利に関する委員会(以下「委員会」という。)を設置する。委員会は、この部に定める任務を行う。
2 委員会は、徳望が高く、かつ、この条約が対象とする分野において能力を認められた10人の専門家で構成する。委員会の委員は、締約国の国民の中から締約国により選出されるものとし、個人の資格で職務を遂行する。その選出に当たっては、衡平な地理的配分及び主要な法体系を考慮に入れる。
(※1995年12月21日、「10人」を「18人」に改める改正が採択され、2002年11月18日に同改正は発効した。)
3 委員会の委員は、締約国により指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。各締約国は、自国民の中から一人を指名することができる。
4 委員会の委員の最初の選挙は、この条約の効力発生の日の後6箇月以内に行うものとし、その後の選挙は、2年ごとに行う。国際連合事務総長は、委員会の委員の選挙の日の遅くとも4箇月前までに、締約国に対し、自国が指名する者の氏名を2箇月以内に提出するよう書簡で要請する。その後、同事務総長は、指名された者のアルファべット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し、この条約の締約国に送付する。
5 委員会の委員の選挙は、国際連合事務総長により国際連合本部に招集される締約国の会合において行う。これらの会合は、締約国の3分の2をもって定足数とする。これらの会合においては、出席しかつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で、かつ、過半数の票を得た者をもって委員会に選出された委員とする。
6 委員会の委員は、4年の任期で選出される。委員は、再指名された場合には、再選される資格を有する。最初の選挙において選出された委員のうち5人の委員の任期は、2年で終了するものとし、これらの5人の委員は、最初の選挙の後直ちに、最初の選挙が行われた締約国の会合の議長によりくじ引で選ばれる。
7 委員会の委員が死亡し、辞任し又は他の理由のため委員会の職務を遂行することができなくなったことを宣言した場合には、当該委員を指名した締約国は、委員会の承認を条件として自国民の中から残余の期間職務を遂行する他の専門家を任命する。
8 委員会は、手続規則を定める。
9 委員会は、役員を2年の任期で選出する。
10 委員会の会合は、原則として、国際連合本部又は委員会が決定する他の適当な場所において開催する。委員会は、原則として毎年1回会合する。委員会の会合の期間は、国際連合総会の承認を条件としてこの条約の締約国の会合において決定し、必要な場合には、再検討する。
11 国際連合事務総長は、委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及び便益を提供する。
12 この条約に基づいて設置する委員会の委員は、国際連合総会が決定する条件に従い、同総会の承認を得て、国際連合の財源から報酬を受ける。
第44条(報告の提出義務)
1 締約国は、(a)当該締約国についてこの条約が効力を生ずる時から2年以内に、(b)その後は5年ごとに、この条約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を国際連合事務総長を通じて委員会に提出することを約束する。
2 この条の規定により行われる報告には、この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因及び障害が存在する場合には、これらの要因及び障害を記載する。当該報告には、また、委員会が当該国における条約の実施について包括的に理解するために十分な情報を含める。
3 委員会に対して包括的な最初の報告を提出した締約国は、1(b)の規定に従って提出するその後の報告においては、既に提供した基本的な情報を繰り返す必要はない。
4 委員会は、この条約の実施に関連する追加の情報を締約国に要請することができる。
5 委員会は、その活動に関する報告を経済社会理事会を通じて2年ごとに国際連合総会に提出する。
6 締約国は、1の報告を自国において公衆が広く利用できるようにする。
第45条(児童の権利委員会の任務)
 この条約の効果的な実施を促進し及びこの条約が対象とする分野における国際協力を奨励するため、
(a)専門機関及び国際連合児童基金その他の国際連合の機関は、その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し、代表を出す権利を有する。委員会は、適当と認める場合には、専門機関及び国際連合児童基金その他の権限のある機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について専門家の助言を提供するよう要請することができる。委員会は、専門機関及び国際連合児童基金その他の国際連合の機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。
(b)委員会は、適当と認める場合には、技術的な助言若しくは援助の要請を含んでおり又はこれらの必要性を記載している締約国からのすべての報告を、これらの要請又は必要性の記載に関する委員会の見解及び提案がある場合は当該見解及び提案とともに、専門機関及び国際連合児童基金その他の権限のある機関に送付する。
(c)委員会は、国際連合総会に対し、国際連合事務総長が委員会のために児童の権利に関連する特定の事項に関する研究を行うよう同事務総長に要請することを勧告することができる。
(d)委員会は、前条及びこの条の規定により得た情報に基づく提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができる。これらの提案及び一般的な性格を有する勧告は、関係締約国に送付し、締約国から意見がある場合にはその意見とともに国際連合総会に報告する。

第3部

第46条(署名)
 この条約は、すべての国による署名のために開放しておく。
第47条(批准)
 この条約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。
第48条(加入)
 この条約は、すべての国による加入のために開放しておく。加入書は、国際連合事務総長に寄託する。
第49条(効力発生)
1 この条約は、20番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。
2 この条約は、20番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については、その批准書又は加入書が寄託された日の後30日目に効力を生ずる。
第50条(改正)
1 いずれの締約国も、改正を提案し及び改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、直ちに、締約国に対し、その改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議及び投票のための締約国の会議の開催についての賛否を示すよう要請する。その送付の日から4箇月以内に締約国の3分の1以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。
2 1の規定により採択された改正は、国際連合総会が承認し、かつ、締約国の3分の2以上の多数が受諾した時に、効力を生ずる。
3 改正は、効力を生じたときは、改正を受諾した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの条約の規定(受諾した従前の改正を含む。)により引き続き拘束される。
第51条(留保)
1 国際連合事務総長は、批准又は加入の際に行われた留保の書面を受領し、かつ、すべての国に送付する。
2 この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は、認められない。
3 留保は、国際連合事務総長にあてた通告によりいつでも撤回することができるものとし、同事務総長は、その撤回をすべての国に通報する。このようにして通報された通告は、同事務総長により受領された日に効力を生ずる。
第52条(廃棄)
 締約国は、国際連合事務総長に対して書面による通告を行うことにより、この条約を廃棄することができる。廃棄は、同事務総長がその通告を受領した日の後1年で効力を生ずる。
第53条(寄託者)
 国際連合事務総長は、この条約の寄託者として指名される。
第54条(正文)
 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とするこの条約の原本は、国際連合事務総長に寄託する。
 以上の証拠として、下名の全権委員は、各自の政府から正当に委任を受けてこの条約に署名した。

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