参考資料1 2025年6月19日 DPI副議長 尾上浩二 説明資料 第12回大阪市交通バリアフリー基本構想推進協議会への意見 1 ターミナル地区(天王寺、新大阪、梅田、難波、京橋地区)の検討を踏まえた継続協議事項について  2006年に大阪市が先進的に基本構想を策定して以来、20年ぶりの見直しであり、当事者から多くの問題点が指摘され、課題として整理されたことはとても意義があった。しかし、計画へ反映しきれない課題も多く残されており、第8回推進協議会、第11回推進協議会において、今後継続的に取り組むべき事項として整理された。 (第11回推進協議会資料1より抜粋) 〇ワークショップ等での意見を踏まえ、国等の動向も考慮しながら、協議会において継続して検討する項目は以下のとおり。 1)整備の具体化に関して、基本的な考え方等の整理が必要なもの 〇乗り換えや周辺地域・施設へのわかりやすい案内・誘導 〇障がいの特性に応じた操作性を確保した券売機や精算機等の仕様の検討 〇インターホンなど遠隔対応型等の双方向のコミュニケーション設備の仕様の検討 〇大型ベットの設置位置や仕様の検討 〇バリアフリートイレの機能の分散化の検討 〇オールジェンダートイレの設置(配置)の検討 〇ウェブアクセシビリティを確保したウェブサイト等による情報提供に関する手段や内容の検討 2)関係事業者と共通認識を図ることが望ましいもの 〇駅員の理解促進と接遇向上に関する検討 〇オールジェンダートイレの設置に対する理解促進に関する検討 3)その他 〇エレベーター袖壁の仕様(有効性)の検討 〇小中学校の生活関連施設の設定についての検討 〇継続協議事項の取組案を早急に示してください これらの課題は、どのターミナル地区でも共通して問題点として挙げられた項目であり、当事者参画のもとに継続して検討することが極めて重要である。早急に、検討の優先順位や進め方の案を示していだだき、今年度中に具体的に推進協議会等における検討を開始してください。 〇とりわけ早期に取り組みを行うべきと考える項目 【他社線乗り換え・案内誘導】 ターミナル地区で特に多く挙がった意見は、バリアフリールートの案内表示が量的に不足しており、かつ分かりにくいということである。特に、大阪の特徴として、民間ビルに連絡エレベーターを設置している場合が多く、エレベーターの所在、エレベーターの各階からのルートの表示等がわかりにくい課題がある。当事者参画のもとわかりやすいバリアフリールートの案内表示のあり方を京橋地区やなんば地区などモデル地区を選定し、検討する場をぜひ作っていただきたい。 【インターホン、券売機・精算機の仕様】 無人駅・無人改札(含む時間帯無人)の拡大が大きな問題となっており、障害があっても利用できるインターホン、券売機・精算機等の重要度が増している。多様な障害者が利用できるために、どういう改良が必要なのか、当事者参画で、良い事例の情報交換や当事者の使い勝手を踏まえた意見交換会などができる場を作っていただきたい。推進協議会の資料には「メーカー仕様であるので改善できない」という回答があったと記憶している。検討の場にメーカーにも同席してもらうなどして、当事者の声を生産段階に反映することにつなげられないかと思う。 2 「バリアフリー基本方針に基づく第4次整備目標」及び「建築プロジェクトの当事者参画のガイドライン」について 国はバリアフリー法の基本方針に基づき2026年度からの向こう5年間の目標を定める取組を進めている(2025年4月中間まとめ公表)。 中間まとめで新たに設けられたもので、特に参考にすべき項目について述べると、 ・「障害者対応型券売機 原則100%達成目標」 ・「2,000㎡以上の国等の公共特別特定建築物の建築工事への基本構想~実施設計での当事者参画 原則100%達成目標」と掲げられている。 次期、基本方針では当事者参画が重要ポイントであり、今年5月30日には当事者参画ガイドラインも公表された。 3 大規模開発・再開発への当事者意見の反映 基本構想の取組では、次回の大規模開発時に検討するという課題解決になることが多く見受けられた。大規模改修・再開発の時にこれまで障害当事者の声が反映されていないことが、障害者の存在を念頭におかないことによる大規模迂回やわかりにくさなど数々の不便を生じさせていることが明らかである。今後、重点整備地区内で生じた不特定多数が利用する公共性の高い建築物プロジェクトや大規模開発・再開発においては、国の当事者参画ガイドラインの主旨を踏まえ、当事者の意見反映ができる方策をぜひ検討いただきたい。 少なくとも、推進協議会へ公共性の高いプロジェクトに関して、報告をいただくとともに推進協議会の意見を反映できように図っていただきたい。