参考資料1 新大阪地区 交通バリアフリー基本構想 概要版 ■地区の概要 新大阪地区は、JR東海(東海道・山陽新幹線)新大阪駅、JR西日本(東海道本線、おおさか東線)新大阪駅、大阪メトロ(御堂筋線)新大阪駅の3駅が立地しており、大阪市の広域的な玄関口としての役割を担っている地区です。  また地区内には、新大阪センイシティ等の商業施設や新大阪ワシントンホテルプラザ等の宿泊施設が立地しているほか、市立青少年センター等の教育・文化施設、大阪回生病院等の医療・福祉施設が立地しています。 令和4年10月に都市再生緊急整備地域に指定されており、駅とまちが一体となった世界有数の広域交通ターミナルのまちづくりの実現をめざした取組を進めています。 『新大阪地区の位置図を添付』 ■地区のバリアフリー化方針 (1)バリアフリー化整備の背景 新大阪地区は、全国と大阪を結ぶ広域的なターミナルを形成している地区です。これまで、基本構想の「誰もが安全・快適に移動できる“大阪の玄関口”新大阪~すべての人にやさしいまちを目指して~」を地区の基本理念として、駅舎内では誘導ブロックの敷設やエレベーターの整備、ホームの安全対策、トイレの多機能化が進められてきました。また、主要な経路において、全て整備済みにはなっていませんが、視覚障がい者誘導用ブロックの敷設等が進められてきました。 さらに、新大阪駅の大規模改良工事により、JR新大阪駅北口通路の開設や新大阪阪急ビルの供用、大阪メトロ御堂筋線北側部分のリニューアルが行われ、新大阪駅と駅北側エリアを結ぶ歩行者空間が整備されてきました。  一方、近年、障害者権利条約をはじめとする関連法制の整備に加え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等を契機として、「どこでも、誰でも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、全ての利用者に利用しやすい環境整備が求められています。 そして、基本構想を作成した当時(平成16(2004)年4月時点)に比べ、新大阪地区に立地している3駅の乗降客数が大幅に増えたことにより、バリアフリールートの追加や案内表示の充実の必要性が高まってきています。 (2)現状の主な課題 ①駅舎に関する事項 ■これまでの取組内容の充実や継続した取組に関すること ・乗り換え経路上や移動経路上の誘導ブロック敷設箇所の追加/・乗り換え経路や垂直移動経路の分かりやすい案内誘導/・階段の手すり形状や点字表記の見直し ■社会状況の変化等に応じた取組に関すること ・無人改札への対応(インターホン等への誘導、案内の充実)/・エレベーターの増設(バリアフリールートの複数化)、大型化/・オールジェンダートイレ等の設置 ②道路・交差点に関する事項 ■これまでの取組内容の充実や継続した取組に関すること ・車道と歩道の縁石の段差の解消、歩道の勾配の見直し/・デッキを含めた生活関連経路における誘導用ブ  ロックの敷設、敷設箇所の追加/・デッキ(乗り換え経路含む)、駅前広場の分かりやすい案内誘導/・音響信号機の追加設置、音の大きさや種類の見直し/・デッキ上のエレベーターの増設、スロープの設置(バリアフリールートの複数化等)/・生活関連経路における誘導用ブロックの維持管理   (3)地区のバリアフリー化方針   方針1 駅・乗り換え経路等におけるバリアフリー化の推進  ・すべての駅において、地上からホームまで円滑な移動経路が確保できるよう、バリアフリールートの拡充の検討とともに、初めて訪れる人でも円滑な乗り換えができる案内・誘導の充実を含めた、安全・快適なバリアフリー化された経路の確保を図ります。 ・駅相互の乗り換え経路においても、連続した誘導用ブロックを敷設するとともに、出来る限り迂回の生じない乗り換え経路となるよう引き続き検討し、バリアフリー化を推進します。 ・車いす利用者、視覚障がい者、高齢者等はもとより初めて訪れる人など、すべての人にとって利用しやすい駅施設の整備・充実を図ります。    方針2 駅と生活関連施設を結ぶ経路のバリアフリー化の推進 ・駅から生活関連施設までの経路において、わかりやすく、安全・快適に移動できるように、引き続き歩道・交差点部のバリアフリー化を推進します。 ・駅舎内通路やデッキも駅から生活関連施設までの移動の際の主要な動線となっているため、より円滑に通行できるようにバリアフリー整備・充実を進めていきます。 ■地区における重点整備地区の区域設定 新大阪地区では、以下の考え方に基づいて、面積約132ヘクタールの区域を重点整備地区として設定します。 (1)駅を中心とした概ね500メートル圏の範囲 (2)高齢者、障がい者等をはじめ多くの人々が利用する施設を含む範囲 (3)大阪市の広域的な玄関口であり、交通結節施設が集積している範囲 ■生活関連施設設定 生活関連施設の設定の考え方については、次のとおりとします。 高齢者、障がい者をはじめ多くの人々が利用すると考えられる次表の区分及び種類にあげた施設 区分 旅客施設 種類 特定旅客施設(鉄道駅舎、バスターミナル など) 区分 官公庁等施設 種類 府庁、市役所、区役所、警察署、裁判所、税務署、保健福祉センター、郵便局 など 区分 教育・文化施設 種類 図書館、区民センター、区民ホール、劇場、特別支援学校、大学、博物館、美術館、映画館 など 区分 医療・福祉施設 種類 病院、診療所、老人福祉施設、障がい者福祉施設、児童福祉施設 など 区分 商業施設 種類 百貨店、大規模小売店舗 など 区分 宿泊施設 種類 大規模ホテル など 区分 公園・運動施設 種類 公園、スポーツセンター・体育館・プール、その他屋外・屋内施設 など 区分 その他 種類 各地区で選定した施設(観光施設、寺社 など) ■生活関連経路設定 生活関連経路の設定については、次のとおりとします。 なお、「駅から周辺の生活関連施設の入り口までの優先的に整備する1経路」を選定することを基本とします。 (1)生活関連経路 この経路は、以下のような機能を持ち、すでに歩道が整備されている道路、今後歩道が整備される道路、歩行者用立体横断施設等を考慮して設定します。 ①駅から周辺の生活関連施設(官公庁等施設、教育・文化施設、医療・福祉施設、商業施設など)の入口までの経路 (2)鉄道駅乗り換え経路 複数の鉄道駅間の乗り換えにおいて、鉄道施設内で乗り換え経路の確保が必要な道路、地下街、鉄道施設内通路等を「鉄道駅乗り換え経路」として設定します。 ■地区における生活関連施設・経路図 生活関連施設一覧 旅客施設 JR東海(東海道・山陽新幹線)新大阪駅、JR西日本(東海道線)新大阪駅、大阪メトロ(御堂筋線)新大阪駅 教育・文化施設 教育施設 東淀川支援学校、滋慶医療科学大学 教育・文化施設 文化施設 市立青少年センター 医療・福祉施設 医療施設 子どもの城療育クリニック、大阪回生病院 医療・福祉施設 福祉施設 東淀川子育て支援センター、淀川区東部地域包括支援センター、介護付有料老人ホームプレサンメゾン新大阪 商業施設 新大阪センイシティ、ライフセントラルスクエア西宮原店、ホームセンターコーナン新大阪センイシティ店 宿泊施設 コートヤード・バイ・マリオット新大阪ステーション、アパホテル〈新大阪駅前〉、新大阪ワシントンホテルプラザ、ヴィアイン新大阪ウエスト、アパホテル<新大阪駅タワー>、ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター、からくさホテルグランデ新大阪タワー、ニューオーサカホテル 公園・運動施設 運動施設 淀川スポーツセンター、東淀川体育館 その他の施設 その他 小中一貫校むくのき学園 生活関連経路の路線名 1 国道423号(新御堂筋) 2 歌島豊里線 3 西淡路南方線 4 熊野大阪線 5 淀川区第1081号線 6 淀川区第1171号線 7 淀川区第1189号線 8 淀川区第1215号線 9 淀川区第1224号線 10 淀川区第1227号線 11 淀川区第1258号線 12 淀川区第1281号線 13 淀川区第1311号線 14 淀川区第1356号線 15 淀川区第1527号線 16 東淀川区第833号線 17 東淀川区第999号線 18 東淀川区第1209号線 19 東淀川区第1238号線 20 東淀川区第1479号線 21 南側広場(通路) 22 北西側広場(通路) 23 北口デッキ(西) 24 北口デッキ(東) 鉄道駅乗り換え経路の路線名 A 御堂筋線中改札~新幹線南口~在来線東出入口 B 御堂筋線北東改札~新幹線中央口 『新大阪地区の生活関連施設・経路図を添付』 ■整備等の内容 【鉄道施設】 ■駅舎別の内容 新大阪駅(JR西日本) 整備等の内容 エレベーターの大型化等の検討 区分 関連事業  整備等の内容 階段の手すりの点字表示の検討 区分 関連事業  整備等の内容 車両とホームとの隙間・段差を縮小するためのホーム構造や車両構造の改良・整備に向けた検討 区分 関連事業 整備等の内容 バリアフリートイレへの大型ベッドの設置の検討 区分 関連事業 整備等の内容 カームダウン/クールダウンスペースの設置の検討 区分 関連事業 新大阪駅(JR東海) 整備等の内容 エスカレーターの行き先及び昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 関連事業 整備等の内容 エレベーターの大型化等の検討 区分 関連事業 整備等の内容 車両とホームとの隙間・段差を縮小するためのホーム構造や車両構造の改良・整備 区分 特定事業 整備時期 令和6年度末 整備等の内容 カームダウン/クールダウンスペースの設置の検討 区分 関連事業 新大阪駅(大阪メトロ) 整備等の内容 エレベーターの到着する籠の昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 関連事業 整備等の内容 ホーム上にある出入口に通ずる階段位置を知らせる音案内装置の設置 区分 特定事業 整備時期 後期 整備等の内容 ホームから公共用通路まで2以上の経路(エレベーター)の整備を検討 区分 関連事業 ■駅舎共通の内容 整備等の内容 乗り換え経路等の垂直移動経路の案内表示の改善に向けた検討 区分 関連事業 整備等の内容 車両とホームとの隙間・段差に渡り板を配備し、適切な乗降介助の実施 区分 継続実施 整備等の内容 ウェブアクセシビリティを確保したウェブサイト等による情報提供 区分 継続実施又は検討 整備等の内容 異常時における障がい特性に応じた情報提供の手法の検討 区分 継続実施 整備等の内容 障がい等の特性に応じたコミュニケーション手法の活用や必要とする支援の提供 区分 継続実施 (参考):駅舎の整備等の方針(抜粋) ・券売機や精算機の構造や仕様の検討(協議会で事例共有等を行うなど継続的に検討) ・バリアフリー経路の複数化の検討 ・エレベーターの大型化等の検討 ・バリアフリートイレへの大型ベッドの設置の検討 ・バリアフリートイレの機能分散化やオールジェンダートイレの設置の検討(協議会で事例共有等を行うなど継続的に検討) ・授乳室やカームダウン/クールダウンスペースの設置の検討 【バス車両及びタクシー車両】 ■バス車両 市内路線バス車両 整備等の内容 ノンステップバスの導入  区分 関連事業 整備等の内容 障がい者対応型案内誘導設備等への案内用図記号(ピクトグラム)の表示  区分 関連事業 空港アクセスバス 整備等の内容 リフト付きバス又はエレベーター付きバスの導入の検討 区分 関連事業 ■タクシー車両 整備等の内容 ユニバーサルデザインタクシーの導入 区分 関連事業 【道路・交差点】 ■道路 整備等の内容 歩道の有効幅員の確保、段差解消、勾配の改善などの実施・視覚障がい者誘導用ブロックの敷設 路線名 熊野大阪線、淀川区第1171号線、淀川区第1215号線、淀川区第1227号線、淀川区第1258号線、淀川区第1311号線、淀川区第1356号線、東淀川区第833号線、東淀川区第1209号線 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 歩道の有効幅員の確保、段差解消、勾配の改善などの実施・視覚障がい者誘導用ブロックの敷設 路線名 淀川区第1281号線、東淀川区第999号線 区分 特定事業 整備時期 後期 整備等の内容 歩道の有効幅員の確保、段差解消、勾配の改善などの実施・視覚障がい者誘導用ブロックの敷設 路線名 南側広場(通路)  区分 関連事業 整備等の内容 標識の移設による有効幅員の確保 路線名 東淀川区第999号線(子育て支援センター前) 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 視覚障がい者誘導用ブロックの敷設 路線名 北西側広場(通路) 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 音響信号機の押しボタンが操作できる位置までの視覚障がい者誘導用ブロックの敷設を検討 区分 関連事業 整備等の内容 歩道の設置が困難な場合、路側帯のカラー舗装化、自動車・自転車の進入抑制や速度抑制等を検討 路線名 淀川区第1281号線、東淀川区第999号線 区分 関連事業 整備等の内容 歩道橋における視覚障がい者誘導用ブロックの敷設 路線名 北口デッキ(東)、大阪メトロ4号出入口~デッキ 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 歩道橋における段差の改善に向けた検討 路線名 北口デッキ(大阪メトロ御堂筋線横断部) 区分 関連事業 整備等の内容 南東側広場のタクシー乗り場における上屋の設置や乗場の歩道部分の車道に対する高さの検討 区分 関連事業 ■歩道上障害物 整備等の内容 現行の「大阪市自転車等の駐車の適正化に関する条例」等の活用や鉄道駅周辺における放置自転車に関する全市的な取り組みの中で、特にバス停留所等や鉄道駅出口付近及びエレベーター付近の重点的放置自転車対策の実施 区分 継続実施 整備等の内容 商品・看板等の歩道へのはみ出しに対する是正の指導・撤去の推進 区分 継続実施 ■乗り換え経路 整備等の内容 視覚障がい者誘導用ブロックについて、管理者境界部等の連続敷設ができていない区間の敷設の検討 区分 関連事業 整備等の内容 わかりやすい案内・誘導の検討 区分 関連事業 ■交差点 整備等の内容 地域要望等を踏まえた主要な経路上での音響信号機等の設置を検討 路線名 東中島4丁目北交差点 区分 関連事業 ■違法駐車対策 整備等の内容 移動の円滑化を特に阻害する横断歩道上、バス停留所付近等の取締り強化 歩道の有効幅員の確保が困難な路線の取締り強化 区分 継続実施 【心のバリアフリー】 ■教育啓発事業の取組内容 整備等の内容 一般利用者に高齢者、障がい者等への配慮を促す等、心のバリアフリーに関する広報・啓発活動の実施 区分 特定事業又は関連事業 関係者 道路管理者、交通管理者、鉄軌道事業者、バス事業者 整備等の内容 職員への研修・教育の実施 区分 特定事業又は関連事業 関係者 大阪市、鉄軌道事業者、バス事業者、大阪タクシー協会、タクシーセンター 整備等の内容 基本構想に基づく取り組みの市民への周知・情報提供 区分 特定事業 関係者 大阪市 整備等の内容 地域や関係団体との連携による多様な障がいの特性や必要な配慮について理解するための取組の実施 区分 特定事業 関係者 大阪市 整備等の内容 地域や関係団体との連携による多様な障がいの特性や必要な配慮について理解するための取組の実施 区分 特定事業又は関連事業 関係者 鉄軌道事業者、バス事業者、大阪タクシー協会 整備等の内容 学校教育における「総合的な学習の時間」等での取組 区分 特定事業又は関連事業 関係者 大阪市、バス事業者 ■整備区分 整備区分 特定事業(バリアフリー法第2条に基づく、公共交通特定事業、道路特定事業、交通安全特定事業、教育啓発特定事業)  整備等の内容 整備内容と完成時期を明確にして進める事業 整備区分 関連事業  整備等の内容 整備の具体化に向けて検討や関連機関との協議が必要となる事業 整備区分 継続実施 整備等の内容 現在でも対策を行っており、継続して実施する事業(主にソフト的な事業) ■整備時期 前期:令和12(2030)年までに整備 後期:令和17(2035)年までに整備 (検討に時間を要するもの、構造の変更に伴い大規模改修等の時期を捉えて実施するもの) ※整備内容が同じであっても、各地区及び施設の状況により整備時期が異なる場合があります。