参考資料1 2024年10月23日 DPI副議長 尾上浩二 説明資料 第10回大阪市交通バリアフリー基本構想推進協議会への意見 Ⅰ.再開発計画との関係について  梅田、なんばのこれまでの幾度もの再開発計画、街のリニューアルについて、障害者の意見が聞かれることがなかった。 今後、基本的に、重点整備地区で新規に出た再開発計画や大規模改修工事については、継続して開催されることになっている基本構想推進協議会へ報告し、障害者の意見を聞くこととし、現在、動いている再開発計画に関して、推進協議会、ワークショップで出た意見を反映していただきたい。 以下、地区ごとの重点課題を指摘する。 (梅田地区の再開発問題) 〇三番街・茶屋町、阪急ターミナルビル等の再開発計画への意見反映。 〇うめきた2期計画のデッキへのエレベーターも11人乗りですでに長蛇の列。 (梅田地区の重点課題) 〇東梅田からディアモールへのメインストリートへのアプローチが階段しかない。 〇サウスゲートビル正面玄関からJR中央改札付近に向けての経路、JR中央改札付近から地下街の阪神電車、西梅田方面のメイン通路へのアプローチが階段、エスカレーターしかない。 〇ノースゲートビル、ルクア、アトリウム広場、カリヨン広場につながる経路はエスカレーター、階段が主経路になっており、障害者の円滑な移動が阻害されている。 〇街全体を俯瞰的にみることができるバリアフリーマップの掲示、エレベーターへの番号の附番が必要。 (なんば地区の再開発問題) 〇「グレーターなんば」構想(なんば駅周辺における空間再編推進事業など)、南海「なんば」駅周辺の再整備計画、新なにわ線(なんば駅)の新設計画への意見反映。 (なんば地区の重点課題) 〇地下鉄千日前線東改札、近鉄東改札から御堂筋北改札付近の地下街に直接行き来できるエレベーターが必要。 〇現基本構想では千日前通は地下と地上の移動の円滑化を図るゾーンであったが、民間ビル利用のエレベーターしかない(わかりにくい、時間制限あり)。24時間運行の公共エレベーターの設置が必要。 〇なんば地下街全体を俯瞰できるバリアフリーマップの設置。 (京橋地区の再開発問題)  〇京阪京橋駅リニューアル計画。 〇京阪京橋駅からOBP、大阪城公園にかけてのデッキの各交通結節点の整備計画。 〇上記の再開発計画やイオン跡地の再整備及びその周辺整備計画への意見反映。 (京橋地区の重点課題) 〇京橋公園の入り口のバリアフリー化(バリカー撤去)。 〇京阪京橋駅から地下鉄への乗り換え経路の円滑化(京阪京橋駅改札付近にエレベーターの設置) 〇JR と京阪の間の広場から、京阪東側への移動の円滑化。 Ⅱ.資料2に関連して(全地区共通の問題点)  前日16時時点においても資料3が提示されておらず、委員として意見を出しようがない。事前説明で提示された資料2に限って、現時点で気が付いた範囲の意見に止まらざるを得ないことを断っておく。 1現、基本構想で課題とされていた事項について、現在も解決されていないものが多い。前回と同じく、「大規模な改修の折に検討する」と言った安易な先送りを繰り返すのでなく、これまでの現基本構想整備における取組の総括を十分に行い、今後の整備方針を検討すること。 〇例)京橋地区の京阪京橋駅から、メトロ京橋駅への乗り換え経路改善のための京阪改札付近へのコムズガーデン地下道へのエレベーター設置、京橋公園のバリカー撤去は、現基本構想策定時にも課題として提起されてきたことであるが、コムズガーデン再開発計画に関して障害当事者の意見の聴取がないままで工事が進行していることについて、説明も総括もない。 2天王寺・新大阪地区の第3回ワークショップに向けた第7回推進協議会においては、地区ワークショップで出た意見をマップでまとめて、提示された上で、意見への対応方針が示された。今回は提示がされなかったのは残念であるが、せめて、同様のものを第3回地区ワークショップ、及び第11回推進協議会で提供されたい。 (以下 第7回推進協議会資料より 図形 天王寺駅の課題をマップにまとめたもの) 3 第7回、第8回推進協議会で、「全地区共通の方針への修正・追加が行われた事項」、「継続して推進協議会で協議を行うと確認された事項」について、後退する方針を提示することは、これまでの協議を一方的に反故にすることであり、あってはならない。これまでの協議の内容を十分に踏まえた方針となるようにされたい。 Ⅲ.資料2に関連して(梅田地区の問題点) 1 生活関連施設及び生活関連経路の設定について 〇うめきた公園などの都市公園や、小中学校などの避難施設の記載がまったくない。避難施設や経路にかかる設定については慎重な検討が必要とされてきた経緯がある。再確認をお願いしたい。 2 駅舎等に関する項目(1視覚障害者誘導ブロック)について 〇視覚障害者誘導ブロックの途切れている箇所への対応について、「対応が困難」という方針が示されているが、連続敷設に向けた整備を行うことの全否定はこれまでの経過を無視したものであり、整備に向けて努力する旨の記載に変更されたい。 (経過:全地区共通骨子に「1.視覚障がい者誘導用ブロック」について、「管理境界部における、連続的な敷設や敷設位置の検討」を行う旨の追加修正が行われた(第8回推進協議会)) 3 駅舎等に関する項目(3案内誘導)について 〇梅田地区全体の構図がわかるマップ、バリアフリールートの表示、エレベーターへの付番の必要性についての意見に対して、「施設管理者個々の対応の参考」とすべく「誘導サインについて共有する」という方針が示されているが、梅田地区全体の共通した対応の必要性が問われていることに対して、応答する方針をしめしていただきたい。 〇「移動経路の案内をわかりやすくしてほしい」という意見に対して、「サイン整備検討協議会による共通ツールに基づき設置」と方針が示されているが、そもそも、サイン整備検討協議会は、バリアフリールートの案内表示についても検討されているのか疑問である。障害者の事情を加味しない従来ルールを根拠に当事者視点でのチェックに基づく意見を否定することは、基本構想の取り組みを否定することになるので、これまでの検討経過を踏まえたものに修正いただきたい。  (「協議会において、好事例を共有するなど、案内・誘導や事業者間の連携の方法について継続的な検討」(第8回推進協議会)) 4 駅舎等に関する項目(4切符の購入)について 〇券売機の画面の高さ、精算機・券売機の画面のタッチパネル(視覚障害者利用不可)等の意見について、「メーカ製作機器である」、「駅係員で対応している」と改善課題でないという方針になっているが、「券売機 や精算機 等の 仕様(障がいの特性に応じた操作性を確保、遠隔対応型等の双方向のコミュニケーションが可能等)」は継続検討課題となっていることを踏まえた方針に修正いただきたい。 5 駅舎等に関する項目(6 エレベーター)について 〇エレベーターの大型化について、大規模改修時に実施とされているが検討されないのでないかという意見に対して、「ホーム拡幅や歩道拡幅の制約があり困難」と断定的に一切を否定する方針となっている。これは、「基本的に15人乗り以上とし、可能な限り17人乗りを検討(※)基本的に15人乗り以上とし、可能な限り17人乗りを検討(※)」という全地区共通骨子が修正された経緯を無視するものである。各事業者ごと、箇所ごとの検討を封殺し、入り口ですべての大規模化が不可能であると切って捨てる方針は撤回いただきたい。 6 駅舎等に関する項目(11 トイレ)について 〇トイレの配置計画、機能分散、大型ベッドの設置等に関する意見に対して、「トイレ改良工事実施時に仕様を検討する」と方針が示されているが、推進協議会で継続的に検討すべき課題として、「バリアフリートイレの機能分散、オールジェンダートイレの設置、大人ベッドの設置位置や仕様」が挙がっていることについても踏まえられたい。 Ⅳ 資料2に関連して(なんば地区の問題点) 1駅舎等に関する項目(4切符の購入)について 〇蹴込みが浅く操作できない、照明が反射して利用できない、設置位置が高い、点字が左側で利用しくにいなどの意見に対して、「ガイドラインに沿った整備を行っているために改善を想定しない」という方針であるが、ガイドラインは最低限の基準を定めるものであり、これを以外は対応しないのであれば、当事者の意見を聞く意味がないと思われる。また、ガイドラインには、「表示画面・操作画面は、外光・照明の反射により、見にくくならないよう配慮することが望ましい。」とあり、ガイドラインに準拠するのであれば、対応すべき課題である。 2駅舎等に関する項目(11 トイレ)について 〇すべての人が利用しやすい配置計画、設計、大型ベッドの設置、トイレの形状等の意見について、「限られた空間で整備を行っている」という現状追認でとどまり、今後の改良に向けての方針が示されていない。推進協議会で継続的に検討すべき課題として、「バリアフリートイレの機能分散、オールジェンダートイレの設置、大人ベッドの設置位置や仕様」が挙がっていることについて、十分に踏まえ、今後のなんばウォーク全体での改良も見据えた改善方針を示していただきたい。 3道路・交差点に関する項目(4休憩施設)について なんば地区はベンチやレストスペースが少ないという意見に対して、「環境悪化につながることから設置していない」と切って捨てているが、梅田地区などでは設置できていることも念頭におき、今後の街の改良時においても検討の余地がないのか。 4道路・交差点に関する項目(駅前広場)について 〇なんば広場のステージに車いすで上がれないという意見に対して、「段差はベンチであるから、スロープ設置が困難」と切って捨てているが、ベンチと称する台をステージとして利用することも、車いす障害者が同伴者と共に段差に上がりたい場合も考慮すると、段差の一方向をスロープにすることを否定する根拠になりえないのでないか。 5その他に関する項目(建築物等)について 〇ビックカメラのエレベーター表示、地上階からエレベーターがわかる案内表示がされることはとてもありがたい。具体的な表示がわかりやすくなるようにぜひ障害者の意見を踏まえて実現していただきたい。 Ⅴ.資料2に関連して(京橋地区の問題点) 1 駅舎等に関する項目(2音声案内)について 〇大阪ビジネスパーク駅において双方向コミュニケーションの音声案内がほしいと言う意見に対し、「ガイドラインに沿った整備をしている」という回答に留まっているが、券売機・精算機の双方向コミュニケーションについて継続協議することを踏まえた方針とされたい。 2 駅舎等に関する項目(3案内・誘導)について 〇案内誘導サインの改善についての意見に対して、「地域全体で案内誘導方法の統一的な考え方が示されれば、案内整備を検討する」という方針となっているが、ここには、大阪市として、「地域全体の案内誘導の統一的な整備方針をさだめ、整備を検討する」などの方針案を記載すべきでないか。 3 駅舎等に関する項目(4切符の購入)について 〇券売機の高さ、照明の反射で見えないなどの意見に対して、「ガイドラインに沿った整備」としているが、ガイドラインは最低限の基準を定めるものであり、これを以外は対応しないのであれば、当事者の意見を聞く意味がないと思われる。また、ガイドラインには、「表示画面・操作画面は、外光・照明の反射により、見にくくならないよう配慮することが望ましい。」とあり、ガイドラインに準拠するのであれば、対応すべき課題である。併せて、「券売機 や精算機 等の 仕様(障がいの特性に応じた操作性を確保)」は継続検討課題となっていることを踏まえていただくことが必要である。 4 駅舎等に関する項目(6エレベーター)について 〇京阪京橋駅の「ホームへのエレベーターが混雑する」という意見に対して、「エレベーターの複数化は困難」と一方的に拒絶しているが、エレベーターの複数設置(複数ルートの設置)は、国のバリアフリー政策でも目標と掲げられているところであり、京阪京橋駅、京阪モールのリニューアル計画等も踏まえ、将来的な改修への改善方針も含めて、検討されたい。 〇片町口のエレベーターは、費用的な面で困難としているが、今後の再開発計画でデッキの延長、拡充整備、京阪モールのリニューアルなどを踏まえて、将来的な改修への改善方針も含めて、検討されたい。 〇京阪東地下道へのエレベーター設置については現基本構想検討時からの20年来の課題である。問題解決の課題が多いという感想だけで終わっているが、京橋のバリアフリー化において、重要な課題であること認識し、将来的な改修への改善計画も含めて、検討されたい。 〇コムズガーデンのエレベーターに法令上窓を設置できないとされているが、通常のエレベーターは窓がある。なぜできないのか、再確認いただきたい。   5 駅舎等に関する項目(11トイレ)について 〇推進協議会で継続的に検討すべき課題として、「バリアフリートイレの機能分散、オールジェンダートイレの設置、大人ベッドの設置位置や仕様」が挙がっていることについて、十分に踏まえて、整備計画に生かしていただきたい。 6 道路・交差点に関する項目(その他)について 〇京橋公園のバリカー撤去についての意見に対して、「S字バリカーは撤去予定」という回答であるが、設置予定であるC字バリカーについては言及がなく、不誠実な回答である。都市公園のガイドラインについては車止めの設置はしないことが望ましく、設置する場合には、車いす等の進入に支障がないか慎重に検討することとされている。バリカー問題は、現計画検討時から課題となっていた事項であり、障害者等の進入に支障がないのか当事者意見を十分に踏まえる機会を設けていただきたい。 ●大阪メトロ インターホン(無人改札)検証会報告 概要版 日程:10月16日(水) 時間:13時より14時 集合場所:大阪メトロ 谷町9丁目 東改札(無人改札) 検証インターホン:集合場所設置のインターホン(改良版) 参加団体 大阪市身体障害者団体協議会、大阪市視覚障害者福祉協会、大阪市聴言障害者協会、大阪市手をつなぐ育成会、障大連(DPI日本会議加盟団体) ※身体、視覚、聴覚、知的 当事者・支援者が参加 ※大阪メトロからも駅務課様他同席頂けた。 検証会趣旨  改札が無人となり、代替えとして設置されているインターホンについて実際に駅を利用する障害者にとって利用しやすいものであるかどうかの検証を行った。  検証結果を、書面でメトロへお伝えし、今後の改善に役立てて頂く。 写真1枚(意見交換のようす、インターホン近くに集まって話をしている全体を撮影) インターホン(改良点など)イラストと説明文 (説明文は以下4点) ・車いす利用者にも対応できるように、インターホン前面にカメラを設置 ・車いす利用者にも押しやすいように、呼び出しボタンを増設(凸) ・点字シールを増設(呼び出しボタンの案内と、インターホン越し駅係員に見せるカードの説明文) ・インターホン機体下部(床から100センチメートルほどの位置)に、ポスター、カードにコミュニケーションが取りにくいお客様にも対応できることを記載。 (説明文はここまで) 検証当日の調査項目 ①無人改札であると容易に知ることができるか ②インターホンが連絡方法であると容易に知ることができるか ③インターホンに容易にたどり着けることができるか ④インターホン操作が容易にできるか ⑤インターホンでのやりとりはスムーズに行えるか ⑥その他(無人改札化による課題など) 写真1枚(検証したインターホンを撮影。点字ブロックが連続していないことがわかる) 出された意見(抜粋) ①無人改札であると容易に知ることができるか ・わからない(身体、視覚、知的) ・無人であることがわかりやすく表示されていない・改札内部が暗くて内部が見えない(身体、知的) ・無人改札であるという音声アナウンスが欲しい(視覚) ②インターホンが連絡方法であると容易に知ることができるか ・インターホンがあるということは音声アナウンスでわかる(視覚) ・インターホンがあることはわかるが、音声だけの連絡方法で聴覚障害者はどうやってコミュニケーションを取ればいいのか、まずとまどう。対応できるのか?(聴覚) ・文字での表記を理解することが難しい、文字以外の表記が必要(知的) ・機械の上にピクトグラムの設置をすれば、初見でも何の機械か分かりやすいと思う。(外国人にとっても)(知的) ・音声案内があるので、インターホンを利用するしかないのか、と思う。(身体) ③インターホンに容易にたどり着けることができるか ・点字ブロック敷設が欲しいが、せめて、インターホン前に警告ブロックの敷設は必要(視覚) ・いろいろな所から音が聞こえる。インターホンの音声案内間隔(30秒)を短くしてほしい(視覚) ・たどりつくことはできる(聴覚) ・券売機のような「蹴込み」がないので一定以上は手を伸ばす必要がある(身体) ④インターホン操作が容易にできるか ・ボタンがどこにあるか探すのが難しい、どのように操作すればいいかわかりずらい(視覚) ・ボタンが2つありわかりずらい、1つに統一した方が良い(視覚、知的) ・モニターを設置してほしい(聴覚、知的、身体) ・カードをかざすと係員が来る、ということがもっと簡単に伝わる工夫が必要(聴覚、知的) ・インターホン利用方法(手順)については、イラスト等を交えた説明があればわかりやすくなるのでは。(例えば、①押す、②(インターホンで)話す、③(カードを)出す) など(知的)   ⑤インターホンでのやりとりはスムーズに行えるか ・音声での案内は とてもよかった(視覚、身体) ⑥その他(無人改札化による課題など)  駅員が激減すれば、災害時障害者は取り残されてしまうのではないか、対策が必要(身体) 第10回大阪市交通バリアフリー基本構想推進協議会にかかる追加提出意見 2024年10月30日 DPI副議長 尾上浩二 第10回推進協議会の資料の配布が直前もしくは当日となったために十分発言することができなかった点について追加で意見を申し述べます。 本来は、推進協議会の場で十分に検討すべきであったということを考慮し、推進協議会当日の意見資料と併せて、本追加意見について、梅田地区、なんば地区、京橋地区の各ワークショップにおいて、参考資料として共有いただきますようお願いします。また、第3回各地区ワークショップ開催にあたっては、十分に検討できるように、事前の資料提供が適切な時期になされるようご配慮願います。 Ⅰ.対応方針案の作成にあたってご留意いただきたいこと 1.各ワークショップで出された意見を丁寧にとりまとめた上で対応方針を示されたい。  ①梅田地区では、現地確認のルートが少なすぎることを踏まえて、街歩きと同等に対応するという扱いであるはずの追加意見が十分に反映されていない事例が見受けられる。丁寧に反映すること。    (例)「点字案内板への点字誘導ブロックはあるが、そこに点字案内板があるという音声案内がなければ活用できない。」という旨の意見を出したが、考慮されていないのでないか。    (例)「御堂筋北改札から阪急ターミナルビルを経由し、阪急三番街付近の通路から地下鉄谷町線(B2階層)に降りるときにエスカレーター・階段しかなく、行き止まりになるので、エレベーターを設置すべき」という意見に対して、「阪急三番街のエレベーターの案内をわかりやすく表示する」という対応案が提示されたが、意見の趣旨は商業施設(営業時間内)のエレベーターを使わなければならない乗り換え経路の課題であるという指摘であった。  ②対応方針は、一般論・抽象論でなく、個別・具体的な指摘箇所について事業者ごとの課題や対応方針が具体的にわかるようにすること。   〇券売機については、「ガイドライン通り整備済み」、精算機についても「ガイドライン通り」という記述が目立ち、推進協議会で配布された資料ではすべての事業者がガイドライン通りに対応済みのように読めたが、例えば、JR大阪駅では新しくできた改札しか対応していないのではないか。箇所ごと事業者ごとに整備状況を確認いただきたい。   〇券売機へ車いすで手が届かないという声に対して、「ガイドライン通り」という対応案となっているが、ガイドラインの「蹴込み奥行きと高さ、金額投入口の高さ、主要なボタンの高さ、テンキーの設置」など各項目のすべてについて満たしているのか、なぜ、手が届かないという複数意見があるのか、ガイドライン以外の課題があるのか、状況の確認をいただきたい。   〇上記は、例であるが、券売機・精算機の他、エレベーターの拡大、トイレへの介護ベッドの設置、機能分散、案内誘導などについても、具体的な個所についての課題確認と対応方針案の検討をいただきたい。その際、第8回推進協議会での議論で、推進協議会で今後継続的に検討することが確認されているが、その検討に活かしていただきたい。 Ⅱ.基本構想原案の作成にあたってご留意いただきたいこと  これまで地区ワークショップで出た意見、各地区での重点課題を十分に踏まえて、「地区のバリアフリー化方針」に課題を記載すること。 (梅田地区) 1 背景に再開発計画があることの記載  「バリアフリー化整備の背景」に、うめきた2期計画、阪急電鉄大阪梅田駅周辺の再開発計画などによって、一層、街全体の回遊性、歩行者ネットワークの形成が進むことから、バリアフリーの深化が望まれることについて、記載すること。 2 「現状の主な意見」へのワークショップや追加意見の十分な反映 (主に資料3関係)  〇「1)鉄道駅」のターミナルのエレベーターの記述で「エレベーターの位置がわからない、混雑して利用できないなど、利用のしやすさの向上が必要」とありますが、「エレベーターの停止階の連絡経路などへの接続情報がわからない」を加えること。  〇「1)鉄道駅」の取り組みに関する課題で、「・ホームにおける列車の案内や安全対策(ホーム柵の設置)に、「車両とホームの段差の解消」も加えること。(なんば、京橋についても同様)  〇「1)鉄道駅 ■社会状況の変化等に応じた取り組みに関する課題」で、「・無人改札への対応(インターホンの音声案内の整備や点字対応)」について、視覚障害者に限定した課題を明らかにするために(インターホンの音声案内の整備や点字対応等多様な障害特性への対応)を加えること。(なんば、京橋についても同様)  〇「2)乗り換え経路」では、利用者が多く歩行者動線が錯綜し、移動しにくいことは記載されているが、それに対応した取り組み課題の記載がない。床面や壁面を活用した表示などの乗り換え経路などの「雑踏でも視認しやすい案内表示の工夫」についても加えること。  〇「2)乗り換え経路」では、当事者からの意見で「バリアフリールートと歩行者のルートが全く違う」課題について指摘されている。歩行者の案内表示がバリアフリールートではないことが課題であるので、現対応方針の歩行者用案内表示をわかりやすくという整理は意味が通じない。通常の案内表示にバリアフリールートを組み込むか、バリアフリールートを別途表示するか対応が必要である。また、その旨の課題を2)乗り換え経路に記載されたい。  〇「2)乗り換え経路」において、「カリヨン広場と阪急を結びデッキにエレベーターをつけてほしい」「アトリウム広場のエレベーターがB2~11F運行のため混雑して乗れないので、アトリウム広場の2Fデッキ階と大阪駅連絡橋改札、地下を結ぶエレベーターの新設が必要」という当事者意見に対応する課題の記述がない。「デッキが乗り換えの重要な経路になっているが、エレベーターの位置がわからない、B2から11階までの運行なので、いつも混雑するなどのデッキの円滑な上下移動に課題があります。」等、課題を記載されたい。  〇 「3)道路・交差点・駅前広場」において、当事者からの意見にある「バス停の点字案内がすべて『バス乗り場』となっているので、番号をつけるなどの対策が必要」という課題を踏まえた記載となるように、「多くの系統のバスが発着するターミナルとなっているが、各バス停での系統、方面の案内が点字や音声で不十分であるという課題がある」などの記載をされたい。併せて、「■」以下の課題でも点字や音声による案内という具体的記述を行うこと。  〇「4)地下街」において、当事者からの意見にある「梅田全体の構図がわかる案内ルートやマップが必要である」という課題を踏まえて記載されたい。大阪市のバリアフリーマップによる事前情報の提供だけでは不十分であり、地下街にバリアフリールートや設備が記載された全体構図がわかるマップの設置が必要であるという課題を記載されたい。  〇「5」地上と地下の連続性の確保」に「結節拠点」の記載があるが、これまで、「結節拠点」の設定箇所案について検討がなかった。「結節拠点」の設定箇所を明示するとともに、箇所の設定にあたっては、北方面のデッキの整備を踏まえ、うめきた、ノースゲートビル、阪急までのデッキに至るエリアでの設定を検討すること。 (なんば地区) 1 背景に再開発計画があることの記載 「バリアフリー化整備の背景」に、新なにわ線(なんば駅)新設計画、南海なんば駅周辺再整備計画などを踏まえたバリアフリー課題についても記載のこと。 2 「現状の主な意見」へのワークショップや追加意見の十分な反映 (主に資料3関係) 〇「2)乗り換え経路」についてメトロ千日前線東改札から御堂筋北西・北東改札付近に出るエレベーターがないので、大きな迂回になることは記載いただいているが、現行の迂回経路がわかりくいことについても、「千日前線から迂回する御堂筋北東改札への経路案内がわかりにい」など課題として記載されたい。 〇「3)道路・交差点・駅前広場」について、「すべての人にとってわかりやすい案内・誘導」という一般的な記述に留まっているが、「なんばのエレベーターが民間ビルに依存しているために、地上から地下への経路がわかりにくい」課題、大阪市で民間ビルにおける案内誘導サインを共通化する必要がある点について記載されたい。 〇「5」地上と地下の連続性の確保」の項目が見当たらないが、現基本構想において、地下と地上の一体的整備、音響信号機の整備を図るとして選定された「千日前線(難波境川線、大阪枚岡奈良線)」についての評価(音響信号の充実、地下と地上の円滑な移動)を行うこと、また、現行に合わせて、御堂筋の南北も追加されたい(千日前の交差の改善、点字ブロック、音響信号の改善の一体的な整備)。  とりわけ、御堂南北経路の点字ブロックについては、片側しかないことが大きな課題となっており、「3道路」具体的な当事者の意見として記載いただきたい。(人通りの多い道路での両側の敷設と一般的な記述に留まっている。) ※なんばの当事者のまとめは、ワークショップでの検討で出た意見のもれがあるのでないか。  ・御堂筋南北の整備の必要性  ・民間ビルエレベーター表示の統一と充実の課題 図(現基本構想の地図で千日前線が一体的な整備を行う設定となっていることが表示されている) (京橋地区) 1 背景に再開発計画があることの記載  「バリアフリー化整備の背景」に、京橋駅リニューアル計画、イオン跡地の再整備計画、OBP、大阪城公園へのデッキの再整備計画などによって、一層、街全体の回遊性、歩行者ネットワークの形成が進むことから、これまの課題の解決、バリアフリーの深化が望まれることについて、記載すること。 2「現状の主な意見」へのワークショップや追加意見の十分な反映 (主に資料3関係) 〇「1)鉄道駅」の取り組みに関する課題」について、当事者からの意見が十分に踏まえられていない。  「京阪京橋駅では京都方面行きの直通エレベーターがないため、コンコース階で上下線両方の利用が重なり混雑するという課題があります」という記載をされたい。 〇「2)乗り換え経路」において、「京阪京橋駅からメトロ京橋駅(コムズガーデン)のエレベーターへの案内経路がわかりにくい」という当事者意見を踏まえた記載をされたい。 〇「2)乗り換え経路」において、コムズガーデンの案内表示サインを統一しわかりやすくしてほしいという当事者意見を踏まえた記載をされたい。これにかかる対応方針案では「エレベーターがある場合も誘導サイン、エレベーターがない場合の案内をしてほしい」という意味が通じにくい表現となっているので、「エレベーターがある場合だけでなく、京阪へ上がるエレベーターがない旨の表示をしてほしい」と修正されたい。 〇「2)乗り換え経路」において、「京橋公園のバリカー」を撤去してほしいという当事者意見を踏まえた誠実な記載をされたい。「京橋公園へ至る乗り換え経路は歩道が狭く、公園で入口が狭いなど、車いす使用者が通行しにくい状況となっています」とあるが、バリカーが課題ということははっきり記載していただきたい。 Ⅲ 整備状況と主な整備内容、整備時期、取り組み区分について 1.整備の評価 ①「整備済み」かどうかの評価は、単に設備を設置したという事実に留まるのでなく、各地区の基本構想の変更原案作成の考え方に基づき、現行基本構想から追加した新たな整備等の内容、検討の方向性を踏まえた評価となるようにすること。  (例)「他施設及び他事業所・他路線への乗り継ぎ経路等へのわかりやすい案内設備の設置の検討」の項目であれば、単に表示看板を設置したことをもって「整備済み」とするのでなく、障害当事者にとって、わかりやすいのかどうかの評価に基づいて、今後、継続的に取り組むことを前提とした整備計画とすること。 2.整備計画の設定 ①第8回推進協議会で提示された推進協議会で今後継続的に行われることになっている検討項目について、今後継続的に検討することを前提に、整備計画を設定すること。  (例)「バリアフリートイレの機能分散化の検討」について、単にベビーチェアや簡易オストメイトなど一部の機能を一般トイレに設置済みであることをもって、「整備済み」とするのでなく、今後継続的に検討される機能分散の検討や介護ベッドの設置などの課題も踏まえて、整備計画を設定すること。 (第8回推進協議会資料から抜粋) ※協議会における 定期的な進捗確認や課題の共有等 協議会で継続検討(事例の共有、好事例・整備内容の検討) 【整備の具体方針に関して継続検討が必要なもの】(整備等の方針に記載) ○乗り換えや周辺地域・施設への案内・誘導サイン や事業者間連携の方法 ○券売機 や精算機 等の 仕様(障がいの特性に応じた操作性を確保、遠隔対応型等の双方向のコミュニケーションが可能等) ○バリアフリートイレの機能の分散化 、オールジェンダートイレの設置 ○ウェブアクセシビリティを確保したウェブサイト等による情報提供 に関する手段や内容 【整備を進める上で 共通認識を図る ことが望ましいもの】 ○エレベーター袖壁の仕様 ○ バリアフリートイレの機能の分散化と関連し、大型ベッドの設置位置や仕様 ②「大規模改修時に検討」という時期未定の設定にするのでなく、できるだけ具体的に整備時期を設定されたい。 〇基本構想原案で「地区のバリアフリー化方針」の「現状の主な課題」として記載した項目については、基本的に整備時期を明確にするようにすること。 〇特に、エレベーターの大型化、バリアフリートイレへの介護ベッドの設置、ホームの隙間と段差の解消、ホームドア・可動式ホーム柵の設置、切符・精算機の改善、道路の整備、歩道橋へのバリアフリー化など、重要な課題については、整備時期を明確にすること。 Ⅳ.今後の検討に向けて 1.継続検討項目(第8回推進協議会)の検討の進め方の提示が必要   第9回推進協議会資料3は参考提示であって、推進協議会においての検討や決定がされているものでないと認識している。新大阪、天王寺・阿倍野、梅田、なんば、京橋の各ターミナル地区の検討に共通する課題として、継続協議が進められるようにしていただきたい。 2.地区の重点課題に対応した評価と計画の設定  これまでは、整備の評価及び計画については、設備のパーツという視点に留まっていたが、経路(線)として円滑なのか、面(回遊性)としてユーザビリティの確保ができているのかという視点を加えて、スパイラルアップを目指していけるように、今回の検討ででてきた各地区の構造的な重点課題が、どう解消されるのか、当事者が指摘した課題単位での評価ができるような工夫をいただきたい。