参考資料4 2024年3月1日 各位 来年度にむけたLGBTQ+当事者からSOGIESCを前提とした検討のお願い 新設Cチーム企画 濱崎はるか 2024年2月現在、地区ごとに状況に対する認識が少しずつ変化しつつあることを当事者の1人としてうれしく思っています。 これまでの経緯から各事業者の回答に対する当事者の視点を共有します。 1.オールジェンダートイレを設置してください。 この課題については現在、特定事業でも関連事業でもありません。特定事業の後期の整備時期が2035年までということですが、事業に指定されることができなかった事柄については10年先まで、「待った」をかけられるのでしょうか。 物理的かつ機能的に独立した便房としてオールジェンダートイレを設置することは本当に不可能なのでしょうか。既存のバリアフリートイレのうち、配置計画が男女別の空間を経由せず、実態からみて変更矛盾の少ないものをオールジェンダートイレとして転用する考え方をLGBTQ+当事者の立場から否定はしません。 ただし、これは同時並行するバリアフリートイレの機能分散化や便房の数の増加設置の要求を満たすことができません。 行政に対して次のことを求めます。 地区によっては特定事業なり関連事業なりに位置付ければ、10年以内の実現が可能な地区もあると思います。 5年後の2030年の中間見直しと言わず、行政が先鞭をつけて基本構想の中で位置づけて各事業者に対して働きかけてください。 事業者に対して次のことを求めます。 新設Cチーム企画は協力を惜しみませんのでトイレの設計や設置にあたってLGBTQ+当事者の意見が必要となる場合は遠慮なくお声がけください。 2.本人の性自認でトイレを使えるようにしてください。 大阪市計画調整局の本日配布の資料1「主な意見」から抜け落ちていますが重要な要望です。どのような見た目であるかによって一部の人がトイレを安全に利用できず、日常的に時間をかけて探す不便や健康上の不利益を被っています。 実際にトイレが利用できず外出も困難に感じているという当事者の報告があります。昨年6月に国交省近畿運輸局に提出した報告を共有します。 Aさんからの報告 トランスジェンダーのAさんは、普段から女性として暮らしており、他者からも女性として認識されて日々過ごしているが、戸籍の変更などは行っていないため、女性トイレを使うことが憚られた。 男女どちらのトイレも使いにくかったため、ユニバーサルトイレを利用していた。ある時、トイレ使用後に居合わせた車いすユーザーから、執拗に非難された。 具体的には、利用中の数分間ドアノックを続けられた後、利用事情を説明しても凄い形相で激怒及び、あえて使う必要はないと延々と追及された。そのことがトラウマになり、以後は怖くてユニバーサルトイレを使えなくなってしまった。 それ以来しばらくは男性用を使用した。しかし、姿が女性であるため、男性の利用者に戸惑われたり、通報されることもあった。また、すぐ後ろに女性がいると男性用トイレに付いて来てしまうこともあった。 困難なため、男性用トイレの利用をやめた。自分のようなケースでは、女性トイレを使うしかないと思い、念のため鉄道会社に女性トイレを使わせてもらいたい旨を上記の経緯を含めて文書や面談などでも説明したが、利用を拒否されてしまった。 現在は、外出しても使えるトイレがない、あるいはトイレを利用すると大ごとになってしまうかもしれないと感じ、外出自体を減らしている。 上記のようなケースでは、トランスジェンダーの当事者が外出不安を減らすためにみずから行動をし、事業者と対話を試みました。 しかし、事業者の利用拒否にあってしまいました。 行政に対して次のことを求めます。 上記のようなケースについて、事業者がトイレの利用拒否をしないよう明言してください。 事業者に対して次のことを求めます。 上記のようなケースについて、きちんと当事者と向き合って話を聞いてください。 3.前回との比較 第7回(昨年12月22日) 1.LGBTQ+ソフト対応に関する整備方針を打ち出す。 第8回(今年3月1日) 項目2.を参照。 第7回(昨年12月22日) 2.「オールジェンダートイレを設置する」と言い切ってほしい 第8回(今年3月1日) 項目1.を参照。 第7回(昨年12月22日) 3.課題の解消に向けて整備等の方針をまとめてほしい。 課題a:鉄道施設で行われている情報提供の多くがSOGIESCの多様性を前提としておらず、シスヘテロのみに偏っている。 第7回(昨年12月22日) 3.課題の解消に向けて整備等の方針をまとめてほしい。 課題b:どのような見た目であるかや行動障害の有無によって一部の人がトイレを安全に利用できず、日常的に時間をかけて探す不便や健康上不利益を被っていること 第8回(今年3月1日) 項目2.を参照。 第7回(昨年12月22日) 4.と6.と7.LGBTQ+に対する接遇の改善を促すため、心のバリアフリーの一部文言への変更。 第8回(今年3月1日) 6-1、6-2、6-3に明記された(資料2の79ページ~82ページ)が、地区の鉄道施設駅ごとの整備等の内容では位置づけが曖昧(資料2の36ページ~63ページ)。 第7回(昨年12月22日) 5.課題の解消に向けて整備等の方針をまとめてほしい。 課題:本人の性自認で使えるかどうか、現状は平等な対応がされず、一部の人が排除されていることについて、職員の理解が不足している。 第8回(今年3月1日) 教育啓発事業の中で取り扱われるかは曖昧。項目2.を参照。 ※表中の番号1~7は、12月22日第7回大阪市交通バリアフリー基本構想推進協議会に提出した参考資料4「基本構想(変更原案)に対する7件のコメント」に基づく。