参考資料3 尾上委員提供資料 2023年12月22日 第7回大阪市交通バリアフリー基本構想協議会に向けての意見 DPI日本会議・尾上浩二 天王寺・阿倍野地区、新大阪地区の資料に関して、以下、意見を提出します。 1.当事者参画、基本構想の趣旨をふまえた検討を  「移動円滑化整備ガイドライン等基準に基づいて整備しているから十分だ」と言わんばかりの、門前払いのような回答が目立つ。これでは、「何のために地区でまち歩きも含むワークショップを行ったのか」との疑問を禁じ得ない。「障害当事者による評価・意見」を真摯に受け止め、個別具体的に検討し、ふみこんだ対応をお願いしたい。  また、「事業者との調整が必要であり、対応が困難」といった回答も見受けられるが、事業者間の調整を行い一体的に進めて行くために基本構想があるはずである。基本構想の趣旨をふまえて、調整を行い対応をお願いしたい。  さらに、「大規模改修時、改善に向けて検討」とある項目についても、具体的なメドを明らかにし、今後の事業計画の中に落とし込んで頂きたい。 2.学校等の生活関連施設への追加に関して〜地区からの意見の尊重を  駅周辺に学校がある場合、わざわざ除外はしないこと。地区からの意見を尊重し検討を進めて頂きたい。避難所となる小中学校の生活関連経路に関しては、明石市では避難経路もふまえた検討を進めることになっている。明石市の例も参考にした検討を進めて頂きたい。 3.円滑な移動のために重要な案内誘導の充実を  全地区共通の基本方針の「誰にでも分かりやすい情報提供の充実」を実現していくためには、案内誘導はますます重要となる。 ・「分かりやすい案内設備の設置」事業に関して、その具体的内容を示して頂くとともに、当事者を交えた検討と積極的な展開をお願いしたい。 ・特に、「新大阪阪急ビルへの誘導案内」は重要である。新大阪駅・南改札側のエレベーターは小さくて、かつ、下にバスターミナルがあり大きな荷物を持った客が多数乗り込む。そのため、地下鉄階(2階)から移動する時、上からも下からも人が乗っていて、いくら待っていても乗れない。ぜひ、事業者間で調整を行い、「新大阪阪急ビルへの誘導案内」を実現して頂きたい。 4.エレベーター関係 ・エレベーターの整備方針で、17人乗り、24人乗りについて新しく記載された点は評価したいが、複数の車いす利用者、ベビーカー、大きな荷物を持った客などが円滑に利用できるように、さらに袖部について「袖無し」「片袖」の記載の有効性を記載して頂きたい。 ・資料3では「(6-1-3) 大規模駅においては、迂回による過度な負担が生じないよう、移動等円滑化された経路の複数化に努める」とあるが、これに対応した評価と目標設定を行ってほしい  特に、新大阪は地上から2階(地下鉄階)、3階(JR)まで行けるエレベーターは現在2基のみしかなく、いつも待ち行列ができる状態である。インバウンドの影響もあり、基本構想作成時に比べて乗降客が1.5倍に増えていることから、エレベーターの増設は不可欠であり具体的な検討を行って頂きたい。  また、「民間施設の既存エレベーターの活用の推進による経路確保」の方針が示されているが、乗り換え経路が円滑に利用できるようエレベーター案内表示がきわめて重要である。エレベーターの案内表示の共通化と推進をして頂きたい。 5.道路・交差点関係 ・現在、新たな工事で使われている縁石は新たなバリアをつくっているような状況である。車いす利用者、視覚障害当事者が参画する検討会を年度内にも発足して早急に見直して頂きたい。 ※詳しくは【参考資料1】 ・天王寺の歩道橋に関して、歩道橋上の案内表示を設置するとともに、てんしば方面、JR天王寺駅側へのエレベーター設置をお願いしたい。 ・新大阪地区生活関連経路22〜23番の東西デッキをつなぐ部分のバリアフリールートを確保して頂きたい。 6.無人駅・,無人改札のインターホン 「無人改札への対応(インターホン等への誘導、案内の充実)」とあるが、前提として無人駅・無人改札は障害者にとっては社会的障壁の増大となるので、極力つくらないようにして頂きたい。その上で、無人状態が出来てしまう場合、インターホンが障害者にとってアクセスできる、使えるものであることが重要である。音声対応対応に加えて分かりやすい点字ブロックの敷設、聴覚障害者対応、車いす利用者でも使いやすい構造・ボタンなど、当事者の意見を聴きながら検討を頂きたい。 7.トイレ 地区でのワークショップでも介護用ベッドを求める声が多い。トイレの整備方針の中に加えて頂きたい。 8.天王寺地区での結節拠点の設置と歩道橋、地下通路 天王寺地区で新たに結節拠点が設けられることは、結節拠点を設けることでの効果、追加での検討課題になることはどのようなものがあるか示して頂きたい。 9.その他 ・基本理念 「ノーマライゼーションの理念」とあるが、障害者権利条約批准以降はノーマライゼーションよりも、インクルージョンの方が使われるようになっているので反映頂きたい。 ・心のバリアフリー  「心のバリアフリー」は様々な捉え方がある。UD2020行動計画を踏襲したものとし、コラム等でUD2020行動計画での「心のバリアフリー」に関する記述を紹介頂きたい。 歩道(横断歩道)の段差 【参考資料2】 新しく歩道工事をしている場所でも3㎝前後の段差がある。 問題は、段差が0㎝~4㎝とバラバラであること。車いす利用者は横断歩道を渡るときに常に緊張しながら、身構えながら渡らないと危険。3㎝を超えると転倒の危険性が高く、首への衝撃も大きい。大阪市のルールでは標準2㎝のはずだが、実際に工事をする業者が段差を計測してないようだ。 2.5㎝を超える段差は下の地図左のなんば駅~心斎橋駅間の御堂筋で10か所(内、3㎝超が5か所、4㎝超が1か所)、地図右のなんば駅周辺で20か所(内、3㎝超が16か所、4㎝超が2か所)。 ルールはあってないようなものだが、基本構想の見直しを契機に歩道段差(縁石)のあり方も検討していただきたい。 特に御堂筋は現在工事中でもあり、検討が急がれる。 ●地図1 御堂筋 心斎橋から難波 ●地図2 難波駅周辺 ●写真1 御堂筋(心斎橋周辺)で新しく工事で敷設された縁石 ●写真2 新しい縁石の拡大写真 3.5㎝の段差、黒っぽい縁石。衝撃は大きい!との見出し