コスモスクエア地区 交通バリアフリー基本構想 概要版 ■地区の概要 コスモスクエア地区には、大阪メトロ コスモスクエア駅、トレードセンター前駅の2駅が立地しており、これら2駅の一日平均利用者数は約 4.0万人となっています。 地区内では、大阪府咲洲庁舎等の官公庁施設や、クインテッサホテル大阪ベイ等の宿泊施設、森ノ宮医療大学等の教育文化施設等が立地しています。また、地区周辺にコンテナ埠頭が立地しており地区内をトレーラー等の大型車両が走行することから、車両動線と歩行者動線が輻輳する箇所については、歩行者の安全性確保のためデッキの整備が進められています。 さらに、コスモスクエア駅から2025年大阪・関西万博の会場である夢洲駅まで大阪メトロ中央線の延伸整備が進められ、中央線コスモスクエア駅と南港ポートタウン線コスモスクエア駅との乗り換えにかかる駅舎内の案内・誘導サインが整備されています。 『コスモスクエア地区の位置図を添付』 ■地区のバリアフリー化方針 (1)バリアフリー化整備の背景 コスモスクエア地区は、計画的に面開発された地区であるため、これまで、基本構想の「ひとにやさしい移動空間、人が集まり交流・活動できる未来都市をめざして」を地区の理念とし、歩道、施設間を連携するペデストリアンデッキが整備されています。また、コスモスクエア駅は、エレベーター、車いす対応型トイレなど一定のバリアフリー化が行われています。また、駅舎内においては、ホームの安全対策やトイレの多機能化が図られ、主要な経路では、歩道における視覚障がい者誘導用ブロックの敷設、音響信号機の設置が進められてきました。 コスモスクエア駅周辺は、未開発の街区があり、今後、開発が促進されるエリアであるため、開発の進捗にあわせて、効率的にバリアフリー化を進める必要があります。 一方、近年、障害者権利条約をはじめとする関連法制の整備に加え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催、2025年の大阪・関西万博の開催等を契機として、「どこでも、誰でも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、すべての利用者に利用しやすい環境整備とともに、すべての人が、社会的障壁の除去を含む心のバリアフリーの考え方を理解し、実際の行動に結びつけることができるよう、効果的な広報・啓発活動、教育活動に行政・事業者・市民が連携・協働して取り組み、すべての人が快適で安全に移動することができるまちづくりをめざすことが求められています。 (2)現状の主な課題 1)鉄道駅 ■これまでの取組内容の充実や継続した取組に関すること ・障がい特性に配慮した券売機・精算機の構造(蹴込み、設置高さ等)の改善 ・エレベーター位置やバス停留所・タクシー乗降場の位置及び周辺施設の分かりやすい案内・誘導 ・移動経路の視覚障がい者誘導用ブロック敷設位置の見直しや追加 ■社会状況の変化等に応じた取組に関する課題 ・バリアフリートイレにおける大型ベッドの設置、バリアフリートイレの機能の分散化、オールジェンダートイレの設置(配置・仕様) 2)道路・交差点・デッキ等 ■これまでの取組内容の充実や継続した取組に関すること ・歩道上の段差の解消、歩道勾配の見直し ・生活関連経路における視覚障がい者誘導用ブロックの敷設、敷設箇所の追加 ・音響信号機の音量の見直し (3)地区のバリアフリー化方針 方針1 駅及び駅周辺におけるバリアフリー化の推進  ・誰もが使いやすい駅施設のバリアフリー化を図ります。 ・鉄道とバス・タクシーの連携を図りながら、わかりやすい案内・誘導の充実を図ります。 方針2 安全で快適な移動と回遊ができる生活関連経路のバリアフリー整備・充実 ・駅からATCや大阪府咲洲庁舎など、主要な施設を結ぶ経路を安全で快適に移動できるよう、視覚障がい者誘導用ブロックの敷設など、連続したバリアフリー化を図ります。 ・開発の進捗に合わせて、面的・線的に広がる施設間を回遊できるデッキ等のバリアフリー化を図ります。 ■地区における重点整備地区の区域設定 コスモスクエア地区では、以下の考え方に基づいて、面積約175ヘクタールの区域を重点整備地区として設定します。 (1)駅500メートル圏を中心に幹線道路の位置を考慮した範囲 (2)高齢者、障がい者をはじめ、多くの人々が利用する施設を含む範囲 (3)咲洲コスモスクエア地区地区計画を考慮した範囲 ■生活関連施設設定 生活関連施設の設定の考え方については、次のとおりとします。 高齢者、障がい者をはじめ多くの人々が利用すると考えられる次表の区分及び種類にあげた施設 区分 旅客施設 種類 特定旅客施設(鉄道駅舎、バスターミナル など) 区分 官公庁等施設 種類 府庁、市役所、区役所、警察署、裁判所、税務署、保健福祉センター、郵便局 など 区分 教育・文化施設 種類 図書館、区民センター、区民ホール、劇場、特別支援学校、大学、博物館、美術館、映画館 など 区分 医療・福祉施設 種類 病院、診療所、老人福祉施設、障がい者福祉施設、児童福祉施設 など 区分 商業施設 種類 百貨店、大規模小売店舗 など 区分 宿泊施設 種類 大規模ホテル など 区分 公園・運動施設 種類 公園、スポーツセンター・体育館・プール、その他屋外・屋内施設 など 区分 その他 種類 各地区で選定した施設(観光施設、寺社 など) ■生活関連経路設定 生活関連経路の設定については、次のとおりとします。 なお、「駅から周辺の生活関連施設の入り口までの優先的に整備する1経路」を選定することを基本とします。 (1)生活関連経路 この経路は、以下のような機能を持ち、すでに歩道が整備されている道路、今後歩道が整備される道路、歩行者用立体横断施設等を考慮して設定します。 @駅から周辺の生活関連施設(官公庁等施設、教育・文化施設、医療・福祉施設、商業施設など)の入口までの経路 A教育・文化施設、医療・福祉施設、商業施設、公園・運動施設などが面的・線的に広がる地区における、施設間の回遊を考慮した経路 ■地区における生活関連施設・経路図 生活関連施設一覧 旅客施設 大阪メトロ中央線 ニュートラム コスモスクエア駅 大阪メトロニュートラム トレードセンター前駅 国際フェリーターミナル 官公庁等施設 官公庁施設 アジア太平洋トレードセンター 大阪府咲州庁舎 教育・文化施設 教育施設 森ノ宮医療大学 教育・文化施設 文化施設 インテックス大阪 コスモホール 商業施設 アジア太平洋トレードセンター 大阪府咲州庁舎 宿泊施設 グランドプリンスホテル大阪ベイ ホテルフクラシア大阪ベイ クインテッサホテル大阪ベイ 大阪アカデミア その他施設 その他 コスモスクエア海浜緑地(シーサイドコスモ) 咲州キャナル 野鳥園臨港緑地 生活関連経路の路線名 1 コスモ1号線 2 コスモ2号線 3 コスモ3号線 4 コスモ中央線 5 コスモ南線(西) 6 はばたき通り線 7 コスモ国際フェリー線 8 南港緑道 9 コスモスクエア海浜緑地内通路 10 北埠頭幹線 『コスモスクエア地区の生活関連施設・経路図を添付』 ■整備等の内容 【鉄道施設】 ■駅舎別の内容 コスモスクエア駅(大阪メトロ中央線) 整備等の内容 エレベーターの到着する籠の昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 エスカレーターの行き先及び昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 特定事業 整備時期 後期 整備等の内容 ホーム上にある出入口に通ずる階段位置を知らせる案内装置の設置 区分 特定事業 整備時期 後期 整備等の内容 車椅子使用者に配慮した蹴込み構造の検討 区分 関連事業 整備等の内容 エレベーターの大型化等の検討 区分 関連事業 整備等の内容 車両とホームとの隙間・段差を縮小するためのホーム構造や車両構造の改良・整備 区分 特定事業 整備時期 令和6年度 コスモスクエア駅(大阪メトロ南港ポートタウン線) 整備等の内容 エレベーターの到着する籠の昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 コスモスクエア駅(大阪メトロ中央線)と共通利用 整備等の内容 エスカレーターの行き先及び昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 コスモスクエア駅(大阪メトロ中央線)と共通利用 整備等の内容 ホーム上にある出入口に通ずる階段位置を知らせる案内装置の設置 区分 コスモスクエア駅(大阪メトロ中央線)と共通利用 整備等の内容 プラットホーム床面等における、車両内の車椅子スペースに通じる乗降口の位置の表示 区分 特定事業 整備時期 前期 トレードセンター前駅(大阪メトロ) 整備等の内容 エレベーターの到着する籠の昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 エスカレーターの行き先及び昇降方向を知らせる音案内設備の設置 区分 特定事業 整備時期 後期 整備等の内容 ホーム上にある出入口に通ずる階段位置を知らせる案内装置の設置 区分 特定事業 整備時期 後期 整備等の内容 プラットホーム床面等における、車両内の車椅子スペースに通じる乗降口の位置の表示 区分 特定事業 整備時期 前期 ■駅舎共通の内容 整備等の内容 券売機の車椅子使用者に配慮した蹴込み構造の検討 区分 関連事業 整備等の内容 エレベーターの大型化等の検討 区分 関連事業 整備等の内容 バリアフリートイレへの大型ベッドの設置の検討 区分 関連事業 整備等の内容 他施設及び他事業者・他路線への乗継ぎ経路等へのわかりやすい案内設備の設置の検討 整備等の内容 授乳室等やカームダウン/クールダウンスペースの設置の検討 区分 関連事業 整備等の内容 他施設及び他事業者・他路線への乗継ぎ経路等へのわかりやすい案内設備の設置の検討 整備等の内容 バリアフリートイレの機能の分散化の検討 整備等の内容 ウェブアクセシビリティを確保したウェブサイト等による情報提供 区分 継続実施 整備等の内容 異常時における障がいの特性に応じた情報提供の手法の検討 区分 継続実施 整備等の内容 障がい等の特性に応じたコミュニケーション手法の活用や必要とする支援の提供 区分 継続実施 (参考)駅舎の整備等の方針(抜粋) ・券売機や精算機の構造や仕様の検討 ・エレベーターの大型化等の検討 ・バリアフリートイレへの大型ベッドの設置の検討 ・授乳室やカームダウン/クールダウンスペースの設置の検討 ・乗り換えや周辺地域・施設への案内・誘導サインの整備における事業者間の連携方法の検討 ・券売機等の双方向コミュニケーションや遠隔操作が可能な仕様など 全ての人が使いやすい券売機等の設置の検討 ・高齢者、障がい者用の個別機能を備えた便房や複数の機能を備えた便房の分散化、オールジェンダートイレの設置の検討 【バス車両及びタクシー車両】 ■バス車両 市内路線バス車両 整備等の内容 ノンステップバスの導入 区分 関連事業 整備等の内容 障がい者対応型案内誘導設備等への案内用図記号(ピクトグラム)の表示 区分 関連事業 空港アクセスバス 整備等の内容 リフト付きバス又はエレベーター付きバスの導入の検討 区分 関連事業 ■タクシー車両 整備等の内容 ユニバーサルデザインタクシーの導入 区分 関連事業 【道路・交差点】 ■道路 整備等の内容 視覚障がい者誘導用ブロックの敷設 路線名 コスモ2号線 コスモ中央線 区分 特定事業 整備時期 前期 整備等の内容 音響信号機等の押しボタンが操作できる位置までの敷設の検討(全地区の共通の方針を検討) 区分 関連事業 ■案内・誘導 整備等の内容 バス停留所・タクシー乗降場への視覚障がい者誘導用ブロックと連携した音声案内等の開発・導入検討 区分 関連事業 整備等の内容 コスモスクエア駅からバス停留所・タクシー乗降場までの視覚障がい者誘導用ブロックの敷設の検討 区分 関連事業 整備等の内容 バス停から生活関連施設への視覚障がい者誘導用ブロックの敷設の検討 区分 関連事業 ■歩道上障害物 整備等の内容 現行の「大阪市自転車等の駐車の適正化に関する条例」等の活用や鉄道駅周辺における放置自転車に関する全市的な取り組みの中で、特にバス停留所等や鉄道駅出口付近及びエレベーター付近の重点的放置自転車対策の実施 区分 継続実施 整備等の内容 商品・看板等の歩道へのはみ出しに対する是正の指導・撤去の推進 区分 継続実施 ■違法駐車対策 整備等の内容 移動の円滑化を特に阻害する横断歩道上、バス停留所付近等の取締り強化 歩道の有効幅員の確保が困難な路線の取締り強化 区分 継続実施 【心のバリアフリー】 ■教育啓発事業の取組内容 整備等の内容 一般利用者に高齢者、障がい者やソジエスクの多様性への理解を促す等、心のバリアフリーに関する広報・啓発活動の実施 区分 特定事業又は関連事業 関係者 道路管理者 交通管理者 鉄軌道事業者 バス事業者 整備等の内容 職員への研修・教育の実施 区分 特定事業又は関連事業 関係者 大阪市 鉄軌道事業者 バス事業者 大阪タクシー協会 タクシーセンター 整備等の内容 基本構想に基づく取り組みの市民への周知・情報提供 区分 特定事業 関係者 大阪市 整備等の内容 地域や関係団体との連携による多様な障がいの特性や必要な配慮、多様なソジエスクについて理解するための取組の実施 区分 特定事業 関係者 大阪市 区分 特定事業又は関連事業 関係者 鉄軌道事業者 バス事業者 大阪タクシー協会 整備等の内容 学校教育における「総合的な学習の時間」等での取組 区分 特定事業又は関連事業 関係者 大阪市 バス事業者 ■整備区分 整備区分 特定事業  整備等の内容 整備内容と完成時期を明確にして進める事業 整備区分 関連事業  整備等の内容 整備の具体化に向けて検討や関連機関との協議が必要となる事業 整備区分 継続実施 現在でも対策を行っており、継続して実施する事業(主にソフト的な事業) ※特定事業●:バリアフリー法第2条に基づく、公共交通特定事業、道路特定事業、交通安全特定事業、教育啓発特定事業 ■整備時期 前期:令和12(2030)年までに整備 後期:令和17(2035)年までに整備 (検討に時間を要するもの、構造の変更に伴い大規模改修等の時期を捉えて実施するもの) ※整備内容が同じであっても、各地区及び施設の状況により整備時期が異なる場合があります。