令和2年度大阪市一般会計等決算見込（速報版）について

• 特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策関連経費の増により、歳入において国・府支出金が、歳出において行政施策経費が大幅な増となり、過去最大の歳出規模となっている。
• そのほか、歳入は、税制改正の影響等により市税収入が減となっている。
• また、歳出は、扶助費や淀川左岸線（2期）事業費等の投資的経費が増となったものの、人件費や公債費が減となっている。
• 実質収支については130億円の剰余となり、市債残高についても縮減を図ることができた。

【歳入】　2兆487億円（＋15.7パーセント、＋2,780億円）

• 市税収入　7,447億円（－4.1パーセント、－315億円）
• 地方交付税・臨時財政対策債　730億円（－24.9パーセント、－243億円）
• 譲与税・交付金　1,053億円（＋20.2パーセント、＋177億円）
• 国・府支出金　8,790億円（＋76.0パーセント、＋3,794億円）

【歳出（決算規模）】　2兆208億円（＋14.6パーセント、＋2,573億円）

• 人件費　2,907億円（－0.8パーセント、－25億円）
• 扶助費　5,757億円（＋0.8パーセント、＋44億円）
  うち生活保護費　2,653億円（－2.5パーセント、－69億円）
  うち障がい者自立支援給付費　1,027億円（＋8.9パーセント、＋84億円）
  うち教育・保育給付費　767億円（＋3.9パーセント、＋28億円）
• 公債費　 2,207億円（－19.5パーセント、－534億円）
• 行政施策経費　5,544億円（＋103.3パーセント、＋2,818億円）
• 投資的経費　1,804億円　（＋12.5パーセント、＋200億円）

　　　新型コロナウイルス感染症対策関連経費　3,599億円（再掲）

【市債残高】

• 一般会計　2兆4,528億円（－6.5パーセント、－1,708億円）、7年連続のマイナス
  除く臨時財政対策債　1兆5,809億円（－9.7パーセント、－1,706億円）、16年連続のマイナス
• 全会計　3兆1,831億円（－5.4パーセント、－1,800億円）、16年連続のマイナス

【財政調整基金残高】　1,664億円（＋3.0パーセント、＋48億円）

• なお、実質収支は130億円の黒字となったものの、財政収支概算（粗い試算）[2021（令和3）年2月版]では、試算期間の終盤には収支が悪化する見込みであり、財政状況は決して楽観視できるものではないことから、引き続き市政改革に取り組むことなどにより、持続可能な財政構造を構築する必要があると認識している。

（注1）計数は全て四捨五入を行っている。
（注2）かっこ書きの増減は対前年度決算比較であり、増減率は千円単位の金額により算出している。

税制改正（法人税割の一部国税化等）及び企業収益の減等による法人市民税の減など

（注1）計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。

（注2）「伸び率」は千円単位の金額により算出。

（注）かっこ書きの収納率は、国の新型コロナウイルス感染症緊急対策として創設された徴収猶予の特例の影響を除いたもの

（注1）27年度末の市街地再開発事業会計及び土地先行取得事業会計の廃止に伴い、28年度に当該会計の市債残高が一般会計へ移行。

（注2）29年度の自動車運送事業会計及び高速鉄道事業会計の廃止に伴い、29年度に当該会計の市債残高が一般会計へ移行。

• 一般会計とは

市税を主な収入源として、行政運営の基本的な経費や事務事業を網羅して経理する会計です。
例えば、高齢者や障がい者などの福祉施策、市営住宅などの住宅施策、小学校・中学校などの教育施策などが一般会計で計上されます。
大阪市では、このほかに8つの政令等特別会計、3つの準公営企業会計及び2つの公営企業会計があります。

• 地方交付税とは

すべての地方公共団体が一定の行政サービスを提供できるよう所得税等の国税の一定割合等により財源を保障するお金で、地方の固有財源です。

• 臨時財政対策債とは

地方交付税で保障されるべきお金が足りない場合に、市が代わりに足りない分の借入れを行うお金のことです。
なお、借り入れたお金は後年度の地方交付税額の算定に反映されることになっています。

• 実質収支とは

黒字、赤字を判断する指標です。（＝形式収支－翌年度に繰り越す事業の所要税等）

形式収支（＝当年度の歳入決算額－当年度の歳出決算額）