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平成21年度 贈呈式&コレクション Vol.6

今年の「咲くやこの花賞」贈呈式&「咲くやこの花コレクションVol.6」のタイトルは、「競艶~歌劇 歌舞伎 クラシック~」。オペラ界の新星・松本薫平さん、歌舞伎俳優として話題を集める市川右近さん、そして活発な演奏活動をつづけるピアニスト田中修二さん……まさに艶を競うコラボレーション公演です。 平成22年2月13日(土)午後2時からの公演当日は、大阪市中央公会堂の2階席まで観客で埋まる盛況でした。 司会者は、昨年にひきつづいて元毎日放送アナウンサー・青木和雄さん。

第1部は「咲くやこの花賞」贈呈式です。
平松大阪市長からの新受賞者への賞状の贈呈も、ベテラン司会者による楽しいおしゃべりと各受賞者へのインタビューにより、和やかな雰囲気につつまれます。 今年度の受賞者は、美術術部門[現代美術]の淀川テクニック(柴田英昭さん・松永和也さん)さん、音楽部門[ソプラノ]の石橋栄実さん、演劇舞踊部門[文楽人形遣い]の吉田一輔さん、大衆芸能部門[落語]の桂ちょうばさん、文芸その他部門[作家]の万城目学さんの5組です。

平成21年度 贈呈式&コレクション Vol.6

新受賞者によるショートライブでは、トップバッターに淀川テクニックさんが登場。スーパーの包装トレーの食品やチヌの自転車、空き缶による巨大魚など淀川のゴミや漂流物を素材に、環境問題に新たな視点で作品づくりに取り組む活動がDVD映像によって紹介されました。
次は、吉田一輔さん。一輔さんは東京公演で、奥様が代理出席されました。国立文楽劇場で「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」のヒロイン・深雪を遣ったときの、文楽人形ならではの美しさ悲しさにあふれた公演の映像が上映されました。
石橋栄実さんは、ヨハン・シュトラウスⅡ・喜歌劇「こうもり」より「侯爵様」のソプラノ独唱です。素晴らしい歌声が会場を魅了します。
万城目学さんは、デビュー作『鴨川ホルモー』の題名の「ホルモー」の由来や、大阪城や中央公会堂も登場する近作『プリンセス・トヨトミ』などの奇想天外なエンターテインメント作品が生まれる創作裏話など興味深く語られました。
最後は、桂ちょうばさんです。小学校での落語公演での、子どもたちと先生たちとの珍妙なやりとりや、「くちなし」の古典の小噺で場内を爆笑の渦に。天王寺でのストリートミュージシャン時代のコブクロとの思い出話も披露されました。

平成21年度 贈呈式&コレクション Vol.6

そして第2部「咲くやコレクションVol.6」が幕を上げます。
今回は、まず初めに田中修二さんのピアノ独奏。バッハ=ブゾーニ「シャコンヌ」が、会場を埋めつくした観客に、静かな感動を呼び覚まします。 次に、松本薫平さんのオペラの独唱。田中さんのピアノ伴奏による歌劇「リゴレット」より「女心の歌」、「トスカ」より「星も光ぬ」、そして「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」がイタリア語で熱唱されます。
ホットな空気につつまれるなか、いよいよ田中さん、松本さん、右近さんのコラボレーションです。
演目は、詩編交響曲「源氏物語」桐壺。源氏物語千年記念演奏会で初演された千住明さん作曲、松本隆さん作詞の豪華な交響曲です。
舞台の上に、十二単衣が衣紋にかけられ、それだけで平安の昔へタイムスリップしたよう。田中さんのアノ演奏とともに、羽織袴姿の右近さんが登場し、語りがはじまります。 ……帝に愛されれば愛されるほど、たくさんの女御からの恨みをかう桐壺の更衣。やがてその心労からしだいに病がちになってゆかれます…… そこに和装の衣装をまとった松本さんが登場し、 ……母の桐壺の更衣が亡くなったとき、幼なかったわたしは、母の顔を知らない。一生その面影を追うだろう……と後の光源氏の心情を切せつと歌いあげる。ふたたび右近さんが現れ、 ……その艶やかな美しさを 誰いうとなく 光の君とお呼び申しあげるのでした…… と艶のある語りをつづけると、ピアノの艶のある演奏とテノールの艶のある歌声が、渾然一体となって会場内を感動の渦に巻きこみました。
今回のコラボ公演にあたって、所作指導をしていただいたのは、右近さんの妹さんで日本舞踊飛鳥流三代目家元・飛鳥左近さんです。
最後に、新受賞者と歴代受賞者の出演者全員がそろって舞台に勢揃いすると、大きな拍手がわきあがりました 。

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