平成23年度「咲くやこの花賞」贈呈式
開催レポート
2012年2月4日[土]
会場=大阪市中央公会堂
開催概要
平成24年2月4日(土)、午後2時から大阪市中央公会堂で「平成23年度 咲くやこの花賞贈呈式」を開催しました。
贈呈式の後、新受賞者に日頃の活動を簡単に発表いただきました。また、ゲストとして歴代受賞者の宮川大助・花子さんがお祝いに駆けつけ、漫才を披露していただきました。
咲くやこの花賞贈呈式
大阪市ゆとりとみどり振興局 野々村節子局長から新受賞者へ賞状及びトロフィーを贈呈。
三宅砂織 / 美術部門[現代美術]
写真技法の一つである「フォトグラム」に絵画手法を織り込んだ作品の説明をしながら、作品に込めた想いをお話いただきました。
何よりも、枠組みにとらわれないことや物語性を大切にされていることが、作品のオリジナル性につながっていることを感じさせてくれました。
作品を創っている時のイメージとできあがった時の違いの発見が楽しいという製作中のエピソードが伺えたことも、三宅さんの一面を垣間見ることができる瞬間でした。
中村壱太郎 / 演劇・舞踊部門[歌舞伎]
中村壱太郎さんご本人は公演中のため、お母様の林英津子さん(日本舞踊の6代目吾妻流家元、吾妻徳彌(あずま・とくや)さん)に代理出席いただきました。
映像で中村壱太郎さんの受賞コメントと昨年京都・南座で上演した「十月大歌舞伎」の舞台から『墨染念仏聖 法然上人譚』『連子獅子』を披露しました。
その後お母様より、厳しくも暖かい家族の中で成長されてきた現在大学3年生である普段の壱太郎さんの様子などをうかがいました。
西加奈子 / 文芸その他部門[小説]
テヘラン生まれ、カイロ、大阪育ちの西さんは、自分の作品の挿絵などとして使ったイラストを紹介しながら、作品についての想いを語っていただきました。
西さんの作品は大阪の雰囲気が満載。それは、大阪で出会った人をモデルにしたり、大阪弁を使ったりしているためで、大阪への強い想いがうかがえました。
ご本人いわく、スロースターターで、ラストを決めずに書き出すので書き進めることが楽しいこともお話いただきました。
桂吉坊 / 大衆芸能部門[落語]
18歳で故桂吉朝さんのところへ弟子入りされた吉坊さん。中学生の時にラジオで桂米朝師匠の落語を聞いて好きになり、ちょうど、この時期、米朝師匠が人間国宝になられた時でどこのTVでも米朝師匠の落語を見れる環境だったことも大きかったことなど、米朝一門へ入門するまでのエピソードを語っていただきました。
咲くやこの花賞は、師匠の桂吉朝さん、兄弟子の桂吉弥さんも受賞されたあこがれの賞であったので大変嬉しいという喜びを伝えていただきました。
本芸の落語の演目は、この時期にふさわしい節分にちなんだ『厄払い』で、会場に笑いがあふれました。
片岡リサ / 音楽部門[箏]
箏奏者の片岡リサさんは、宮城道雄 作曲『祭りの太鼓』の演奏、片岡リサ編曲『アメージング・グレイス』はご自身で歌いながら演奏していただきました。
『祭りの太鼓』は、祭りの盛り上がりや華やかさが広がっていく様子を、『アメージング・グレイス』は、片岡さんのソプラノと箏の音色の響きが美しく、会場全体が聞き入ってしまいました。
邦楽では地唄を歌いながらの"弾き歌い"は珍しくないそうですが、箏を弾きながら歌うというパフォーマンスに会場は感動に包まれました。
宮川大助・花子 / スペシャルゲスト
25年前に大衆芸能部門[落語]で受賞された宮川大助・花子さんがお祝いにかけつけてくださいました。
大阪出身ではない大助さんはこの賞を受賞した時、大阪に認めてもらえたようで嬉しかった!ということや2007年に大病を患い、今では元気になったことなどをお話いただき、夫婦間の大笑いするエピソードも踏まえながらの掛け合い漫才で、会場は大盛り上がりとなりました。
また花子さんの衣装が自身の手作りであることや、司会の羽川英樹さんを交えてさらに笑いの渦を会場に作っていただきました。
最後にもう一度、司会の羽川さんから新受賞者の皆さんに今日の感想などのお話をうかがいました。
桂吉坊さんは、「この賞のことを"詐欺やこの人賞"と言われないように頑張ります!」と今後の意気込みを、ダジャレで披露し、会場は大笑いで幕を閉じました。