平成20年8月28日 大阪市長会見要旨 |
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皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。
【国の総合経済対策に対する意見表明】
最初に、国の総合経済対策に盛り込まれる高速道路の利用料金の引き下げに関しまして、阪神高速道路が対象外になっていることについて、橋下知事のコメントが出ておりました。大阪市長としての考え方を一言申し上げたいと思います。
国の総合経済対策は、明日8月29日金曜日に正式に決定され、公表されると聞いておりますけれども、阪神高速道路などの都市高速道路は、都市の活発な経済活動を支えているだけでなくて、物流など全国的な道路ネットワークの中で大きなウェイトを占めている重要な道路でございます。 国の総合経済対策に盛り込まれる高速道路利用料金の引き下げについて、阪神高速道路も対象にしていただけるよう、強く国に要望いたします。 それから、あわせて、国の総合経済対策の中で、平成20年度中の阪神高速道路の対距離料金制への移行を延期することが示されるようであります。なぜ対距離料金制への移行が延期されるのか、理由は、私、承知しておりませんけれども、本市としては、対距離料金制が、公平でかつ大阪圏の連携強化でありますとか、物流コストの低減などに資する料金制度となるように、かねてから、上限料金の引き下げでありますとか、あるいは高速道路間の乗り継ぎ割引などについて要望してきたところであり、対距離料金制への移行の際には、引き続きそうした要望を行ってまいりたいと考えております。 【経費削減の取り組みの発表予定について】
もう一つ、資料はお配りしておりませんけれども、「市政改革基本方針」の目標達成に向けまして、経費削減の取組みを、4月28日に経費削減プロジェクトチームを立ち上げて、懸命に取り組むというふうに申しておりましたが、現在、その素案を取りまとめているところではございますけれども、いよいよ来週の定例記者会見、9月4日の定例記者会見の場には、それをお示しすることができるのではないか。というよりも、9月4日に間に合うように、今、最終まとめの段階に入っております。
物件費について、かなり精査をしております。さらに、人件費についても盛り込んでおります。これらを、整理した上で、市長として、皆様方に直接、きちんと分かりやすい形でお伝えしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 来週、素案としてではございますけれども、ある程度、具体的な内容を公表してまいりたいと思っておりますので、その旨、よろしくお願いいたします。 【「大阪クラシック」について】
さて、いよいよ9月を前にしまして、「大阪クラシック」について、ここでお知らせしたいのですが、季節は文化・芸術の秋に向かっておりますので、本市が企画しております、この秋、本当に多彩なイベントがたくさんございますので、その中からいくつか、ご紹介させていただきたいと思います。
まず、7月31日にすでに報道発表させていただいております件で、今年も、大阪フィルハーモニー交響楽団の大植英次音楽監督プロデュースによります「大阪クラシック〜御堂筋にあふれる音楽〜」を9月7日から13日まで開催いたします。フィナーレを飾るコンサートでは、私も大植さん指揮で演奏されます「リンカーンの肖像」という曲があるのですが、その曲にナレーションで参加させていただくことになっております。多くの方々に大阪のメインストリート御堂筋周辺にお越しいただきまして、上質の音楽を気軽に楽しんでいただきたいと思っております。 「大阪クラシック」については、9月の市政だよりのトップページで詳しく紹介しておりますので、また、そちらもご覧いただきたいと思います。 【大阪市中央公会堂開館90周年記念事業について】関連リンク
大阪市中央公会堂開館90周年記念事業について
続きまして、お手元に「大阪市中央公会堂開館90周年記念事業を開催します」という報道発表資料を、お配りしております。
今回の記念事業では、こどもや女性の方々に、もっと公会堂を活用してもらいたいという期待を込めた事業ですとか、来年開催予定の「水都大阪2009」にちなんで、水をテーマとした事業などを企画しております。 具体的には、16日なのですが、動物に扮(ふん)した音楽家たちが演奏する「ズーラシアンブラス」によりますコンサートや、あるいは宝塚歌劇団雪組のトップスター水夏希さんをはじめ宝塚歌劇団雪組の方々、明治大学の齋藤孝教授によるトークショーの開催でありますとか、水の大切さや活用の仕方を学ぶ小学生向けの出張教室、淀川に住む魚に触れながら水環境の重要性を学ぶ水辺の環境展などを実施いたします。また、市民の皆さんからの応募による、大阪の風景をピンホールカメラで撮影した写真の展示や、館内ガイドツアーも合わせて実施することになっております。11月15日から24日まで、「針穴からのぞいた大阪」という名前がついております。 それから、90周年記念事業の一環として、すでに報道発表しておりまして、あらためて、パンフレットをお配りしておりますけれども、10月24日から3日間、中央公会堂で大阪国際人形劇フェスティバルを開催します。国内外から優れた人形劇団が集い、さまざまなジャンルの人形劇を繰り広げる人形劇の祭典でございます。ユネスコから世界無形遺産の宣言を受けました2つの人形劇、日本の「人形浄瑠璃文楽」とイタリアの「シシリアの人形劇」、「プーピ」といいますが、この二つが世界で初めて同じ会場で上演されます。国内外の一流の人形劇、是非ご覧いただきたいと思います。 11月22日土曜日からの3日間は、「中之島国際音楽祭2008」を開催いたします。今回は、来年生誕100年を迎える大阪市出身の音楽家貴志康一(きしこういち)にスポットライトをあて、大阪大学や大阪芸術大学の協力を得まして、未発表のオペレッタでございます「なみ子」を世界で初めて上演するほか、バリエーション豊かなプログラムを用意しております。 他にも、本日報道発表しております、大阪歴史博物館の「90周年記念 大阪市中央公会堂の建築・美術・舞台」では、公会堂誕生に至る過程や、完成後のさまざまな出来事、さらには保存・再生工事で明らかになった点などをご覧いただけますので、こちらにも是非お出かけください。 そして、この表では一番上になりますけども、10月12日、13日は21世紀協会の「ハート大阪秋祭り・御堂筋Kappo(カッポ)」もございます。Kappoが12日で、「中之島は大きな帆船」と名づけました中之島全体を使ったイベントがございます。 この秋、中之島や御堂筋は、様々なイベント、文化イベントが目白押しでございます。多くの市民の皆さんに是非ご参加いただき、文化に触れていただきたいと考えておりますので、是非よろしくお願いいたします。 【「川と海をつなぐ大阪水都観光交流促進事業」について】
もう一つ、「川と海をつなぐ大阪水都観光交流促進事業」につきまして、「ベイサイドパーティ2008 OSAKA」と名付けました。
質疑応答今年度の本市重点施策の一つでございます「川と海をつなぐ大阪水都観光交流促進事業」を、いよいよ10月5日に、「ベイサイドパーティ2008 OSAKA」と銘打って開催することになりました。川沿いですとか、ベイエリアの此花・西・港・大正・住之江の5区、それと港湾局が中心になって、官民が連携してこの10月5日、盛り上がろうというものでございます。 都心部の中之島・道頓堀から安治川・尻無川を経由しまして、天保山・鶴浜・舞洲・コスモスクエアまで、川と海を行き来できる舟運事業「ウキウキ船散歩」、それから、その船散歩として、全てで9ルートを運行しまして、川と海とそれぞれの会場を船で結ぶというものです。 それぞれの船着場を中心に、あるいは川船におきまして、地元市民が中心になって、官民の施設が連携し、さまざまなイベントを、一斉に開催するもので、これまでこのベイエリア5区、市民の皆さんが中心になって、まちづくりに一生懸命励んでくださっています。そして歴史、あるいは文化活動をそれぞれ独自に行っておられますものを、区民だけではもったいない、もっと大勢の人たちにPRしようということで、市民の方のアイデアから、これまで培ってきた各区の事業を、それぞれ同じ日に同じコンセプトで実施することによりまして、にぎわい創出や活性化につなげ、これからのまちづくりに活かすことができないかという市民の熱い思いが結集し実現した取組みです。共通のロゴも作りました。ベイエリア全体が、巨大な一つのテーマパークという感じになるように、これから盛り上げていきたいと思っております。 此花区の拠点が舞洲になります。施設を管理するスポーツメーカーのミズノさんと連携して、北京オリンピックに出場した男子体操団体銀メダリストの富田選手、鹿島選手などを招いた体操体験教室や、野球教室、バスケットボールイベントなどを開催するほか、舞洲工場、スラッジセンター、PCB処理施設、プロロジス物流施設などを回るサイクルラリーなどを実施し、「スポーツ」、「レクリレーション」、そして「環境」がテーマの舞洲をPRしたいと思っています。また、イベント開始前の朝から会場である舞洲のクリーンアップ大作戦も区民の方々によって実施されます。 中之島の西端に位置する近代大阪港発祥の地が、川口を擁する西区でございます。中之島西公園から西区の歴史をたどるウォーキングを実施するとともに、川船の船内におきまして、西区の歴史を区民のボランティアの方が紹介するイベントを行います。 港区は、外航客船ターミナルが入港する天保山にちなみ、国際交流をテーマに、イベントを展開します。 大正区では、渡船が走るまちにちなんで、2箇所の渡船の船着場を経由して運航する尻無川の舟運を担うとともに、新たなまちづくり拠点でございます鶴浜を舞台に、沖縄物産展と夕陽コンサートを実施いたします。 住之江区では、コスモスクエアから、日本最古の国際港「住吉津(すみのえのつ)」がありました住之江区の歴史を振り返るサイクリング事業の実施。 このように、現在、それぞれの区民の皆さんが、一生懸命に準備を進めてくださっております。是非、皆さんも楽しみにしていただきたいと思います。事業としまして、今年、初めてでございますので、これからまだまだ発展していく、その5つの区がどう有機的につながっていくかとか、発展の可能性を秘めていると私は思っております。市民の皆さんが中心になり、地域に立地する官民施設が連携して、継続した取組みにしてまいりたいと思っております。 ご存知のとおり、来年は水都2009が開催されるわけですが、安治川・尻無川・木津川という中之島から海へとつながる、いわば「水の街道」沿いのエリアの活性化、それと元気な水都大阪の実現へとつながっていくことを期待しておりますので、是非、皆様の取材、あるいは、市民の皆様には、会場を訪れていただいて、一日、この「水の都大阪」の真髄に触れていただければと、かように思っております。 私からは以上でございます。 記者
大阪府のことで、ちょっと伺いたいのですが、今日、大阪府の橋下知事が東京で府議会を開催されているのですが、それの感想ですね。東京で発信するということをどう思われるか。あと、同じようなことをやろうと思われるか、まず伺えますか。
市長
はい、大阪府議会、出張府議会という形で、東京で知事がおやりいただけるということで、これは、広域行政として、大阪府が国に対してきちんと発信していただけるということで、大阪市としても、歓迎しております。ただ、大阪市が同じことを東京でやるかということになりますと、これはもう直接行政で、かなり個々、細かい事柄の積み重ねという部分がございますので、東京でやるかどうかというよりも、議会の交流とか、あるいは市役所の交流とかは考えていますが、今はむしろ大阪市民の方にいろんなことを訴えていきたいという思いの方が、私個人としては強うございます。
記者
歓迎されているということですけれど、一番、いいなあと、評価できるなと思われる理由としてはどのあたりでしょうか。
市長
はい、やはり、税源移譲を含めて、地方分権ということをかなり大きな声で、橋下知事、おっしゃっていただいています。これは、府県に税源を下ろせというだけではなくて、本当の意味の地方分権というのは、「near is better」、住民に一番近いところがその責任を持って、きちんと対処できる能力と、それから権限を持っていなければならないということだと思っていますので、広域行政である府が大きな声で直接、国に対して、地方分権を働きかけていただければ、ありがたいと思っておりますし、知事の普段おっしゃっていることというのは、そういうことにつながるのではないかという期待を持って見させていただきたいと思います。
記者
一つ目の質問にダブってしまうかもしれませんが、平松市長もメディア出身の首長さんですよね。橋下知事もメディア出身の知事ということで、メディア出身ならではと考えられるのですが、そのメディア出身の首長さんとして、どう思われますか。
市長
メディア出身と言いましても、私の場合は、サラリーマンで。
記者
発信力についてですが。
市長
発信力は、やはりすばらしいと思います。知事の発信力というか、着想力ですね。この着想については、びっくりすることが多々ございます。やはり、前から、PT案(プロジェクトチーム案)とか、いろいろ府の削減案が出てきた時に感じておりましたのは、下に向かって「切る」「切る」ということよりも、やはり、府県としての、国に対して直接ものを言っていく大きな発言力という部分で言うと、政令市も、権限とか、ある程度、移譲はされていますけれど、非常に中途半端な形でいただいている部分があり、その部分は、政令市というシステム自体の問題でございますので、きちんと国に対してものを言っていただけるということで言うと、やはり、今一番、市民、大阪市民だけでなく、すべての日本国民の人たちが思っていらっしゃることは、国にも無駄を省いてほしいということではないかと思います。そういう大きな声を、前に知事にお会いしたときに、私、直接知事にお願いしました。国に対して大きい声で言っていってくださいねというのを、お願いしましたので、多分、その形でいろんな発信をしていただけると思います。
記者
フェスティバルゲートについてなんですけれど、先ほど判決があって、市の主張が全面的に認められるという内容の判決であったと思うのですが、今後、フェスティバルゲートの売却方針、どのように考えておられますでしょうか。
市長
はい。実はこの会見場に向かって歩いてくる最中に、その一報を聞きましたので、詳しいことは、まだ見ておりません。ただ、全面勝訴したということで、市の主張が受け入れられたものだと思っております。後は、粛々と今後の方針を関係局であります交通局なりで出していって、もう処理するということにしているわけですから、早くきちんとした処理に向かって進みたいと思います。そうですね、具体的に今後どういう日程になるかというのは、判決をもう一度、見させていただいて。明渡訴訟でございますから、それが全面勝訴したということでございます。次に売却するという、あるいは入札にかける際の、一つのハードルという部分、説明する部分が、一つ減ったのは事実ではないかというのが、今の感想です。
記者
大体いつごろを目途に次の入札をどんな形で(考えていらっしゃいますか)。
市長
まだ、具体的に日程は聞いてないです。具体的な日程が分かり次第、必ずお知らせいたします。
記者
あともう一つ、関連なのですが、韓国系の企業で、今、違約金を市が請求している企業があるかと思うのですけれども。
市長
はい、入札した、落札した(企業)。はい。
記者
そうです。その企業に対する働きかけにおいて、この判決というのは、市にとって、どういう意味を持つのでしょうか。
市長
その部分については、私は報告も、それから方針も聞いておりませんので、今、私の判断としてということで答えさせていただくと、それはそれとして、きちんとした落札をしていただいたわけですから、それに応じていただけなかったということで、違約金の請求を行っていると理解しております。所管の交通局からは、法的措置も視野に入れて、毅然とした態度で対応するという報告を受けております。はい。
記者
市政改革の経費削減の話で、来週にも素案ということでしたけれども、人件費についても盛り込まれているというお話でしたけれども、これは、以前、「聖域にしない」とおっしゃっていた職員の給与の削減にも踏み込むという理解でよろしいのでしょうか。
市長
そうですね。経常経費900億に向けて、あと420億ですか、突っ込んでいかないといけないということで、物件費をかなり精査し、なおかついろんな意味で、今まで市民サービスを行っていた部分も、納得をしていただかないといけない部分もあり、具体的にどういった数字になるかというのは、来週、皆さんの前で、お示しできるように、この1週間、関係部局から、細かい報告と分析を受けます。4月28日から、経費削減プロジェクトチームが、本当に細かい部分の詰めをやってくれましたので、人件費ということになりますと、それを私が職員に対して説明しないといけないですし。その他、いろいろな部分は市民に対して説明しないといけない部分もあるでしょうし。そういった部分を、きちんと自分の中に、整理をしてもらう1週間にしたい。この1週間をそういう1週間にしたいと思っています。ですから、きちんと整理できた形で、来週9月4日、皆さんの前で、この記者会見で、お話をさせていただけることになると思っております。
記者
先ほどのフェスティバルゲートの判決に絡んで、今日、明け渡しが命じられたテナントさんから訴えられている裁判というのが、大阪高裁の方で控訴審が続いているかと思うのですが、そのテナントさん側の主張としては、「大阪市にも責任がある」という訴えがずっと続いているわけで、その点に関しては大阪市としてはどうでしょうか。
市長
すいません、それは、第1審で大阪市は責任が無い、ということになっていた判決のことですか。
記者
はい。そして、控訴審でまだ続いている。その主張は、向こう側の主張なのですが。
市長
それは向こう側の主張ですから、大阪市としては、自らの主張を認めていただいた判決が先日は出ている。それでいいですね。あれは今年の、4月だったかな。だから、それについては、大阪市として今までの主張を続けるだけのことだというふうに理解しています。「高裁での審議の過程でどういう態度をとられるか」ということですよね、ご質問は。大阪市としては従来の主張を続けるということになると思います。
記者
従来の主張というのは。
市長
「責任があるか無いか」という話ですよね。管理をしている上で、すごく余分な費用がかかったり、それによって損害を受けたり、あるいは、集客面での。そういう訴訟だったと私は理解しております。それについて、従来、「大阪市にとっては責任がない」というふうに言い続けておりますし、それが認められた第1審判決ですから。
記者
梅田北ヤードの問題なのですが、明日、協議会がありますが、今日、一部、まち開きが延期になるというような、先延ばしになるのではないかという報道がありましたけれども、会長として、今はどのように認識していらっしゃるのでしょうか。
市長
その北ヤードのまちづくり推進協議会、私、会長をしております。明日、そこでどういう話が出るのかということについては、まだ細かい話は聞いておりません。今日の朝刊で一部報じられましたので、当然私としても、「どういうこっちゃ」ということで、情報は集めておりますけれども、これはいずれにしましても、事業者側が具体的にどういうお話をされるのかということでございます。明日、その席上で、もし本当にそういうことになるのであれば、私としては、それに至る経緯と、それから、なぜそういうふうになるのかというのは、きちんと分かりやすい形でお出ししないことには。大阪にとってあのエリアというのは、本当に残された最後の一等地という言い方をしながら、23年の春のまち開きに向けて、懸命に進んできたわけでございますけれども、何が出来るのかとか、まだまだ細かく決まっていない段階でございますので、これはやはり、時間的余裕とか見ながら調整していけばいいのではないかというのが、現在の心境です。ただ、明日、それこそ協議会の中でどういう話になるのか、そこを聞かせていただかないことには、正確なお答えが出来ないと思います。
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