平成21年5月21日 大阪市長会見全文

【新型インフルエンザの現在の大阪市の状況について】

みなさん、こんにちは。少し遅れてしまいまして申し訳ありません。よろしくお願いします。
今日はまず、新型インフルエンザについて、大阪市の状況についてご説明申し上げます。
まず、メディアの皆さんには、対策本部の情報など、その都度、本当に朝早くから、深夜に至るまで報道していただきまして、危機管理の情報提供、感染拡大の抑止につながっているというふうに認識しておりまして、本当にありがとうございます。お礼申し上げます。大阪市においては、17日の日曜日、市内で1例目の確認を得て以来、現時点で16件の発症があり、まだ増加の傾向にあるということが言えます。幸い、発症された方々も回復に向かっており、毒性はあまり強くはないということではございますが、とはいえ、感染力が高いということでありますので、予断を許さない状況だと、そういう感じは変わっておりません。大阪市では、24時間いつでも発熱相談を行なっており、保健所、病院を中心に適切な対応による感染拡大の防止や、患者の治療に全力をあげております。各学校では、休校中の生徒・児童の健康状況の把握を精力的に行い、その集めた情報を、逐一まとめて、参考情報として、厚生労働省、大阪府に提供してまいりたいと思っております。今後、患者数がさらに増加することも予想されますけれども、感染状況をしっかりと見極め、関係機関と連携を密にしながら、休校措置をどうするのか、保育所、公共施設などの対応をどうするのか、的確、迅速に対策を講じていきたいと思っております。
また、現状を見据えますと、一般診療所での診察対応なども考慮しなければならない状況であると認識しております。既に、府の医師会への協力要請も行っておりますけれども、大阪府とも連携し、国の方針が決まり次第、すぐ対応できるよう万全の準備をしております。国においては、今回の新型インフルエンザは、広域的な感染症であるということを踏まえ、地域の実態に即した的確で明確な方針決定を速やかに行っていただきたいと思っております。何よりも、感染拡大防止にむけて、市民の皆さんの冷静で落ち着いた対応が、何よりも必要だと思っております。私も積極的に情報発信してまいりますんで、是非メディアの皆様もよろしくお願いいたします。

【中国総領事館からのお見舞いと上海市からのマスクの提供申し入れについて】

それから、市民の皆さんへのお知らせでございますけれども、今回の新型インフルエンザ感染の広がりに対しまして、中華人民共和国の鄭祥林(ていしょうりん)在大阪総領事より、大阪市民に対するお見舞いをいただいております。さらに、総領事の協力によりまして、友好都市であります上海市から、マスクを贈呈したいというお申し出をいただきました。このお申し出があったということを、皆様にご報告申し上げます。詳細につきましては、上海市当局と私どものところで今連絡にあたっておりまして、まだ未定でございます。鄭総領事と上海市のお心遣いに対しまして、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。以上、インフルエンザ関係は、後ほどまた、質疑の際に譲らせていただきます。

【「中之島おもてなしカフェ」の出店事業者を募集します】

次は、本当に「大阪市が変わってきましたよ」というニュースでございます。これまで、市役所の周辺、中之島公園などで、休日や夜間にイベントが行なわれる場合、この本庁舎は閉ざされておりまして、例えば、『光のルネサンス』で130万人もの人々がお見えになっているにもかかわらず、トイレをお使いいただくぐらいで、一般の方が誰でも気軽に入れるという開かれた庁舎という感じはございませんでした。市長に就任してから、この市役所に入りましてですね、市役所の、特に正面玄関から入ってきた時の立派なホール、あるいは、市民の皆さんに色々な資料をお見せしているようなスペース等を見まして、「もったいないな。何か有効活用でけへんやろか」というふうに思っておりました。
お手元に『「中之島おもてなしカフェ」の出店事業者を募集します』という本日発表の資料をお配りしておりますが、今回、本庁舎の1階玄関ホールを利用して、大阪のイベント情報、観光案内などの機能を合わせ持ったカフェを営業してくれる民間事業者を公募することになりましたので、そのお知らせでございます。中之島を訪れる方々に、大阪市役所庁舎内において、玄関ホールの重厚で趣きのある雰囲気や、正面玄関前の屋外テラスから御堂筋の眺望を楽しんでいただきながら、飲み物や軽食を提供できたらと思っておりました。『水都大阪2009』及び『OSAKA光のルネサンス』の開催期間にあわせた取組みでございますが、今回やっと実現にむけ、動き出すことができました。今年の8月22日に、いよいよ開幕します『水都大阪2009』。現在リニューアルが進められております中之島公園を中心に、かつて「水の都」と呼ばれた大阪の水辺に賑わいを取り戻し、その魅力を継続的な発信につなげていくための、きっかけづくりのイベントでもございます。
それから、これは年末、ちょっと気が早いようなんですが、年末になりますと、7回目の開催となります『OSAKA光のルネサンス』、去年は138万人もの来場者がございました。大阪の冬の風物詩として、すっかりお馴染みになっております。今年は、市役所周辺、市立科学館北側公共広場での開催に加え、中之島公園も含めて、よりスケールアップした企画で開催したいと思っております。ゲストの皆さまが、「ちょっと休憩」という時に、お茶を飲みながら、御堂筋、中之島公園の季節の移り変わりなども感じてもらうことができて、また、幻想的なイルミネーションを楽しんでいただきながら、夏は冷たい飲み物、そして冬には暖かい飲み物を市役所でお飲みいただけたら、そういう思いで本庁舎を活用させていただきたいという企画でございます。玄関ロビーの特徴を充分に活かし、市民の皆様にくつろいでいただき、楽しんでいただける民間事業者ならではの斬新で素晴らしいアイデアを、お寄せいただくことをお待ちしております。よろしくお願いいたします。

【萩之茶屋小学校周辺の環境改善について】

次の項目にまいります。次は、萩之茶屋小学校周辺道路上の屋台の問題についてでございます。解決に向けた市の方針について、ご説明申し上げます。
大阪市では2月に、柏木副市長をトップに8つの所属が横断的に対応していく組織として、『萩之茶屋小学校周辺環境改善特別チーム』、このチームを立ち上げて議論を重ねてまいりました。先日、特別チームから今後の基本的な考え方について報告を受け、内部で議論をいたしました結果、今後の進め方について、一定の方針が出たので、お知らせするものです。
まず4月22日の記者会見でも申し上げたんですが、自主撤去を基本に、各屋台に対して毅然とした態度で、強力に指導していくことといたしました。具体的には、関係8局で30人からなる現地指導班、5班編成します。屋台一軒一軒に対して行政指導を実施し、自主撤去を求めてまいります。この問題については、警察との連携が不可欠であることから、私も直接、府警本部長に協力をお願いしてまいりました。この間、府警本部や西成署と協議を重ねてきており、当然、実施に当たっても警察といっしょになって、連携、連絡を十分とった取組みを行なってまいりたいと思っております。
小学校周辺ということにもかかわらず、今まで30年以上というふうな情報もあります。事実上放置されてきたという経過、難しい部分があって、なんら手をつけてこなかったというのを、私も行政の怠慢と言われても仕方がないというふうに申し上げたと思っておりますが、「何とかしていきたい」という断固たる決意で臨んでいきたいと思います。予期せぬことでありますとか、困難であるというような状況が出てくることも覚悟のうえでございまして、そこにおもいきって今回、横の連携を取らせていただいたことから、様々なアイデアが現場から出てくるというふうに、私、大阪市の全ての力をここに結集していきたいと思ってますし、「縦割りや。縦割りや。」言われてたところが横に手をつなぐと、こんなに機能的に動くんかということを、大阪府警本部にも協力をいただきながら進めていきます。府警本部ならびに西成署の素晴らしいバックアップ、そして協力体制をお願いしたいと思っております。年度内を目標に解決を図りたいと思います。法的措置の適用も視野に入れながら取り組んでまいります。
『大都市、そしていちばん住みたいまちへ』というキーワードを政策推進ビジョンの大きなキャッチフレーズとして掲げている以上、一朝一夕には解決できない大きな課題であり、大変な問題であるという認識は持った上で、地元の児童や、あるいは、地域の方々が、安全で安心して暮らせるように行政ができることをきっちりとやるという、そういう断固たる決意をこの際お示しするいい機会であると、私、思っておりますので、市民協働という大きな柱に向かって、一つずつ積み上げていく証としたいと思っております。

【街頭犯罪発生にかかる注意喚起】

次にまいります。街頭犯罪ワースト1(ワン)返上ということで、私のビジョンの柱の一つとして取組んでおりますけれども、街頭犯罪の発生状況につきまして、大阪府警から4月末までの情報をいただいた中で、気になる項目がありましたんで、急遽そのことについて、ご説明させていただきたいと思います。

犯罪発生状況(PDF15.7:KB)
資料としてお配りしておりますけれども、これです。今年1月から4月までに発生した街頭犯罪の発生件数は、およそ11,000件で、前年同月と比べ2,300件、18%の減少、およそ18%、これが全ての発生状況の総数ということになります。18%、去年の1月から4月までと比べて減っています。他の政令指定都市を見てみますと、全体で増加傾向にあるところもある中で、順調に減ってきているということは、警察のご尽力、並びに市民の皆さんの動きによりまして、短期間で実りのあった、これも一つの証であると言えると思うんですが、犯罪種類別に見ますと、これが自転車盗ですね。これがオートバイ盗の発生件数で、赤いのが今年です。赤い線が増えてるんですね。私が言っております「街頭犯罪発生件数のワースト1返上」と言うためには、この自転車盗とオートバイ盗の抑止対策について、年度途中ではありますけれども、大胆な新たな対策をとれないかということを現場に指示しております。
そして、もう一つ気になったのが、これなんです。これは、ひったくりです。3月に入ってから、増加に転じています。これまで、かなり減ってたんです。それが、3月の段階でいきなり前年を上回ったと。これを大きく拡大しますと、こうなります。ひったくり件数、3月に入り、4月もさらに170件発生して、前年同月比でいうと、24.1%増加してしまっています。防犯対策のキックオフイベント以来、実は私、大阪府警の『安まちメール』というのを皆さんご存知だと思いますけれども、『安まちメール』を登録いたしまして、自分の携帯に大阪市内のひったくり情報がいっぱい入ってくるんです。あまりにもたくさん来るんで、「これ増えてるん違うかな」と思ったら、登録した当初は下がってましたんで、「いや、たくさん入ってきてますけど、下がってます」っていう報告を得たんですが、実は、4月に一気に増えたと、3月以降、増えてきたということで、是非皆さんに協力をお願いしたいということで、今日、項目に入れさせてもらいました。警察からは、ひったくりの増加に関しましては、特定地域で多発しています。同一犯による連続犯行の可能性が高いのではないかと聞いておりますけれども、『安まちメール』を見てましてもね、いつでしたか、「あっ、この区で起きたな」という3分後にまた、「この区で起きたな」さらに3分後に「この区で起きた」と。犯人像を書いてあるんですけど、だいたい似てるというようなことから、「同一犯やなあ」というふうに勝手に推測してるんですけれども、最初に言いました2項目、自転車盗とオートバイ盗、これを防ぐには、短期間の駐輪であっても鍵をかけることは当然であります。そして、チェーン錠やワイヤー錠などを使って二重にロックしていただくこと、また、路上駐輪ではなく、駐輪場に入れ、長期間放置することのないようにしていただくと。その盗まれたオートバイ、あるいは自転車が犯罪に使われるということも十分あるわけですから、是非、管理に気を使っていただきたいと思いますし、大阪市としても、できるだけ速やかに駐輪場施設の整備というものも積極的にやっていきたいと思っております。それから、ひったくりに対しましてなんですが、自己防衛っていいますかね、ほんのちょっと気をつければ、こんなに効果があるという数字を実際に大阪府警の人から伺いましたんで、皆さんにお知らせしたいんです。よく言われますよね、「車がこっち側通るとしたら、バッグを持ってらっしゃる方は、こっちへ持ってください」、そうですよね。車道側にバッグを持たない。これ、どれぐらいの効果があるかというと、例えば100件の犯罪、例えば、ひったくりがあったとします。100件のうち、車道側と反対側に持ってた人は2件だけなんです。車道側でバッグを持ってた人が98件。100件被害にあった人のうち98%は、車道側にバッグを持ってた。ですから、その人が、ちょっと「あっ、こっちやないわ」と思って、こっちに持ったら、ひったくりをやろうと思ってる人からしたら狙いづらい人になる訳です。そういった細かいことを是非気をつけていただきたい。
もう一点。時々、大阪府警のご協力で、自転車の前カゴのひったくり防止カバーっていうものがございます。「防止カバーを取り付けますよ」というキャンペーンやったりしてます。これの抑止率100%だそうです。自転車の前カゴでひったくられるケースは、防犯カバーを付けてないのが100%。皆さん、よくご存知のことかもしれません。でも、もう一遍、すごい数字があるんだということを身近に感じていただくことによって、経済状況が悪化すると、一番ふとした、あるいは、狙いやすいというような犯罪が増えてしまいますんで、街頭犯罪ワースト1の返上のためには、「そういったものも、市民全員が許さないよ」という環境をいかに日常的につくりだすかということが、私、一番効果があると思っております。
本市としましても、それから大阪府、さらには大阪府警、そして地域の皆さんのご協力をいただきながら、地域防犯対策に全力で取り組んでまいりたいと思いますので、今日は、あえて、『安まちメール』をとっていた市長として、受けた情報をこういう形で情報発信させていただくということで、項目に入れさせていただいた次第でございます。是非、皆さんのご協力をよろしくお願いします。ありがとうございました。
質疑応答
記者
先ほど冒頭にありましたインフルエンザのですね、休校措置が24日までということで続いておりますけれど、その関係なんですけれども、25日以降のことも含めてですね、今後どういうふうに対応していかれるのか、どのタイミングで、その決断をされるのかということも含めてお伺いしたいのですが。
市長
はい。月曜日が18日ですから、17日に休校しないという方針を出し、18日早朝の情報集約の中と、それから、国の要請ということを受けて、大阪市も休校措置をとりました。その段階でやっぱり、こういう新しい、新型インフルエンザが出た時の広域的な対応がどうあるべきかというものが、今まで話し合われていなかったことに、我々としても気づき、昨日ぐらいから知事と連絡をとりましてですね、今後、府の対策本部会議に大阪市からも職員に参加してもらう方向、させてくださいということで、今日、了解をえました。既に健康福祉局の理事が、次に開かれる大阪府の対策本部会議にいっしょに出ると、出させていただくという形になっておりまして、堺市の方も、そういう形になるということですんで、統一的な見解というものが、速やかに出せる状況をつくりました。後はですね、そこで、次にどういった形になるかということでございますけれども、それは、もう個々の対応、国の方針というものも大きくかかわってきますので、今日も知事とお電話で先程話したんですけれども、その中で、知事も精力的に国に対して見直しの方向性というものを、今ある方針ではなく、今回の新型インフルエンザというものをきちんと分析した上で、新たな修正案というものを出していただくように、動いていただいているということでございますから、国からどういった方針が出るのか、その出た段階で、大阪府の対策本部の中で、大阪市としての対応をどうするかというものを立てていくということになると思います。基本的にはですね、現時点で得られている情報を総合しながら、着実に冷静に対応するということでございます。冷静に対応するのはどういうことかというと、やっぱりきちっと出ている数字を分析した上で、毒性が本当に高くないということで、なおかつ、投薬、タミフル、あるいはリレンザという投薬で、現時点では抑えられるという状況が変わりないのであれば、そういった対応に進んでいくだろうと。すでに神戸市がとっているような対策というようなものが、実施される日は遠くないであろうと。ただ具体的に日程がいつ、休校措置を解除してとかですね、そういうのは、その対策本部を待ってということになります。現時点で日程、聞いてます?
平田健康福祉局長
今のところ、府からは23日の午後、時間は未定でございます。
市長
ということで、大阪府で開かれる対策本部会議に市の職員も出まして、その中で検討させていただくということでよろしいでしょうか。はい。
記者
インフルエンザなんですけれども、一般診療所での診断も必要であるということも、市長もおっしゃってましたけれども、現状では、市内の発熱外来であるとか、総合医療センターの状況というのは、今、どうなっているのでしょうか。
市長
はい。それは、健康福祉局長からお答えします。
平田健康福祉局長
お答え申し上げます。今、現状は、各診療機関で判断をいたしまして、5月17日に府からの通知が来ておりますし、本市としては、5月19日から、軽症であれば自宅療養、重症であれば入院して、というような状況にしております。
また、昨日、府、市、それから堺市も含めてですけれども、府内、大阪市の場合は、市内ですけれども、各医療機関に対して、発熱外来をしてもいいというところについては、特に、内科、耳鼻科、小児科ですけれども、手をあげてくださいという調査をおこなっております。当面は、発熱相談センターを通じて発熱外来というルートに行くと思いますけれども、今、市長の方からもございましたように、今後、発熱相談センターを通さずに直接医療機関へ行くというケースというような形の対応になる時期も来るのではないかなと思っておりますけど、今のところは、発熱相談センターから発熱外来、入院の必要な人は入院というような形になっております。
総合医療センターにおきましても、総合医療センターという名前は出しておりませんけれども、今のところは、大きな混乱もなく推移をいたしております。
記者
新型インフルエンザの関係で、大阪市保健所が茨木市の高校に対して患者の名前等を伝えていなかったという報道があったんですけれども、一方、府としては伝えていると。そういう報道があるんですけども、関西大倉かと思うんですけども。学校のほうに伝えていないっていうことはないんですか。個人名とか。
平田健康福祉局長
基本的にはですね、個人情報については、当然マスコミ等には公表いたしませんけれども、関係のところについては、当然連絡が必要ですので、伝えているというふうに思いますし、大阪府からですね、当該高校の大阪市在住の名簿も我々欲しいということでいただいてますし、その中での発症者については、逐一、個人名も含めて、伝えているというふうに思っておりますけれども。
市長
ただですね、この間の混乱を考えますと、混乱振りをみますとですね、もし、それが本当だとしたら、そういうものをきちっと情報としてつかんだ時点で、対応を変えていくということで、私はいいと思います。基本は今、健康福祉局長が言ったスタンスで臨んでおりますが、なかなか現場が統一できてるかどうかという部分でいうと、初めての経験だということで、違う対応をしているケースが、色んなところで、本市だけではなくて大阪府下でもそうですし、他の市でもあるということを聞いていますんで、もし、それが確認できれば、そういったことが今後ないようにきちんと対応すればいいと思っております。
記者
大阪市としては、基本的に、そういう感染者の情報は学校側には伝えているということでよろしいですか。
市長
学校は当然、自分のところの生徒でございますから、自分のところの生徒がどういう状況であるのか、あるいは症状がどうなのかという情報を当然持っているべきであると私は思いますし、それは学校側の中でも、個人情報の取り扱いということで、今後こういう感染症の場合には、当然のことであるという認識のもとで対応してまいります。
記者
三宮の地下街が、たとえば営業を休んだりと、関西で患者がたくさん確認されたことで、経済的なダメージも相当大きいのかなというふうに感じているんですけれども、そのあたりは。このほど、東京でも確認されましたけれども、市長としてどういうふうに受け止めておられるか、お聞きしたい。
市長
そうですね。去年の秋のリーマンショック以降の世界的な経済不況をどう乗り切るかというところに、ダブルパンチ、トリプルパンチといってもおかしくない状況があちこちで出ております。特に、神戸市さんにとっては、『神戸まつり』という、一年の中で一番大きなイベントが中止になってしまった訳ですから、被られた経済的被害というものに関しましては、私ども大阪市としても人ごとではない思いで見ております。このあと、どういった感染の広がりとか影響が出てくるかということを当然、冷静に分析しないといけないんでありますけれども、現時点では、我々の判断としては、従来型インフルエンザと近い、あるいは、従来型インフルエンザよりは免疫が少ない人がかかる危険性が高いというふうに言える程度かなという判断は、現時点ではしております。これが、ただオフィシャル判断だから、もう何もかも今までどおりでいいんですといえない部分が、まだございますんでね。慎重に対応したい。慎重に対応させていただく中で、国の判断を待ちたいというのが正直な気持ちです。それによる経済的な損失、あるいは今回の我々の体制にかかる費用等につきましても、国のほうが緊急にみていただけるというような方針も出ておりますんで、結果をどうのこうのじゃなくて、やれることを全力をあげて我々はやりきるというつもりで対応しております。例えば、街なか歩いている方の情報を聞いてましても、普段の賑わいはどこにもないというぐらい、たとえば、道頓堀の人出にしてもそうですし、夜の街の人の動きにしてもそうです。これは、日本で初めて新型インフルエンザが見つかって、神戸で最初にそういう形になり、次に大阪が、という形になった以上、ある程度、やむをえない形。これを、ある程度、どういうんですかね、終息はしないんでしょうな、沈静化宣言がなされた後に、どれだけまた賑わいをつくっていくのかということを、積極的に取り組んでいくことができるかどうか。今年は『水都大阪2009』、8月に始まりますので、それに向けての影響というものも考慮しながら、取り組んでまいりたいと思います。具体的に数字でどうのこうのというのは、今、手元に持ち合わせておりません。すいません。
記者
23日にですね、府の対策本部の方に参加されるということですけども、市の方としても、23日に対策本部をおやりになるのかという点と、あと、橋下知事がですね、原則的にもう一律的な休校は取らずにですね、週明けから学校再開という方針をにじませてらっしゃいますけれど、おそらく、そうなると思うんですけれども、やっぱり、それに同調されるというかですね、やはり、こういう結果考えた場合に、バラバラな対応っていうのは、ちょっと考えにくいのかなと思うんですけども。
市長
はい。18日未明の国の要請っていうものは、まず当初の感染拡大を最小限に抑えるためには、全域、大阪府下、兵庫県下全域で、学校、中学、高校を止めてくれという要請でございました。これに、私どもは賛同して、同じ方針の下に対応をとりましたが、その時点でも、もちろん、一つの判断としては、大阪市内の発生事例というものを、発生地になったということで、我々は判断した訳でございますが、エリア的に考えると、市内全域かって言われると、その時点の情報では、もし、個別判断が許されたとしたら、おそらく、全域にはうってなかったであろうというふうに思います。ただ、全域でやることが効果があるという国の判断で動いた訳でございますから、今度23日、市では、そこへ出させていただいて、府の対応の大きな方針が決まった段階で、個別対応ということになるんであれば、我々が持っている情報を総動員し、さらには分析した上で対応します。個々の対応という、国からどういった形で今の基準見直しってものが出てくるか、今回の新型インフルエンザに対しては、こういう蔓延期になった、蔓延期にはまだなっていないですけども、国がそんなふうに判断されて、その対応をこうしますって言われた大きな方針の中で、やれることをやろうという体制です。ですから、それが、ある時は学校閉鎖なのかも知れませんし、ある時は半径何メーターのエリアの閉鎖になるかも、学校に関してなるかもしれませんし。ある時は逆に言うと学級閉鎖。学校は開いてんねんけど、このクラスは閉鎖、学年閉鎖とか。今までの、従来型インフルエンザの対応をすればいいのではないかというのが、今の予測です。はい。
記者
それと、少し話題が変わるんですけど、今日ですね、西淀川区の虐待で保護者と容疑者が逮捕されたということなんですけれども、市の方でも総点検等指示されていらっしゃいますけれど、改めて再度、お聞きしたいことで、先日以来、検証委員会、虐待防止委員会等、いくつか開かれていますけれども、現時点で市長、どういうところに問題があったか、改めてお伺いできますか。
市長
この件につきましては、本当に連日、皆さんの報道を見るにつけ、私ども、やらなければならないことの重さと大きさと多さに身の引き締まる思いがしております。児童相談所、あるいは地域、さらには学校、やれるところがやることをやりきるんだと。ちょっと今インフルエンザ対策で、後ろにいってるような感じがされているのかもしれませんけれども、我々は一切後退することなく、地域に対しても、あるいは、受け入れる相談があった場合の対応にしても、より積極的な関与、あるいは周知徹底というものをやっていくことが、今回起きた事を総括する上で、まず第一に必要な事だと思っております。それにつきましても、関係各局連携をとりながら、やりきる覚悟でおります。是非、いろんなご支援、あるいはアイデア等頂けましたら頂戴していきたい、思っております。よろしくお願いします。
記者
インフルエンザに関連してですね、市長の後援会のですね、6月1日にパーティがあってですね、それまた延期になったと。去年も開催予定が衆議院選があったということで、2回目、まだ開けないということでですね、そのことについての、どういうふうに受け止めておられているのかなということを教えていただければと思うんですが。
市長
今日5時半に、こちらで後援会長やっていただく松本社長が、お見えいただくということですが、その際でよろしいですか。
記者
いいです。
市長
はい。
記者
橋下知事が、修学旅行への補填の話をされておられるんですけども、これについて、市として独自という何かがあるのかということが一つとですね。ちょっと話し変わるんですけども、同じインフルエンザの話なんですけど、入院から自宅療養に切り替えた時にですね、発表と言うか、非常に分かりにくい形でですね、私たちが知らされたのが、夜のPCRの結果のレクの時に、「これ自宅療養ってなってますけど方針変わったんですか」みたいな感じで質問して、はじめて分かりまして。その時すでに昼間も決まっていて、市長も了承されていたというようなことを、当該の局の方おっしゃってましてですね、この間、対策本部会議の前の会議で決まるという形態についてもですね、ちょっと分かりにくいなという。特に17日から18日の経緯にかけてはですね、17日の事後レクの時に、囲みの時に、対策本部会議で決めたとおっしゃっているくだりが、テープおこしたらあるんですけども、その後の18日の会議は、その前の関係局会議で決めたようなことをおっしゃっておられたり。あとその夕方の、申し訳ないんですけど、局長のレクの中でも、7時〜8時の会議で決まったようなことをおっしゃってたり、ちょっと何ていうんですか、意思決定が、どこで、どういうふうになっているのかっていうのが、この間、非常に分かりにくいなと思っておりまして、その辺について、もちろん、こういう臨時の非常の時ですから、バタバタされるし、事態が刻々と変わるのは分かるんですけど、その辺どう思われておられるのか。
市長
はい。まず、修学旅行のことからですが、修学旅行というのは、やっぱりその学生にとっては大きなイベントであります。そのために色々な費用積み立て等も、今積み立てがあるのかどうか、よく情報を知りませんけれども、積み立て等をやってきていただいてるものが、キャンセル料が発生するとか、色々な影響を与えてしまっている訳です。ですから、これは全ての産業が、あらゆる意味で影響を受けている中で、是非、考えて頂けるところは是非考えていただきたい。学校に関しましても、中止ではなく延期という方向の方が多いはずですから、是非、楽しみが先へ延びたという形で実現できればいいなというのが正直なところです。
次に、この間の情報決定の仕方ですか、対応の決定の仕方っていうことでの疑問というふうに今受け取りましたが、その段階、段階で少しずつ私どもも変わってきているのが事実です。当初、対策本部会議を本部長が出て話し合うというのは、1回目ぐらいで、たぶん済むやろうって言っていたのが、私、記憶では6回くらい出たつもりの記憶があります。それほど、まさか当初考えていた形ではなく、近隣で発生したり、あるいは大阪市内で発生したという、その時、その時によって変わってきておりますから、それに対する対応も少しずつ変わっているのは事実です。途中から私が現場に指示しましたのは、いちいち市長に伺いを立てて、あるいは、対策本部会議を開いて対応するというんではなくて、現場の責任のある、判断を下した現場が、責任のある判断を下したということであれば、それは現場に任せるというふうに申しました。ただ、今ちょっとご不審と言いますか、おっしゃった中で情報が伝わってるのか、伝わってないのかっていう部分でいうと、伝わってなかったとしたら、これはきちんと反省しないといけないことでありますし、私としては、方針が変わった段階で、すぐに速やかに市政記者クラブの方に、方針が変わったということを伝えるようにというのは、あくまでも、別にいちいち指示するまでもないことだというふうに思っておりましたし、そういう行動がなされているというふうに今まで思っておりました。もし、そうでなかったとしたら、この際にお詫びを申し上げて、以後そういうことがないようにきちんと対応して参りたいと思います。入院治療から自宅療養に、まず変わったという、そのあたりの情報の出し方はどうやったんでしょうか?
平田健康福祉局長
確かにおっしゃるように、5月17日に府からの(連絡が)来ました。我々、その対応について判断するのに、即17日という形にはなっておりませんでした。当面、従来どおりの形を引き継いでいったらいいのかなという判断をしとったんですけれども、同一高校で、市内の子どもと生徒と、それから市外の生徒での対応が違ってきてると。要は大阪市内では、とりあえず一週間の経過観察がいるということで入院してますけれども、市外の子どもは、大阪府の通知で17日から、要は、ドクターの判断で自宅療養してもいいというようなケースが出てきたということもありまして、この辺の判断も一つは必要になったということで、我々判断したんですけれども、今、市長おっしゃられたように、このことについて、きっちりマスコミの皆さん方に、この状況の変化も含めてご報告申し上げてなかったという点については、19日の時点の部分については、きっちりできてなかったいう部分については、お詫びを申し上げなくてはならんというふうには思っております。
市長
大阪市の方針が大きく変わったというのが19日?
平田健康福祉局長
そうです。
市長
当然、それはここへ流れるもんやって気でおりましたんで、流れてなかったっていうことですんで、大変申し訳ございませんでした。以後、そういうことのないようにやります。
記者
インフルエンザとは別件です。今日の芦原病院をめぐるですね、訴訟の判決で、一部、大阪市の方の敗訴ということで、1億1000万円の損害賠償。まだ、地裁段階ですけども、市長の受けとめとですね、銀行側が主張していた、2005年の4月段階ぐらいでしたか、芦原病院を大阪市が民事再生するという方針を内部で相談していたにもかかわらず、うそをつかれて、うそをつかれてというか詐欺まがいでというか、融資を引き出されたという主張の部分が、一部認められるような形になっている訳ですよね。また、その負の遺産をめぐって、また市のずさんな対応っていうのが、また今回、司法の場で指摘されるという事態になったことについて、市長のコメントをいただければと。
市長
はい。その判決が、一部敗訴。私どもにとりましては、一部敗訴になったという情報は、つい先ほど受け取りました。やっぱり、まだ何も詳しく読んでおりませんので、逆に、判決内容をきちんと精査させていただいた上で、今後の対応は協議したいということしか、現時点ではちょっと申し上げられない。申し訳ございません。
記者
控訴は、今後検討するということですか。事前に聞いている話では控訴する方向であるということやったような。
市長
そうですね、今、記者がおっしゃったような具体的な判断ということになれば、これは、我々が訴えてた、大阪市が訴えられたことに対して、主張していたことと大きく違うという部分は感じます。ですから、その対応につきましては、きちんと精査したうえで、対応を決めたいというのが、現時点で言えることだと思います。
記者
また、インフルエンザに戻ってすいません。昨日ですね、市立の小学校、中学校でも患者さんが初めて確認されたということで、それまでは、従来からと、ちょっと違う時点になったかと思うんですが、そのことについて、まず、どう受け止めていらっしゃるか、市長ご自身が、ということが一点と。冒頭では、府の本部会議に、今後は、市の理事に行っていただくというようなことは、市長ご自身が、この当初17日、18日とかの段階で、何か大阪市と大阪府の足並みがそろってないなというような、何かそういう思いはあったんでしょうか。
市長
はい。要するに、後の方からお答えしますと、大きな枠をかける政策が必要だという極めて広い広域的な判断を、国がされたというのがやっぱり一番大きかったです。大阪市としては、この間、皆さんにもお休みにもかかわらず出てきていただいて、我々の方針というものにつきまして、ここで記者会見もさせていただきましたし、何遍も会議を開いたりしておりましたので、大阪市の方針としては、その発生地であるということが断定され、なおかつ、そこから集団感染の恐れが徐々に広がりつつあるというような段階で、閉鎖とか、学校閉鎖とか、エリア閉鎖、エリアの学校閉鎖というような形に進もうという方針を立てておりましたので、その方針は違ったという形になりました。ただ、どっちがええかっていう話は、違う段階やと思うんです。広域でやるべしっていうときに、きちんとそれに対応できるだけのものと、なおかつ、これは18日に、いったん学校に来ていただいた子どもたちに健康状況調査ができたということと、それから休校になっても、各学校園の教職員は、教員は、自宅に出向いてとか電話で、あらゆる形で情報収集をやっておりますんで、こういった情報収集ルートの初期に、顔を見られているという、きちんと子どもたちの顔を見たという部分で、一定の、私は出てきてもらってよかったっていうのが今の気持ちです。中学校と小学校で市内で発生したということなんですが、これは想定の範囲内であります。当初、茨木で集団で発生したという状況から、もっと大きな、濃密な発生状況というものの危険性を思っていたことからみますと、この数日間の動きっていうのが思っていた以上に散発的であるという印象を持ちます。これはただ、そういう印象であって、この印象に左右されていいかどうかって、また別の話であって。というのは、今、この中にもひょっとしたら菌を持ってらっしゃる方がいらっしゃってね、自然に治ってしまうというケースもありますんで、一概に、一律に判断できない。ですから、そのときに我々が持っている医療機関とのネットワーク、あるいは、環境科学研究所での検査体制。それから、それに対応すべく保健所の体制。あらゆるものをフル動員して、今、もうピーンと張り詰めた状態で何日間も走ってきてますが、まだそれを緩める気はありませんし、現場に「しんどいやろなあ」という思いを持ちながら、「頑張ってや」ということを、まだ、気を緩める段階ではないということをやっていくのが、やっぱり感染症、特に、新たに出てきた感染症に対する基本的な対応の仕方であろうというふうに思いますんで、我々が持っているスキル、あるいは能力をですね、これを全面的に使いながら、市民のみなさんに安心していただくため、進んでいきたいというふうに思っています。
記者
休校の解除が今後あるとして、そのときも大阪府と足並みを揃えていくのか、それとも大阪市では、当然のことながら、患者の発生状況とかは府内全域とは異なると思うんですが、そういうのを見ながら、市として独自に、例えば先程おっしゃった学校閉鎖、学級閉鎖など個別の判断というのを市独自として行うのか、それはどちらになるんでしょうか。
市長
はい。この間の患者の分布状況をですね、発生分布状況をみますと、いくら大阪市であっても、大阪府下全域統一の判断を示されるとは思えません。それだけの材料が大阪府にあるとは思えませんし、むしろ、ばらばらの状況であるというのが正確な状況把握だと思います。ですから、大阪府が判断されるであろうことは、これは予想ですが、あろうことは、各市域での発生状況を勘案しながら、その発生密度を分析した上で、対応を指示されます、指示されるであろうということですね。その指示を受けて、各市町村が独自の判断をするという段階になるんだと思います。大阪市としては、我々が持っているすべての情報を総合したうえで、その市町村としての、基礎自治体としての判断をしていくであろうということで、具体的内容につきましては、先程も申しましたように、地域で対応するのか、校下で対応するのか、クラスで対応するのか、その都度違ってくるであろう。ただ、今の毒性だけを考えますと、やはり、従来型インフルエンザの対応でいけるという思いと、それと投薬ですね、タミフルとリレンザの使い道、これは専門家のドクターにお任せしたいというふうに思っております。
 

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