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淀川春夏秋冬

2021年5月10日

ページ番号:559

  淀川ではさまざまな生き物に出会うことができます。四季折々の生き物を紹介します。 

春ごろ

 東淀川区では淀川大堰を境にして、上流の淡水域と下流の汽水域の魚が生息しているのが見られます。春風が吹き始めるころ、淀川の水もぬるみはじめ、海で生まれたウナギの稚魚や、大阪湾で大きくなったアユの幼魚が川をさかのぼってきます。こいのぼりをまちで見かけることも少なくなってきましたが、5月から初夏にかけてはコイが浅瀬で卵を産みます。
 春が進むと、シギ、チドリなどが、夏に繁殖するために、冬を過ごした南方から北方へ渡る途中、淀川に立ち寄ります。
 シロツメクサ、セイヨウカラシナ、ノゲシ、ホトケノザ、カンサイタンポポ。河川敷では春の植物たちが鮮やかに美しさを競い合っています。
アユ(写真)


アユ
川魚の女王と呼ばれます。春になると、冬に過ごしていた沿岸域から遡上してきます。(写真 水道記念館)

セイヨウカラシナ(写真)


セイヨウカラシナ
黄色い花を咲かせる4~5月には、土手を真っ黄色に染めています。

カンサイタンポポ(写真)


カンサイタンポポ
市内では減少している在来種です。タンポポは、雨の降る前に花を閉じる性質があります。(写真 環境科学研究所)

コアジサシ(写真)


コアジサシ
4月の終わりごろにやってきて淀川で夏を過ごします。黒いベレー帽を被った白っぽいツバメといった姿です。(写真 環境科学研究所)

夏ごろ

 ヒートアイランド現象で都市部の気温が上昇するなか、淀川の水辺は貴重な涼みの場所です。淡いピンク色のホシアサガオやヒルガオが爽やかに咲きます。淀川のヨシ原を形成するヨシはイネ科の多年草で、8~10月が花期です。
昔話の「因幡の白兎」のなかで、 皮を剥がれた白兎が、くるまって傷をいやしたといわれるガマは、川のふちなどに群生しています。ハンゲショウやタコノアシもこのころです。
 汽水域には、海の魚のイメージがあるサヨリ、イシガレイ、スズキ、クロダイなどが入ってきます。鳥ではオオヨシキリがヨシ原に姿を現します。
ヒルガオ(写真)


ヒルガオ
日中の暑いときに花を開きますが、1日でしぼみます。地下茎は切れて一部分になっても芽を出すことができます。

タコノアシ(写真)


タコノアシ
今ではすっかり珍しくなっています。初夏のころ、文字通りタコの吸盤のような形の花などをつけます。(写真 橋本正弘さん)

コチドリ(写真)


コチドリ
春の終わりごろやってきて、淀川で夏を過ごします。砂地に卵を産みます。(写真 橋本正弘さん)

ウロハゼ(写真)


ウロハゼ
汽水域などに生息します。砂底の障害物のある水域に多く、動物食を主体とする雑食性です。(写真 水道記念館)

ワタカ(写真)


ワタカ
水草やヨシなどを主に食べる琵琶湖・淀川水系特産の小型草食魚です。(写真 水道記念館)

迫力!ツバメのねぐら入りとねぐら発ちの声

ツバメのねぐら(写真)

 春になると南から渡ってくるツバメ。集団でねぐらを作る習性のあるツバメにとって、河川敷などに残されたヨシ原などは重要です。大阪ではツバメの集団ねぐらが年々少なくなっていますが、淀川河川敷の豊里地区のヨシ原は、今も夏を中心にツバメの集団ねぐらが形成される貴重な場所です。
 ピーク時には2万羽ともいわれるツバメが日没に集まり、眠りにつき、そして日の出前にいっせいに飛び立つ様子は壮大です。
 朝の散歩や、夕涼みに河川敷を訪れ、静かにその様子を見守ってみませんか。
(写真 生き生き地球館 中谷憲一さん)

秋ごろ

 厳しい暑さを越えて、日に日に涼しさを増す秋は、植物にとっても快適な季節です。コセンダングサ、ヒメムカシヨモギ、イヌホオズキなど。セイタカアワダチソウが川べりを黄色に染めます。
 高い木の先でモズが縄張り宣言をするのもこのころ。水の中ではイタセンパラのオスが赤紫色の婚姻色をその体に現します。
ハシビロガモ(写真)


ハシビロガモ
秋にやってきて、淀川で冬を過ごします。くちばしの幅が広く、プランクトンなどを食べます。鳥はだいたいオスの方が美しく、この鳥もメスは全体が褐色で地味な感じです。(写真 環境科学研究所)

マハゼ(写真)


マハゼ
汽水域の砂泥底などに住みます。釣りの好対象で、天ぷらにすると特に美味です。(写真 水道記念館)

モズ(写真)


モズ
コオロギやカエルなどの小動物を捕らえて木の枝などに刺しすてる「モズのはやにえ」とよばれる習性をもっています。(写真 橋本正弘さん)

アレチヌスビトハギ(写真)


アレチヌスビトハギ
7月~9月ごろ、濃いピンク色の花を咲かせます。その名は、果実のくびれが、「盗っ人が足音を立てないように歩くときの足の形」に似ているからとか。

イタセンパラ(写真)


イタセンパラ
淀川のワンドのシンボルフィッシュで、希少魚として国の天然記念物に指定されています。(写真 水道記念館)

◇秋の夜、マツムシの音を愉しむ

マツムシ(写真)

 秋の夜には、野草が生えている淀川河川敷の豊里地区などで、マツムシの音が聞こえます。すぐ近くで盛んに鳴き競っている様子は、歌に詠まれた昔と変わらず、現代の私たちにも様々な思いを与えます。
 マツムシの鳴き声は「チンチロリン」と表現されることが多いのですが、大阪人が聞くと「テッチリ、テッチリ」と聞こえるそうです。
 この「淀川河川敷のマツムシ」は、平成8年に大阪市の市民ボランティア「みどりと生き物会議」の推薦で、環境庁の残したい「日本の音風景100選」に認定されています。
 秋の夜長、マツムシの音を愉しみませんか。
(写真 環境科学研究所)

冬ごろ

 河川敷の景色が茶色の装いに変わります。このころ淀川には、多くの冬鳥たちが渡ってきます。オナガガモ、マガモなどカモの仲間たちは、春に北へ帰るまでに淀川で結婚相手を探します。カモのオスたちの求愛行動を見ることができます。
 子どものころ、見つけると幸運になると思った4つ葉のクローバー、シロツメクサは冬でも青々としています。
 魚たちは、冷たい水の中で活動を控え、静かに春の訪れを待ちます。多様な淀川の魚たちとはいえ、環境の変化に伴い、危機に瀕している種類も多いのが現実です。淀川水系ではすでに絶滅したと思われるニッポンバラタナゴ、最近急減しているメダカは、外国からきたカダヤシという近縁の魚に生息を脅かされています。
オオジュリン(写真)


オオジュリン
冬になると淀川にやってきて、ツリスガラと同様にヨシ原だけを棲みかとします。(写真 橋本正弘さん)

アユモドキ(写真)


アユモドキ
天然記念物に指定されています。河川の中・下流域や湖などに生息しますが、淀川では現在、全くといってよいほど見られません。(写真 水道記念館)

メナダ(写真)


メナダ
出世魚で、コスリ→トウブシ→メナダと呼び名が変わります。(写真 水道記念館)

カワラヒワ(写真)


カワラヒワ
スズメぐらいの大きさで、数十羽の群れをなして飛ぶ姿が見られます。(写真 環境科学研究所)

オオイヌノフグリ(写真)


オオイヌノフグリ
主に春に花をつけますが、大阪市内では冬でも花を見ることがあります。英語では「キャッツアイ(猫の目)」といいます。

《取材協力》
 水道記念館(水の散歩道)
 環境学習センター生き生き地球館
 日本野鳥の会 橋本正弘さん

《参考文献》
 水の情報誌 ピュア
 メッシュマップ 大阪市の生き物
 みどりと生き物のしおり 見分け方編

(注)環境科学研究所は平成29年度3月末で廃止され、現在、環境科学研究センターとなっています。

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大阪市東淀川区役所 総務課広報・広聴相談・総合企画グループ

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