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現在の日本では、国民はだれでも、18歳になれば選挙権(投票する権利)を持つことができます。
でも、昔は、選挙権を持っている人は、ほんの一部の人たちだけでした。
初めて、日本全国で選挙が行われたのは、明治23年(1890)の第1回衆議院議員選挙です。この選挙で投票できる人は、税金を国に15円以上納めている満25歳以上の男性に限られていました。これは、およそ45万人で、当時の人口の約1.1%にしかすぎませんでした。そのうえ、誰が誰に投票したかがわかってしまう記名式(きめいしき)投票だったので、自由な投票ができませんでした。
その後、少しずつ制度が改正されて、大正14年(1925)に、25歳以上のすべての男性が選挙権を持つようになりました。このときは、まだ女性には選挙権がありませんでした。
そして、第二次世界大戦が終わった後に、満20歳以上のすべての日本国民に選挙権が与えられ、女性が政治へ参加することもできるようになりました。
さらに、平成28年6月から選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられました。
このように、長い時間をかけてできあがった選挙制度を正しく理解し、将来に生かしてほしいものです。
年号 (西暦) |
事項 | 説明 | |
---|---|---|---|
明治14年 (1881年) |
明治政府は、明治23年に国会を開催すると発表した | ||
明治22年 (1889年) |
大日本帝国憲法が制定される | ||
衆議院議員選挙法が制定される | 選挙権は、年齢が満25歳以上の男性で、国に税金を15円以上納めている人。 | ||
明治23年 (1890年) |
第1回衆議院議員選挙が実施される(初めての国政選挙) | 有権者数(投票できる人)は約45万人で、当時の人口の約1.1%であった。 | |
明治33年 (1900年) |
衆議院議員選挙法が改正される | 選挙権は、年齢が満25歳以上の男性で、国に税金を10円以上納めている人に変更された。 | |
大正8年 (1919年) |
衆議院議員選挙法が改正される | 選挙権は、年齢が満25歳以上の男性で、国に税金を3円以上納めている人に変更された。 | |
大正14年 (1925年) |
衆議院議員選挙法が改正される | 選挙権に税金を納めている条件が無くなり、年齢満25歳以上のすべての男性が投票できるようになった。 | |
昭和3年 (1928年) |
第16回衆議院議員選挙が実施される(初めての男子普通選挙) | 有権者数は330万人から1241万人へと約4倍になった。 | |
昭和21年 (1946年) |
第22回衆議院議員選挙が実施される(初めての完全普通選挙) | 年齢が20歳以上の、すべての国民に選挙権が与えられた。 | |
日本国憲法が制定される | |||
昭和22年 (1947年) |
第1回参議院議員選挙が実施される | ||
平成27年 (2015年) |
公職選挙法が改正される(平成28年(2016年)施行) | 選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられた。 |
選挙はなぜ、大切なのでしょうか?
自分が住んでいる市や国のことについて、みんなが直接議会に出席して話し合うことはできません。代わりに自分と同じような考えを持つ議員を選び、私たちの願いを実現してもらいます。だから、議員を選ぶ選挙が大切なのです。
満18歳以上の日本国民は、選挙で投票することによって政治に参加する権利が保障されています。しかし、最近の選挙では、投票する権利をすてている人が増えて問題になっています。
みんなが、投票に行かなくなったら、偏った考えを持つ議員が当選して、国や地方を間違った方向へ導いてしまうかもしれません。
みんなの意見を反映するためにも、投票する権利を大切にしてください。
特に、若い人たちが選挙に無関心なのが問題です。
国や地方(市や府)のことを決める人たちを、私たちは選挙で選ぶことができます。
地域 | 選挙によって選ばれる人 |
---|---|
国(日本) | 衆議院議員・参議院議員 |
都道府県 | 都道府県知事・都道府県議会議員 |
市町村 | 市町村長・市町村議会議員 |
それぞれの選挙の違いを理解しましょう。
選挙の種類 | 選挙権 | 被選挙権 |
---|---|---|
大阪市議会議員選挙 | 満18歳以上の日本国民で 大阪市内に3ヶ月以上 住んでいる人 |
満25歳以上の日本国民で大阪市内に 3ヶ月以上住んでいる人 |
大阪市長選挙 | 日本国民で満25歳以上の人 | |
大阪府議会議員選挙 | 満18歳以上の日本国民で 大阪府内の同一市町村に 3ヶ月以上住んでいる人 |
満25歳以上の日本国民で大阪府内の 同一市町村に3ヶ月以上住んでいる人 |
大阪府知事選挙 | 日本国民で満30歳以上の人 | |
衆議院議員選挙 | 日本国民で満18歳以上の人 | 日本国民で満25歳以上の人 |
参議院議員選挙 | 日本国民で満30歳以上の人 |
※選挙権は、選挙で投票できる権利です。
※被選挙権は、選挙に立候補できる権利です。
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