オンラインゲームトラブル編 数学のテストが90点だったケン太くん。お父さんにうれしそうに報告します。どうやらお母さんには内緒で、数学のテストが80点以上だったらオンラインゲームのアイテムを買ってもらう約束をしていたようです。 中学生たちに大人気のオンラインゲーム・新世界クエスト。ケン太くんはどんな相手の攻撃もゼロにする串カツの盾がほしいそうです。 口が達者なビリ美ちゃんが怒ったときにも使えたらいいのに、と談笑するケン太くんとお父さん。ゲームアイテムの購入画面には、まず500カツポイントを買うように示されています。 このゲームは先にポイントを購入して、そのポイントでアイテムを購入することを伝えるケン太くん。500カツが5000円と聞いて、ちょっと高いなぁと思うお父さん。 しかし、約束していたことなので、お母さんには内緒にしておくことと、遊び過ぎないようにすることを条件に、クレジットカード決済で購入してくれました。喜ぶケン太くん。 自分の部屋でゲームを楽しむケン太くん。良い盾が手に入ったことで、剣などの攻撃力を高めるアイテムもほしくなってきました。他のアイテムを見ていたら、あれれ?クリックするだけで購入することができてしまいました。どんどん、他のアイテムも購入してしまうケン太くん。 後日、ビリ田家に届いたクレジットカードの請求金額を見て、お母さんはおののきます。なんとお父さんのクレジットカード利用料が20万円にもなっていたのです。 お母さんからそのことをきいて驚愕するお父さん。何かの誤解とお母さんをなだめようとしますが、怒り心頭に達しているお母さんは聞く耳を持ってくれません。今こそ串カツの盾が使えたらなぁ、そうしみじみと思うお父さんでした。
被害にあってもた!どうしたらええの?
ポイント1

保護者とゲームの利用について話し合う!

ゲームの利用時間やマナー、アイテムを買ってもらいたいときやトラブルに巻きこまれたときの対応など、保護者と事前に話し合いましょう。

ポイント2

ゲームの利用規約をよく確認する!

遊んでいるゲームが無料なのか、有料なのか、有料ならば何が有料なのか確認しましょう。また、ゲームの内容や課金の仕組みについてもしっかり確認することが大切です。ゲームによって利用規約は異なりますので注意しましょう。

ポイント3

ウソをついてゲームを利用しない!

ゲーム内のアイテムを買う前に、未成年者がウソの生年月日を入力した場合、「詐術(さじゅつ)」にあたる可能性があり、契約(けいやく)を取り消すことができなくなります。トラブルを招かないためにも、ウソをついてゲームを利用しないでください。

オンラインゲームトラブルの相談は年々増えています。楽しくゲームで遊ぶためにも、事前の利用ルールについて大人としっかり話し合いましょう。また、身内といっても他人のクレジットカードを勝手に使うことは犯罪です。絶対にしてはいけません。

他にもこんなトラブルが!

クレジットカードは手元に現金を持っていなくても、品物やサービスを買え、非常に便利です。しかし、現金での支はらいと異なり、どれぐらい使ったのかがすぐには確認できませんので、現金よりも「お金を使った」という感覚を持ちづらい、と言われています。クレジットカードを利用することは、借金していることと同じです。後々の返済のことも考えて、使いすぎには注意しましょう。

エルちゃんから保護者差の皆さまへ

オンラインゲームをはじめとしたインターネットでの高額請求が問題となっています。
未成年者が大人の承諾を得ずに行った高額な契約は、民法上取り消しができるとされていますが、クレジットカードで決済している場合には、契約の解除は容易ではありません。クレジットカードにはカード名義人の管理義務がありますので、カード名義人である大人の責任が問われるからです。アイテム購入後は、必ずサイトからログアウトしましょう。購入後、ログアウトしないと、パスワードなどを入力しなくても、アイテムを購入できます。
また、子どもがクレジットカードを勝手に持ち出したり、大人が設定したパスワードを予測したりして、アイテムを購入してしまったという事例も多く見られます。クレジットカードの保管場所やID・パスワードの管理に細心の注意を払い、利用明細は毎月確認しましょう。いまやPCやスマートフォンだけでなく、ゲーム機や音楽プレーヤーなどでもインターネットに接続することが可能です。安全にインターネットを利用するために、フィルタリング機能を活用しましょう。また、インターネット利用のルールづくりも一方的に大人が決めるのではなく、子どもの意見を取り入れながら、双方が納得できる形で進めてください。