児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書
2024年12月3日
ページ番号:349537
平成28年3月29日可決
衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
法務大臣 文部科学大臣
厚生労働大臣 国家公安委員会委員長 各あて
家庭や地域における養育力の低下、子育ての孤立化や不安・負担感の増大等により、児童虐待の相談対応件数は増加の一途を辿り、複雑・困難なケースも増加している。
こうした現状に鑑み、政府は昨年12月、すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクトの一つとして、「児童虐待防止対策強化プロジェクト」を策定した。
大阪市においても、児童虐待相談対応件数は年々増加しており、政令指定都市の中で最も多く、平成26年度では4,554件となっている。
よって国におかれては、同プロジェクトで示された施策の方向性を踏まえ、児童虐待発生予防から発生時の迅速かつ的確な対応、自立支援に至るまでの一連の対策強化のため、早期に児童福祉法等改正案を国会に提出するとともに、下記の事項について速やかに実施するよう強く要望する。
記
- 児童虐待の発生を予防し、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を実現するため、「子育て世代包括支援センター」を法定化し、全国展開を図ること。
- 児童相談所全国共通ダイヤル「189」の更なる周知を図るとともに、児童相談所につながるまでに数分かかっている実態を早急に改善し、通告しやすい体制を整えること。また、通告に対し、緊急性の判断や関係機関との連携を的確に行える体制整備にも努めること。
- 児童虐待が発生した場合、迅速かつ的確な初期対応が行われるよう、児童相談所の体制や専門性を抜本的に強化すること。特に児童福祉司、児童心理司、保健師等の職員配置を充実させるとともに、子どもの権利を擁護する観点から弁護士の活用等を積極的に図ること。
- 学校園・保育所や医療機関、警察等における早期発見と適切な対応を図るため、児童相談所と関係機関との間における緊密な連携体制を再構築すること。特に、警察と児童相談所においては、虐待の通告を受けた場合、虐待の有無にかかわらず、情報共有を図ること。また、一時保護等において警察と児童相談所が共同対応する仕組みを全国で構築すること。
- 一時保護所について、環境改善を早急に図るとともに、量的拡大を図ること。また、里親委託や養子縁組を推進し、家庭的養護のもとで子どもたちが安心して養育される環境を整えること。
- 被虐待児童について、18歳を超えても引き続き自立支援が受けられるようにするとともに、施設退所後や里親委託解除後の児童等に対しきめ細かなアフターケア事業を全国で実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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