看護職員の事務作業の効率化のための制度改善を求める意見書
2024年12月3日
ページ番号:390913
平成29年2月14日可決
衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
厚生労働大臣 各あて
我が国では、世界に例のない超高齢社会をむかえようとしている。
特に、がん、心疾患、脳卒中などの生活習慣病や認知症を抱える高齢者が増加し、医療や介護の需要が爆発的に増大することが予想されている。
このような状況に対応するため、医師、看護職員などの医療に携わる専門職は、国民の生命、健康、生活を支えるという使命感をもって医療・介護に取り組まなければならない。
一方で、医師、看護職員は患者の診療にあたり、法令等に基づき、診療内容や指導内容を記録することが義務付けられている。その結果「医師が診察時にコンピューターの端末ばかり見て患者の顔を見ない」と言われる状況があるが、医師の負担は、医師事務作業補助者を置くことが診療報酬上も評価されるようになったことから、減少しつつある。
また、看護職員においても、看護記録だけでなく、入院時、手術・検査時に必要な同意書・説明書の確認等、事務的な作業が増加し、業務がより多忙になっている。
厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会の診療報酬改定結果検証部会が平成26年度に実施した「チーム医療の推進等を含む医療従事者の負担軽減措置の実施状況調査」報告では、看護職員の負担軽減策として、病棟クラークの配置、薬剤師の病棟配置、MSW(医療ソーシャルワーカー)との業務分担等が挙げられており、業務分担の推進は着実に進められている。
平成28年度診療報酬改定では、看護職員が専門性の高い業務に、より集中することができるよう、病棟内において、看護職員が行う書類・伝票の整理・作成の代行、診療録の準備等の事務作業を行う看護補助者の病棟配置が認められた。
しかし、患者が入院し、退院される一連の経過の中で、多岐にわたる書類作成が必要になっていること自体を根本的に見直す必要がある。これは制度的な問題である。
よって国におかれては、国民の生命、健康、生活を支える看護職員の使命に鑑み、書類の簡素化など事務作業の効率化につながる制度改善を図られたい。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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